心療整形外科

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2007年 12月 25日

仮説(椎間板ヘルニア)

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科学の反証可能性。(宗教は反証できない)

仮説を倒すのは仮説だけである。

我々の常識は仮説にすぎない。


仮説:ヘルニアが神経を圧迫したり、炎症を起こして痛みが生じている。

反証:

①ヘルニアがあっても痛くない人や、デルマトームに一致しない痛みの人が相当いる。
②手術をしてもよくなるとはかぎらない。
③手術をしてもしなくても2年後の成績はかわりがない。
④生理学で神経を圧迫すると痛みが生じるということが言われていない。
⑤ヘルニアを放置したので障害をきたしたという例がない。(馬尾症候群と頚椎の脊髄症は除く)
⑥筋硬結を触知できる。
⑦神経根ブロックが効かないこともある。
⑧圧痛がある。
⑨心理・社会的要因によって痛みが左右される。
⑩慢性痛になることがある。
⑪ラセーグテストが神経圧迫のサインというのはいかにも怪しげ037.gif

仮説:筋肉の強いspasmが痛みの原因である。ヘルニアは筋肉の短縮や疼痛回避動作の結果かもしれない。

このような仮説をたてることによって上記の反証はとりあえずクリアできる。手術後よくなることがあるのは、
全身麻酔によってspasmがおさまったのかもしれない。

どちらの仮説を信じようと自由なのだ。宗教ではないので反証が可能だ。このようにして科学は進歩していくのだろう。

私は当然、spasm説を信じて治療している。こちらの方が費用や危険が伴わないし、治療効果もよいと思っている。
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by junk_2004jp | 2007-12-25 18:32 | 痛みの生理学 | Comments(9)
Commented by 五藤 at 2007-12-25 20:49 x
先生こんばんは。
私もspasm説に一票!
Commented by junk_2004jp at 2007-12-25 21:11
こちらのほうが理論的ですよね。
Commented by 五藤 at 2007-12-26 05:25 x
いつか「昔はそう説明したんだがねぇ。」って言われるようになりますよ。
Commented by sansetu at 2007-12-26 10:08
私もずっと「反証的臨床」をやってきました。この本は私も持っています。
あと一冊。「社会調査のウソ」谷岡一郎著、文春新書。おすすめです。
『世の中に蔓延している「社会調査」の過半数はゴミである。始末の悪いことに、このゴミは参考にされたり引用されることで、新たなゴミを生み出している。』
健康関連の情報もゴミだらけです。結局、科学のウソを見抜くには、自らがまっとうなる科学の目を持つしかないということです。そして、まっとうなる科学の目から整形外科領域を見れば、既に答えは明らかなわけです。
整形外科領域の不幸は、この科学的態度が機能していない医療施設があまりにも多い、ということなのです。
Commented by sansetu at 2007-12-26 10:22
「これまでの御礼」
加茂先生、これまでリンクしていただき、本当にありがとうございました。
私のサイト「鍼灸武芸帳」は12/31に閉じます。来年から新しい活動を始めますので、これまでの知見を整理追加して、サイトも1から作り直したいと思います。その時はまたよろしくお願いいたします。それからたぶん今後は小松へも行きやすい状況になろうかと思っております。加茂先生とケイしゃんと「菊酒」を一献傾けるのが私の夢の1つでありまーす(笑)。
Commented by junk_2004jp at 2007-12-26 13:47
三節さん、新しいサイトを楽しみにしています。

Commented by keisyan at 2007-12-26 19:16
わーい、待ってま~す(^^♪
Commented by ひまわり at 2007-12-26 21:48 x
先生、ご無沙汰しています。
今年は加茂先生と筋痛症に逢えたことが一番思い深い出来事です。
もしで出逢っていなかったら・・・と思うとぞっとします。
加茂先生、ありがとうございました。
来年も引き続き広げて行きます筋痛症。
Commented by teru at 2007-12-26 23:14 x
すごくわかりやすいですね。それと、クスクスがカワイイ。


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