心療整形外科

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2017年 11月 19日

心因性疼痛?

① 神経根の圧迫説(痛みやしびれが生じる理論)「神経根圧迫派」

日本整形外科学会や日本脊椎脊髄外科学会のホームページを見ると、脊椎症性神経根症や脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどの説明はだいたい同じです。



② 私はこの説に反対しています。「筋筋膜疼痛、心理・社会的疼痛症候群派」

*神経根を圧迫すると痛みやしびれが生じるという生理学の学説がない。

*健常人でも多くの人に圧迫している画像がみられる。

*痛みの悪循環、痛みの範囲が広がる、を合理的に説明できない。

*痛みはいろいろな条件で強弱することを合理的に説明できない。

*「慢性痛」(中枢性の痛覚過敏状態)を説明できない。

*手術成績があまりにも悪い。

*保存的治療(トリガーポイント注射、鍼、認知行動療法、マッサージ、心理療法、薬など)で治る。

*筋筋膜性疼痛症候群(MPS)で十分合理的に説明できる。トリガーポイント。

*生物・心理・社会的疼痛症候群

*再発はよくあることだが、そのたびに大掛かりな検査や治療が行われるのはいかがなものか。

*神経根派にとって線維筋痛症は頚椎症性神経根症や椎間板ヘルニアなどとは全く種類の違う病態と思っているだろう。私は筋筋膜痛と線維筋痛症は一連の疾患だと思っている。

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「神経根圧迫派」の医師はおそらく心因性疼痛という概念を持っていると思う。たとえば、神経根に圧迫がなく自分が納得できない痛みに関して。

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戸田克広氏より

一方、「筋筋膜痛、心理・社会的疼痛症候群派」は心因性疼痛という概念を持たない。
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戸田克広氏より

痛みの定義

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


組織損傷を伴う痛み=侵害受容性疼痛

そのような損傷があるように表現されるもの=神経障害性疼痛

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現在圧倒的に神経根派が多く、慢性痛に悩むひとが多い。

事故や労災による痛みも適切に扱われていないこともしばしばある。







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by junk_2004jp | 2017-11-19 09:56 | Comments(0)
2017年 11月 16日

痛み医療が遅れている理由、頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症

皇后陛下


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頸椎椎間孔狭窄症;頚椎症性神経根症と同じことと思っていいです。

腰部脊柱管狭窄症もこのような言い方に準ずれば「腰椎症性神経根症」ということになります。

日本整形外科学会の公式ホームページに記載されていて、有名な方もそのような診断を受けている。

また多くの大学でもこのような診断をしている。

指導医は研修医や学生にこのように教育をしている。

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しかし

神経が圧迫を受けると痛みやしびれが生じるという生理学はない。

圧痛点は必ずありますがそこは末梢性に中枢性に痛覚が過敏になっているポイントです。

痛覚が過敏になるポイントが生じる理由は生理学で説明されています。

神経根が圧迫を受けると神経根が炎症するというのも理解できない理論ですし、それがなぜ圧痛点を作るのか説明されていません。

その圧痛点に局所麻酔を注射したり鍼を打つと一挙に症状が取れることは外来で経験します。

画像で所見があっても無症状のことはよくあることです。それはなぜなのか。

手術をしても成績は決してよくありません。

頚椎症性神経根症の概念を信じて「慢性痛」という概念を認めるということは矛盾します。

慢性痛は約3ヶ月以上続く痛みで痛みそのものが治療の対象(中枢性の痛覚過敏症)

疑問だらけです。

私のブログをお読みの患者さんも治療家も疑問に思うことでしょう。

なぜ、侃々諤々の議論が起きないのでしょうか?

医師の世界は指導医に対して「御意」ということなのでしょうか。

私のような医師は少ないのです。

0ベース思考で治療してみませんか。


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by junk_2004jp | 2017-11-16 22:58 | Comments(0)
2017年 11月 08日

