2012年 02月 22日
「骨さえ大丈夫なら放っておいても治る」 これは患者さんからよく聞くフレーズだ。他の地方でも言われているのではないだろうか。 元をただせば、医者がよく使った言い回しなのだろう。 Aさん(60歳代、女性)は転倒して、シリモチをつき、臀部と膝が痛い。 1カ月半ほど、病院に入院して、検査を受けたが特に異常がなく、積極的な治療はなかった。 異常がないので治療ができないわけで退院したが、ほとんど歩けない状態が続いている。 夫がおんぶしてトイレに連れていっている。睡眠障害もある。 困り果てて当院を受診。 4日間連続、圧痛点に局所麻酔を注射する。杖なしで歩行が可能になった。眠られる。 このような治療は早期に行うべきなのだ。 受傷後2カ月目だったので助かったのかもしれない。 もう1カ月遅かったら、線維筋痛症状態になっていたかもしれない。 Bさん(60歳代、男性)は2日前転倒して、シリが痛くて動けない。 車いすで診察室へ。 レントゲンを撮ってほしいということでレントゲンを撮る。 骨折はありませんでした。 Bさん:「打撲ですか?骨さえ大丈夫なら放っておいても治りますね。」 私:「治ることもありますが、1年後も痛むこともあります。」 注射を勧めてBさんはしぶしぶ注射を了解しました。 注射のおかげで自力で歩いて帰ることができました。 このように、受傷早期に局所麻酔を十分に打つことはとても大切なことなのです。 しかし、そのようなセンスを持った医師は少ないのが現状です。 患者さんも「骨さえ大丈夫なら・・・」といって痛みを積極的に治療することを拒む人もいます。 受傷当初は患者さんも痛みのベテランではなく知識も乏しいものです。 Bさんも放置しても治るかもしれませんが、2カ月後も痛みが続いているかもしれませんね。そして検査を受けて、脊柱管狭窄症だのヘルニアだのといったとんでもない病名が付けられる運命が待っていたかもしれないのです。 2012年 02月 20日
2012年 02月 19日
2012年 02月 13日
2012年 02月 11日
昨日、突然にドクター中松氏の秘書より電話があった。 「講演で金沢にきている。貴方の活躍に興味がある。宿まできてくれないか。」 このような内容の電話でした。 半信半疑でしたが、いってきました。 1時間ほど、痛みのウンチクを述べて、腰と肩に注射しました。 ドクター中松は83歳とは思えないエネルギッシュな方でした。特に痛みに困っているわけではないとのことです。 ![]() 2012年 02月 05日
腰痛を自分で治す!3か条 ① "運動"で治す!② "生活"で治す!③ "考え方"で治す! http://www.nhk.or.jp/kenko/drq/archives/2012/02/0204.html 靴の上から足を掻くような印象を受けました。 なんとなく言わんとすることは分かるのですが、・・・ 画像検査で異常が認められるなどで腰痛の原因が特定できるものは約15%。 画像で特定できる腰痛・・・・骨折、悪性腫瘍、感染症、リウマチ性疾患 これが15%もあるとは思えません。 解説の医師はヘルニアや脊柱管狭窄が痛みの原因だと思っているのでこうなるのでしょう。 私はそうは思いません。 ほとんどの腰痛はmyo pain (筋痛)です。 急性痛のうちに治してしまうことです。 筋骨格系の痛みの起きるメカニズムは分かっています。 ●力を入れて急に伸ばした時(伸張性収縮) ●打撲や捻挫 ●過剰使用による遅発性筋痛 「原因が特定できない痛みが85%もある」というのは患者さんにとっては納得のいかないことではないでしょうか。 2012年 01月 27日
新しい職場について2カ月後、腰痛、両下肢のしびれの女性。 すべり症で手術が必要という診断。 緊張、ストレスによるMPSです。 定年まぎわの男性、時に激しい腰下肢痛におそわれる。 脊柱管狭窄症で手術が必要という診断。 不安神経症にともなったMPSです。 30数年この仕事をしていると、このような痛みやしびれの患者さんを1~2回診ればわかります。どのような仕事でも30年以上やっていれば「ベテラン職人」です。 画像診断は特異的な病気の除外の意味しかありません。 「悪性腫瘍、感染症、骨折、リウマチ及び類似の炎症性疾患」の有無の検査です。 神経が圧迫を受けて痛みやしびれが出ることはありません。 構造異常が痛みの原因だというのはまちがっています。 生物・心理・社会的疼痛症候群とみて治療すべきです。 心療内科医的な素養が絶対に必要です。それが医師の医師たる所以です。 痛み・しびれとはそういうものなのです。 医師の再教育が必要です。 患者さんも医師がそのような教育を十分に受けていない可能性を念頭においてください。 ![]() 日本のとびぬけたレントゲン検査 放射線障害もさることながら、構造ばかりに気をとられ、診たてが悪い原因になっている。 2012年 01月 22日
