ヘルニアの手術をしてよくならなかったとき(症状が残ったとき)しばしば言われる言い訳は「癒着がひどかった」というのがあるが、これは本当か?癒着というのは時間がたつほどひどくなるとすれば、早く手術を勧めるべきだが。
疼痛性側彎は腰のときはしばしばヘルニアとの関係をいわれるが、頚のヘルニアのときは言われない。なぜか?
手術してすぐによくなったということをしばしば聞くが、神経が圧迫されていたためならすぐによくなるというのも不思議な話だ。
全身麻酔で手術した場合、1時間ほど深い眠りで、ミオブロックやサクシンなどの筋弛緩剤を使用することが多いと思うが、それらの効果を無視して手術の効果を判断するのはいかがなものか。というのは硬膜外ブロック(持続性)でよくなる症例もあるが、これも言ってみれば麻酔効果によるものだから。
私が医師になったころ、「坐骨神経伸展術」「変形徒手矯正術」「腰牽引」というものがあった。「腰牽引」はいまでも定番の治療法になっているが。「坐骨神経伸展術」は足首にロープを付けて滑車を利用して手で引っ張って下肢を上げる(ラセーグテストの動作)。変形徒手矯正術は整体のようなことで、曲がった腰をもんだりひっぱったり押したりして真っ直ぐにすることである。いずれもそれなりの効果があったのだろうがいつのまにかなくなってしまった。神経圧迫除去というよりかmyalgiaのストレッチの効果があったのだろう。
神経圧迫のヘルニアが原因で身体障害者になったという話は聞いたことがない。