2008年 06月 01日

筋痛症はいろんなタイプがあります

筋骨格系の痛みのほとんどは筋痛症なのだ。

ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、椎間板症、すべり症、分離症、椎間関節症、変形性関節症、変形性脊椎症、梨状筋症候群、頚肩腕症候群、腱鞘炎・・・・・

いろいろな病名で言われている筋骨格系の痛みの本態は筋痛症なのだ。ここのところをしっかりと理解しないと、誤診により無駄な治療、危険な治療にふりまわされ深みにはまっていくことがある。

手術を繰り返し、不必要な生活指導により、人生の質が大きく変わってしまうことがある。仕事を制限されたり、趣味を制限されたり、中には生まれてくる命さえも制限されたるする。

一口に筋痛症といっても本当に症状はバラエティーに富んでいる。

一人の人に幾種類もの筋痛症が混在することもしばしばある。慢性の腰痛に急性の肩痛などのように。

線維筋痛症(FM)なのか筋筋膜性疼痛症候群(MPS)なのか、どっちでもいいような気もする。

ある医師により、線維筋痛症と診断されていても、私には「うつ状態に伴ったMPS」とみえることもある。どちらが正解かなんてどれだけ議論したところで、結論はでないであろう。

ある人は右腰痛から始まって、右下肢、右頚、右上肢と3ヶ月で痛みが広がっていった。右半身の筋肉はコリコリになっているが、左半身は全く正常だ。

動いていると楽なのだが休むと痛い人、その逆で休んでいるときは痛くないのだが、動くと痛い人。

トリガーポイントブロックを繰り返してやると、コリコリ筋(なまこ状)が柔らかくなってくる。コリコリ筋を耕しているような感じだ。

心理・社会的背景の強い感じの人もいれば、案外そうでもない人もいる。

筋痛症まではわかるのだが、それを敢えて分類してみたところで患者さんにとってはあまり意味のないことかもしれない。学問的な意味はあったとしても。

急性のMPSと慢性化したMPSでは治療も違ってくる。心理・社会的要因の度合い、痛みの広がり、随伴症状、コリコリ筋の具合などなどによってもかわってくるだろう。

私にとってはFMでもMPSでもCMP(慢性筋筋膜性疼痛)でもそれにこだわって治療することはない。いつもその患者さんに合ったオーダーメイドの治療をしているつもりだ。

治療にこうでないとならないということはない。TMSのサーノ博士のように、一切の身体的治療を否定して、深層心理に潜む抑圧された感情を見つめるだけで治る人もいるだろうが、皆がそれでよくなるわけではない。それで治る人はもちろんそれでいいのだ(バカボンのパパ風にw)。

抗うつ薬がとても効く人がいる。うつ状態に伴った筋痛症ということだろう。このように治療的診断をする以外にないように思っている。

筋痛症の症状は刻々変わってくる。出世魚の名前のように。

病名はお好きなものを選んでもらっていい。診断書に書く病名は患者さんと相談している。
[PR]

by junk_2004jp | 2008-06-01 01:26 | MPS | Comments(3)
Commented by たろー at 2008-06-01 06:41 x
先生、先日2日間にわたりTpbしていただいた者です。左足股関節部の痛みは素晴らしく改善しております。腸腰筋のspamもかなり取れているのを感じます。先日の先生の診断は繊維筋痛症(圧痛点が11箇所以上ある)とのことでしたが、痛みの因果関係を理解していれば本当にそれは筋痛症でもどちらでもいいことだと思います。患者は病名が何であれ、こうして痛みから解放してさえいただければ。本当にありがとうございました。
Commented by miwa at 2008-06-01 07:44 x
加茂先生は常に、本当に苦しんで毎日闘っている患者側の立場に立って見解を発信されています。それはとても重要なことです。どんなに優れた意見でも、たとえそのときどきにおいて完璧なものであったとしても、「誰」を主体に考えるかにより、まったく異なった、ときとして有害なものにさえ変化してしまうからです。

ひとつのものに捉われすぎることの弊害が、引いてはいずれ医師たちにもたらされることに、一日も早く気づいてほしいものですね。

わたしは抗うつ剤が効くタイプでした。
加茂先生の的確な診断にはいつも頭が下がる思いです。おかげさまで高値安定とまではいかなくても、まあまあ横ばいの状態を保っています。

引き続き先生のブログで勉強をさせていただきますので、よろしくお願いします。
Commented by 桔梗 at 2008-06-01 11:22 x
加茂先生.時々読ましていただいています私自身は線維筋痛症になり14年になります
先生の言われるよう患者にとって線維筋痛症(FM)であろうが筋筋膜性疼痛症候群(MPS)であれ
治してくれれば良いまであって筋痛症も人によっていろいろで個々の人の状態を把握していない
今の医師は機械に頼りすぎ人の体を診ようとしません
医療の根本てきな教育から見直さなければ慢性化した(MFS)や(MPS)は治らないと思っています
医者や行政が関わって治療方や今後の方針を立てるには100年以上はかかるのでは-----?


<< 椎間板ヘルニアが原因で痛みや痺...      脊柱管狭窄症+ヘルニア >>