心療整形外科

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2008年 06月 04日

ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離症と診断されていた線維筋痛症の患者さん

b0052170_18261044.jpgAさん(40才代、女性)はH8年にヘルニアと診断を受け、牽引などに通院しましたがよくなりませんでした。

その後、別の病院で、ヘルニアの他に脊柱管狭窄症、腰椎分離症もあると診断されました。

両親の勧めもあって、脊椎の有名病院をいくつも受診しましたが、どれも代わり映えのしない診断と説明でした。

ヘルニアや狭窄部位が3ヶ所ほどあるので手術はかなり大がかりなことになるということらしいのです。

インターネットで、腰椎の手術のあとあまりよくないというのを目にしていましたし、近所の人も術後思わしくないのを見ていましたので、手術には踏み切れませんでした。

睡眠障害、以前に微熱、口渇き、頻尿、湿疹、便秘、顎関節症、慢性頭痛、疲労感などあり。

図のような圧痛点あり。

以上のことから、教科書的な線維筋痛症候群です。

局所麻酔0.5%メピバカイン30mlほどで圧痛点をブロックしました。

2時間後、再度診察したときは、「久しぶりに長歩きできました。」と喜んでいらっしゃいました。

ヘルニア、脊柱管狭窄症、分離症などとこのような痛みは全く無関係です。そのようなものが痛みを起こすことはありません。しかし、有名脊椎病院はどれもそのことが診断できなかったというのが事実です。

患者さんは「仕事ができるレベルまでに治したい」と希望していらっしゃいます。

今後、どのような治療戦略をたてればよいかを考えたいと思います。

トリガーポイントブロック、マッサージ、抗うつ薬、抗てんかん薬、認知行動療法、以上のようなところから、患者さんの希望を参考にして決めていこうと思います。

筋骨格系の痛みはほとんどが筋痛症なのです。いろいろな随伴症状がありある程度広範囲になっているものを「線維筋痛症候群」といっているのです。

比較的狭い範囲で随伴症状の少ないものを、「筋筋膜性疼痛症候群」といっているのです。

痛みや痺れを脊椎専門医に診てもらうときは注意が必要です。筋痛症を脊椎の病気、神経の病気と誤診されることがあります。
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by junk_2004jp | 2008-06-04 18:50 | 線維筋痛症 | Comments(10)
Commented by ひつまぶし at 2008-06-04 19:17 x
以前掲示板で少し話題になっていたような記憶もあるのですが、、、、、

柔整師の先生によるマッサージのうち、保険請求が認められるのは、骨折・脱臼・ねんざ・打撲・肉離れ(骨折・脱臼の保険請求には医師の同意が必要)だけで、肩こり・腰痛は保険対象外だと6月1日付朝日新聞朝刊に載っていたのを読みました。
マッサージを定期的に受けてらっしゃる皆さんは保険で受けておられるのでしょうか・・・?
お話の流れを遮ってしまってたらごめんなさい。
Commented by junk_2004jp at 2008-06-04 19:47
この問題はとても複雑です。

病気の概念から考えなくてはなりませんね。

車の速度制限も警察がその気になってとりしまれば、日本中、違反者ばかりになりますね。

このように、法律と実生活は乖離していることが少なくありません。

これは我々医者の世界にもいっぱいあります。マスコミがそれを取り上げることによって、スジを通せば窮屈な世間になります。
Commented by ひつまぶし at 2008-06-04 20:27 x
ありがとうございます。
マッサージは、あはき師の方の専売特許だとぼんやり思っていたのです。
医療保険制度と速度制限の取り締まりとではちょっと種類が違うかなという気はしますが。。。
でも、複雑であろうことは想像できますので、ここでやめておきますね。
Commented by TK(タク) at 2008-06-04 21:28 x
ヘルニアで痛みや痺れが生じることは無い。純粋な科学・医学の問題。その主訴の治療として手術する。そして保険請求。

あ、口チャック。
Commented by elly_mylove at 2008-06-04 22:19
この圧痛点、私全部痛いです。
症状も、レベルこそ違え、おんなじ。やっぱりね・・という感じですね。

ところで、医療費の無駄遣いといえば、接骨院の保険請求より、無駄な手術やMRIのほうが金額と犠牲が大きいような気がするんですけど、どうなんでしょうか。。。。。

難しいですね。
Commented by syaruruk at 2008-06-04 22:50
今日、ペインでたくさん注射してもらいました。
以前、先生の指のたこの話をしたことがあって、覚えておられたみたいで、「たこが出来るまで、注射するなんて、すごいなあ」と、感心しきり。
指が、痛かったのかしら。。。

でも、「ここの痛みはC5/6・ここの痛みは胸椎だぜえ」なんて、こだわっていましたので、「神経の走行は無視して筋肉でお願いします」と^^。

TPを知っていても、神経圧迫の概念からは、抜けられないのですね。
Commented by junk_2004jp at 2008-06-04 23:08
「この痛みはC5を通って脳にいってるんですね。この痛みはTh1を通って脳にいってるんですね。」といって、教えてあげたらいいです。
Commented by BN at 2008-06-04 23:11 x
先生、皆様、話題が変わってしまうことをご容赦下さい。
なかなかリセットがかからない慢性「わけあり筋」に対して、メピバカインの濃度を上げてみる(例えば1.0%)というのは如何なものでしょうか?
(もちろん一度に打てる量・箇所、頻度は減ると思いますが。)
「わけあり筋にリセットがかかる」というのは、局麻の直接効果が切れる2~3時間後も、痛みが軽減した状態が日単位で持続する、また、それが少しずつ長くなる、というように私はイメージしていますが、なかなかうまくいきません。
濃度アップという手法で、こういったことは期待できないのでしょうか?
Commented by junk_2004jp at 2008-06-04 23:19
1%を使ったことがありますが、0.5%と差はないようです。慢性疼痛は手強いものです。
Commented by syaruruk at 2008-06-04 23:28
>C5を通って脳にいってるんですね

ああ、そうなんですよね。そう考えれば、納得です。
と、今頃、気付く。。。

ありがとうございました^^。


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