本当にお寒い日本の痛み医療

Aさんは夏ごろより、首から左上腕〜前腕に痛みとしびれが出てきた。上腕の筋肉がピクピク痙攣することがある。

仕事は重いものを持ち上げて移動すること。

B病院(地方の中核病院)、C公立病院を受診。いずれも頚の神経から来ているというものだった。

消炎鎮痛剤を続けて飲むようにと言われた。改善しない。

過剰な労働が原因なのは話を聞いただけでわかる。

僧帽筋や上腕三頭筋、前腕伸筋、棘下筋などに圧痛があった。

強い圧痛点に30ゲージの針で局所麻酔を注射するとすぐに楽になった。

ダルビッシュ君なら1年間ぐらい休暇が取れるだろうが、一般労働者では明日も仕事をしなければならない。

上肢が痛いとかしびれるというと「頚からきている」

下肢や臀筋が痛いとかしびれるというと「腰から来ている」というのが一般的だ。

何の根拠もない。

医療費はかさむが、多くはMRIの設備償却と薬代にばける。

患者はよくならない。

これが若手バリバリの専門医なのだから困ったものだ。

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by junk_2004jp | 2017-11-08 19:10 | Comments(0)
2017年 10月 26日

ガラパゴスのDr.シーラカンス

⭕️大学病院ですべり症の手術を3回した。今は線維筋痛症となっている。

当院でトリガーポイント注射とノルスパンテープ10mgでかなり改善した。

すべり症が原因で腰痛や下肢の痛み、しびれが起きることはありません。

⭕️ある有名総合病院で椎間板ヘルニアの手術をしたがよくならず、結局3回手術をした

が、よくならず、薬を続けてのんでいる。

改善がみられない。歩行が辛い。

下腿や足背、足底の圧痛点にTPBをすると、笑顔になった。

「私、失敗しませんので」→「私、失敗しますので」

これ技術的な失敗でなくて、思考過程の失敗なのです。

いずれの症例も私が初診なら、レントゲンやMRIを撮ることなく、1回〜数回で治癒する

可能性があります。

ヘルニアや脊柱管狭窄、すべり症で痛みやしびれが生じることは決してありません。

それは筋筋膜性疼痛症候群です。

外力Gが原因です。

慢性的な外力(生活週間、労働、スポーツ)、急性外力(打撲、捻挫など)

ストレス(不安)は痛みの認知閾値を低くします。

オピニオンリーダーとなるべき大学病院や地方の基幹病院がこのザマでは思いやられます。

医療費を有効に使うという観点からも非常に問題です。



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by junk_2004jp | 2017-10-26 13:31 | Comments(4)
2017年 10月 23日

今日の症例

症例1

60歳代、女性 

3年前、階段で転倒、右膝を強打する。「半月板が傷ついている」

といわれている。

歩行痛、軽度跛行、下腿の冷感、反対側の膝痛も最近でてきた。

膝周辺の圧痛点数カ所に0.5%メピバカインを注射した。すぐに痛み

が取れて歩行が楽になった。

「半月板のことは忘れてください。あなたの年齢になると、膝の痛

くない人でも多くの人に半月板の異常がみられます。」

このような症例は以前はRSD(Reflex Sympathetic Dystrophy 反

射性交感神経性萎縮症)といいました。最近ではCRPSタイプ1(C

omplex Regional Pain Syndrome)といいます。

それは必ずしも交感神経が関係していないことが分かったからで

す。

今回のような治療をどれぐらいの間隔で何回すればいいのか?答え

があるわけではないが、1週間後に再診、数回の治療で回復するの

ではないか。個人差あり。

怪我をしたらすぐにこのような治療をすれば、その後の経過は全く

違っていたと思う。

もし、これが交通事故(自転車で転倒)だったら、半月板の手術を

していたとすれば・・・・痛みがこじれにこじれていたかもしれな

い。

症例2

一昨日、停車中、追突された。その日の夜より、右の首に痛みは出

てきた。頭痛なし、気持ち悪い感じなし、首の運動制限特になし。

右後頚部に圧痛あり。

患者さんは「むち打ちになっているのかどうか」を調べてほしいと

思って受診した。

この痛みが一過性で数日でよくなるのか、いつまでも続くのか医師

にはわからない。

注射や飲み薬はいらないということだったので湿布だけで経過をみ

ることにした。医師はどの筋肉に圧痛や緊張があるかは診察でわか

るがそれがどのような経過をたどるかは分からない。


症例1にしても、受傷当時、3年間も続く痛みになるとは思わないことだろう。



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by junk_2004jp | 2017-10-23 20:29 | Comments(0)
2017年 10月 12日

変形性関節症(OA)

この病名を改めるべきだと思う。

「軟骨が減って骨と骨がすれて痛い」

これ、間違いです。

ポリモーダル侵害受容器は軟骨が減って・・に反応しません。

仮関節(骨折が癒合しない状態)が痛くないのは普通ですね。

「関節が痛い」

関節って何?

