心療整形外科

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2008年 10月 04日

特異的腰痛と非特異的腰痛

non-specific low back pain の翻訳が非特異的腰痛です。

「非特異的腰痛の治療戦略」なんていうのが今っぽい言い方なんです。

では特異的腰痛(specific low back pain)とはどういう腰痛なのでしょうか。特異的腰痛でないものが非特異的腰痛です。

日本の整形外科教授で、「非特異的腰痛とは下肢痛を伴わない腰痛のことだ。下肢痛とは股関節から下の痛みのこと」と言っているのを聞いたことがあります。学会での教育研修会での講演をインターネットの動画で見ました。教授の名前は知っています。

またある教授は膝関節から下の痛みを伴わない腰痛のことだとの説明だったように記憶しています。

ヨーロッパの急性腰痛のガイドラインでは

•Serious spinal pathology(脊椎の重篤な病理)
• Nerve root pain / radicular pain(神経根性疼痛)
• Non-specific low back pain


というような分類が出ていますので、整形外科医にとって「神経根性疼痛」という極めて疑わしい概念が頭にこびりついていて離れないのです。ヨーロッパでも、日本でも同じ現象なのですね。

私のような筋痛症について知識のあるものにとって、これは全く受け入れられるものではありません。

ではお尻の痛みは?お尻と下肢の境目はどこ?お尻は腰なの下肢なの?とてもバカげた説です。

私は「特異的腰痛とは病理学上特異的な所見のあるもののこと。つまり、特異的病理所見とは悪性腫瘍、感染症、骨折などの明らかな外傷、脊椎関節炎のことです。」

脊椎関節炎はわが国では少ない疾患ですが、慢性の炎症性疾患で強直性脊椎炎が代表的なものです。

非特異的腰痛とは「悪性腫瘍、感染症、骨折などの明らかな外傷、脊椎関節炎」を伴わない腰痛のことだと思っています。

非特異的という言い方は腰以外どこでも平等に使われるべきものです。「非特異的頚痛」「非特異的背痛」「非特異的頭痛」「非特異的上肢痛」「非特異的膝痛」など。

これらのことを考慮にいれても私の言っていることの方が正しいと思うでしょ。

とにかく、日本も外国も整形外科医は「神経根性疼痛」という間違った概念のためにガンジガラメなのです。

分離症、すべり症、椎間板症、ヘルニア、脊柱管狭窄症などは当然非特異的腰痛で、そのような診断そのものに意味がないのです。治療戦略は同じです。ただ時間軸によって治療戦略が変化するでしょう。
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by junk_2004jp | 2008-10-04 18:04 | 痛みの生理学 | Comments(0)


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