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心療整形外科

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2006年 11月 27日

MPSとヘルニア

私は整体師なのですが、先生のMPSという理論を拝見して心強く思っております。しかし、一つ疑問があるのですが、ヘルニアで手術をして治った場合、どう説明するのでしょうか?ヘルニアが原因の下肢痛もあるということでしょうか?

神経が圧迫されたり、炎症がおきたりすると痛みが生じるという生理学的根拠はありません。痛みの生理学の第一人者Patrick Wallも著書でいっています。「ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。椎間板ヘルニア溶解術のプラシーボ対称試験のため、全身麻酔下に特に害のない液を注入したところ、その後の回復率が非常に高かった。」

整体師ならおわかりと思いますが、「ヘルニアといわれている人」も、臀部や下肢にtaut bandがふれますし、筋硬結があります。

http://saveyourself.ca/articles/low-back-pain.php
Modern civilization suffers from a great plague of low back pain. Most of that pain is caused by muscle. This includes many cases of back pain assumed to have a more serious structural cause, such as a herniated disk or spondylolisthesis.

腰痛の原因のほとんどは筋肉にある。これは、ヘルニアや腰椎すべり症といった構造的原因とみなされている多くのケースも当然含まれている。

五十肩の人の痛みとよく似ていると思いませんか。筋肉のさわった感じは同じではないですか。MPSは私が言っている理論ではないですよw。

手術をしてよくなる人もいれば、よくならない人もいます。再手術をする人もかなりいるそうです。どんな治療をしても5年後は差がないとも言われています。

痛みの本態はMPSだと確信しています。MPSの治療において最もダメなのは安静臥床です。慢性疼痛に対する認知行動療法という概念が言われるようになってだいぶたちますが、ヘルニアによる慢性疼痛は除外するとか、すべり症による慢性疼痛は除外するといった除外項目は付いていません。構造破綻が原因とする時代は過ぎようとしています。

MPSは不安や抑うつを合併することが多いものです。不安を取り除き、筋緊張を緩和してやれば治ります。その方法はなんでもいいのです。もちろん手術でもいいのです。

あと、すべり症による脊柱管狭窄症の場合、MPSの理論はあてはまらないような気がするのですが、いかがでしょうか?

なぜそう思うのですか?MPSなら、構造が何であれMPSです。MPSの診断に構造を診る必要はありません。

MPSの診断にはレントゲンやMRIは必要ないのです。MPSと診断したあとでレントゲンをとってすべり症があったとしてもMPSの診断が覆るものではありません。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_278.htm

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_119.htm

症状のないすべり症をみることはめずらしくありません。たまたま梨状筋の筋筋膜性疼痛症候群の患者さんのレントゲンを撮ったら、すべり症があると、すべり症と関連付けられ悲劇が始まるわけです。

MPSは画像がなくても触診と問診で診断できます。画像診断よりも上位にあります。MPSと診断したならMPSの治療をすればよいのです。

画像診断は悪性腫瘍や感染症や骨折の有無の診断には有用です。
MPSとヘルニア_b0052170_20424465.jpg


by junk_2004jp | 2006-11-27 20:33 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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