骨と骨とのジョイントの部分。

関節は次のものによって構成されています。

「骨、関節軟骨、半月板、関節胞、靭帯、腱、筋肉、滑液胞」

椎間板も椎体と椎体を連結していますから関節です。

関節が痛いってどのパーツが痛いのか?

リウマチ、リウマチ周辺の自己免疫疾患、痛風、偽痛風、悪性腫瘍、感染症を除けば

筋肉が圧倒的で、ついで腱、靭帯が痛いのです。つまりMPSです。

早期に治療、病態を教え、対処の仕方を教えることによって、患者数は激減することでしょう。

病名が邪魔をして、医師にはこの観念がありません。残念なことです。

慢性化は腰などと同じで中枢性感作(中枢性の痛覚過敏)です。

下行性疼痛抑制系の機能低下、時間的加算、長期増強。

医師のレントゲンやMRIの所見の説明は患者に悪影響を与え、治癒を遷延化させているように思います。

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by junk_2004jp | 2017-10-12 16:04 | Comments(1)
2017年 09月 29日

世界疼痛学会2016

http://www2.convention.co.jp/iasp2016/program/speakers.html#awar

急性疼痛から慢性疼痛への進展には、侵害受容回路から感情、動機、認識および学習などに関わる回路への移行という特徴がある。本講演では、新しく形成される神経回路の心理学的、心理社会的、遺伝的および神経生物学的な決定要因についてお話する。また、慢性化についての複数の概念の中には、共通の心理生物学的基盤が存在していると考えられる。慢性痛の治療は、これらの脳内の回路における移行というものを標的にしなければならない。

外傷や疾患に伴う異常な疼痛状態をもたらす病態生理学的プロセスの理解については、かなりの進歩がみられている。例えば、「関節炎はなぜ痛むのか」といった問いには、かなりよい回答を提供することができる。そして、このような新しい知識は、着実に新たな治療につなげられており、過去5年間で、持続性の疼痛状態に対する一連の第Ⅱ相、第Ⅲ相試験が実施され、肯定的な結果が示されている。しかし、疼痛による苦痛の軽減にこれほど個人差があるのはなぜか、についてはあまり明らかになっていない。疼痛をもたらす多くの状態において、病理学的状態と患者が訴える苦痛の程度との間にはほとんど、あるいは全く関連がない。健常被験者に実験的に与えた刺激でも、被験者が訴える疼痛の程度は非常に幅広い。これらの事実は、ある一定の病態で個人がどれほど疼痛を経験するか、もしくはどれほど疼痛が回復しやすいか、慢性疼痛に進行しやすいか、といったことに影響を与える他の要因があることを示している。疼痛を感じやすい患者を同定するための、多くのツールや評価基準の開発に携わってきた心理学者は、このような疼痛の個人差というものを良く判っていたわけである。しかしながら、疼痛の消失しやすさ、疼痛の感じやすさの背後にある神経学的メカニズムが明らかにされ、調べられ始めたのは最近である。本講演では、遺伝的要因とエピジェネティックな要因という、2種類のメカニズムについて論じる。遺伝的要因については、遺伝的変異が個人の疼痛感受性を調節していることを示すエビデンスをお話しし、関連するいくつかの遺伝子がどのように働いているかの例を提示する。エピジェネティックな要因については、エピジェネティックなプロセスが、短期および長期の疼痛感受性の調節に関わる細胞記憶をどのように形成していくかをお話したい。最後に、細胞で起こるこれらのプロセスが、いかに疼痛回路に影響を与え、疼痛知覚に影響を及ぼすかについての問題提起を行う。

疼痛など有害な状況の軽減されることは、個体にとって報酬であり快楽的なことである。主要な報酬、あるいは報酬予測刺激は、脳内の報酬/動機づけ回路にコードされている。正の強化に関わる報酬回路に関する理解はかなり進んでいるが、疼痛軽減における快楽と強化行動に関わる回路についての理解はまだ不十分である。本講演では、急性および慢性疼痛が報酬、動機づけ、および感情に関わる脳内回路にどのような影響を与えるかを論じ、疼痛軽減による報酬効果には、前帯状回皮質(ACC)のオピオイドシグナル、中脳ドーパミンニューロンの活性化、および側坐核(NAc)でのドーパミン分泌が必要であることをお話する。疼痛軽減という報酬に関わる回路に関する理解が深まることは、急性および慢性疼痛の患者に対する、より効果的で満足度の高い治療の発見につながるかもしれない。

