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心療整形外科

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2008年 11月 02日

痙攣痛(spasm)とよぼう!

なんでそう考えるのか分からない

この患者さん先日、退院されました。ゴルフのあと両下腿が痙攣を起こし、ヘルニアと診断され、レーザー手術を2回、脊柱管狭窄症といわれ1回手術をしましたが、両下肢のピクピクした痛みは取れませんでした。

腰、頚、上肢にも同じような痛みがありました。

2か月間ほどの入院でほぼよくなりました。

トリガーポイントブロック、スーパーライザー照射、マッサージ、薬はトレドミン(抗うつ薬)ガバペン(抗てんかん薬)です。

先日より治療している患者さんは、ウエートトレーニングをしているとき気分が悪くなったのに続けてやったため、おへそより下の筋肉に痙攣がおきてとまらなくなった人です。

まだ治療を始めたばかりですが、治療に反応しますからなんとかなるだろうと思います。

二人とも大都市の方で、有名病院を一通り受診していらっしゃいますが、筋肉についての診断はありませんでした。神経の圧迫か心療内科的な説明だったそうです。

「痙攣痛」なんですね。炎症ではありません。神経圧迫がこのようなことを起こしません。ほとんどの筋骨格系の痛みは一種の痙攣痛なんです。

どこの病院でも神経圧迫説や、椎間板や軟骨の変性説、わからない、心因性などで筋肉の痙攣説はありませんでした。

ちょっとしたことで起こった筋肉の痙攣が条件が揃えば止まらないのです。そして筋肉は固く短縮した状態になる(ワケあり筋)。この筋肉は天候、ストレス、労働で痙攣を誘発する。

筋肉と脳は深い関係があることが分かっており、抑うつ、不安、焦燥、睡眠障害、乾燥、記憶、下痢、頻尿、微熱などを合併するようになる。


http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_564.htm

このページをもう一度読んでみてください。痙攣痛というとちょっとイメージが湧かないかもしれませんが筋肉痛よりはいいと思います。筋痛症よりも痙攣痛のほうがインパクトがありますね。


微小な損傷は次のような動作の結果である可能性がある。
繰り返し動作:繰り返し無理な動作をした人には筋筋膜トリガーポイントがよく見られる。
急激な動き:スポーツ外傷、突然の転倒、自動車事故などがこの範疇に入る。
ストレスのかかる体位:姿勢や骨格の非対称性、長時間の不自然な姿勢などは微小な損傷の原因になる可能性がある。微小な損傷は筋小胞体の破壊をもたらす結果、損傷部位周辺に豊富にCa2+が放出される。このCa2+が存在することで筋フィラメント間に連続的な相互作用が起こり、自発的、継続的な活動電位がなくても筋収縮が続く。その損傷が修復可能な場合は、異常は一時的なものに終わる。循環血液量が十分なときは、身体の治癒メカニズムによって損傷部からCa2+が運び去られ、筋は休止状態に戻る。ただしSimonsとHongによれば、局所的に終板に機能障害があるとシナプス間隙で過剰なAChの放出が続く結果、絶えず接合部後膜の脱分極が起こるので、シナプス問隙にAChEがあっても放出される大量のAChを分解しきれない。

シナプス前膜の過剰興奮と無秩序性が、正常なときに比べてより高頻度に電位依存性Ca2+チャネルを開く。それと同時に、筋小胞体の破壊によって大量の遊離Ca2+がシナプス間隙に放出されて、それがシナプス前膜に取り込まれ、シナプス小胞体がシナプス前膜に融合してAChがシナプス間隙に放出されるのを促す。

その結果、筋節では最大限に収縮した状態が続くことになる。このような筋収縮が持続すると、代謝に対する要求が高まるにもかかわらずその領域に分布する毛細血管は収縮した状態にある。筋が最大時の30~50%収縮すれば循環障害に陥る。毛細血管は酸素を供給するが、同時にそれは筋にエネルギーを供給することでもある。したがって、その局所の筋は阻血状態になり、代謝老廃物の蓄積が始まる。

Simonsは「代謝要求の増大と供給が阻害されることと相まって、局所的ではあるが厳しいエネルギー危機がもたらされる」と表現している。通常は、このような状態は筋小胞体が周辺の余分なCa2+を吸収することで回復可能であるが、エネルギー源の不足のため、Ca2+を筋小胞体内へ汲み入れるCaポンプに必要なATPの供給が十分行えない。こうして、ますます多くのCa2+が筋中に遊離して悪循環が生じる。最終的には、その筋に組織学的変化が起こり、トリガーポイントの形成、あるいは以前は活動していたが今は休止中のトリガーポイントを再び活性化させることになる。

激しい局所的な酸素不足および組織のエネルギー危機が筋の侵害受容器を感作する物質の放出へと導き疼痛発生の原因になる(図4-4)。すなわち、ブラジキニン(血漿蛋白質から遊離する)、プロスタグランジン(内皮細胞から合成される)、およびヒスタミン(マスト細胞から放出される)が放出されることが感作の原因なのである。

さらに、このように触ると痛い、侵害刺激に敏感な局所ができるばかりでなく、そこから離れた
ところにも関連痛パターンが現れることがある。また、筋節の短縮が筋全体の長さを減少させるとともに(図4-5)、疼痛をかばおうとする動作と相まって、ますます筋の柔軟性を失わせ、関節の正常な運動力学に影響するようになる。罹患筋ばかりでなく、その近隣の構造もともに傷害が重なれば、ますます脆弱化して大きな損傷となる。このことから見ても、筋筋膜トリガーポイント症侯群(微小な損傷である可能性あり)といえる初期症状の人が治療を受けないと、将来、より重度な損傷になる素地をもつことになるのは明らかである。

スポーツ外傷の多くはそれ以前に筋筋膜に問題のあった筋が重ねて傷害を受けた結果である。たとえば、ある野球の投手がいて、肩甲下筋と棘下筋が硬くなり、そこにトリガーポイントができた結果、肩に軽度あるいは中程度の疼痛があったとする。彼が肩の適切な治療を受けることを軽視してすぐに正常な動きを取り戻さないと、その傷がこの後肩甲下筋の短縮性の損傷に、棘下筋では伸張性の損傷に発展する可能性があり、筋が断裂することもあり得る。


by junk_2004jp | 2008-11-02 14:10 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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