2008年 10月 07日

よく分からないのなら②

b0052170_20254518.jpg英国の世界的著明な疼痛生理学者Patrick Wall の「疼痛学序説」を読んでみようではないか。

★この割合(椎間板ヘルニアの手術)は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。

★椎間板ヘルニアの手術は70年以上もの間行なわれてきた。もてはやされたこともあったが、疑問が増し続けている。ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。

★以前この手術を熱烈に支持していたマイアミ大学 は、今ではこの手術をやめて、厳密なリハビリテーションのプログラムを採用している。

★痛みが6ヵ月間あるいはそれ以上続くと、予後がだんだん悪くなる。圧痛点の局所治療は一時的緩和を生じるが、圧痛は戻ってくる。

★これらの病態では、問題と原因が圧痛点になければならないと,患者たちが確信している。圧痛点にそれを納得させるような異常が見当たらないので、本書でもう馴染みになったサイクルが始まる。

多くの医師たちは、局所性の原因がない局所性の痛みはありえないと思い込んでいる。したがって、局所性の原因を証明できないので病気は存在しないと結論する。これは、赤ん坊から沐浴水を独断的に放ることと同じである。この病態については、検討に値する筋の通った仮説がある。たとえば、脊髄内の少数の運動ニューロンの興奮によって、興奮性が高まった領域にピーンと張った帯が生じる。そして、この領域が感覚を生じるというものである。実際には、原因がないこの痛みは、医師たちがそれを観察したことを認めているのに、英国では正しい病名で診断されていない。



整形外科医に筋骨格系の痛みについて尋ねたところでよく分かっていない可能性が高いのです。それどころか間違って理解していることがあるのです。それはテレビ番組をみていても分かります。

私達は痛みの研究に一生を捧げた痛みの生理学者から学ぶべきです。
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by junk_2004jp | 2008-10-07 20:35 | 痛みの生理学 | Comments(1)
Commented by YA at 2008-10-08 02:15 x
釣りは鮒に始まり、鮒に終わる。


何事でも基礎基本を弄り飾り、華美になり過ぎて本道から逸脱する。

気がついてみたら、外道釣りにハマってしまう。

それは人間の間抜けな欲や、傲慢さや手抜きから始まる。

しかし、最後は必ず基本に立ち返るのだ…


今の医大生には、基地外なブログを書くようなジャンクもいる。

あるSNSでは、看護学生から執拗なスパムを食らったな…
医療外の事で。


医療に大切なことは、算術よりも仁術ではないだろうか?


高尚な人間性こそが、医師には必要ではないのだろうか?


キレイゴトかも知れないが、切に願う。


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