2007年 02月 20日

腰痛の新しい常識(R.A.デーヨ)

デーヨ先生の印象深い論文「腰痛の新しい常識」が発表されたのは1998年8月
SCIENTIFIC AMERICANだからもう8年半になる。

先日、患者さんから、日経サイエンス1998年11月号に載っているものを見せていただいた。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_605.htm

デーヨ先生は、一般内科医であり、シアトルにあるワシントン大学の内科とヘルスサービスの教授である。

ヒーリング・バックペインの著者、サーノ先生はニューヨーク医科大学臨床リハビリテーション医学科教授である。

最近の腰痛に関する画期的な考え方は整形外科医以外からもたらされる傾向があるようだ。

デーヨ先生の論文は読んでいただければ分かるが、画像診断(構造)がいかに痛みと関係ないかということが書かれている。これはもう新しい常識とは言えない。しかし、私達の掲示板では相変わらず、構造的欠陥を指摘されどうしたらよいかという質問が多い。

「中東のオマーンでも腰痛はありふれているが、1986年の厚生大臣への報告書によると西洋医学が導入されるまでは、腰痛によって仕事ができなくなるようなことはまれだった。」
これはデーヨ先生の論文に書かれていたのだが、西洋医学が失敗だったということだ。

痛みは構造的破綻が原因でなくて、心理・社会的要素を多分に含む「筋痛症」ととらえるべきと思う。

筋筋膜痛症候群の診断基準 (Simons,1990)には画像所見は含まれていない。

●大基準

・局所的な疼痛の訴え
・筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感
・触れやすい筋肉での索状硬結の触知
・索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在
・測定可能な部位では、可動域のある程度の制限

●小基準

・圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する
・圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで
 得られる局所的ひきつり反応
・筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する
_________________
診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用

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by junk_2004jp | 2007-02-20 18:33 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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