2007年 06月 15日

器質的疼痛、心因性疼痛という誤解

「ヘルニアがあるから器質的疼痛なのだ」
「脊柱管狭窄、すべり、分離・・・などがあるから器質的疼痛なのだ」
「ヘルニアを取ってしまったのに痛みが続いているのは心因性疼痛なのだ」
「手術をして異常を治したのに痛みが続いているのは心因性疼痛なのだ」
「なにも異常が見つからなかったのだから心因性疼痛なのだ」
「抗うつ薬がきいたのだから心因性疼痛なのだ」


たぶんこのように理解している医師が多いのだろうと思う。これは間違いだ。そもそも「器質的疼痛」「心因性疼痛」という言葉からしてまずいと思う。

痛みとは電気現象。細胞の脱分極、再分極の繰り返しだ。つまりエネルギーなのだ。器質がエネルギーをもつはずがない。

つまり痛みは電気因なのだ。言い換えれば機能因。痛み=機能性疼痛。

たとえ外力が引き金であったとしても外力が長く続いているわけでもないから、痛みは外力が引き金となった機能性疼痛なのだ。

激しい情動が引き金となった痛みも機能性疼痛。

痛みを伴うことのある器質的な異常として「損傷」「悪性腫瘍」「感染症」があり、痛みとは別個のことなのだ。

痛みの電気現象が一度生じると自動的にくり返されることがある。その結果、筋肉は硬く短縮し、神経系は可塑的変化を呈する。

痛みの電気現象を止める薬剤として局所麻酔、消炎鎮痛剤、抗うつ薬(疼痛抑制系の賦活)などがある。

痛みという電気現象を止めるのに構造を変化させる(手術)ということはプラセボと言わざるをえない。
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by junk_2004jp | 2007-06-15 01:19 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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