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カテゴリ:交通事故診療( 68 )


2016年 12月 18日

外傷を契機に発症した慢性痛(専門的用語ではCRPStype1)に集学的治療で効果があった症例


患者さんは遠方の方です。

患者さんの理解と積極的行動

多方面からのアプローチ

治療者や周囲の理解

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1年前バイクで転倒

事故当初は「頚部挫傷」「右肩鎖関節挫傷」「左肩鎖関節挫傷」「左肩関節唇損傷」と診断されました。

そして今年の年明けより、頚部、左上肢、肩甲骨周辺にに締め付けられるような激痛と痺れ、熱感、指の強ばりを感じ、診察を受けたところ、筋緊張による「胸郭出口症候群」と診断されました。そして3月初旬頃より、右上肢にも同じ症状を自覚しました。

これまでの治療の過程ですが、受傷後半年頃までは週1回のリハビリ(リラクゼーション、ストレッチ中心)のみで、その後、サインバルタ、トラムセットを処方されましたが副作用が強く継続出来ず、現在はカロナール200×3錠、ミオナール50、デパス0.5を処方されています。(リリカは毎日スクーターの運転をする為、副作用を懸念して処方されませんでした)週1回のリハビリは現在も継続中です。

現在の症状は、右肩は軽度の拘縮、左肩は肩甲上神経付近にガングリオンがある状態ですが、肩関節の可動域は日常生活には支障のない状態です。

痛みや痺れは1月に比べると頻度は徐々に少なくなってきてはいますが、未だに強い痛みを感じると、内服薬の効果があまり感じられず、仕事や日常生活にしばしば辛さを感じている状態です。

慢性疼痛の状態となっていると思われ、何か良い改善策はないかとインターネットで調べていたところ、加茂先生のブログに辿り着き「トリガーポイント療法でツライ痛みが解消するーその腰・肩・ひざの痛み治療はまちがっている」を購読したところ、私の症状は胸郭出口症候群ではなく、筋筋膜性疼痛症候群ではないかと思いました。

そこで是非、加茂先生の治療を受けたいと思い、ご連絡いたしました。

***********************


XXXXの4日間、通院しました、@に在住の、Aです。大変ご多忙な中、夫共々、丁寧に診察、治療をして頂きまして、本当にありがとうございました。

加茂先生の治療を受けた後、1週間くらいは調子が良く、慢性痛の痛みは感じられませんでしたが、その後、また慢性痛の強い痛みがぶり返し、心療内科で認知行動療法のカウンセリングを受けたり、通院中の病院でペインクリニックを受診し、丁寧なカウンセリングを踏まえて、リリカ25mgを処方され服用し始めました。

(始めてリリカを服用した時、最初の1、2日だけですが、加茂先生のTP注射と同じ手ごたえを感じて、薬の効果に驚きました。ただ私には最小量でも副作用が強く、朝、服用出来るようになるまで約1カ月かかりました。)

また理学療法士の先生も、色々とリハビリのやり方を試行錯誤して下さったり、自分自身も、痛みの悩みを抱えこまず周囲の人々に相談したり、痛み中心の思考にならないよう意識したり、自分にとって多少強度であっても、出来るだけ体を動かす事を意識して日々の生活を改善していきました。

その様々な治療が功を奏し、最近、ようやく慢性痛の痛みが大きく軽減され、痛みの悪循環から抜け出せた手ごたえを感じました。

慢性疼痛の症状は想像以上に辛く、一時期は軽い抑うつ状態になってしまいましたが、私は幸い周囲の人々に大変恵まれており、家族や友人、同僚や病院の先生方が、皆、理解のある方ばかりで、慢性痛になった事により、自分がどれだけの人に支えられ日常生活を送れているか、また健康のありがたみを切実に感じました。

加茂先生の本やブログの記事を読み、慢性痛の事を勉強し、治療を受けた事が、私にとって大きな転機の1つでした。

最初に加茂先生にメールを送った際、日にちに余裕がなかったにもかかわらず、10分も経たず迅速に承諾のお返事を下さった事が、大変心強く感じ、泣けるほど嬉しかったです。

