心療整形外科

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2008年 10月 30日

膝関節症に対する関節鏡下手術の有効性は不明である。

背景 : 膝関節症に対する関節鏡下手術の有効性は不明である。


方法 : 中~重程度の膝関節症患者に対する関節鏡下手術で、ひとつの施設において無作為比較対照実験を行った。患者は外科的洗浄と関節鏡による創面切除(débridement)に加え、最適化された理学・内科療法を受ける者と、理学・内科療法のみを受ける者とに無作為に振り分けた。第一の結果はフォロー2年後のWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC)スコアの合計に基づいた(0~2400、スコアが高いほど重症である)。第二の結果はthe Short Form-36 (SF-36) Physical Component Summary score(0~100、スコアが高いほどQOLが高い)などに基づいた。

結果 : 外科手術を受ける92名中、6名が手術を受けなかった。比較対照のための治療を受けた86名のすべてが理学・内科療法のみを受けた。2年後、手術を受けたグループの WOMAC スコア平均(+/-SD)は 874+/-624 点であったのに対し,比較対照グループでは 897+/-583 点であった(絶対差[手術を受けたグループから比較対照グループのスコアを引いた数]、 -23+/-605; 信頼係数95% の信頼区間[CI], -208 to 161; ベースラインスコアと重症度の調整後のP=0.22 )。 SF-36 Physical Component Summaryのスコアは手術グループで37.0+/-11.4、比較対照グループでは 37.2+/-10.6であった (絶対差, -0.2+/-11.1; 信頼係数95%の信頼区間[ CI], -3.6 to 3.2; P=0.93)。中間時の WOMACスコア解析や、他の副次的な結果からも手術の優位性は示されなかった。

結論 : 膝関節症に対する関節鏡視下手術は、最適化された理学・薬物療法に加えて行っても、さらなる利益はない。
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by junk_2004jp | 2008-10-30 23:28 | 慢性痛 | Comments(0)


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