心療整形外科

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2007年 06月 10日

筋・筋膜性疼痛症候群を患っている人たちはこれまでずっと辛い人生を送ってきた。

頚痛、腰痛、四肢のしびれや痛みについて背骨屋の矛盾に満ちた理論は多くの人に多大な迷惑をかけてきた。非特異的腰痛とかnerve root painとか・・

器質的異常とか心因性とかも誤解されている。「ヘルニア、分離症、脊柱管狭窄症があるから器質因だ、それらがない場合は心因だ」このように思っているのではないか。

器質的痛みなんてない。ある意味、すべての痛みが心因なのだ。心因では誤解が生じるだろうから、いいかえれば機能因なのだ。

痛みと構造は別物だよ。リンクさせないこと。構造の治療が必要ならば、痛みの治療と構造の治療の2本立てなんだ。多くの場合、痛みの治療だけをすればいいのだ。

痛みの治療はしないほうがよいという一部のかたよった意見もあるが、ではそちらのほうがよいという証拠もないので、患者さんに判断してもらおう。

復習
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_529.htm

筋・筋膜性疼痛症候群を患っている人たちはこれまでずっと辛い人生を送ってきた。医者に診せても、そもそも診察する医師の大半が慢性の筋・筋膜痛(chronic myofascial pain=CMP)の「存在を信じていない」のである。問題は、この症状に関して、科学的に信頼できるわかりやすい原因が明らかになっていないこと、診断基準が正式に認定されていないことだった。そのせいで、医師やセラピストのトレーニングが行なわれることもなかった。保険会社や社会保障庁の存在が患者たちの暮らしをさらに辛いものにした。しかし、今これが変わろうとしている。

議論の余地のない事実が明らかになったのである。トリガーポイントによって引き起こされる筋・筋膜性疼痛が本物の病気であることがついに立証された。トリガーポイントの発生原因、その正体、痛みやその他の症状を発生させるプロセスの多くが明らかになった。なぜ索状組織が緊張して筋肉を収縮させるのか、筋肉が堅くなるとなぜ痛みが発生するのかが明らかになった。

筋・筋膜のトリガーポイントは酸欠になった部位である。そうした部位はエネルギーを大幅に必要とするようになる。この部分的なエネルギー危機によって神経反応を起こす生化学物質が放出されると、その生化学物質は周辺の神経を感作する。感作された神経は、中枢神経系に作用することで、筋・筋膜のトリガーポイントの運動神経、知覚神経、自律神経に影響を与え始める。トリガーポイントのある筋肉は、常にエネルギー危機状態にある。

筋・筋膜のトリガーポイントは、電気生理学的には、特有の自発的電気活性によって特定し、立証することができる。組織学的には(細胞の構造が変化するという意味では)、筋硬結、いわば「しこりや腫れ」によって見わけられると言えるのではないだろうか?こうした現象はいずれも、神経伝達物質アセチルコリン(ACh)が運動神経終板(複雑な神経末端形成)から放出されすぎたときに発生するようだ。

現在では、筋・筋膜のトリガーポイントは筋電図によって客観的に確認されている。また、超音波画像診断ではトリガーポイントの局部的なひきつりを、生検では筋硬結や丸くなった大きな筋線維を確認することもできる。以下の論文によれば、「筋・筋膜トリガーポイント特有の神経終板の機能異常には、神経終末と接合後部の筋繊維の双方が関わっている。この関係から、筋・筋膜のトリガーポイントは神経筋疾患であると認められる」(Simons DG. 1999.「トリガーポイントによる筋・筋膜性疼痛の診断基準」J Musculoskeletal Pain 7(1-2):111-120.)。

筋・筋膜のトリガーポイントは必ず緊張した索状組織に見つかり、こうした索状組織は、組織学的には、異常な神経終板に神経伝達物質アセチルコリン(ACh)が過度に放出されて発生する筋硬結と関わっている。トリガーポイントの発症機序には、神経終末の重大な障害と、機能不全に陥った多数の神経終板における収縮のメカニズムが関係しているようだ。ホン博士は、線維筋痛の圧痛点に関する理論もまとめている(Hong, C-Z. 1999.「筋・筋膜のトリガーポイントに関する最新研究――病態生理学的研究」 J Musculoskeletal Pain 7(1-2):121-129.)。

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by junk_2004jp | 2007-06-10 07:28 | 慢性痛 | Comments(7)
Commented by TEPCO at 2007-06-11 00:46 x
先生、これってどうなんでしょう?ヘルニアの場合、神経根(末梢神経)を
圧迫することで、以下の自発性興奮が生理的に生じるというものです。

神経根が圧迫されると、神経線維が脱髄する。
脱髄部位に、エファプス伝達が生じる。
触刺激による触覚線維の興奮が、エファプスにより痛覚線維を興奮させると、痛みが生じる。
Commented by junk_2004jp at 2007-06-11 01:10
ヘルニアって脱髄性疾患ですか?やばいですね。
すぐに除去しなくては。
Commented by TEPCO at 2007-06-11 01:17 x
>ヘルニアって脱髄性疾患

その可能性もないのではないかと思えてきました。やばいですかね?w
でも持続的圧迫により、脱髄がおきる事はありえることなんですよね?
Commented by junk_2004jp at 2007-06-11 01:26
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_160.htm

それはあるかもしれないけど、もしそうなら、神経因性疼痛で、消炎鎮痛剤は効きませんし、牽引などしている場合ではありません。

手術をしても脱髄部のエファプスが治るわけでもありませんね。

臨床症状も違うと思います。
Commented by TEPCO at 2007-06-11 01:43 x
>消炎鎮痛剤は効きませんし、牽引などしている場合ではありません。

そうか~、どのみち矛盾があるわけですね。
Commented by junk_2004jp at 2007-06-11 01:51
もしそうなら、起電部位はヘルニアのところ。

臀部や下肢の筋硬結や圧痛点は矛盾します。

だから、Patrick Wall(ゲート・コントロールセオリーで著名な生理学者)が言っています。

この割合(椎間板ヘルニアの手術)は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。

椎間板ヘルニアの手術は70年以上もの間行なわれてきた。もてはやされたこともあったが、疑問が増し続けている。ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。

Commented by TEPCO at 2007-06-11 11:29 x
臨床的に、圧迫により脱髄が起こるケースはあまり見られないわけですよね?


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