また病院での加茂先生や看護師さんの優しいお心遣いが感じられる対応に、とても安心感を感じ、リラックスして治療を受けることが出来ました。

一緒に受診した夫も、慢性の腰痛が軽減され、それをきっかけに週2回のスポーツジム通いが習慣になり、今までで一番健康的な生活を送るようになりました。

加茂整形外科医院で治療を受ける機会に恵まれて、本当に良かったです。

毎日、大変お忙しいかと思いますが、無理せず、くれぐれもご自愛下さい。

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by junk_2004jp | 2016-12-18 12:01 | 交通事故診療 | Comments(0)
2016年 11月 03日

交通事故による慢性痛をどう補償するか。

昨日、昼休みに、ある人の弁護士から電話があった。

その人は交通事故で転倒して背中を強打した。

以来、同部位に焼け付くような痛みに悩まされている。

補償問題で損保ともめているらしい。

私は事故当初より診ているわけではないが、何度か治療して、意見書を書いたことがある。

損保側の医師はその訴えを認めようとはしないので患者側の弁護士が意見を聞きに電話してきたのだ。

強打したことがきっかけとなって慢性痛(神経障害性疼痛)になったわけだ。

それを他覚的に証明せよと言っているのだ。

サーモグラフィーで体温の状態をみる、発汗の様子をビデオで写す、などが考えられるがそれとて痛みそのものを証明しているのではない。

慢性痛というものの存在を認めないのか?

あるいは、それを認めたとしてもそれは損保の補償の範疇を超えていると言っているのか私にはわからない。

私は同じ土俵で話し合うために損保側の医師に

「慢性痛」の存在を認めるのか否か。認めるのならそのメカニズムを説明しなさい。

その外傷では慢性痛にならないと証明できるのか。

と逆に切り込んではどうかとアドバイスをした。

余計な御世話かもしれないが、お見舞いとして加害者か損保がいくらかお渡しして勘弁してもらえ。

午後の外来で

5年前、中二階から転落して、お尻を強打した人を診た。他医にてトラムセット、リリカを飲んでいるが、はかばかしくない。知人に聞いて当院を受診した。

お尻が痛く、まっすぐに立てない、歩きにくい、仰向きで寝れない。

こんな症例なにもめずらしくもない。

自損なので弁護士の出番ではないだけだ。

中臀筋、大臀筋、腸腰筋などに注射した。少しよくなったとのことで、通院してもらうことにした。


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by junk_2004jp | 2016-11-03 02:21 | 交通事故診療 | Comments(3)
2015年 04月 24日

60Km/hで衝突するとビルの5階から落下と同じ衝撃

今日の昼休みに運転免許の更新にいってきました。

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これに沿って30分のお話をききました。

職業がら、衝撃について何か書いてないかみました。次の文章をみつけました。

「時速60キロメートルでコンクリートの壁に激突した場合は、約14メートルの高さ(ビルの5階程度)から落ちた場合と同じ程度の衝撃力を受けます。


時速30kmで追突されたということは時速30kmで後ろ向きに走って壁に激突したのと同じことです。そのときはどれぐらいの力が頚に加わるのでしょうか。頭の重さは5Kg重です。

同じ外力でも防御姿勢をとるかそうでないかで大きくちがいます。

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慢性化しやすい筋筋膜性疼痛 これは以前のもらった教本からです。

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交通事故外傷の多くは筋筋膜性疼痛症候群で遅発性筋痛(DOMS)です。1〜数日後に痛みが強くなることがほとんどです。

事故当日あまり痛みが強くなくても数日間は安静にして様子をみることです。

このような外傷メカニズムを理解できる医師は少ない。レントゲンやMRIで損傷を判断しようとします。

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by junk_2004jp | 2015-04-24 19:48 | 交通事故診療 | Comments(0)
2014年 09月 26日

交通事故損保様、時代は変わっています。

いつまでも椎間板ヘルニアの手術をしている大学の先生にレクチュアーを受けていてもだめです。

痛みやしびれは「神経症状」ではありません。「神経症状」とは神経麻痺症状のことで、痛みやしびれと対局にある症状です。

もはや神経根症状などという昔の概念は通用しません。

まずは下の文献を読んでみてください。対策を練り直さないといけませんね。

http://junk2004.exblog.jp/i25/


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頚部損傷が線維筋痛リスクを増加

Medical Tribune [1997年8月21日(VOL.30N0.34)p.12]

〔ニューヨーク〕Soroka医療センター(イスラエル)のDan Buskila博士が率いる研究チームは,頚部損傷を受けた患者は線維筋痛症候群(FMS)を発症するリスクが高<なる、と『Art;hritis and
Rheumatism』(40:446-452)で報告した。

