2008年 07月 01日

医師の間違った思い込み

2chより
私の症状は腰の痛みと足の痺れ痛みなんですが、MRI検査の結果、ヘルニアではないと診断されまして治す方法がわからなくて途方にくれてます。

ヘルニア以外でこの症状がでる病気とかはないんでしょうか? 他の科の医者に見てもらうべきか、違う整形外科に行くべきか、接骨やカイロに行ったほうがいいのか、似たような経験のある方がいれば 教えて頂けないでしょうか?お願いします。


あるサラリーマンの方がおっしゃってました。「我々の世界は厳しいですよ。顧客からの相談やクレームがあった場合、会社をあげて徹底的に検討して対応します。それに比べて医者の世界はどうしてこうも甘いのでしょうか。ヘルニアの問題にしたってもう何年もまえから、手術しても治らない人がたくさんいるんでしょ。サラリーマンの世界なら会社の存続にかかわりますよ。」

2chの投稿はよくある話で情けないことになったものです。なぜ痛むかを説明できないのです。とりあえず検査、このとき医師は念じていることでしょう、「ヘルニアよあってくれ・・・ヘルニアがなかったらどう答えようか・・・ああ、脊柱管狭窄症ってのもあるな、それでもいいか・・・それもなかったら困るな~。・・・・・梨状筋症候群ってのもあったっけ・・・あれも坐骨神経が圧迫されるんだよね・・・」

MRIでなにもなかったら、もう答えられないのですね。

ちょっと間違った意味でレベルが高いと「ヘルニアの高位と症状が一致しない。」ということもあります。つまり、4/5にヘルニアがあるのに症状は5/Sの高位に出ている場合などです。

「ヘルニアがありますが、今の症状の原因と考えることはちょっと無理があります。しばらく様子をみましょう。」なんてね。

ヘルニアの高位と症状の高位が一致した場合、めでたくヘルニアが原因だというお告げが出されるわけです。

「ヘルニアがあるけど症状と一致しないので治療ができない。」と言われたといって来られた看護学校の先生がいらっしゃいました。

普通、顧客からこのような相談を受けるのを専門としている会社の場合、社をあげて研究、議論して対応することでしょう。専門チームを組んで顧客のニーズ、クレームに対応するノウハウを積み重ねていくことでしょう。

医師の世界はなぜそれがないのでしょうか。開業するとみんな一人になってしまいますし、大病院では厳然たるヒエラルキーが存在します。

Narrative Based Medicine (物語に基づいた医療)というのがあります。痛みの医療で返答に苦しくなるとこの概念がでてきます。痛みはそもそもがヘルニアによって起きているわけではないのですからNBMなのです。

医学はたしかに複雑系の学問ですが、医師も過去の教えにこだわらず間違った思い込みを変えて行かないと・・・ネットで情報がはんらんする時代ですから、たいへんなことになりますよ。
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by junk_2004jp | 2008-07-01 07:59 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)


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