心療整形外科

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2017年 03月 13日 ( 2 )


2017年 03月 13日

筋膜癒着痛についての質問

最近、テレビ等でも話題となっている筋膜の存在なのですが、筋膜には痛覚があり、筋肉そのものより、MPSの病態が筋膜の癒着 等による影響ではないか?とする見解が多数見受けられています。MPSも筋痛症と診るより筋膜癒着痛と診るべきなのでしょうか?


筋筋膜性疼痛の生理学の第一人者、水村和枝先生は「筋性疼痛」とか「筋の痛み」という言葉を使っていらっしゃいます。
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「遅発性筋痛」というのは筋痛はしばらく経って起きてくることです。「遅発性筋膜痛」とは言いません。

「線維筋痛症」と「筋筋膜性疼痛症候群」は一連の疾患です。「線維筋膜痛症」とはいいません。

International MYOPAIN Society(国際筋痛症学会)・・・myopainとは筋痛ということです。「国際筋膜痛学会」とは言いません。   http://www.myopain.org/

慢性痛は心理・社会的疼痛症候群と言われています。心理的緊張で痛みが強くなることはだれでも経験しますね。集学的治療が必要と言われています。筋膜の癒着との関係はどう説明するのでしょうか。

慢性痛は中枢性感作です。筋膜の癒着とどういう関係があるのでしょうか。認知行動療法と筋膜癒着痛とどう関係つけて説明するのでしょうか。

ぎっくり腰は筋肉の激しい攣りです。筋膜が突然癒着するのでしょうか?腸腰筋などに注射をしてやるとその場で解決することが多いです。

伸張性収縮は筋膜が痛むわけではありません。

筋肉の緊張を調節している筋紡錘は筋肉にあります。

痛みの悪循環、中枢性感作、痛みが次第に広がるなどの説明は痛みの専門家(生理学者)によって解説されています。どのように患者さんに伝えたらよいか。

なにをfascia(筋膜)というのか? 癒着とはどういう状態をいうのか?
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整形外科医はfascia(筋膜)とは筋肉を包む薄い膜のことだと思ってきました。骨折の手術をするとき、この膜を切り、筋肉に到達します。骨折を接合したあとはこれを縫合します。

大きなケガをすると皮下脂肪と筋膜が、筋膜と筋が部分的に癒着して互いに滑って動くことができなくなることがあります。鍼やトリガーポイント注射で剥離することはありません。メスでの剥離が必要です。

そもそも「癒着があると痛い」という前提が成立しません。上記のような状態でも普通は痛くありません。

なにをfasciaというのか、どういう状態を癒着といっているのか、癒着があるとなぜ痛いのか、など詰めて考える必要があります。

「fasciaをリリースする」

別の言い方をすると「コリをほぐす」

「コリをほぐす」というより「筋膜リリースする」という方が何だかいいように思えますね(笑)。

「トリガーポイントブロック」を「筋膜リリース注射」といってもいいのです。「痛み止めの注射」というよりトリガーポイント注射という方がウケはいいでしょう。

私を含めて治療家は患者さんが理解しやすい言葉、イメージしやすい言葉を探し続けているのです。

そういう意味でどう表現するかの問題なんです。

患者さん相手ならなんとでも言えますが、専門家相手の論争になると細かい注意が必要です。

私は世界的に使われているmyofascial pain(筋筋膜性疼痛)やmyopain(筋性疼痛)を使っています。

筋膜癒着痛なんて表現はしません。


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by junk_2004jp | 2017-03-13 18:44 | MPS | Comments(0)
2017年 03月 13日

慢性痛の患者さんは増え続ける

① MRI、CT、レントゲンの人口あたりの保有率は日本はずば抜けて多い。

http://junk2004.exblog.jp/19547125/

② 国民皆保険、いつでもどこでも簡単に受診できる。安価。

③ 「老化した(傷んだ)関節軟骨、椎間板、半月板、腱板は痛みの原因になる」「神経を圧迫、絞扼すると痛みやしびれが起きる」これ、マジに専門医ともあろう人が思い込んでいる。それも大学病院や有名病院でさえ(笑笑笑)。

生理学的な根拠なし、疫学的根拠なし。患者さんにしてみれば、有名病院の専門医が画像を示して説明しているのだから信用してしまう。

①②③が揃っている日本の現在ではますます慢性痛の患者さんは増え続ける。医療費が増えてもそのおかげで健康な人が増えればいいのだが。現状は逆だ。医療費が増えて痛い人が増える。

レントゲン、MRIでとくに異常がなければ、痛みやしびれの原因を説明する能力はないし、もちろん治療はできない。

「手術するほどではない。」じゃあどうすればいいのか説明できない。

手術をしても成績はさっぱりだ。「手術は完璧にした。」それでも痛いのは何故なのか説明できない。精神的な問題にされたりする。

手術はプラセボ程度の効果が期待できるが、ほとんどの場合、短期間に限ってだ。

そもそも痛みの生じている理論が間違っているのだから。

手術は麻酔をかけてのケガなんだからかえって悪化することも少なくない。とくに2度手術した人には大変な苦しみを抱えている人がいる。

検査をして手術をしなければ病院経営が行き詰まる。なにしろ大きな設備投資をして、人件費をかけているのだから。

医師は病院経営の歯車となっている。

そして慢性痛の患者さんは増え続ける。

腰牽引、頚牽引が保険診療報酬から外されたようにヘルニアや脊柱管狭窄の手術を保険からはずしたら。


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by junk_2004jp | 2017-03-13 02:24 | Comments(1)