患者の21.6%が発症

FMSは一般人口の約2%に起こり、全身に及ぶ硬直と疼痛がおもな症状として挙げられる。
FMSの病因は分かっていないが、新しい知見は頚部損傷が原因の可能性があることを示唆している。

Buskila博士らは,頚部損傷患者102例と脚部骨折患者59例を対象に非関節部圧痛とFMSの有無について評価したところ、事故発生3か月後、頚部損傷患者では21.6%がFMSを発症していたのに対し、対照群では1.7%のみだった。

オレゴン保健科学大学(ポートランド)関節炎・リウマチ性疾患科のRobert Bennett部長は「これは非常に興味をそそる重要な報告だ。疼痛は10年、15年またはそれ以上続くことがあり、精神的ストレスの原因となる。しかし、この疾患に対する治療法は現在まだない」と述べた。

ケントフィールド・リハビリテーション病院(カリフォルニア州ケントフィールド)線維筋痛クリニック
のPaul Davidson部長は「ストレスはFMS発症に大きな役割を果たしている。ほとんどの人は頚部と肩帯部にストレスを受けているので、もし何かがこの部分を刺激した場合、FMSを引き起こす可能性がある」と述べた。

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急性むち打ち症において全身的過敏性が実証される

参考文献  Spine.004;29:182-188

研究者らによれば、感受性の充進は心理的苦痛と無関係に起こり、中枢性痛覚処理メカニズムの変化の結果と思われる

【1月23日】疼痛と身体障害が重症のむち打ち症の人では、症状が軽症な人と異なる感覚障害の証拠が認められるという研究結果が『Spine』1月15日号に掲載されている。「疼痛と身体障害が中等症および重症の人ではより大きい心理的苦痛が認められたが、症状が軽症な人との最も大き<異なる特徴は、様々な刺激に対する全身的過敏性の存在である」とクイーンズランド大学(オーストラリア、ブリスベーン)のMichele Sterling, PhDらは記述している。

「このような感受性の充進は心理的苦痛とは無関係に起こり、負傷後まもなく明白にみられる中枢性痛覚処理メカニズムの変化の結果と思われる」とSterling博士らは付言している。

研究者らは、自動車事故による頚部痛を訴える志願者80例(男性24例、女性56例;平均年齢(33.5士14.7歳)ならびに健常無症状志願者20例(男性9例、女性11例;平均年齢39.5土14.6歳)を登録した。

むち打ち症の被験者はQuebec Task Force ClassificationのWAD IIまたはWAD IIIを満たすこととし、負傷後1ヵ月未満に試験を実施した。研究者らは、WAD IVに該当する人、事故による脳しんとう、意識喪失または頭部外傷があった人、むち打ち症、頚部痛、頭痛または治療を必要とする精神医学的状態の既往がある人は除外した。また、以前に頚椎、頭部、上四分の一半身(upper quadrant)の疼痛または外傷があった症候性志願者も除外した。

研究者らは、3次元頚部関節可動領域(ROM)、関節位置誤差(JPE)、表面筋電図(EMG)を用いる表面頚部屈筋活動の記録によって運動機能を計測した。

また、研究者らは圧痛感知闇値(PPT)、温熱痛感知闇値の計測を含む定量的感覚検査も実施した。研究者らは、腕神経叢刺激検査(BPTT)を実施し、被験者に10cm視覚的アナログスケールで疼痛の程度を記録するよう求めた。

心理的苦痛はNeck Disability lndex (NDI)を用いて評価した。また、WAD被験者は精神健康調査票28項目版(GHQ-28)、運動・受傷の恐怖に関するTAMPA質問票(TAMPA questionnaire for fear of movement/injury)、外傷後ストレスに関する出来事インパクト尺度(IES)への記入も行なった。

NDIスコアに基づくクラスター分析では、むち打ち症集団内に次の3つのサブグループが特定された:クラスター1(n=36、疼痛または身体障害が軽症;NDIスコア15.6);クラスター2(n=32、疼痛または身体障害が中等症;NDIスコア39.5);クラスター3(n=12、疼痛または身体障害が重症;NDIスコア69.5)。

むち打ち症の3群全ての患者で、対照患者と比べ有意な全ての方向でのROMの減少とEMGの増大が認められた(p<0.01)。中等症および重症群(クラスター2および3)では、軽症疼痛群(クラスター1)および対照群よりもJPEが大きかった(p<0.01)。

