心療整形外科

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カテゴリ:慢性痛( 515 )


2016年 06月 30日

中枢性の痛覚過敏

私は整形外科の臨床医です。痛みの専門家でも脳科学者でもありません。

私がブログで何度も書いていることは独自で勉強したことの受け売りです。

40年の経験がありますから、なるほどと納得したことをわかりやすく書いているつもりです。

勉強の仕方も書いています。

質問はこれで受付ません。どうしてもなら、住所氏名、メールアドレスを書いてください。

勉強の仕方

痛みの生理学の第一人者、熊澤孝朗先生の著書「痛みを知る」がいいです。

日本臓器製薬の「医療関係の皆様へ」から入って「痛みのしくみとその歪み」ー痛みの慢性化理解のための10項目

この内容もブログに書いたことがあります。

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[痛 みの定義] 国際疼痛学会   1986年

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

精 神科医 Harold Merskey を座長とするグループ

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


❶それには組織損傷を伴うものと・・・・急性痛、炎症性疼痛

❷そのような損傷があるように表現されるもの・・・・慢性痛、神経障害性疼痛、非炎症性疼痛

熊澤先生は1980年中頃に痛みの生理学の大発展(ビッグバン)があり❷の痛みが生理学的に理解できるようになったと書いています。

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末梢性感作

ポリモーダル受容器の受容体の数が増える。神経成長因子の作用で表皮に近く伸びてくる。

中枢性感作

下行性疼痛抑制系の機能低下、時間的加算、長期増強

最近では画像で示されるようになりました。

扁桃体、海馬、背外側前頭前野、延髄

最近、NHKのTVでも「キラーストレス」でやっていました。

交感神経の司令塔、延髄で連絡枝が密になる。

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http://logmi.jp/11687

「トラウマ」で脳は実際に損傷する

痛みの悪循環が続くと、大脳皮質の体積が減少するとのことです。
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このようになった脳も訓練で回復するそうです。それが認知行動療法です。

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by junk_2004jp | 2016-06-30 19:55 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 06月 19日

IT業界、介護業界、2大慢性痛業界

IT業界(長時間パソコン)と介護業界の患者さんが特に多い。

IT業界は頚痛から発症して広がっていく。

介護業界は腰痛から発症して広がっていく。

という感じが多いか。

先日の患者さん、am8:30〜pm9までパソコン(50分昼休み)

「地面が斜めに見える」とおっしゃっていた。

日本の社会はこれぐらいのことで長期休暇を取りにくい。

病院受診しても昨日のブログのようにまともに診断、治療してくれるところは極めて少ない。

国を挙げて対策を取るべきだ。

労働環境の改善、早期発見・治療、十分な休暇(数ヶ月)

先進国なら当然のことだ。

先日、「地面が斜めに見える」と言っていた患者さんにそのことをお話ししていたら、次の患者さんは偶然にもう一段階進んだ状態、失職中の人でした。

最悪シナリオ

IT関係→休業→病院・治療院めぐり→痛み治らない→失職→経済的困難→家庭崩壊→テント暮らし

最先端の業界でバリバリ仕事をしていても取り返しできない状態が想像されるのです。

十分な休業(3ヶ月〜6ヶ月)と早期治療で回復します。そして労働環境を改善しましょう。取り返しがつかなくなるまえに。

国が啓蒙すべきです。人口減少にも影響しますよ。

単に筋痛症というわけではなく、継続するストレスがあります。

昨日TVでやっていましたが、扁桃体の暴走、延髄を介しての交感神経緊張、ストレスホルモン放出がますます症状を悪化させるのです。

どのような業界でも同じですが、その他に、保育士、美容師、ドライバーなど。

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by junk_2004jp | 2016-06-19 02:17 | 慢性痛 | Comments(2)
2016年 06月 09日

慢性腰痛にサインバルタをどう使う

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要約

① SNRI(サインバルタ)、三環系抗うつ薬トリプタノールも末梢神経障害性疼痛の適応拡大。

② 下行性疼痛抑制系を賦活する。

③ うつ状態や不安の有無にかかわらず、慢性疼痛を改善すると考えられる。

④ 体を動かされるようになれば、その効果で痛みが軽減し、薬を止められるかもしれない。

⑤ サインバルタは海外30カ国程度で腹圧性尿失禁の適応がある。

⑥ 前立腺肥大患者への投与は慎重に(尿閉)。

⑦ 「間欠性跛行を伴う脊柱管狭窄症、神経根症状を伴うヘルニア、下肢のデルマトーム(皮膚分節)拡散痛を有する患者」は原因が明確な腰痛として対象から除外されていた。だが、治験で対象外だった脊柱管狭窄症などによる慢性腰痛も「デュロキセチン(サインバルタ)の適応に含まれる。」と販売もとは説明する。



