心療整形外科

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2008年 07月 10日

ヘルニアと診断された線維筋痛症

◎A(40才、女性)さんは13年前、朝起きたら腰がとても痛くて動けなかった。病院を受診し、MRIでヘルニアと診断された。牽引と安静が主な治療だった。これが、ほぼ全身にわたる疼痛の始まりだった。

◎Bさん(40才代、男性)は頚椎や腰椎のヘルニアと診断されているが、ほぼ全身にわたる筋痛で線維筋痛症と診断した。

昨年のX月に整形外科で頚椎ヘルニアと診断され、X+1月に腰椎椎間板ヘルニアを再発させてしまい、痛みと痺れでつらい思いをしております。

現在の症状ですが、頸椎ヘルニアに関しては発病直後から温熱治療、牽引、レーザー治療を受け、現在痛みは殆ど感じられないようになりましたが、時折首の痛みと右手甲及び腕に痺れ及び痛みが感じられます。しかしながら日常生活に支障があるほどの痛みではありません。

腰椎椎間板ヘルニアですが、2003年にMED法による摘出手術を行い、その後いわゆる腰痛症には見舞われるものの下肢の痛みや痺れからは解放されました。しかしながら(X+1)月上旬に自分の不注意で腰に強い力を与えてしまい、徐々に左下肢に痺れと痛みが伴うようになりました。下旬にMRIにて診断を受けたところ腰椎椎間板ヘルニアの再発(軽度のヘルニア)が認められました。


◎Cさん(40才代、女性)は5ヶ月前、重いものを引っ張ったときに背中にぴりっと痛みがはしった。MRIで頚椎ヘルニアと診断された。現在は頚だけでなく腰など全身に痛みがあり、線維筋痛症の診断基準に合致する。もちろん脊髄症状はない。

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いずれの症例も発症当初は痛みの部位も少なく線維筋痛症ではなく、単独の筋肉の筋筋膜性疼痛症候群だったものと思う。

それがこのように次第に広がっていくとだれが想像できようか。

発症当初にヘルニアなどという無駄な診断をしないで、トリガーポイントブロックでもしていたらその後の展開はどうだったのだろうか。

バカげたヨーロッパ非特異的急性腰痛ガイドライン を参考に診察するなら「非特異的だから安心してなるべく活動的な状態を保ってください。消炎鎮痛剤をだします。6Wのうちに90%の人は治りますよ。2%~7%の人は慢性化することがあるといわれています。」ということになる。

数%の確率は個人的には少ない%かもしれないが、急性腰痛100人のうち5人、1000人のうち50人、10000人のうち500人が慢性疼痛になるかもしれないということだ。

この値は決して無視できるものではない。

痛みやしびれがあるとMRIをとり、ヘルニアの有無を調べる。ほぼルーチン化された検査を続けるなら、そしてほとんど考える能力のない医師が診療にあたるなら、日本は慢性疼痛、線維筋痛症だらけになる。

慢性痛(線維筋痛症、慢性筋筋膜性疼痛)は働き盛り、結婚、子育て世代の30~40才代に発症することが多い。人生に大きな影響を及ぼすので国は全力を挙げてこの問題に取り組んでほしい。

この問題を考えるとき、急性痛を理解できなくてはならない。はっきり言って、医師を再教育して新しい治療戦略を立てるべきだ。

除外診断(骨折など明らかな外傷、悪性腫瘍、感染症、リウマチなど炎症性疾患)をする。これら以外は筋痛症と考えるべきだ。

筋痛症は慢性化、拡大することがある。可能な限り早期に痛みを止めたほうがよいように思う。その方法はいろいろあるので、各自の好みをとりいれればよいように思う。
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by junk_2004jp | 2008-07-10 01:13 | 線維筋痛症 | Comments(5)
Commented by TK(タク) at 2008-07-10 01:29 x
慢性化してから病院を受診する患者って皆無だと思います。よっぽど貧乏とか…。
と、言うことは慢性痛は、・・・。
Commented by TK(タク) at 2008-07-10 01:36 x
両手のしびれは頚を疑えというのは、ルーチン化された考えでしょうか。

http://www3.nhk.or.jp/gatten/schedule/index.html
また、来週のNHTKの仕事ですか…。
Commented at 2008-07-10 01:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by junk_2004jp at 2008-07-10 07:04
膝蓋骨の周辺を強打すると、小さな範囲で痛覚過敏が続き、膝がつけなくなることがしばしばあります。

同じことは肘頭や尾骨など、クッションの少ない部位に起こるようです。

これを予防するには当初より積極的に局所麻酔を注射することです。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_44.htm
Commented by つかさ at 2008-07-10 17:40 x
日本は慢性疼痛、線維筋痛症だらけになる。
働き盛り、結婚、子育て世代の30~40才代に発症することが多い。人生に大きな影響を及ぼすので国は全力を挙げてこの問題に取り組んでほしい。

国は早く医師の再教育をするべきです
働き盛りの人が働かず逆に医療.保険に頼り厚生省も何の手も打っていない現状では将来的にも大きな損失です

前にも意見を書きましたが此のままでは100年200年かかります
患者の痛み生活苦と税金の無駄ずかいになります


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