心療整形外科

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カテゴリ:慢性痛( 519 )


2004年 12月 24日

顎関節症

いつからか、だれかが言った説が流布されると治らない人、治癒に難渋する人が増えてくる。そのよい例が顎関節症だ。私はインターネットをするようになって、この疾患に歯科が絡んでいるという現状を知った。

顎関節のかみ合わせの不整、半月板の異常というような関節の構造が原因だと思いこんでしまうことが治らなくなるスタートだ。これは単に医者の思いつきにすぎない。老人には極めて少ない、ある日突然発症する、適切な治療ですぐに治る、これらの理由で関節の構造が原因だなんて考えもおよばない。

圧痛点に1ml弱の局所麻酔を極細の注射針で注射してやるとその場で治る。関節の中に注射しなければならないというような野暮な考えを持たないことだ。レントゲンの必要もない。マッサージや鍼でも同じ効果が得られることと思う。

病名を変えるべきだ。関節症ではない。「緊張型下顎部筋痛」でいいのではないか。肩こりや緊張型頭痛、50肩の治療となんら変わらない。病名を変えることによって、医者の意識も変わってこよう。

筋骨格系にはこのようなあやしげな病名(なんちゃって病名)が目白押し、すべり症、分離症、ヘルニア、脊柱管狭窄症、繊維筋痛症。

病名からは痛みなのか麻痺(神経症状)分からない。痛みの病名は「非特異的○○部痛」「緊張型○○部痛」で十分だと思う。そのほうが医者の考え方の変化が期待できるし、治療の簡素化、効率化が期待できる。
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by junk_2004jp | 2004-12-24 01:50 | 慢性痛 | Comments(6)
2004年 12月 20日

痛みの定義

痛みの定義   国際疼痛学会   1986年

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験 であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。  (教授 熊澤孝朗)

                           *

腰痛の診断はこの定義に忠実ならば、組織損傷を伴っているか、伴っていないかを診るだけになります。

組織損傷を伴わない腰部の痛み体験(非特異的腰痛)
組織損傷を伴う腰部の痛み体験(骨折、悪性腫瘍、感染症=特異的腰痛)

損傷と痛みは分けて考えたらいいのです。損傷が治ったら痛みも治るという保障はありません。損傷がないからといって痛みがないわけでもありません。

damageの日本語訳ですが「損傷」がいいでしょう。健常人でもみられるような変化は損傷ではなく「変性」または「生来」です。(分離症、すべり症、狭窄症、ヘルニア)

どちらにしても痛みは個人的なexperience(体験)ですから、どのような調査をしても、その時代のその地域の人はそう感じていたということ以外にはありえません。 evidenceはないのです。

組織損傷は整形外科医、痛みは精神科医というのが本来の役割でしょうが、痛みを精神科医が診るという習慣は医師のほうにも患者のほうにもありませんでした。

たとえば、圧迫骨折があったら、骨折の治療は整形外科医、痛みの治療は精神科医+ペインクリニック医のテクニックということになります。

こんなにいろんな科を受診することは一般的ではないですね。ほとんどのことは一人の整形外科医で対応すべきことです。
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by junk_2004jp | 2004-12-20 13:35 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 18日

痛みの説明

「どうなっているんですか?」

これは、痛みについてしばしば診察室で聞かれることです。痛みは構造的なことが原因でないことが多いので、これに答えるのはかなり難しいことです。

「どうもなっていませんよ。」は正しいのですが・・・・マクロ的にはね。ミクロの世界、生理学的世界では変化が起きているのです。それを説明するのにはかなりの訓練がいります。図を使うと分かりやすいかもしれません。

しかし、短い時間でうまく伝えられるかどうかは疑問です。

「痛みの原因」も患者さんのなかには自説を貫くタイプのかたがいらっしゃいます。

「風邪をひいたせいだ。」
「寒かった(冷えた)せいだ。」
「姿勢が悪いせいだ。」
「老化のせいだ。」
「重い物を持ったから。」

原因というのも意味が微妙ですね。引き金になったことを原因というならば、それもそうなのですが・・・・。日常会話ならばそれでいいのでしょうが・・・・。

「科学的な説明に耐えうる原因」とでも申しましょうか、これを短時間で説明するのも難しいものです。

私は異端の医者ではありません^^。異端の医者はヘルニアを信じている方です。科学的説明に耐えられませんからね。

しかし、MRIは黄門様の御印籠みたいなもので、問答無用、「これが目に入らぬか!」、説明にも何もなっていないのですが・・・。インパクトが強すぎです。これをやってたんじゃ、医者もバカになりますわな。
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by junk_2004jp | 2004-12-18 02:10 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 17日

治癒系

「癒」は「いやす」です。辞書では「治癒」はrecovery、 healingとなっています。

パソコンのリカバリですね。もとの状態に戻すことです。ハード(構造)の故障ではありませんのでソフト(機能)を改善するとよいのです。

人の痛みやしびれも骨折、癌などの特異的なものを除いては「構造」の故障ではなくて「機能」のトラブルなのです。だから、healing(癒し)でも治癒(リカバリ)します。

治癒系を最大限に利用することです。

悲観的な医師(ペシニズム)の言うことを聞かないことです。自分を防御するために医師は根拠なく悲観的なことを言うものです。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_341.htm
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by junk_2004jp | 2004-12-17 16:40 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 05日

慢性疼痛(慢性痛)

