心療整形外科

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2008年 06月 05日

線維筋痛症と筋筋膜性疼痛症候群との関係

http://www.asahi-net.or.jp/~xf6s-med/jfibromyalgia-1.html
Dr.Evansは、筋・筋膜痛を観察して、これを"カテゴリー1"とし、完全に進行した線維筋痛症を"カテゴリー3"だと提案している。「カテゴリー2は、筋・筋膜痛症候群と線維筋痛症との混合で、視覚的には見分けがつかない状態であり、これらは融合している。カテゴリー1やカテゴリー2では、理論上、この状態は臨床的にはまだ管理が可能だろうし、カテゴリー3である完全に進行した線維筋痛症への進行も抑えられるだろう」(Dr.Evans)。


エバンス先生は筋痛症を3つのカテゴリに分類している。次ぎのような感じかな。

カテゴリ1は筋筋膜性疼痛症候群(MPS)
カテゴリ2はMPSとFMの混合(見分けがつかない)
カテゴリ3は完全に進行した線維筋痛症(FM)

これは妥当な考え方だと思う。
多くはカテゴリ1で治癒してしまうが、2、3と移行しないとはいいきれない。だから積極的に鎮痛治療をするべきなのだろう。

ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症、椎間関節症、変形性関節症といわれて手術をするのはカテゴリ1、カテゴリ2の患者さんなのだろう。

全身麻酔効果などで一旦はよくなることもあるが、してもしなくても5年後の成績は変わりないと言われている。

中には、カテゴリ2だったのがカテゴリ3になってしまう人もいる。これを「Failed Back Surgery Syndrome」といっているのだろう。

ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症などと診断されて手術をすべきだと言われた人をたくさん診てきた。

またそれらの診断で手術をした後、思わしくない人をたくさん診てきた。

これらの患者さんはカテゴリ1、2の方々だった。

MPSやFMの診断基準にはいずれも、ヘルニアや脊柱管狭窄症を除外するというような項目はない。それは当然なことで、そのようなものが痛みを作るという科学的前提がない。

一方、我が国のヘルニアガイドラインや脊柱管狭窄症サポートツールには、MPSやFMとの関係が述べられていない。無視されている。せめて鑑別診断として取り上げてもよさそうなものだ。

FMかMPSか?

線維筋痛症という病名はまだ言葉の定義が不安定な感じがするし、難病、奇病、不治といった印象がないわけではない。膠原病と誤解している人もいる。

カテゴリ3だけをFMというのか、カテゴリ2の中の筋骨格系以外の随伴症状の強いものもFMというのか、このあたりの病名の定義(範囲)があいまいなのだ。

患者さんにとってはどうでもよいだろう。医師にしても治療手段に変化があるわけではない。ただ、保険者に対して線維筋痛症とした方が、説得力のある説明が可能という利点がある。それはある程度線維筋痛症という病名が有名になってきているからだ。

むち打ち症では早期より、微熱、下痢、頭痛などが続くことがある。バレリュー症候群と言われている。これはFMへの移行の可能性が強いように思われる。
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by junk_2004jp | 2008-06-05 08:29 | 線維筋痛症 | Comments(5)
Commented by 小林淳子 at 2008-06-05 13:54 x
先生母は入院先でリプラス、ノイロトロピン、プロスタディンを点滴一週間してますが、お尻の付け根とふくらはぎに時どき激痛が走ると言います。もしなんとかして加茂先生の所へ連れていったとしても何日か治療に通わなければだめですか?それとも入院した方がいいですか?
Commented by junk_2004jp at 2008-06-05 16:29
お母様の痛い部位の筋肉が強く緊張しているのだと思います。

たぶん筋痛症ですから、きっとよくなりますよ。その部分を軽くさすってあげてもいいと思います。おだいじに。
Commented by keisyan at 2008-06-05 19:13
センセがおっしゃるように、定義が不安定な言葉っていうのは本当はやっかいなものですね。
そうでなくても、発信者と受信者との温度差はあるものですから・・・
Commented by TK(タク) at 2008-06-05 20:31 x
先生も凄い健作家ですね。
Commented by junk_2004jp at 2008-06-05 21:28
MPS研究会の掲示板からですw


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