痛みはそれ自体が増殖することがあります。マッチポンプなんですね。 昨日の症例で説明します。 Aさんは1カ月前に尻もちをついてより、臀部~大腿部痛のため座位、歩行時に痛みが続いています。 MRIで椎間板ヘルニアがあり手術が必要といわれましたが、痛い部位に局所麻酔を注射することによって症状は改善しました。 椎間板ヘルニアは今回の転倒で生じたのか以前よりあったのかはわかりません。今回の転倒によって生じたものとしましょう・・・。 「尻もちをついてヘルニアになり、座位や歩行時に痛みがある。」 この文章は日本語としておかしいところはありません。 しかし、ヘルニアが痛みの直接の原因ではありませんね。 ここが説明の難しいところなのです。文章としては正しいが科学的正確さに欠けるのです。 外力によってヘルニアと同時に筋肉の微小損傷も生じたのです。 ヘルニア(構造)の治療と痛みの治療は別問題なのは理解できるでしょう。 ヘルニアを取ったところで臀部の痛みが治るという保障はありません。 もし骨粗鬆症があったら尻もちをついたときに、ヘルニアになるかわりに圧迫骨折が起きたかもしれません。 「尻もちをついて圧迫骨折になり、座位や歩行時に痛みがある。」 骨折の治療と痛みの治療は別問題です。 尻もちをついてのお尻の痛みは放っておいてもしばらくで治るかもしれません。 しかし1年後も痛みがあって座れないかもしれません。 治療家ならだれでもこのようなケースを知っていますね。 痛みが全身に広がっていることもあるのです。 そのようなケースが極めてまれだとしても。 最初はバケツ1杯の水で消せたものが1年後には手に負えない火の勢い(痛み)になってしまうことだってあるのです。 痛みの治療は時間の要素が大切です。 このようなことがたとえば労災事故や交通事故だった場合、話はとてもややこしくなってきますね。 医師はどの程度の可能性を説明すべきか。 2012年 01月 17日
たくさんの患者さんから年賀状をいただきました。 ありがとうございました。 皆さまにとっていい年でありますように! 介護の仕事をしていた 「さを」さん は看護師になられたのですね。がんばってください。 痛みについて本当のことを知ってしまったので整形外科に勤めるのは苦痛かもしれませんね。 「ご無沙汰しております。私はすこぶる元気です。地元**の大学病院に就職が決まりました。整形外科以外の科を希望しました。」 2011年 12月 20日
整形外科の腰痛、ヘルニア、脊髄腫瘍 私の感想は、こりゃ、だめだ! 1症例目は、ぎっくり腰の人にたまたま脊髄麻痺症状が重なっただけ。脊髄腫瘍が腰痛の原因にはならない。 圧迫を受けたお腹の皮膚神経が鈍麻しているのを検査していたでしょ。腫瘍によって圧迫を受けた脊髄は麻痺を起こすことがあります。痛みではありません。 たまたまぎっくり腰(腰の筋肉の攣縮)になった人に脊髄腫瘍があり、脊髄麻痺をきたした。 前半のぎっくり腰と後半の脊髄麻痺は別の疾患でたまたま偶然に時期を同じくして出てきただけです。 脊髄麻痺(脊髄症状)は外来レベルでわかります。 このような特殊なケースを腰痛として取り上げるのは視聴者に無用の心配を抱かせます。 2症例目は、分離症で下肢のしびれを訴えている。ヘルニアで神経が圧迫を受けている可能性をいっていたが、「しびれ」という言葉の意味を理解していない。 成人の分離症は痛みの原因にならない。 末梢神経がヘルニアによって圧迫を受けても症状は出現しない。(馬尾症候群の絞扼性神経障害はのぞく→麻痺が生じるので緊急手術) 知覚鈍麻も「しびれ」ということがあり、ジンジンした感覚も「しびれ」というので混同している。 1症例目は脊髄麻痺による「知覚鈍麻」で2症例目はMPSによる「ジンジンした知覚異常」です。 2症例目はMPSだと思われる。 < 前のページ次のページ >
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