世界疼痛学会は、2016年を“関節痛と戦う年”とし、"筋骨格痛に関する専門部会" も2016年は同じテーマにした。個別の患者をみると、関節損傷、局所の炎症、そして痛みの間にはあまり関連がみられない。サイトカインのレベル、感作の程度(局所と広範囲)、下行性疼痛調節、併存疾患、そして痛みの期間は、痛みの重症度に関与する個別の因子である。予想される人口統計の変化や生活習慣の変化により、関節痛の頻度は増え続けるであろう。個別の因子や基本的メカニズムのよりよい理解が、患者プロファイリングを改善し、個別化した治療を助け、新しい治療選択肢を示唆し、それにより新しい治療法の開発を推進することになるであろう。

本講演では、癌性疼痛に関する基礎的及び行動学的メカニズムについてお話し、さらに薬理学的メカニズムと非薬理学メカニズムの両者を基礎とする治療法の裏付けとなるエビデンスについて議論したい。最後に、エビデンスギャップと将来の研究領域についてお話する。

近年、腸内細菌叢が内臓痛とそれに伴う気分/不安障害に重要な役割を果たしていることが報告された。John F. Cryan氏はこの分野に多大な貢献を果たしてきている。今回、彼のような世界的リーダーを講師に迎え、腸内細菌叢とは実際にはどのようなものなのか、過敏性腸症候群などの疾患における重要性について解説を聞くことができる、素晴らしい機会が実現した。

電位依存性ナトリウムチャネルであるNav1.1-Nav1.9は、興奮性細胞の電気的インパルスの発生と伝導に不可欠である。ヒトおよび動物における研究において、Nav1.3、Nav1.7、Nav1.8、Nav1.9などいくつかのチャネルが、痛覚伝導路をシグナルが伝達される際に重要であることを明らかになっている。本講演では、これらのナトリウムチャネルアイソフォームの疼痛への関与についてレビューしたい。

疼痛の経験は複雑で、いくつもの生物学的、心理社会的要因の動的相互作用によって、異なる形をとって表れる。これらの生物心理社会的影響は、疼痛および疼痛治療に対する反応において顕著な個人差を作り出す。統計学的要因(性別、人種/民族、年齢など)、遺伝的要因、心理学的特性など、多くの個人的変数が疼痛に影響を与える可能性がある。重要なことは、これらの変数は相互関係を持ちつつ、疼痛反応に影響を及ぼすことである。本講演では、疼痛における個人差を概念化するモデルを提示し、疼痛に対する生物心理社会的要因の影響に関する知見を示したい。講演の最後では、疼痛の評価と治療における意義についての討論を行う。

いかなる組織損傷も、持続性疼痛につながる可能性がある。慢性術後疼痛(CPSP)は医療分野における優先事項となっており、国際疾病分類第11版の新版に含まれることになっている。これは適切な疼痛治療を受けることが人としての権利であり、またCPSPが複雑な生物心理社会的問題であるからである。現在、小児患者、高齢者、精神疾患のある患者などの特定集団におけるCPSPの発生率の評価を目的として、さらなる研究が行われている。このテーマに関する研究は長く行われているにもかかわらず、急性の術後疼痛からCPSPへの移行は、通常診療の中ではとらえがたく予測できない場合が非常に多い。本講演では、基礎的研究から得られた病態生理学的メカニズムに関する考察よりも、むしろ予測因子と可能な予防戦略について焦点を当てたいと考えている。


疼痛など有害な状況の軽減されることは、個体にとって報酬であり快楽的なことである。主要な報酬、あるいは報酬予測刺激は、脳内の報酬/動機づけ回路にコードされている。正の強化に関わる報酬回路に関する理解はかなり進んでいるが、疼痛軽減における快楽と強化行動に関わる回路についての理解はまだ不十分である。本講演では、急性および慢性疼痛が報酬、動機づけ、および感情に関わる脳内回路にどのような影響を与えるかを論じ、疼痛軽減による報酬効果には、前帯状回皮質(ACC)のオピオイドシグナル、中脳ドーパミンニューロンの活性化、および側坐核(NAc)でのドーパミン分泌が必要であることをお話する。疼痛軽減という報酬に関わる回路に関する理解が深まることは、急性および慢性疼痛の患者に対する、より効果的で満足度の高い治療の発見につながるかもしれない。

鎌状赤血球症は、疼痛発作を引き起こす急性血管閉塞の病態と関連があり、しばしば継続する慢性疼痛を生じる。さらに、鎌状赤血球症の病態のヒトとマウスのいずれにおいても、寒冷感受性の上昇がみられる。慢性疼痛と疼痛発作のメカニズムは、この疾患により発生している可能性がある。

