2006年 09月 22日
平成17年度日本○イン○リニック○会:認○医試験問題およぴ模範解答例(Pain Clinic 2006.5) 記述問題の解答例 1)腰部神経根症(L5)の原因疾患、症状、理学所見、検査、治療について述べよ。 理学所見は、知覚、筋力、反射について述べよ。 ①原因疾患は、椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、脊柱管狭窄症、脊椎骨折、脊椎腫瘍、代謝性骨疾患(骨粗しょう症、パジェット病)、椎弓切除後症候群、感染などである。 ②症状は、L5神経支配領域に沿った下肢の痛みとしびれ感である。痛みの性質は、突き刺す、撃つ、焼ける、鋭いといったものである。痛みは、体動で増強する。臀部や腰背部にも痛みが現れ、腰背部に筋攣縮を伴うことがある。 ③理学所見として知覚低下、筋力低下、反射減弱がみられることがある。下肢伸展挙上テストが陽性に出ることがある。 i)浅腓骨神経の支配領域である下腿外側と足背に知覚低下がみられる。 ④検査として,画像診断、血液検査、生理学的検査がある。治療を兼ねた選択的神経根ブロックも診断に有用である。画像診断には、MRI、CT、脊髄造影、骨スキャン、単純X線写真が利用され、椎間孔の狭小化、骨煉形成、ヘルニア、腫瘍などを形態学的に明らかにすることができる。血液検査として血球数計測、赤血球沈降速度(ESR)、生化学検査がある。白血球増多は、感染を疑わせる。ESR亢進やCRP高値は、炎症の存在を示すものであり、感染、リウマチ性疾患、悪性腫瘍などを疑わせる。ALP高値は、骨芽細胞の活動亢進を示すものであり、骨粗しょう症、Paget病、転移性骨腫瘍などを疑わせる。生理学的検査には、筋電図が利用される。神経根症では、罹患神経の支配筋に陽性波や線維性攣縮が出現する。 ⑤治療には、保存的治療と外科治療が考えられる。脊椎腫瘍や代謝性骨疾患では、原疾患に対する治療も必要である。保存的治療には安静、理学療法(温熱療法、マッサージなど)、薬物(非ステロイド抗炎症薬、筋弛緩薬、抗うつ薬など)、神経ブロックがある。局所麻酔薬とステロイドを用いた硬膜外ブロックや神経根ブロックが有用である。保存的治療で痛みが軽減しなければ、外科治療を考慮する。 神経根症という概念についてどう思いますか?それは「疼痛性疾患」なのか「麻痺性疾患」なのか。疼痛とは痛覚神経が激しく脱分極・再分極を繰り返しているということで、麻痺とは脱分極が起こらないことです。この相反する現象が同時に起きているということなのでしょうか? 疼痛性疾患ならば、痛みのメカニズムをどう説明するのでしょうか? 麻痺性疾患ならば、絞扼性神経障害ということでしょうか?そうならば保存的治療で治癒するようには思えません。 下肢伸展挙上テスト(SLR)を行い、神経根刺激症状をみる。・・・・理解できない。正常な神経を牽引しても痛みは生じません。 この神経根症という「空想上の概念」がなければどれだけ簡単に治療が進むことでしょうか。
by junk_2004jp
| 2006-09-22 15:33
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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