2006年 11月 05日
掲示板より、Aさん(25歳、男性)
Aさんを診察しました。 図のようなところにだけ痛みがあります。どうも深部筋のような感じです。前屈がうまくできません。30分ほどの立位がつらい。 心療内科医は「ヘルニアの痛み」がストレスのもとだと思っています。無理もないことでしょう。 全国どこでもこんな診療をしているのでしょうか。25歳の男性が腰痛を訴えて来院したときにレントゲンを撮り、異常が無いときは念のためにMRIをとるのでしょうか。 それでたまたまヘルニアが見つかったら「これは一生治らない。今、症状が軽いのは運が良いから。これ以上悪化させないためにも安静にしておくように。安静にしておけば神経の炎症も治まって、症状は多少軽くなるかもしれない。」「手術するにしても腰痛のみで下肢症状が全く無かったため、良くなる保障は無い」 いったいどうすればいいというのでしょうか。Aさんは落ち込んで、動作恐怖になってしまっています。Aさんの受診した病院はヘルニア治療で有名な病院らしいのです。 ヘルニアの有無といまの症状は無関係です。このような診療が繰り返されれば、「ヘルニア列島」になってしまいますよ。 http://www.geocities.jp/vvdp_qbvv/ 公的キャンペーン ○腰痛に屈するな..。: Back Pain: Don't Take It Lying Down... ○"Working Backs Scotland":腰痛の考え方を変えて、その影響を軽減" いくつか国々では損傷モデルからゆっくりと脱却している。しかし米国では今も腰痛に関する時代遅れの考え方から抜け出せずにいる。先へ進むべき時である。 “70年間、我々は腰の「損傷」の概念と共に生きてきた。これ以上正当化するには欠陥がありすぎる。さらに、これは医原性である。これ以上研究を行う必要はない。その論理構成は、時を経て役に立たなくなってしまった”と、Hadler博士は述べている。 _______________________________________________________ http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/325/7363/534 Effects of confrontation or avoidance of pain on outcome of episode of low back pain: fear of movement and re-injury can determine how some people recover from back pain while others develop chronic pain and disability 腰痛に対して、立ち向かうのか、避けるのか、その効果は:動くことを怖がらず、再びケガをするのではないかなどと心配しなければ、慢性腰痛にならないで腰痛から立ち直ることができます。
by junk_2004jp
| 2006-11-05 01:53
| ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾
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