⑦の「神経根症状を伴う」という考えは間違っていると私は思っている。要するに、慢性痛の一つの有効な治療薬だ。

なにをしてもうまくいかないときは一つの治療法として考えてみればいいと思う。

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プラセボでもかなりの効果があるのですね(笑)。

保険診療ではプラセボ薬を使えないのが残念です。いちいち薬剤名、効果、副作用をしらせなければいけないのですから(笑)。

たぶん、昔の医者はほとんどがプラセボで治療していたのでしょう。

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by junk_2004jp | 2016-06-09 14:05 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 06月 03日

=難治性疼痛:慢性の痛み 市民公開講座&交流会in名古屋=

【腰痛は脳が原因?の本当の意味】~痛みの仕組みと治し方:わかったこと・わからないこと~

詳 細: http://goodbye-pain.com/nagoya807.htm

日 時:平成28年8月7日(日)13時30分~16時30分

場 所:TKPガーデンシティ名古屋新幹線口 カンファレンスホール4A

痛みについて最新の情報を知り、上手に治したり管理したりしていきましょう。皆さまのご参加お待ちしています。

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腰痛のみならず、どの部位の痛みも悪循環を繰り返すと「中枢性感作」=「中枢性の痛覚過敏」となる。

下行性疼痛抑制系の機能低下、時間的加算、長期増強・・・・このような生理学的変化が生じると言われている。

また、グリア細胞の活性化により痛みの範囲が広がることがある。

もともと不安、抑うつがあると、当初より慢性痛のようになる。

痛みの診断

⑴ 除外診断(画像、血液)・・・悪性腫瘍、感染症、リウマチ、痛風を除外

⑵ 積極的診断・・・どのような条件状態で痛みが強弱するか。

⑶ 治療的診断・・・どのような薬や方法で痛みがどう変化するか。

身体科医師・・・筋筋膜性疼痛症候群、線維筋痛症

精神科医師・・・身体表現性障害の疼痛性障害

このような診断になる。

従来の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性関節症など、構造病名は痛みの病名としては不適当だ。

痛みの生理学ではこのような構造異常が痛みを起こすことを説明できない。

慢性痛の治療

認知行動療法(集学的治療、学祭的治療)


http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_48.htm


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慢性痛の治療にどれぐらいかかるかは人それぞれでわからない。慢性痛になる前に痛みを治そう。

Aさんの場合(3ヶ月入院=恵まれた条件の人)

入院させていただいて、良かったことは、歩ける距離が伸びた。
(500m→4Km)

しゃがめるようになった(下の物を拾うのに、必ず膝をついていた)。

階段を手すりなしで歩けるようになった。

10キロ位の荷物を少し持てるようになった。

体のこと以外に、頼もしい仲間が出来た。今まで痛いのがわかってもらえなかったけど、患者同士で、共感し、励ましあい、一緒に前に進むことが出来た。



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by junk_2004jp | 2016-06-03 01:35 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 05月 27日

間質性膀胱炎と慢性痛

私の著書「トリガーポイントブロックで腰痛は治る」を読んだ泌尿器科医が私の主旨に賛同されて東京診療を見学に来られた。

夜間頻尿、睡眠障害、ドライマウス・ドライアイ、筋骨格系の慢性痛

これらは一連の病態なのだ。

いろんな病気があるのではなく一つの病態の症状なのだ。

慢性的なストレス(不安、怒り)→慢性的交感神経の緊張

泌尿器科医

「膀胱も筋肉でできていて、筋肉が緊張して容量が小さくなっているのです。膀胱内に局所麻酔を注入することもあるのです。」

私             

「第一選択薬はなにですか?」

泌尿器科医

「世界的にはトリプタノール(三環系抗うつ薬)です。」

「間質性膀胱炎、トリプタノール」で検索してみてください。たくさんヒットします。

トリプタノール(三環系抗うつ薬)は慢性疼痛の治療薬でもあります。

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by junk_2004jp | 2016-05-27 18:58 | 慢性痛 | Comments(5)
2016年 05月 25日

