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心療整形外科

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2006年 09月 25日

医師の診断能力は?

Aさん(70歳代、女性)は8ヶ月前のある日急にに左下肢が動かなくなりました。その数日前よりしびれを感じていて不思議だなと思っていたそうです。

B病院を受診しMRIなどの検査をうけ「第5腰椎すべり症、脊柱管狭窄症」ということで、手術をすすめられましたが拒否しました。硬膜外注射や点滴を受けしばらくで歩行が可能となりました。

しかし、腰痛、膝痛、下腿のしびれが続きました。人のすすめでC病院へかえて通院しましたがさほど効果がありませんでした。

Aさんは以前に当院に通院していたことがあり気軽に話せる関係にありましたので、

「Aさん、ずばり言うよ!」「ずばり言ってください。」「あんたの症状は足がたたなくなったのも含めて全部これだわ。」といって「体に表れる心の病気」 という本を差し出しました。(この本はこのようなときに便利なのです^^)

医師の診断能力は?_b0052170_22324796.jpg


以外にもAさんは「実は私のそう思ってるんや。」とおっしゃいました。

Aさんの希望がありましたのでレントゲンを撮りました。「レントゲンは特に心配する病変がないですよ。ストレスからきているのだから必ず治りますよ。手術せんでよかったな。」

医師の診断能力は?_b0052170_22352962.jpg



いつものようにトリガーポイントブロックをしてレーザーをあてて、しばらくAさんのグチを聞いてやりました。

「どうや、少し楽になったか?」「気のせいか少し軽くなりました。」「眠れるの?」「眠れないんです」眠剤を処方しました。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_321.htm

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後から診る医師のほうが経過が分かるので有利なのは確かです。

最初に診た医師は腰での神経障害による麻痺だと診たのでしょう。このとき、「このままでは歩けなくなる。」というような脅しがあれば、患者さんは手術に踏み切ったかもしれません。

手術しなくても治ったのですから、手術しても治ることでしょう。このとき、医師も患者さんも「やはり、腰で神経が圧迫していたためだ。」思い込んでしまうことでしょう。一度思いこんでしまうと修正困難になるものです。脊柱管狭窄症で下肢が麻痺してしまった症例をみたことがあるということになってしまいます。

このようなことが教育的な立場にある病院で行われているとすればどう思いますか?

by junk_2004jp | 2006-09-25 22:45 | 症例


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