心療整形外科

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2007年 07月 04日

痛みやしびれ(知覚異常)は神経症状ではありません

経口プロスタグランジンE1誘導体製剤に頸椎疾患の神経症状改善の可能性
腰部脊柱管狭窄症の治療に用いられる経口プロスタグランジンE1誘導体製剤(PGE1誘導体製剤)は、下肢のしびれや疼痛などの神経血流改善作用が評価されてきた。この神経血流改善作用に注目した久留米大学医学部整形外科准教授の佐藤公昭氏らは、頸椎症6例、頸部脊髄症28例、頸部神経根症21例の計55例(男性40例、女性15例)を対象に、PGE1誘導体製剤による頸椎疾患に伴う神経症状の改善効果について検討を行い、6月6日に開催された第44回日本リハビリテーション医学会学術集会で報告した。

報告によると、上肢痛と下肢のしびれはPGE1誘導体製剤(15μg/日)投与2週目から有意にVisual Analogue Scale(VAS)の改善を示し、上肢のしびれと頸部痛については4週目から改善した(図1参照)。

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PGE1誘導体製剤の頸椎疾患の神経症状に対する治療効果の検討はこれまでに報告数が少ないことから、さらなる検討によりPGE1誘導体製剤の有用性の検証が望まれる。


この文献のように痛みやしびれを神経症状としてあつかっているものを見かけるがこれは間違いではないか。

痛みの定義:不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

しびれはジンジンなどの知覚異常をいうときと、知覚鈍麻~知覚脱失をいうときがあるのでややこしいが、後者は神経症状のときがあるが前者はちがう。

神経症状とは、神経脱落症状=神経麻痺症状(運動神経麻痺、知覚神経麻痺)のことで、痛みやジンジンなどのしびれは神経症状とはいわない。

このように見ていくと上記の文献は意味がよく分からないわけだ。PGE1誘導体製剤が痛みやしびれという自覚症状に効くということはわかったが・・・・。
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by junk_2004jp | 2007-07-04 18:46 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(7)
Commented by TEPCO at 2007-07-04 23:50 x
先生、やはり腓骨神経麻痺でした。
でも少し背屈できるようになってきているようです。
感覚も徐々にではありますが、戻ってきているみたいです。
結構早く回復してきているようなので、よかったです。
Commented by junk_2004jp at 2007-07-05 04:30
>それ以降、歩くと右足だけペタペタするらしいです。

この表現が神経症状を思わせるヒントでした。

聞き込みだけで神経症状かどうかはある程度判断できるものです。
(なにしろ私は30年のベテラン刑事)

足を背屈する力が低下している(できない)のです。=下垂足

一方、ヘルニア患者がこのように表現するのを聞いたことはありません。

ヘルニアのときにいわれる足の背屈力低下は神経症状ではなくて「筋痛」のための症状です。

筋力低下でも「神経原性」なのか「筋原性」なのかが問題なのです。ぺたぺたというような表現は神経症状を思わせるのです。
Commented by sansetu at 2007-07-05 08:38
先日、腰痛で、自動診(患者自身の動作)に明らかに異常があるのに、本人は「動かしても痛みはありません」という例がありました。
無意識に動作を制限しているようで、痛む患部の筋を伸展屈曲せず、他の関節を使って器用に無意識的に代償動作をしているわけです。
これを足関節でやられると一見神経麻痺に見えますが、実体は筋痛なんですね。
ところで神経原性の場合、明確なTPがないとか、他動診の痛みがないとかが考えられますが、打診というのは役に立つのでしょうか。
Commented by junk_2004jp at 2007-07-05 12:35
腱反射は左右差が問題ですが、明らかな亢進(中枢神経症状)以外はあてになりませんね。
Commented by sansetu at 2007-07-05 14:17
ありがとうございました。
以前は打診もよくやっていたのですが、たしかに「あてにならない」んです。健康者の腱反射低下など、日常的にみられましたから。
Commented by みんみ at 2007-07-06 22:51 x
お久しぶりです。

>足を背屈する力が低下している(できない)のです。=下垂足

ひょっとして私もそうなのでしょうか?
先生も診察時ご指摘されましたが、特にスリッパをはいたとき
「パタ ズル パタ ズル」って感じで歩き、時々脱げてしまいます。

最近、うるさいせいかよく振り返られるのですよねぇ。
努力してみましたがやっぱり足音がしてしまう。

神経の回復には時間がかかるのはわかりました。
ただ、ダメージをうけた以外の部分でうまく補うことはできないものでしょうか?
つま先を上にあげるように意識して歩けばいいのかな??
Commented by junk_2004jp at 2007-07-06 23:04
こんにちは、お久しぶりです。

みんみさんはたぶん、頚部脊髄症だったのでしょう。それで手術されたのだろうと思います。若いのにめずらしいことです。

しかし、ほんのわずか脊髄の麻痺症状が残っています。その脊髄症状がどのように改善するのかしないのかはわかりません。

今の頚部痛はそれとは別問題の筋痛症だろうと思います。


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