ザ・慢性痛

回復は局所の圧痛点の治療と、運動によって加速される。痛みが6ヵ月間あるいはそれ以上続くと、予後がだんだん悪くなる。圧痛点の局所治療は一時的緩和を生じるが、圧痛は戻ってくる。


慢性痛=神経障害性疼痛=心因性疼痛=身体表現性障害(疼痛性障害)

痛みの定義

「不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

痛覚系そのものが過敏になった状態(火災報知器の故障)=中枢性の痛覚過敏症

痛みそのものが治療の対象

トリガーポイント注射や鍼だけでよくなればいいのだが、そうとはかぎらない。

こじれにこじれた痛み。苦悶表情。

認知行動療法は基本だが、痛くて動けない。

痛みが神経質にさせるのか、神経質が痛みを慢性化するのか。

取り付く島もない。

薬はトラムセット、トラマール、リリカ、ノルスパンテープ、サインバルタ(三環系抗うつ薬)、リボトリールなど

何がどの程度で効くのやら。

Aさんはインプラント後、両下肢痛のため歩行困難になった。眉間にシワを寄せ、目を強く閉じて苦悶様。痛い痛いでまさに取り付く島がない。

トリガーポイント注射効果ない。トラマール注100mg打ってみたが・・。

あまりに痛みが強いため、入院生活が上手くいかず、数日で退院する。

帰り際にノルスパンテープを貼る。

帰宅してから電話があった。別人かと思うほどの明るい声だった。

「電車に乗っているときからすーっと痛みが消えて歩けるようになりました。入院中はわがままを言ってすみませんでした。」

私「それはよかったですね。ノルスパンテープが効いたのでしょう。主治医にいってしばらく続けてみてください。」

というようなことが今日ありました。

慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスもなにもあったものではありません。


もう一つのエピソード

Bさんは以前からの患者さんです。

線維筋痛症(あるいは慢性の広範囲の筋痛症)で、時々、数日ホテルから通院されます。

薬は他医から三環系抗うつ薬がでています。

先生、今回も治療、本当にありがとうございました。すごく丁寧に注射していただき、感謝感謝です。

お蔭様で100%以上の治療ができて、体調もよくなり、回復にむかいだしました!!

右腕が~!と訴えておりましたが、実際には、右後頭部と首の付け根(耳の下あたり)にうっていただいた注射が、今回一番、体調回復にききました。

もちろん、右腕・指も、頭がゆるんで楽になりましたし、全身にうっていただいたのが、一番の理由だと思います。

いろいろなところが緩み出し、体調が回復してきました。もう本当に良かったです、安心しました。ありがとうございました。

あと、石川にいる間に「5月22日お誕生日おめでとうございます」とお伝えしようと思ってたんですが、遅くなってしまいました。

テニスの世界ランク1位、ジョコビッチ選手も5月22日が誕生日なんですよ。私は大ファンなので、不思議だなーって嬉しく思ってます。

今年1年も、加茂先生に、たくさんのしあわせが咲きますように、お祈り申し上げます。



慢性痛と一口に言っても、人それぞれです。糸口がどこにあるのか、不思議ですね。

ただ、フィニッシュに持っていけるかどうかですね。フィニッシュに持っていけなくても、人生をそれなりに送れれば上出来です。

慢性痛を診る医師は本当に自分の体を壊さないようにしないとね(笑)。


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by junk_2004jp | 2016-05-25 21:10 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 05月 22日

「慢性の痛み対策in大津」に参加して

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痛みの慢性化を防ぐのにはどうしたらよいか?

慢性化してしまったらどうしたらよいか?

皆さんの知りたいところだ。それには、

痛みはどのようにして起きるのか?

痛みが長く続き慢性化することがあるのはなぜか?

痛みが広範囲に広がっていくことがあるのはなぜか?

このようなことを今の時代の生理学で説明されていることを、多くの人々が共有することが最も重要だと思う。

しかし、

「神経が圧迫、絞扼を受けると痛みやしびれが生じる」

「老化した組織、変性した組織、傷んだ組織は痛みの原因になる」

と整形外科医や脊椎外科医がさんざんいってきた、今も言われ続けていることが間違っていることに気づくことだ。

医学はあまりにも実利的なので、これらの従来の説は「誤診」ということになり社会的な混乱や影響がはかりしれない。

このようなシンポジウムでそこらへんが思い切って言えないのが残念に思えた。

痛みの診断、治療で大切なこと

中井吉英先生(元関西医科大心療内科教授)は問診と触診と述べられた。

機械診断(レントゲン、MRI、エコーなど)は痛みの診断には弊害がある。

そりゃそうだ。痛みは experience (体験、経験)と定義されている。他人の experience が機械診断で分かるはずがないのだ。

人は一旦そのような画像を見せられるとそれにこだわってしまう。

これは除外診断、怪我診断のため。

除外診断とは「悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風」これらは病理学的に特異的疾患。これを除外する意味がある。