中等症および重症群では、尺骨神軽部を除く全ての試験部位でPPTが低<、対照被験者と比べ寒冷痛覚闇値が低かった(p<0.01)。また、重症群では、対照患者および他の2つのむち打ち症群に比べBPPTの疼痛闇値での肘伸震域が小さ<、疼痛のVASスコアが高かった(p<0,01)。

中等症(31.4士2.3)および重症(46.8士4.1)群のGHQ-28の総スコアは、正常闇値(23/24)を上回っていた。スコアは軽症群(23士2.4)よりも有意に高かった(p<0.01)。TAMPAスコアについても3つのむち打ち症群の間に有意差があった(p<O。01)。3つの群全てに、外傷後ストレス反応が中等症または重症(IESスコア26以上を指標とする)の被験者が含まれていた。

「この試験は、疼痛と身体障害が重い人では症状が軽い人とは異なる感覚障害の他覚的証拠が認められるということを見出した最初の試験である」とDr.Sterlingらは記述している。

「これらの被験者では、負傷後まもなく中枢性痛覚処理メカニズムの変化が認められ、これが回復の妨げとなっている可能性がある」と著者らは記述している。「このことは、この特殊な急性むち打ち症集団の医学的管理に何らかの意味があるかもしれない」。

この試験は、Suncorp Metway General lnsurance(クイーンズランド)およびCenter for National
Research on Disability and Rehabilitation Medicine (CONROD)からの助成を受けた。

参考文献
Spine.2004;29:182-188

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by junk_2004jp | 2014-09-26 00:03 | 交通事故診療 | Comments(0)
2014年 03月 28日

むちうち、7年目

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「むちうちなんて本当はないのだ」という意見も聞くことがあるが、

この症例は、むち打ちになって7年目、頚から背中広範囲に痛み、こわばりがある。むち打ちがきっかけとなった慢性の筋筋膜性疼痛症候群だ。

もちろん、現在は交通事故の保険は使っていない。県外から通院している。

写真でみても右側の筋肉が硬く盛り上がっているのが分かるだろう。(左右を比較)

しかしほとんど補償をうけていない。全くの当たられ損だ。

それはレントゲンやMRIで異常がみられないからで、筋肉に対して知識のある医師が極めて少ないからだ。

他の症例についてだが弁護士から問い合わせがあった。

「神経学的検査はどうだったか」

「経年的な変化が症状に及ぼす影響」

神経学的検査とは神経麻痺に対する検査で疼痛に対しては意味がない。

経年的な変化が痛みを作ることはない。

全く無意味なことを聞いてくるもんだ。


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by junk_2004jp | 2014-03-28 20:39 | 交通事故診療 | Comments(1)
2014年 02月 16日

器質的疼痛vs心因性疼痛=急性痛vs慢性痛

痛みの生理学はここ10年で急速に発展を遂げたとのことだ。

私が医師になったころの知識はもはや役にたたない。

神経が圧迫を受けて痛い、しびれるというのは間違いである。

腰椎すべり症や椎間板、椎間関節、軟骨、半月板などの変性が痛みの原因というのは間違いである。

痛みはこのような疾患に付随したものではなく独立したものである。

ポリモーダル侵害受容器はこのような構造破綻や変性に反応するものではない。

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この図においてB構造破綻は痛みの原因ではない。

構造破綻を治せば痛みの悪循環が止まるというものではない。

痛みの治療と構造の治療は別の問題なのだ。多くの場合、構造破綻は健常者でも見られるもので放置してもよいことが多い。

構造破綻の原因はA侵害刺激(外力)が原因のこともあれば、筋短縮による骨棘形成が原因のこともある。

ところが医師はB構造破綻が原因で痛みが起きていると勘違いをしている。

それはレントゲンやMRIで写るからではないだろうか。

そしてB構造破綻を伴っている痛みを器質的疼痛と呼んでいるようだ。

一方、Bを治したにも関わらず痛みが続いたり、Bになにも見当たらなかったり、傷が治ると思われる時期を過ぎても痛みが続く場合を昔は心因性疼痛と呼んでいたのかもしれない。

これは誤解が生じるので、器質的疼痛を急性痛、心因性疼痛を慢性痛と呼ぶようになった。



どのような痛みも慢性痛になる可能性がある。

慢性痛とは末梢性感作、中枢性感作(脊髄後角、脳)の起きた状態で、急性痛とは明らかに異なった状態で、難治なものである。現在わが国には2000万人いると推定されている。

