心療整形外科

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2008年 10月 06日

よく分からないのなら①

b0052170_21421511.jpg「痛みを知る」  痛み学の第一人者 熊澤孝朗先生の本を読んでみようではないか。


構造の勉強から医師の道をスタートした人(整形外科医)にとって、「85%の腰痛はよく分からない」が本音のところだ。

分かっている15%はいったいどういうものなのだろうか。

そもそも構造と痛みの間に関係がないのだから。そのことに気づくのはなかなか難しい。過去の知識を否定しなければならないからだ。

痛みのメカニズムから研究を始めた人(痛みの生理学者)にとって、「痛みはますます分かってきた。」ということだ。

私たちは誰から痛みを学ぶべきかはもうお分かりだろう。痛みを知っている人から学ばなくてはならない。それでこの本を是非お薦めする。

神経が押さえられて痛みが生じるなんて書いてない。

神経線維は通常、その末端にある受容器からの信号を伝えるものであって、その途中が興奮を起こしたりすることはありません。

筋肉が痛みに大きく影響する

運動器の痛みは慢性痛症と深く関係しています。このことは筋肉の痛みが、皮膚からの痛みよりも中枢神経に及ぼす影響が大きいということに関係していると考えられます。


第二回線維筋痛症研究会の抄録集

特別講演で熊澤孝朗教授の「痛みのメカニズム:急性痛と慢性痛」から

慢性痛は従来、時間経過のみで分類されていたために、発生機序の違う二つの痛み、つまり、反復する急性痛と慢性痛症が無秩序に含まれていた。

発生機序の異なるこれらの二つの痛みでは、治療法が全く異なり、国際的には「区別すべきは時間経過ではなく、メカニズムである」と言われるようになった。

医療者はこの点を認識し、急性痛の概念のみで痛みに対処してはならないし、また、臨床的には二つの痛みが混在している場合が多いため、鑑別して治療にあたる必要がある。


「区別すべきは時間経過ではなく、メカニズムである」

痛みのメカニズムを知ってそれに沿って治療する必要があるのだ。分からないと言っている場合ではない。
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by junk_2004jp | 2008-10-06 13:50 | 痛みの生理学 | Comments(4)
Commented by BN at 2008-10-06 20:50 x
まだ、先生が文章を完成させる前に書き込んでしまい、申し訳ありません。

あの本で疑問を持ったことがあります。
『痛みを知る』(2007.12.25初版、東方出版)では、
「神経繊維は通常、その末端にある受容器からの信号を伝えるものであって、その途中が興奮を起こしたりすることはありません。」(p.117)
とあります。

しかし、この記述は「通常」の話であって、「切れた神経の『発芽』が、強い痛みを起こす」という文脈での前置きです。

上記の続きは、
「神経を切るとその切れたところから神経の先が無数に伸びてくる『発芽』という現象が起こります。」
「発芽の先の部分は原始的であるために、正常時にはないいろいろな受容体や興奮の仕組みを持っています。」
・・・ポリモーダル受容体のように「村役場」的に何でもやってしまうということでしょうか?
「そのために本来興奮が起こる場所ではない場所で興奮が起こり、その信号が脊髄に押し寄せます。」
「これらの発芽は通常はやがて消失していきますが、中にはそれが痛み系の歪みへとつながる場合があります。」
Commented by BN at 2008-10-06 20:51 x
つづき


・・・発芽は神経繊維が切れた場合に起きる。
もし、椎間板や黄色靱帯が神経根や脊髄自体を恒常的に圧迫しているとすれば、摩擦が起きているのでは?

馬尾症候群といった麻痺にならなくても、圧迫面の神経繊維を傷つけ、切れて「発芽」が起こることもあり得るのではないでしょうか?
Commented by junk_2004jp at 2008-10-06 22:10
もしそうならCRPSタイプⅡの痛み。カウザルギー、神経因性疼痛。

まずは麻痺が生じます。
Commented by TK(タク) at 2008-10-07 23:13 x
よく分からないのなら①-1
「痛みの科学」 痛み学の第一人者 熊澤孝朗先生の講義を受講してみようではないか

http://nime-glad.nime.ac.jp/semp/wm.asx?0u-air%2fspecial_lecture%2f014


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