心療整形外科

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2008年 05月 26日

心因性の痛み

「心因性の痛み」という言葉は誤解が多いが、やはり現実に存在する。

「**から電気信号が脳に届いていないのに脳が**に強い痛みを感じている」という不思議な状態だ。

他人の痛みをそのように決めつけることができることができるのだろうか?これは医師の経験とカンによらざるをえない。

まず、圧痛点が分からない。筋肉のこわばりが感じられない。

すごい痛みだ。最も強い痛みなのかもしれない。身体から電気信号がくる痛みは、抑制系が働くがこの手の痛みは、底抜けなのだ。

坐薬も飲み薬も効かないので診てほしいとの電話があった。痛みのため苦しみもがいているようだ。

Doctor as Drug (薬としての医師)が効いた。痛みはおさまった。

侵害受容性の痛み・・・・侵害受容器が関係している痛み。Aδ線維、C線維を伝わって脳に到達する。ほとんどの痛みがこれ。消炎鎮痛剤が処方される。

神経因性の痛み・・・・・侵害受容器が関与しないで脳に伝わる痛み。神経線維が損傷したときにおきる。

心因性の痛み・・・・上記2つ以外の痛み
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by junk_2004jp | 2008-05-26 23:00 | 痛みの生理学 | Comments(8)
Commented by sansetu at 2008-05-27 10:42
信号伝達はなくとも脳の活動電位だけは(信号伝達による)疼痛を感じている場合と同様の反応を示している、という状態なのでしょうか。
そしてその状態と「安心」「信頼」や「癒し」、あるいは「信仰」といったものは、その痛みに対して何らかの作用を及ぼすだろう、ということでしょうか。
Commented by アクビ at 2008-05-27 11:22 x
"Doctor as Drug"
すごいです。
専門家の適切な説明だけで強い痛みがすんなり取れてしまうなんて。
心因性の痛みとは不思議なものですね。

薬が効かなかった・・・ということは他の医師にも掛かっていて、ふつーの「痛みの治療」をしてたけどそれは心因性の場合は意味の無い治療なのですね。

痛みの種類を的確に見極めて適切に治療できる加茂先生はやっぱりさすがです。

私は今「うつ状態」という名目で治療していますが、心因性ではなく、「神経因性の痛み」という説明をされました。
(それでノイロトロピンを飲む必要があるということらしいです。)
心因性と神経因性の適切な鑑別が重要ですね。
特に心療内科(精神科)だと、そこの区別が出来ない医師がまだまだ多いのでは、という印象を受けます。
脳が関与している、と考えるとどっちも似たようなものに思いがちだけれど、実際は全く違うものなんですね。
両者の違いがよくわかるエピソードですね。
勉強になりました。
Commented by junk_2004jp at 2008-05-27 11:32
他人の感じている痛みを分類するのは難しいものです。ハイテク機器を使う分けにもいかないのですから、経験とカンが頼りです。

まず、脳に何らかの電気情報が到達しているのかどうか。

到達している・到達していない

に分類できると思うのです。で、私は到達していないのが心因性疼痛と理解しているわけです。

しかし、心理・社会的要因が深くからんだ侵害受容性疼痛を心因性疼痛と表現することもありますので、誤解が生じるのでしょう。
Commented by junk_2004jp at 2008-05-27 11:44
慢性疼痛は神経回路の可塑的変化と説明されますが、これを神経因性疼痛に分類するのかどうかは私にはわかりません。

そもそもこの分類は過去のものになったのかもしれませんね。

とにかく、まことに奇妙な痛みがあるのは事実です。

幻視、幻聴というように、光刺激、音刺激が到達していないのに脳が認識するという状態と同じと考えるのなら、心因性疼痛というような誤解を生む言葉を使わないで「幻痛」にしたらよいと思う。
Commented by アクビ at 2008-05-27 14:25 x
加茂先生

>慢性疼痛は神経回路の可塑的変化と説明されますが、これを神経因性疼痛に分類するのかどうかは私にはわかりません。

これを読んで一瞬困惑してしまいました。

現主治医によると「線維筋痛症の治療には抗うつ剤と共に本質的な治療に必要な薬」と説明されました。
一方、精神安定剤は脳をだましてるだけの薬だから出来れば早目に減らしたい、そうです。
私はむしろこっちの方が必要性を感じていますが・・・。

私の現在の主症状はこわばり、しこり、疲労感、で痛みは多少ある程度なのです。

ノイロトロピンは慢性化したこわばり、しこりに有効なものなのでしょうか?
ちなみにノイロトロピンの説明とのからみで「神経因性疼痛」という言葉が出てきました。

現在、6種類薬を飲んでいて、1週間分で5000円弱、ブラス往復3時間の通院で交通費1000円ちょっと・・・。

すいません愚痴が出てしまいました。
飲まずに済むならそれにこしたことはないんですけど・・・。

以前加茂先生は掲示板で、「ノイロトロピンはめったに処方しない」とおっしゃっていました。
何か理由がおありなのでしょうか。
Commented by junk_2004jp at 2008-05-27 18:12
ノイロトロピンは慢性疼痛の治療薬と思っています。

http://3.csx.jp/kenta_k/drugs2/129Neurotropin.html

普通はあくびさんのような慢性疼痛を神経因性疼痛とはいいません。

>何か理由がおありなのでしょうか。

特に理由はないです。
Commented by アクビ at 2008-05-27 19:35 x
加茂先生、ご回答ありがとうございます。
ノイロトロピンは私には適切な処方と思っておいてよいのですね。
でも、未だに慢性痛と神経因性疼痛の違いがわかっていない私・・・まだまだ勉強が足りません。
でも正直わたしのお医者さんもよくわかってないと思います。

以前「圧痛点の触診検査」をしたのですが、体全体を軽く触れるような感じの検査で、どうやらアロディニア=圧痛点という解釈をしてるのかも、と思いました。
私の圧痛点は2ヶ所程度と言われました(・・?

こわばりやしこりについて話したら、自分でしてるマッサージや鍼治療に行くことには以外とすんなりお許しが出ましたが、触診でどういう状態なのかを確認しようとはされませんでした。

「線維筋痛症」の患者さんを受け入れています、といいつつ、患者ごとの症状を診るというよりあくまでも「線維筋痛症」を診ているにすぎない。
「線維筋痛症」に一応理解を示している(本当のところをどこまでわかっているかは微妙)だけでも感謝すべきといったところでしょうか。
Commented by keisyan at 2008-05-27 19:43
アクビちゃん、こんにちは。
ここ http://junk2004.exblog.jp/3191159 に痛みの分類についてセンセが書いていらっしゃいます。このブログに私がトラックバックしているのですが、このときは私も神経因性疼痛だと書いていますね。
手術により神経線維に可塑的な変化が起こったのかも知れないと・・・"^_^"
でも、今は、私の痛みは侵害受容性疼痛なのではと思ってます。


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