2007年 08月 08日

看病していた義母の死後、歩行困難となる

Aさんは看病していた義母の死後、急に腰~下肢にかけて痛みがでてわずかな距離しか歩行できなくなりました。

以前は頭痛があったそうですが、今はありません。胃潰瘍の経験もあります。これだけの情報で、もうある程度の診断の目星はついていますね。

いずれもbio-psycho-social medicine(生物・心理・社会的医学)です。

ストレスから解放されたときにどっと症状がでることがあります。

しかし、整形外科を受診すると、中高年者、間歇性跛行→脊柱管狭窄症と判でおしたような診断が下されるものです。

AさんもMRIなどので脊柱管狭窄症を疑う医師やそうでないという医師がいまして、私のところを受診しました。

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図のようにあきらかな索状硬結がふれ、いずれも強い圧痛がありました。うなじのところは今は症状を自覚していません。潜在性トリガーポイントというのでしょうか。これは緊張型頭痛をおこします。

うなじの所の筋痛症を緊張型頭痛、小臀筋の所の筋痛症を坐骨神経痛(ヘルニア、脊柱管狭窄症)などといっているだけなんです。小臀筋の関連痛は下肢全体にひびきますから、何か神経が関係しているような錯覚にとらわれるのです。

Aさんにそれを触って頂き、それが痛みの原因だったことを自覚していただきました。

医師としてはそこに局所麻酔を注射したらどうなるのか是非試してみたい。それは治療行為でもあるが、診断に必要なことなのです(治療的診断)。画像や血液検査など他覚的に判断できない痛みの診断には必要なことなのです。

また、圧痛点に27Gで局所麻酔を注射する行為は安全で副作用の心配もなく、また患者さんはほとんど恐怖を感じませんので敷居の低い医療行為です。

そういうわけでAさんの両方の小臀筋に計8mlの局所麻酔(0.5%メピバカイン)を打ってすぐに歩いてもらいました。前よりもうんと歩行が軽くなりました。

これで診断は確定しました。心理・社会的な要素を多分にもった小臀筋の筋筋膜性疼痛症候群です。

治療はいろいろな方法が考えられますので患者さんの意向などを尊重して行います。

トリガーポイントブロックというのでしょうか?このような注射を。まあどちらでもいいです。

副作用があるとか、効果があまりないとか書いてあるものもありますが、よほど下手な医師なのだと思います。

効かないというのはヒットしていないか、麻酔が効かないタイプなのかです。慢性化したものは脳の大きな責任がでてきますので、これだけではうまくいかないことがありますが、きっかけとしては利用できます。
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by junk_2004jp | 2007-08-08 12:36 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
Commented by TK at 2007-08-08 20:20 x
麻酔薬そのもの副作用が、非常に少ないのは理解してます。
注射による感染症も普通に注意してれば、大丈夫。

では、注射針の打ちすぎの侵襲性はどうでしょうか?
何回まで、OKとは思ってません。
患者の状態を見て判断するものだと思うのですが。

よく、点滴針の刺しすぎで、針が刺さりにくくなったとか。
針を刺す事による侵襲性の問題はどのように判断するのですか?
神経を傷つけないように刺さなければなららないとも聞いております。

尚、鍼灸の鍼の侵襲性は先端が丸いのであまり気にしなくて良いようですね。

>8mlの局所麻酔(0.5%メピバカイン)
カルボカイン 1% max 50ml

そんなに少量で効いちゃうのですね。経済的d(^-^)ネ!
Commented by junk_2004jp at 2007-08-08 20:34
局所麻酔を注射すると、交感神経がブロックされてすごく出血します。だから患者さんは暖かくなったということがあります。

もともと硬結している筋肉ですから、ある程度刺激を加えて再生を期待する。

メピバカイン=カルボカイン  です。カルボカインは商品名

0.5%メピバカインのマックスは100mlです。
Commented by TK at 2007-08-08 20:53 x
先生、有難うございます。

米テレビドラマの『ER』でカーター先生なんか「リドカインをxxCC投与」って言ってますね。
麻酔薬リドカイン→商品名キシロカイン(^-^)

リドカイン
キシロカイン
メピバカイン
カルボカイン
ブピバカイン
マーカイン

そして
コカイン(▼▼メ)

みんな、xxカイン。


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