2006年 11月 02日
急性痛は痛覚受容器の興奮によるもので、今の医学でそれに対応できる。局所麻酔と消炎鎮痛剤が武器となる。 一方、慢性痛(症)になってしまったものは抗うつ薬が効果があるというエビデンスがあるが、なかなか難しいものだ。 「痛みのケア」のなかに「慢性の腰痛や頭痛は侵害受容性疼痛か?」というところがある。 これは難しい問題である。慢性の腰痛や頭痛は、一般に消炎鎮痛薬や麻薬性鎮痛薬の効果はよくない。・・・・・・・ とにかく急性痛の間に痛みをやっつけてやればよいことにかわりはない。しかし、現状の整形外科的な診断では、まるで慢性痛(症)を製造しているかのようだ。 「これは一生治らない。今、症状が軽いのは運が良いから。これ以上悪化させないためにも安静にしておくように。安静にしておけば神経の炎症も治まって、症状は多少軽くなるかもしれない。」(掲示板より)こんなこといわれりゃ、たいていのものは慢性痛(症)になってしまいますね。 そして検査、検査、神経根ブロック、硬膜外留置、・・・・手術、再手術、固定術、癒着の剥離術・・・。 最初にバケツ一杯の水で消火できたものを、医者が火の手を大きくしておいててんやわんやの大騒ぎ。 医療費の多くはMRIや手術機械へと消えていくのだろう。医者も患者も幸せにならない。 一晩あけたら慢性痛(症)になっていたというようなものでもないだろうから、その線引きは漠然としたものなのだろう。慢性痛の急性再燃もあるだろう。最初から慢性痛のような急性痛もあるのだろう。中井吉英教授(関西医科大)は急性期慢性痛というような言い方をしている。 長い経過の痛みでも筋硬結がよくふれるようなタイプはトリガーポイントブロックによく反応してくれるものだ。なんとなく感触で「これはよくなる」と分かるものだ。 pHで表すことができれば、pH7がその境目なら、6.5の慢性痛もあれば、2.0の慢性痛もある。 慢性痛(症)に苦しんでいらっしゃる人は多いと思う。この方面の研究に期待したい。慢性痛(症)を作らない努力もしたい。
by junk_2004jp
| 2006-11-02 01:26
| 痛みの生理学
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