慢性痛の特殊なものとして線維筋痛症(痛みが全身に広がったもの、200万人)やCRPS(以前は反射性交感神経性委縮症RSDといった)ものがある。

学者によってはこれらを区別する必用もないので「慢性痛症候群」と一丸めにする人もいる。

強い痛みなら数日で慢性痛になるといわれている。

私は打撲や捻挫、骨折などの場合、すぐに局所麻酔を患部に打ってやる。痛みが脳に到達するのを防ぎ将来慢性痛になるのを防ぐとともに、創の治癒にもいい影響がある。

手術も外傷なのだが、全身麻酔でするときでさえ、切開部に局所麻酔を打つことがある。これを”先取り鎮痛”という。全麻でも脳は眠っているだけで、脳、脊髄には痛み信号は入力されているので、術後慢性痛になるおそれがある。局麻を打ってそれを防ぐわけだ。

とにかく痛みの治療は早期鎮痛にかぎる。

もちろん、悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風の除外は必用。

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ポリモーダル侵害受容器で、痛みを伝えるC線維の先端についている。

ブラジキニン受容体、プロスタグランジン受容体、ATP受容体、ヒスタミン受容体があり、これらは内因性の発痛物質に反応する受容体である。

すべり症やヘルニア、軟骨障害などがあったとしても内因性発痛物質が遊離されることはない。

これらの内因性発痛物質は組織損傷に反応して分泌される。

痛みは広がることがある

痛みは脊髄反射で分節内に広がる。また分節を超えてひろがる。反対側にも広がることもある。

隣接する筋膜を引っ張ることによって広がる。

私は、交通事故によって慢性痛になったと思われる人を何人もみてきた。

自賠責の後遺症診断は、筋肉の損傷による慢性痛という概念がない。神経学的検査による異常があるかないかを聞いてくる。

神経学的検査とは神経麻痺のことだが、神経麻痺が起きていることはない。そうするととても低い賠償になる。

Aさんの頚、脊中、上肢の痛み、しびれ、異常感覚、冷感、汗は、背部を強打したことが引き金となったCRPSであることはあきらかだ。

Aさんの症状はCRPSではないという医師もいるかもしれないが、ではなになのかと問いたい。。







You TubeでCRPSで検索するとたくさんの動画がみられます。

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by junk_2004jp | 2014-02-16 00:14 | 交通事故診療 | Comments(0)
2013年 12月 27日

外傷後の痛みは不安が持続させている

careNet.com より

外傷後は疼痛、うつおよび不安がよくみられることが以前から報告されている。今回、下肢外傷患者における2年間の縦断的研究の結果、受傷後1年間は疼痛が不安やうつの予測因子となるものの、その関連は弱く、2年間を通してうつは疼痛の予測因子とはならず、不安と疼痛の関連が唯一有意であることが示された。

米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRenan C. Castillo氏らによる検討の結果で、「今回の結果は、不安が急性疼痛の持続に重要な役割を果たしていることのエビデンスになる」とまとめている。Pain誌2013年12月号(オンライン版2013年8月30日)の掲載報告。


次の図はcareNet.comの牛田 享宏先生の講義からとってきました。
大雑把にいって5~6人に一人が慢性痛になるということです。

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次はある方からいただいたメールです。

加茂整形外科医院
加茂先生

はじめまして。私、東京都のA (51歳 男性)と申します。

大変ご無礼とは思いますが、長文のメールで失礼させて戴きます。加茂先生のホームページや掲示板は毎日読んで素人ながら勉強させて戴いております。

この度、Bで治療を受けさせて戴きました。B先生の治療を受けるまでの経緯を簡単に書かせて戴きます。

【経緯】

2012年6月29日夜9時半頃。自宅近くの飲食店の帰り道で自宅に帰る途中の事でした。
息子が運転する車には妻と娘と私の3人が乗車していました。
赤信号に停車中に物凄い金属音と共に身体が前に突き飛ばされる様な衝撃に襲われました。追突です。
しかも、相手は時速30Km/h程度でノーブレーキで追突してきました。

【症状】

妻は首が痛いと言い、私は首と腰に痛みを感じていました。翌日から毎日地元の整形外科に通院することになりました。診断は頸椎捻挫、腰椎捻挫、椎間板ヘルニアと言われました。

