2008年 07月 14日

「腰痛 手術は選択肢の一つ」 ??

読売新聞「病院の実力」より

脊柱管狭窄症の手術件数のトップは455件(昨年1年間)で、お隣の県のある病院である。

昨年春、腰、下肢痛で10mも歩くことができなかった方が上記病院で脊柱管狭窄症の診断で、手術を勧められた。

ある人の紹介で当院を受診する。私の診断では「うつに伴う筋痛症」であった。病歴や他の症状をみれば診断できる。抗うつ薬と、筋痛に対する治療でよくなり、現在はどれだけでも歩かれるようになった。

脊柱管狭窄が改善したわけではないだろうに症状はなくなった。ということはその診断はなんだったのだろうか。

もう一度これを見て「腰部脊柱管狭窄症のなぞ

馬尾型は、自覚的には下肢、臀部および会陰部の異常感覚、膀胱直腸障害、下肢脱カ感や性機能不全を訴え、疼痛はない。他覚的には多根性障害を特徴とする。たとえぱ、責任高位がL4/5椎間である場合には、第5腰神経根以下の多根性障害を呈する。

神経根型は、自覚的には下肢の疼痛を主訴とする。他覚的には単根性障害を特徴とする。この型の脊柱所見や自覚症状は単一神経根ブロック(両側例を含む)で一時的に消失ずる。

混合型は、馬尾型と神経根型の合併型で、下肢の疼痛は単一神経根ブロックで1時的に消失ずるが、他の症状には何らの変化も起きない。


つまり馬尾型は麻痺で痛みはなく、根型は痛みだといっているのだ。押さえられる場所がちょっと違うだけで生理学的に逆の現象が起きるなんて考えられない。理論展開に問題はないか。
[痛みの定義] 国際疼痛学会   1986年

An unpleasant sensory and emotional experience associated with
actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

精神科医 Harold Merskey を座長とするグループ

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


痛みとは個人的な「体験」と定義されている。痛みは客観的に判断できるという前提にたって手術が行われるのだろうが、定義に反していないのか。

新聞には「ヘルニアは手術をしなくても1年後には95%が回復する」とも書いてあるが、その理由はなんなのだろうか?

ヘルニアが溶けて無くなるから?そうならば高齢者にはほとんどヘルニアがなくてもよいはずだが。

そもそもヘルニアや狭窄症によって痛みが生じているという大前提に疑問を感じないか。

「排尿障害があれば急いで」と書いてあるが、その通りで麻痺症状だからだ。痛みではない。

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by junk_2004jp | 2008-07-14 08:07 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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