2008年 07月 02日
Aさんは昨年、数日間当院に入院しました。筋痛症(広範囲)です。今日突然電話がかかってきました。 「近くにトリガーポイントを打ってくれる医院が見つかりました。針の太さと薬の名前を教えてください。」 「針の太さは27G(ゲージ)です。薬剤は0.5%メピバカイン(商品名カルボカイン)です。」 しばらくしてから、医院の診察室から電話がありました。 「こちらの先生とちょっとお話をしてください。いま先生にかわりますから・・・」とAさん、 医師「ワンポイントに何CCほど打つんですか?」 私「2~3CCぐらいでしょうか。」 Aさんからお礼のメールがきました。Aさんの承諾を得てあります。 ありがとうございました。m(__)m トリガーポイントブロックは最も安全で効果のある鎮痛治療です。局所麻酔剤は0.5%のメピバカインで最大使用量は 100mlです。そんなに使うことはありませんが。 交感神経の緊張を取る、筋肉のスパズムを止める、痛みの伝導を止める、このような作用が期待できます。 これをマスターすれば普段の診療に大いに役立ちます。圧痛点を見つけてそこに注射してやればたいがいはすぐに治ってしまいます、慢性痛以外は。だって、筋骨格系の痛みのほとんどは筋肉のスパズムなんですから。 このような治療に対して、「くせになる」「一時押さえ」という意見がでるものです。 では湿布をするのは?電気をあてるのは?マッサージをするのは?薬をのむのは? どのような治療をしてもそういう言い方ができます。真の意味で治癒するには、修行をつんで、自分の身体を自分で操ることのできる修行者になる、さとりを開く、ということになるのでしょうか。 それはなかなかできるものではありません。 痛みのメカニズムを知って、不安になったり悲観したりすることなく、どのように対処していくかは患者さんがご自分で判断すべきことでしょう。 明日は急性のMPSにとってトリガーポイントブロックがとても有効だということを書きます。 医師は保険診療の枠内で、短時間で病態説明と治療をやらないと営業困難、という縛りがあることも理解してください。
by junk_2004jp
| 2008-07-02 00:05
| MPS
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