心療整形外科

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2007年 12月 07日

侵害受容性疼痛

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慢性痛の最初の引き金はA機械的刺激なのかもしれない。

たとえばむち打ちをきっかけとして慢性の痛みになることがあるが、それはあきらかにA機械的刺激が最初にありきである。

機械的刺激は痛覚受容器を活性化する一方、筋肉の微小損傷(伸張性収縮)も引き起こす。これは土砂崩れを想像してほしい。ある程度のものは早く土砂崩れが止まるが、なるべく早く、より少なくと思って介入するのだが、相当なものは介入してもなかなか止まるものではない。筋硬症となって終息するのではないか。そこから、筋肉の再構築の介入が必要なのかもしれない。

筋硬症になってしまった筋肉はそれ自体、痛いわけではないが、痛みに対してリスキーな筋肉になるのであろう。筋肉は短縮して硬く浮腫状態なので、血管を圧迫するので冷たく感じるかもしれない。

ストレスによって痛みがでてくることはよく知られているが、それはB交感神経の緊張による。それは筋硬筋(わけあり筋)に現れるのであろう。この痛みは土砂崩れが起きているのでないから比較的簡単な鎮痛でよくなる。

私達の筋骨格系の痛みのほとんどはこの図で示される。

痛みの引き金がA.機械的刺激→筋肉の微小損傷→筋の攣縮→局所乏血だったのか

B.交感神経緊張→血管収縮→局所乏血だったのか、悪循環を絶つにはどちらでも大差はないわけだ。

この図には脊椎も椎間板も関節軟骨もそういった構造的な要素はない。

介入ポイントは①ポリモーダル侵害受容器②筋肉③血管(交感神経)④脳(副腎)だ。

①②③は近くにある。トリガーポイントブロックはこの3つに作用していると思っている。急性痛で、筋肉の土砂崩れが起こっていない状態のものならば比較的簡単に痛みはとまる。

慢性化したものについては①②③のみならず、④脳への介入も必要となる。薬物は抗不安薬、抗うつ薬、抗てんかん薬だ。薬物以外では認知行動療法、カウンセリング、読書療法、ミーティング、自律訓練法などだ。
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by junk_2004jp | 2007-12-07 08:31 | 痛みの生理学 | Comments(3)
Commented by m_chiro at 2007-12-08 12:43 x
先生、この絵と解説は本当に分かりやすいですね。
痛みのメカニズムが凝縮されている感じです。

>ある程度のものは早く土砂崩れが止まるが、なるべく早く、より少なくと思って介入するのだが、相当なものは介入してもなかなか止まるものではない。筋硬症となって終息するのではないか。

この土砂崩れの喩えにも、うなずいてしまいました。
納得です。
Commented by junk_2004jp at 2007-12-08 14:45
ありがとうございます。
痛みはやはりメカニズムに基づいて説明し治療すべきですね。
Commented by アクビ at 2007-12-10 12:39 x
「わけあり筋」っていうネーミングがなんだか素敵ですね(笑)
私の場合、スポーツによる筋肉の微小損傷(A)と、わけあり筋(B) がなんだかぐちゃぐちゃにこんがらがってわけがわからない状態のような気がします。
順序からいうと、(B)でわけあり筋ができて筋肉が硬い状態のところへ激しいスポーツをかなり集中的にやってしまって(A)も生じてしまった、というところです。
でも、対処方法はさほど変わらないと思ってよいということですね。
最近頭の中が整理できてきて、自分の状態がよく理解できるようになってきました。
いつも詳しい説明をありがとうございます。
頭の整理は、パキシルが効果が出ていることもあるとは思います。


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