心療整形外科

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2008年 07月 09日

「圧迫だけでは痛みが生じない」

これはほとんどの整形外科医は知ってる。

「髄核から出るTNF-α(炎症性サイトカイン)が神経根炎を起こすから痛みが生じるんだ。」というかもしれない。

では脊柱管狭窄症はどうなんだろうか。この論でいくとTNF-αがでている必要があるのだが。

脊柱管狭窄症の場合はヘルニアと違って、骨による圧迫なのでTNF-αでは説明できない。そこで、神経へ行っている血管の圧迫が原因だということになっている。

このように圧迫だけでは説明できないので、なんとかしようとしているのは分かるのだが。

脊柱管狭窄症があっても痛くない人はいっぱいいる。

神経根(神経線維の途中)部で痛みの信号が生じるという説は、このようにとても怪しい。といいうか間違っていると思っている。

医師の説明を聞いていると、「痛み」の説明と「麻痺」の説明が混在している。「痛み」と「麻痺」とはそもそも生理学的には逆の現象なのに。

神経根部で痛みの電気信号が生じているとすれば、下肢痛(根性痛)は脳が誤って認知している痛みということになる。
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◎生理学的に説明不能。
◎ヘルニアや脊柱管狭窄があっても痛くない人はいっぱいいる。ヘルニアや狭窄の高位と一致しない人もたくさんいる。
◎手術しても治らない人がたくさんいる。
◎保存的治療でたいていはよくなる。
◎神経根ブロックでよくならない人がたくさんいる。

このようなことを総合的に考えてどう説明すべきでしょうか。

「痛みの本態は筋筋膜性疼痛症候群であって、ヘルニアや脊柱管狭窄によるものではない」が正解だと思っています。

ヘルニアは筋痛症の原因ではなくて結果なのかもしれません。

このような仮定のもとに、ヘルニアとか脊柱管狭窄症といわれている症状をみていくとかなりすっきりと見えてきます。

最近よく言われている「慢性痛」の概念にも矛盾しません。

手術をして急によくなる人もたしかにいます。これは手術によって筋肉のspasmがとれたことを意味します。全身麻酔によるものかもしれませんし、手術時の体位が関係しているのかもしれません。また手術という儀式的効果もあるのかもしれません。

脊椎脊髄専門医にお世話にならなければならないのは麻痺のときなのです。腰では馬尾症候群、脊柱管狭窄症の馬尾型、頚では脊髄症です。これらは痛みではなくて「麻痺性疾患」です。まれな疾患です。

番長さんがコメントで書いています。
梨状筋症候群、胸郭出口症候群、手根管症候群もTNF-αでは説明不能ですね。


そうですね。医師はしびれや痛みというとどこかで神経が圧迫されているという思い込みが強いのです。それからもう逃れられないわけです。

これらの疾患があるのだとすれば、静脈系が圧迫を受けているのかもしれません。そのため、鬱血、浮腫状態が異常知覚をおこしている可能性はあるのかもしれません。

手根管症候群では、夜間痛や、手を振ると楽になるというのは静脈系の不具合を想像させます。
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by junk_2004jp | 2008-07-09 08:00 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)
Commented by bancyou1965 at 2008-07-09 10:15
梨状筋症候群、胸郭出口症候群、手根管症候群もTNF-αでは説明不能ですね。


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