【2012年7月〜2013年3月頃迄の治療】

7月〜9月迄は痛みも強く歩く事も困難な状態で休職。毎日整形外科に通う日々が続きました。
この頃の治療法としては、温熱療法、低周波治療、首や腰の牽引、マッサージ。薬は痛み止めと塗り薬でした。

検査から1ヶ月が経過した頃に担当医に首、肩に強い凝りが生じ、右手、右足に痛み痺れがあると言うと、
MRIを撮りましょう。と、言われました。が、後日MRI写真を見ても異常なしとのこと。


その後、妻も私も病状は悪化し続け整形外科以外に地元で有名な整骨院に行くことにしました。
そこの整骨院では身体全体の矯正(復元整体)と八光指圧と呼ばれる施術を受けました。
施術を受けた直後は良いのですが時間の経過と共に直ぐに痛みや痺れが戻ってくる状態でした。
良くなるどころか状況が変わらない日々が続きました。


【2013年5月〜10月頃迄の治療】

藁をも縋る思いでネットで病院や治療院を探し続ける毎日。
生きる希望も無く、ネガティブな思想に陥っていました。
ある時、先生のこちらのサイト(http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/)に辿り着き衝撃的でした。
自分の症状はこれではないか?これまでの診断、治療方法では治せない事をこの時理解しました。


【ヒーリングやカンセリング】
ここからは、ヒーリングの話になります。
故 長尾弘先生と言う治療家の先生を知り、そのお弟子さんの先生の治療を受けました。
心の問題も多分にあったのだと思います。不思議と心がスッキリすると歩くのが不自由だったのが少しずつ普通に歩ける様になりました。しかし、痛みが消えた訳ではありません。
ただ、不思議な事は心の状態により筋肉に何らかの作用が働くのではないかと言う事が解ってきました。

【現在の治療】

その後、JMPS所属のB先生の病院を見つける事ができました。
2013年12月初めてBの治療を受けました。
主に右半身(頚部、臀部、大腿部、膝、脹脛)に計8箇所にトリガーポイントブロック注射をして戴きました。
すると、直ぐに楽になりました。暫くは2週間おきくらいに通院してくださいとの指示でした。

凝り固まった筋肉から少しずつ解放されていくのが私も妻も実感できました。
先生の活動や情報公開が無ければここまで辿り着けませんでした。
これで、本当に安心しました。ありがとうございました。


先の整形外科の先生もMPSを知っていれば私や妻もこんなに苦しまなくても済んだと思いますが、
加茂先生の情報発信やJMPSの活動が無ければ知り得なかった情報が公開されていたことがとても有り難かったです。


【余談】

余談ですが、私は工学部(電気工学)の出身です。が、元々医学には興味がありました。
しかし、医学の道は経済的な理由もあって断念し工学の道を歩んできました。
所詮、仕事は人と人との関わりが多く、管理職と言う立場になってからは心理学の重要性を認識し、
恥ずかしながら、臨床心理士を目指して勉強しております。


臨床心理や心身医学の勉強をしている中で「筋肉の鎧」が出てきますが、筋筋膜性疼痛症候群が当に「筋肉の鎧」のことなのかわかりませんが、私の身体はその鎧に覆われていた事により痛みや痺れが生じていたのかと。

筋筋膜性疼痛症候群は、物理的な側面からは筋肉の微小損傷から索状硬結が発生し発痛点と関連痛を引き起こし、心身医学的側面からは「筋肉の鎧」や「性格の鎧」が強く依存しているのではないか?
と、自身の経験から感じた次第です。

ヒーリングやカウンセリングによる結果を考えました。
素人的な考え方ですが、私は、例えば、怒り、妬み、誹り、愚痴、恨み、憎しみ、盗み、貪欲、不安、恐怖、取り越し苦労などの心の持ち方が更に筋肉を緊張(鎧化)させ、それらを取り除くことも大切な事と思った次第です。

【最後に】

私も妻も加茂先生の情報発信が本当に救いでした。
ありがとうございました。
今後の先生の益々のご活躍を陰ながらお祈りさせて戴きます。
これから益々寒さも増してきますので、どうぞ、お身体に気をつけてください。

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by junk_2004jp | 2013-12-27 21:41 | 交通事故診療 | Comments(6)
2013年 09月 20日

慢性化しやすい筋筋膜性疼痛

当院にはX年前に交通事故(むちうち)にあい、以来、頚や背中の痛み、腕のしびれが続いているという患者さんが全国各地からくる。現在、むち打ちから線維筋痛症になった人をみている。