これらを除外すれば、痛みの原因は「外力」なのだ。

痛みは極言すれば電気信号。人間はホタルではない。

月で生活すれば、慢性痛は激減する。

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痛みの治療と組織損傷(図のB)の治療は別々のことなのだ。痛みの治療を優先すべき。

半月板損傷、腱板損傷、椎間板ヘルニアは中高年では健常人でも半数以上の人に見られるもので修復する必要はない。

痛みの悪循環が続いて、痛みを認知する中枢(脳)が過敏になったのか、

もともと痛みに対して過敏な脳を持っていたのか。(不安・うつ)←(発達障害、アダルトチルドレン)

慢性化した痛みの治療

学際的治療、集学的治療

医師(ペイン、整形、心療内科、精神科)、看護師、理学療法士、心理療法士、鍼灸マッサージ師、ケースワーカーなど

チーム医療が必要なわけだが、保険診療では賃金が保障されていない。。

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痛みはポリモーダル受容器の受容体で電気に変換されることからはじまる。

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脊髄後角から脊髄にはいり、大脳の背外側前頭前野に達する。

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その痛みを早く止めろ!

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自信を持って動くことがだいじだ。




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by junk_2004jp | 2016-05-22 11:55 | 慢性痛 | Comments(2)
2016年 04月 29日

慢性痛の話

最近、「慢性痛」というキーワードがようやく医療現場で頻繁にでてくるようになった。

これも製薬業界主導なのだ。

リリカ、トラムセット、トラマール、ワントラム、ノルスパンテープ、サインバルタなどの慢性疼痛用の薬剤が次々に保険適応されたためだ。

脊柱管狭窄症のときもそうだった。プロスタグランジンE(パルクス、リプルなど)の発売とともにだった。

旗振り役の学者先生の講演、パンフレットで我々開業医に浸透するという図式だ。

今回の「慢性痛」という概念の浸透はいいことだと思う。

慢性痛という概念を理解するには、「痛み系は独立した存在」で、その機能障害と考える必要がある。

こういう考え方は患者さんは慣れていない。@が悪いから痛いのだと今まで言われ続けてきたのだから。

私は「過敏になった火災報知器」というという説明をしている。痛み系そのものが治療の対象だ。

リウマチは炎症が続く病態なので慢性痛に入れるより「急性痛がコントロールしにくい」病態と考える。

「痛み系は独立した存在」

この概念と脊柱管狭窄症、ヘルニアで痛い、軟骨が減って痛いということは矛盾する。

「早く手術で解決しないと慢性痛になってしまいますよ」というべきなんだろう。

痛みが何かに従属して起きているというわけだから・・・。

圧迫骨折に従属して痛みが起きた場合も、いつも言っているように「骨折の治療」と「痛みの治療」は別々のこととして考えるべきなのだ。痛みの治療を優先すべき。

足首の捻挫もそうだ。靭帯損傷に対してはギプス固定が確実だと思うかもしれないが(最近ではゆるい固定のほうが靭帯修復にもいいと言われている)、痛みに対しては最悪の手当てとなる。CRPSタイプ1発症につながることがある。

脊柱管狭窄症を言っていた医師が慢性痛を説くってのは、改宗しないとできない芸当だ。

慢性痛というのは、ポリモーダル受容器から背外側前頭前野までの痛み系の不具合のことなのだ。

末梢性、中枢性の痛覚過敏症(感作)。

条件反射的、気候に影響、ストレスに影響。

「筋膜リリース」というキャッチフレーズはヘルニアや脊柱管狭窄症よりははるかにいいが、やはり痛みが従属したものという発想なので難がある。

患者さんにとっては分かりやすいイメージだろう。

しかし中枢性感作の結果でもあるわけだし。

治らない場合、再発を繰り返す場合はどう説明するのか。

とにかく慢性痛にならないように急性痛のうちに鎮痛すべきなのだ。

慢性痛になった場合は、患者さんの立場にたって、最善の方法を。



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by junk_2004jp | 2016-04-29 11:29 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 04月 28日

