心療整形外科

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2006年 10月 31日

痛みの分類

痛みの生理学者は「急性痛」「慢性痛(症)」と分類している。

体のどの部分でも理屈は等しいのだ。腰痛にいえることは頚痛、膝痛、下肢痛、背部痛、上肢痛、顎痛、肩痛などどこでも通用すべきことなのだ。

「膝から下に痛みを伴う腰痛を特異的腰痛という」「下肢に痛みを伴う腰痛を特異的腰痛という」

学者によって表現は違うがこのようにいわれることがある。それ以外の腰痛を非特異的というのだそうだ。これは全くいただけない。では「尻」は下肢にはいるのかどうかという疑問がでてくる。体をどこかで線引きして痛みを語るのはナンセンスだ。

同じ理屈で、上肢に痛みを伴う頚部痛を特異的頚部痛、肘から先に痛みを伴う頚部痛を特異的頚部痛というのだろうか。

眼鏡をかけても見えにくい:X線所見と非特異的腰痛の因果関係

この文献に書かれていることが正解だと思う。
一方、「特異的」腰痛の原因究明においては、X線は依然として大きな役割を果たしていることを忘れてはならない。臨床医が腰痛の原因として、骨折、悪性腫瘍、感染など、重大な原因を疑った場合、画像検査法としてX線を選択することが多い。

つまり、特異的というのは体に線引きしてきめるのではなくて、病因によって決めることだと思う。

根性痛という概念をもっているとどうしても線引きしたくなるのだろうと思う。臀筋の関連痛が下肢に及ぶことは普通のことで、その関連痛の中に新たにサテライトトリガーポイントができるのも普通にみられることなのだ。

とにかく腰痛だけを特別扱いにする理由はなにもないのであって、「特異的膝痛」「特異的肩痛」などについても同じように回答できなくてはいけない。

_________________________

臨床的には「急性痛」「慢性痛(症)」と分類して治療にあたるべきだというのが、生理学者の共通した見解のようだ。

http://www.aichi-med-u.ac.jp/itamiken/abst.html#abst14-01
急性痛は痛覚受容器の興奮、つまり侵害受容性疼痛で、特異的な病因がなければ痛みの治療に専念し、慢性痛になるのを防ぐ。特異的病因が存在するのなら、痛みの治療と併せおこなう。

慢性痛(症)には2つあって①急性痛が慢性化したものと②神経の損傷にともなうもの=神経因性疼痛=CRPSタイプⅡ=帯状疱疹後神経痛、幻肢痛など

慢性痛(症)はいまのところ決め手となる薬剤はないが、抗うつ薬が選択枝としてある。慢性痛(症)は痛みの記憶と関係しているので認知行動療法。
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by junk_2004jp | 2006-10-31 12:04 | 痛みの生理学 | Comments(5)
Commented by TEPCP at 2006-10-31 14:20 x
神経因性疼痛は慢性痛なんですね。それと神経の可塑的変容による慢性痛があると。

ということは慢性痛は侵害受容性疼痛より心因性と捉えたほうがいいのかな。でもTPの概念はどうしよう。。
Commented by junk_2004jp at 2006-10-31 15:14
心因性というよりやはり侵害受容性疼痛といったほうが無難だと思いますが。トリガーポイントブロックは、慢性痛でも効果はあります。ただし急性痛ほど劇的には行かないことが多いようです。

認知行動療法の足がかり、あるいはnarrative based medicine的な役割になると思っています。
Commented by junk_2004jp at 2006-10-31 15:44
注目したいのは、痛みの生理学者の話には、根性疼痛という概念が全く出てこないということです。

熊澤先生は急性痛は痛覚受容器の興奮によると言い切っています。それは当然のことです。

そして慢性痛は①急性痛が長引いたものと②神経因性疼痛があるということです。
Commented by TEPCO at 2006-10-31 20:02 x
>痛みの生理学者の話には、根性疼痛という概念が全く出てこないということです

なぜ科学に立脚しているはずの医学が「根性疼痛」なんて概念を独自に生み出したのでしょう?その背景には何か治療する上で必要な概念だったのですか?自分で自分の首を絞めているような概念ですねw
Commented by junk_2004jp at 2006-10-31 20:14
根性疼痛という概念さえなければどれだけ医療費がうき、無駄な治療をせずに助かる人がいることでしょうか。



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