もはや交通事故保険は無関係で健康保険できている。

筋筋膜性疼痛は慢性化しやすいといわれている。どこの病院でもMPSの患者さんであふれている。

むちうちももちろんMPSだ。

しかし、当初はかなりの軟部組織の微小損傷と思われる。

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人間の頭は5Kg重といわれているから、40Km/hで衝突すると、150Kg重の力が頭にかかることになる。

不意にこれだけの力が加わればケガをするのは明白だ。

MPSの他覚所見は筋の緊張、膨隆、圧痛。

よく神経学的所見(神経症状)を聞かれるが神経症状とは神経麻痺症状のことで、むち打ちではない。

しかし、診察をする医師はMPSを知らないため、うまく対応していないのが現状だ。

慈恵医大ペインクリニック診療部長・北原雅樹先生は「慢性疼痛に多い筋筋膜性疼痛には筋肉内刺激法が有効」と書いている。

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筋筋膜性疼痛の第一人者・生理学者の水村和枝先生はつぎのように書いている。

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急性むち打ち症において全身的過敏性が実証される
研究者らによれば、感受性の亢進は心理的苦痛と無関係に起こり、中枢性痛覚処理メカニズムの変化の結果と思われる


頸部損傷が線維筋痛リスクを増加
Buskila博士らは,頸部損傷患者102例と脚部骨折患者59例を対象に非関節部圧痛とFMSの有無について評価したところ、事故発生 3 か月後、頸部損傷患者では21.6%がFMSを発症していたのに対し、対照群では1.7%のみだった。

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保険会社からの問い合わせがあるたびに回答するのは大変負担に感じる。

情報のあふれる現在は注意しなければならない。

保険会社も大変だろうが、医師も大変だ。痛みをがまんさせることによってますます悪化するといわれている。痛いといっているのに対応しなかったら、裁判では負けるだろう。

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国はこの問題に対して本腰をいれて研究し、被害者を救済してほしいものだ。

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by junk_2004jp | 2013-09-20 19:52 | 交通事故診療 | Comments(3)
2013年 05月 29日

20年前のスキーでの衝突事故

掲示板より

はじめまして

約20年前にスキー場で、左側から人がぶつかり、むちうちを起こし、脳脊髄液減少症と診断されて8年前位にブラッドバッチを行い、体調は少し改善されましたが、左側の顎から首筋・こめかみの痛みが取れないため、別の病院にて、注射・薬などの治療をおこないましたが、未だに顎から首筋・こめかみの痛み、頭のふらつき(ふわふわ感)、耳鳴り、がとれなく、痛みがひどくなると、体がだるくなり、目を開けるのもつらくなったりしており、仕事も休みがちになったりしています。

インターネットで検索して加茂先生のトリガーポイント治療のページに辿り着きましたいきなり伺って診ていただけるのでしょうか?また、入院は必要でしょうか?アドバイスをお願いいたします。


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本日、来院されました。

左の胸鎖乳突筋のMPSでした。

TPB後、ただちに耳鳴りは治まり、痛みも軽減しました。

診断はすぐにできるのですが、なにしろ20年間続いているのですから、今後もどういう風にすればいいのか、

あるいは、薬の併用の必用はどうすればいいのか・・・

ここで一つ覚えてほしいのは頚の軟部組織の損傷はとても難治なことがあるという事実です。

このようなことはレントゲンやMRIでは写りません。

むち打ちなど交通事故で長期間悩んでいる人は少なくないと思います。

国はこのへんの研究をすすめて、適切な医学教育、患者救済に勤めてほしい。

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by junk_2004jp | 2013-05-29 18:22 | 交通事故診療 | Comments(0)
2012年 10月 11日

むちうち

半年前のむち打ち、未だに頚痛などに苦しんでいる。

医師も損保もレントゲンやMRIの画像診断にこだわるが、そういうものに変化が出るむち打ちはほとんどないといってもよい。

この写真で一目でわかる。左の上部僧帽筋に強い痛みがあり、頚のラインも健側とはちがう。

意味のない画像には金銭がかかり、意味のある画像は無料。

筋肉に生じた微小損傷は慢性化することがある。

筋痛症には神経症状(神経麻痺症状)はない。ないものを議論したってばかげている。

この症例は交通事故保険が打ち切られている。損害を補償してくれるすべがない。



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by junk_2004jp | 2012-10-11 17:21 | 交通事故診療 | Comments(0)