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心療整形外科

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2008年 04月 22日

トリガーポイントブロックのEBMはできるはずがありません

トリガーポイントブロックはEBMがないから効果がないということはありません。それについて大規模な比較試験が行われていないということだけなのです。

トリガーポイントブロックのEBMはできるはずがありません_b0052170_1752958.jpg
これは今年の整形外科学術集会の抄録集です。かなり分厚いですね。さらさらと見ましたが、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)についての発表はありませんでした。たぶん昨年もなかったと思います。

筋骨格系の痛みのほとんどがMPSだということは私のこのブログや掲示板でももう十分お分かりのことと思いますが、それについての研究発表は0なのです。

あいかわらずヘルニアの手術や脊柱管狭窄症の手術の成績についてのものです。その痛みのメカニズムの理論は到底受け入れることができるものではありません。

突っ込みどころ満載なわけです。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/ATT08/pad/interview/200804/506039.html
── 各々治療法は確立しています。

菊地:そうですね。PADと腰部脊柱管狭窄は、先ほど言いましたように姿勢要素で鑑別ができますが、最終的な確認は、神経根ブロックで分かります。神経根型は、通常、1本の神経根が圧迫されて痛みが起きていますから、神経根ブロックによって痛みが消えれば神経根型といえるわけです。


末梢血管障害(PAD)と脊柱管狭窄症の鑑別診断を述べています。神経根ブロックで痛みが消えない人よくいらっしゃいますね。で、PADでもない。じゃあ一体なになのか。

神経根ブロックで痛みが取れないから手術、というのも聞きますね。神経根ブロックが効かないから神経根型とは診断できないわけですよね。ということは手術をしてはいけない・・・。

このような整形外科医がほとんどなのですから、TpBなんて効かないと思うのも無理もないことなのです。

患者さんにしても思い込みの強いタイプならば、MRIを見せられて、権威に診断されればもうそれでちょっとのことではよくならないかもしれません。

本当にEBMがほしいなら、診断せずに、MRIを見せずに治療すべきなのです。

by junk_2004jp | 2008-04-22 18:11 | MPS


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