またもや脊椎専門医の誤診の話

60歳代、女性、立ち仕事、立ち続けていると右のお尻から太ももの裏がしびれと痛み。立ち座りが困難になる。

ある脊椎専門医:腰椎すべり症と脊椎狭窄症。10ヶ月前手術をする。全く良くならない。

私:

問診、触診:大臀筋、中臀筋、腸腰筋に圧痛、数カ所あり・・・・数分

画像診断いらない。

全ての圧痛点に30G1cmと27G4cmの注射針で1ポイント1ccぐらい局所麻酔0.5%メピバカインを注射する。・・・・1〜2分

結果を聞く・・・・「軽くなりました」

説明する:「慢性の尻こりです。」「週一回ぐらい、今のような治療をやってみる。テニスボールでマッサージ」

********************

圧痛点とは痛覚が過敏になった点です。

すべり症、狭窄症があるとなぜ痛覚過敏点が出来るのかは、説明不可能です。もし説明できたらノーベル賞(笑)。ただそのように思い込んでいるだけです。

すべり症は健常人にも同じ割合で見られることは有名です。

すべりがあればその分だけ脊柱管は狭窄されます。

迷惑なのは患者だけでなく、まともな医療者にとっても。

脊椎専門医はなくてはならない職業です。

脊髄麻痺(ヘルニア、狭窄症、後縦靭帯骨化、腫瘍、外傷)

馬尾症候群(ヘルニアによる馬尾神経麻痺)

椎体の悪性腫瘍

カリエスなどの感染症

側湾症などの矯正

リウマチによる環軸椎脱臼

椎体骨折などの外傷



などが活躍する場面です。

身体の痛み、しびれは脊椎外科医の出番ではありません。

患者さんのほうも脊椎専門医は何の専門医なのか理解することです。痛みの専門医ではありません。むしろ土素人です。中には痛みに詳しい脊椎専門医もいるでしょうが、それは脊椎専門医としてではなくて、常識としてです。



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by junk_2004jp | 2016-04-28 23:22 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 04月 18日

もう一つのガン「**がすり減っている」という御宣託

慢性痛に陥る要素に患者側の問題もあろうが、医師の診断にもあると思う。

一つは前回指摘した、「神経が圧迫を受けて痛い」という何の根拠もない診断(御宣託)。

もう一つは

          「軟骨がすり減っている」
          「椎間板がぺしゃんこになっている」
          「半月板が傷んでいる」
          「腱板が切れている」
          「背骨が潰れている」

その他には「すべり症」がある。

TVコマーシャルで 「いつのまにか骨折」というのを聞いたことがあるだろう。

中高年になるとだれでも上記のような変化が「いつのまにか」見られるわけだ。それが痛みの原因になることはない。だから「いつのまにか」なのだ。60年ほど地球上で立って生活するとだれでもこうなるということだ。

「いつのまにか椎間板がぺしゃんこ」「いつのまにか半月板が傷む」「いつのまにか軟骨がすり減る」「いつのまにか腱板が切れる」

だからこのような変化は健常人でも普通にみられる。(6〜7割という説がある)

もう一つの原因として転倒、打撲、捻挫などの怪我によっても上記の変化が起こると思われる。この場合は外力による損傷なのだから、それに反応して炎症が起こる。つまり急性痛だ。3ヶ月もすると炎症は治まり、痛みは0〜軽度となる。

しかし痛みが続くことがある。それが慢性痛なのだ。

痛みの治療と構造の治療は別の問題なのだ。構造を治したら痛みが治るというものではない。

医師の配慮のない説明「軟骨がすり減ってしまっている。これは痛い。」などという説明は、痛みが続くことを意味していて、慢性痛の大きな原因になっているのではないか。

本日、変形性股関節症で人工関節にしたが痛みのため苦労している人を2人みた。今までも何人かみたことがある。

70歳代、女性、変形性股関節症で両側の人工関節の手術をした。術前は杖なしで歩行可能だったが術後は悪化して杖なしでは歩行できない。

痛みの本体はMPSだ。変形性股関節症は生来のもので、MPSが永続する一因になる。

もっとも、人工関節にしたら、改善することも考えられる。

大腿骨の骨頭下骨折で普通に暮らしていた老人がいた。

画像診断をするとき医師は言葉に十分注意が必要だ。

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by junk_2004jp | 2016-04-18 13:57 | 慢性痛 | Comments(1)