2007年 10月 12日

膝痛2例

同じような症例が続くことがあるものだ。今日の外来から。

高速道路で反対方向2時間圏からこられた。

1:Aさん(60歳代、女性)

以前より右膝が痛くて通院中。8月X日、台から降りようとしたとき、から足を踏むような格好になったのか急によい方の左膝が痛くなり歩行困難になった。

レントゲン、MRI、血液検査を受けるも特に異常がみられず、こんど関節鏡の検査を受けることになっていた。

現在も歩行困難、夜間は痛みのため睡眠が十分とれない。先週、夫から私に電話あり、「たぶん筋筋膜性疼痛症候群でしょう。」と伝える。

このような仕事を30年もしているので、だいたいのことは聞くだけ判断できる。どのような仕事でもそうだろう。電気屋さん、自動車屋さん、その他、日本の優秀な技術屋さん、職人さんはたいていそうだろうと思う。

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図のような圧痛点があった。内側広筋とハムストリング。トリガーポイントブロック後すぐに症状は軽快して、普通に歩行が可能になった。

レントゲンもMRIも関節鏡もなにもいらない。Tpブロックが治療でもあるが検査でもあるのだ。

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2:Bさん(60歳代、女性)

3年前、転倒、以来、左膝痛になやんでいる。お尻もいたい。

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いろんな治療をやってみたがよくならない。息子さんが私のHPをみて受診をすすめた。最初は注射を嫌われましたが、説得してTpブロックをした。

効果はすぐにでました。

AさんもBさんも内側広筋の筋筋膜性疼痛なのです。筋肉というのはちょっとしたことで始まる硬縮。痛みの悪循環、不安、運動制限、医者の理解不足。

このような治療を何度か繰り返して動いているうちによくなっていくことでしょう。

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このような症例の病名ですが、外傷後にずーっと痛いということで、RSD(反射性交感神経性萎縮症)という病名をつける医師もいるかもしれません。

軟骨の変性がみられるときは変形性膝関節症という病名、関節鏡で半月板の損傷がみつかれば半月板障害・・・・

検査によってなんにも異常がない場合は、身体表現性障害・・・・

いろいろな病名がつけられる可能性が思いうかびます。ただ、筋肉に焦点をあわせた診断はなかなかされないのが現状です。
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by junk_2004jp | 2007-10-12 22:22 | 慢性痛 | Comments(2)
Commented by 元脳外科医 at 2007-10-13 09:28 x
現在、療養型の病院で老人たちを主にみております。最近地域連携パスにより、大腿骨頚部骨折術後2-3週で転院してくる方が増えています。リハビリを続けるわけですが、手術部とは違う膝周辺の痛みを訴えることが多いのに気がつきました。専門外なので断定してはいけないのでしょうが、触ってみると、内側や外側の筋肉の付着部に近い辺りに圧痛(硬結はありません)があり、ご本人もその痛みに近いと答えてくれます。先生のブログにいうMPSではないかと思い、ブロックを提案してみても、今回ブログの患者さんのように、注射はいやだと断られていまだ施行した例はありません。従業員の腰痛、肩痛、頸痛などでは割合よい感触をえているのですが、専門の整形外科医でないのが原因なのでしょうか。先生はどのように患者さんに話されているのでしょうか?リハビリの支障にもなっている方もいるのでなんとかしてやりたいのですが。
Commented by junk_2004jp at 2007-10-13 11:16
27Gの注射針(19mm,38mm)を使っています。

注射を嫌う方は二通りいらっしゃいます。

「痛い、怖い」「注射するほどではない、一時押さえはいやだ、副作用が怖い」などです。

過去に注射で痛い思いをした方。

「予防注射より痛くないですよ。」「もし痛かったらおっしゃってください。すぐにやめます。」「痛みがいつまでも続くのはいやなことですね。」「決して一時押さえではありません。」「リセットするということです。」「筋肉の緊張をとりさります。」「治癒のきっかけになることが多い。」「痛みの検査にもなるのですから、ちょっと協力していただけませんか。」「リハビリの効果があがると思います。」「局所麻酔は最も副作用のない薬です。」「薬の効果が切れたらまた痛みだすわけではありません。」

注射する部位を左の二本の指で強く押さえてするというのもいいでしょう。


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