脳機能的磁気共鳴イメージング(FMRIB)鎮痛-麻酔イメージング神経科学(Pain Analgesia-Anaesthesia Imaging Neuroscience:P.A.I.N)グループは、Irene Tracey氏がリーダーをつとめており、先進的な神経画像を用いた、疼痛知覚、鎮痛および意識状態の変化の理解を目的としている。機能的および構造的可塑性、過敏化、その他の増幅または減弱プロセスが、個人の痛覚神経回路のどこで発生するかを非侵襲的に明らかにし、それらの神経メカニズムを特定の疼痛経験、疼痛軽減の計測性、疼痛状態の持続性、損傷の程度、および被験者の遺伝的要因と関連づけることは、神経科学的な妥当性を持ち診断上の価値をもつと思われる。現在、個人において疼痛が消失しやすいか、あるいは慢性疼痛状態へ進展しやすいかを決定するのが、中枢神経系(CNS)のどのような異常メカニズムであるのかを明らかにしようとする努力が続けられている。今回のTracey氏の講演の主要テーマは、「疼痛の神経画像化」が、今後10年間における疼痛の神経科学、臨床的な決定、および鎮痛薬の開発に果たす役割を拡大しつつあることである。

神経障害性疼痛は、さまざまな慢性疼痛状態の中で最も消耗性の強い状態である。神経障害性疼痛と神経損傷病態の臨床症状は、通常進行性である。数多くの明確な研究によるエビデンスから、リゾホスファチジン酸(LPA)およびLPA関連分子(オートタキシン、リゾホスファチジルコリン、ホスホリパーゼA2など) のシグナル伝達が、神経障害性疼痛を最も明快に説明するメカニズムの一つであると考えられる。そのメカニズムは末梢神経系から中枢神経系への「フィードフォワード」制御である。LPAシグナル伝達は、脊髄ニューロンだけでなく、シュワン細胞を含む一次求心性神経、脊髄ミクログリア、アストロサイトにおいても機能し、神経損傷自身と神経障害性疼痛の発生、持続および悪化に関わっている。神経損傷が生じると、LPAシグナル伝達はフィードフォワード制御によって新たな LPA産生を引き起こすが、これは臨床症状(即ち、神経損傷の進行と神経障害性疼痛)と一致している。

発達中の重要な時期における疼痛と外傷は、感覚閾値とその後の外傷反応を変化させ、それは成人まで継続する。我々の臨床研究では、早産児における長期的な感覚変化を発表したが、新生児期に手術を必要とした小児でより顕著であった。成人初期の経時的フォローアップでは、11年後の時点で変化が継続していることが確認され、さらに疼痛閾値の性差や手術に関連する個人差、また侵害刺激に対する反応性、同年齢の対照群と異なる広範囲侵害性調節機構(CPM)が明らかになった。関連する基礎研究において、齧歯類モデルにおける出生後第1週での外科的傷害は、臨床像に変化をもたらし、成体期での感覚閾値の変化と将来の外傷に対する痛覚過敏反応の増大がみられた。現在進行中の研究では、基礎となるメカニズム、性差依存的な差違、および予防的な鎮痛方法の有効性の評価を行っている。本講演では、臨床および基礎研究の両方についてお話しし、若齢期に経験した疼痛の長期的な影響のトランスレーショナルリサーチな観点での解説を行う。

19世紀、スコットランドの探検家リビングストン(Livingston)はアフリカでライオンに襲われたが、苦痛も恐怖も全く感じなかったという。感覚受容性のこのような驚くべき変化は、脳幹を起源とする主にノルアドレナリン(NA)作動性およびセロトニン(5-HT)作動性の下行性疼痛抑制系によって起こったものであろう。これがどのように起こったかを明らかにすることは、興味深い課題である。有効なアプローチの一つが、in vivoおよびin vitro標本を用いて行われる、細胞外、細胞内およびホールセル(全細胞)パッチクランプ法による記録などの、電気生理学的手法である。Ecclesのグループによって確立された、in vivoでの脊髄運動ニューロンの細胞内記録は、比較的大型の細胞に限定される方法であった。細胞の1個のイオンチャネルのパッチクランプ記録は、NeherとSakmannによって開発され、in vitro標本で広く用いられている。後根と接続したin vitro切片標本は、特定の一次求心性線維によって運ばれた感覚情報が、脊髄後角でどのように処理されるかを理解する上で、非常に有用である。しかし、これらの方法論ではどの種類の感覚が処理されるかを明らかにするのは困難であった。1996年の神経科学大会(Neuroscience Meeting)では、AR. Lightのグループが、in vivoパッチクランプ記録が小型の脊髄ニューロンにも適用可能であることを示した。In vivoおよびin vitroの脊髄スライス記録により、我々は膠様質(SG)における侵害受容伝達に対するNAおよび5-HTの効果を解析した。さらに生理学的刺激に誘発されるSGニュ−ロンの侵害反応に対する、青斑核または大縫線核刺激の効果も分析した。本講演では、まずin vitro切片標本に対するNAおよび5-HT投与の効果を示し、次にin vivoでのSGにおける侵害受容伝達に対する、LCまたは縫線核の電気的または光刺激の効果を示したいと考えている。in vivoパッチクランプ記録によって明らかになった、感覚の種類に特異的な下行性抑制系の作用についてお話する予定である。



