慢性痛の治療はとても繊細なものです。いつも成功するとは限りませんが。
まずは医師と患者の信頼関係が築かれなければはじまりません。それは画像にも検査データにも反映されるものではないからです。信頼関係を築く努力が必要です。
次にどのへんから突破口をみつけるかです。これは個人差がとてもあるものです。先日紹介した方は操体法というやりかたでよくなるきっかけを見つけました。これが他の人にも通じるかどうかはわかりません。
本を読むだけでよくなる人もいるでしょう。トリガーポイントブロックが突破口になる人もいるでしょう。マッサージ、抗うつ薬、抗不安薬、抗てんかん薬、認知行動療法・・・・
医師はカードを複数もつ必要があります。選択肢が多いほどいろいろな人に対応できるというものです。そういう意味では医療はアートなのでしょう。一つ一つのケースが勉強になります。下記のようなメールをいただくととてもうれしいものです。
加茂先生
X日からの職場復帰に向けて、本日、A医院を訪れ、会社の求める復帰診断書を発行していただいたところです。今回も腰の痛みがすっかりなくなっているのを驚かれていたようで、加茂先生の診療のことを興味深げに尋ねられました。身体を動かすときに腰への気遣いを意識することがだんだんに薄れ、このようになれたこと、尽きぬ感謝の気持ちでいっぱいです。有難うございました。