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心療整形外科

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2008年 10月 05日

なぜ整形外科医は間違いから脱出できないのか

腰痛や下肢痛の主なる原因として、1934年Mixter &Barrが椎間板ヘルニアなる疾患を提唱してから、椎間板ヘルニアは腰椎疾患の重鎮として取り扱われるようになった。

しかし長い年月を経るに従い、椎間板ヘルニアと似た症状を呈しながら、ヘルニアのない状態がかなりあることが判明した。

このような状態の一つとして、Ehni、Clark、Wilson、Epsteinらにより狭小な脊柱管に変形性脊椎症が併発することで馬尾神経や神経根を圧迫ないし絞扼する病態があげられた。

                脊柱管狭窄症の歴史図説臨床整形外科講座3(メジカルビュー社)


78年前、椎間板ヘルニアが腰痛や下肢痛の原因になるといった人がいました。これが間違いの始まりなのです。当時とすれば画期的な発見だったのでしょう。

そのうちに、椎間板ヘルニアと似た症状を呈しながら、ヘルニアのない状態がかなりあることが判明したのです。これは手術をしたがヘルニアがなかったのでしょう。

今のようにMRIがないのですから、健常人の検査はできなかったわけです。

ヘルニアが見つからなくて手術を中断したケースでは、37~43%の改善率を示したそうです。

Spangfort EV,The Lumbar Disc Herniation. A computer-Aided Analysis of 2,504 Operations,Acta Orthop Scand Suppl,142,p1-95,1972.

このときに気づけばよかったのです。これは間違いだったと。しかしそうしなかった。神経圧迫が痛みを起こすという間違った考えから脱出できなかったのです。

それで今度は脊柱管狭窄症という概念になったのでしょうか。

by junk_2004jp | 2008-10-05 21:22 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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