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by junk_2004jp | 2017-09-29 03:34 | Comments(0)
2017年 09月 28日

バカな話だ!

当院の待合室では次のような会話が・・・

「私はX病院で手術をした。」

「私はY病院で」

「私はZ病院で」

同じ病院で2回手術している人もいれば、X病院、Y病院と2回した人もいる。

とにかく私はX、Y、Z病院で脊椎の手術をした人をたくさん診てきた。

その他の病院もあるが圧倒的にXYZ病院だ。

よくなるどころか悪化している。

患者さんは怒っている。そりゃそうだ、大金をかけて大きな期待で覚悟して手術をしたのだから。

こんな生理学的に何の根拠もない手術が野放しになっていることに腹が立つ。

湿布の枚数やトリガーポイントの回数にはいちゃもんつけるのに。

このような病院は淘汰されるべきなのに「腰痛治療で有名」なのはなぜなんだろうか。

痛みはどのように発生するのか。

なぜ慢性化するのか。

なぜ広がっていくのか。

こういう基礎的な知識があれば手術をしないはずなのだが。

専門医のくせに知らないから手術しているのだろう。

「慢性痛のガイドライン」が作られつつあると聞く。

正しい診断ができるきっかけになればいいのだが。

Aさん(70歳代、女性)の場合

整骨院で腰の牽引をしていた。

お尻から下肢にかけて痛くなった。

Y病院を受診、手術は順番待ちといわれた。

知人から「X病院ならすぐにしてくれる」と聞いてX病院受診。

黄色靭帯骨化症という診断。「頚と腰にある」「下肢が痛いのだから腰からしましょう。」

腰の黄色靭帯骨化の除去の手術を受けたが一向に治らない。

治るどころか私のところにきた時は線維筋痛症だった。

「手術は完璧、頚の方もしなければ」ということだったが。

黄色靭帯骨化や後縦靭帯骨化が痛みの原因になることは決してない。(無症候性)

症状を起こすとすれば脊髄圧迫による脊髄麻痺だ。

Bさん(60歳代、女性)の場合

X病院で脊柱管狭窄症という診断で手術を受けたが改善せず、Y病院に転医、そこではヘルニアという診断で手術を受けたが改善せず。

現在は線維筋痛症状態。



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by junk_2004jp | 2017-09-28 03:42 | Comments(0)
2017年 09月 23日

京唄子さんの腰椎圧迫骨折



高齢者の腰椎圧迫骨折は次のようにしています。

1:痛みの治療
2:骨粗鬆症の治療
3:骨折の治療

この3つの治療が必要ですが、それぞれ別の問題です。

痛みの治療は絶対に必要で当初から積極的に行う。局所麻酔を圧痛点に数日間注射する。消炎鎮痛剤やカロナールを使う。

骨折の治療は出来合のコルセットで固定、できるだけ短い時間の安静(1週間程度)。立位、歩行は当日より許可。

骨折は治ったが慢性痛(慢性の腰痛)になることが最も注意しなければならないことです。

高齢者を数週間、安静臥床することはとても危険なことです。

椎体がぺしゃんこに潰れてしまっても痛くなくて元気に活動できればそれでいいじゃないですか。

骨折した椎体にセメントを注入する手術があります。これもいい方法だと思いますが、プラシーボと変わらないというTV番組がありました。

この手術を受けた人で慢性の痛みに苦しんでいる人を2人診ました。


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by junk_2004jp | 2017-09-23 19:19 | Comments(0)
2017年 09月 18日

2013年01月号 健康

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by junk_2004jp | 2017-09-18 08:15 | Comments(0)