慢性痛の陰に筋・筋膜痛・ トリガーポイント療法が奏効
慢性疼痛とはなにか
印象記  第32回日本慢性疼痛学会
慢性疼痛の病態と分類
慢性疼痛の心理社会的因子
慢性疼痛に対する包括的リハビリテーションプログラムー認知行動療法を中心にー
慢性疼痛とはなにか(その3)
慢性疼痛とはなにか(その4)
慢性疼痛とはなにか(その5)
慢性疼痛
第33回日本慢性疼痛学会ランチョンセミナー
慢性痛ー臨床医のための痛みのメカニズム 
日本における慢性慢性疼痛を保有する患者に関する大規模調査

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慢性疼痛の診断

慢性疼痛の診断には米国精神医学会で1987年に発刊されたDSM-III-Rの「身体表現型疼痛障害」(表1),あるいは1994年のDSM-IVの「疼痛性障害」(表2)の診断基準が広く用いられている。

以上のような批判を踏まえて,疼痛性障害(DSM-IV,表2)では診断名から「心因性」,「身体表現型」などの形容詞を排除した。さらに持続時間から6ヵ月未満を急性,6ヵ月以上を慢性と特定した。また,「心因性」との断定を避けながらもCで心理ー精神的関与の必要性を規定している。しかし,依然として「重要な役割」の判断基準については暖味な点を残している。

6ヶ月以上続く痛みを慢性疼痛という。北米精神医学会の診断基準が広くもちいられている。

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慢性疼痛に関しての文献(私のサイトの)を上にあげましたが、ヘルニアのことや構造のことは全く語られていませんね。

急性疼痛と慢性疼痛をある時点を境にして明確に区別できるものではありません。痛みのメカニズムは基本的には同じなのです。

「痛み+損傷」「痛み+悪性腫瘍」「痛み+感染症」「痛み+無」

痛みと損傷、悪性腫瘍、感染症は分けて考えて別々に治療すべきことです。「痛み+無」の場合が多いのですが、この場合は痛みの治療だけをすればよいのです。

慢性疼痛学会に今のヘルニアなどの整形外科的な治療について見解を聞いてみたいものです。

急性疼痛の治療は比較的簡単なものです。問題は慢性疼痛の治療なのです。慢性疼痛にならない前に急性疼痛のうちに治療することは重要なのですが、医師の不要な検査や、根拠のない説明が火に油を注ぐように慢性化に拍車をかけているのではないでしょうか。
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by junk_2004jp | 2004-12-05 12:49 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 05日

X線検査のガイドラインの実地試験結果

X線検査のガイドラインの実地試験結果

経済効率を考えたアメリカならではのガイドラインですね。腰痛の画像診断は骨折、骨腫瘍、感染 を除外さえできればあとはどうでもいいことなんです。

椎間板がつぶれていようが、分離症やすべり症があろうがどうでもいいことなんです。そういうことと痛みは無関係です。

病名は「非特異的腰痛症」「腰痛症」「腰部の筋筋膜性疼痛症候群」なんかでいいんです。治療には画像は何の役にもたちません。唯一、圧痛点とどういう動作で痛みが再現するかということが決め手です。

MRIも同じことがいえます。ヘルニアがあろうがなかろうが治療にかわりがあるわけでもありません。かえって治療のじゃまになります。
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by junk_2004jp | 2004-12-05 00:06 | 慢性痛 | Comments(2)
2004年 12月 03日

痛みの定義

痛みの定義   国際疼痛学会   1986年

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

痛みとは組織の実質的あるいは、潜在的な障害に結びつくか、このような障害をあらわす言葉を使って述べられる不快な感覚、情動体験である。


痛みは個人の感覚・情動体験なのだから、Evidenceがあろうはずがありません。さっき、ふとそれに気づき私のサイトのトップページを直しました。

Evidence based medicine →Mechanism based medicine,  Narrative based medicine

つまり患者さんが「痛い」といえばそれが「痛み」なのです。

この証拠、根拠のない「痛み」に対して医師はなにをよりどころにして治療すればよいでしょうか。

まず、痛みを訴える疾患で痛みの治療以外に特別な手当をしなければいけないか、鑑別しなければいけません。つまり除外診断です。それは悪性腫瘍、感染症、安静固定をすべきほどの明らかな損傷(骨折、肉離れ、靱帯損傷)がないということをまず確認します。除外診断をしたらつぎは痛みの治療ですが、何を根拠に治療すべきでしょうか。

まず痛みのメカニズムに基づいた治療(Mechanism based medicine)です。これは痛みの生理学者に教えを請うべきです。

次に痛みは「不快な感覚、情動体験」なのですから「個人個人の体験narrative」に基づいた治療です。(narrative based medicine)これは心療内科的な観点です。

医師は(私も含めて)痛みに対してほとんど学んでいません。
神経が圧迫されているから痛い、軟骨がすり減っているから痛い、椎間板が傷んでいるから痛い、すべりがあるから痛い、これらはその証拠で、いずれもOmoikomi based medicine でした。 
 
悲しいことに医療従事者の多くも知りません。痛みの取り扱いの無知さから、莫大な医療費の損失をもたらしていることも明かです。

若かったらここで学んでくるのですが・・・・
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by junk_2004jp | 2004-12-03 15:25 | 慢性痛 | Comments(2)
2004年 12月 02日

脊柱管狭窄症

私が医師になったころは脊柱管狭窄症はマイナーな病名でした。あまり使われなかったと記憶しています。ところが今ではしばしば使われる病名になりました。病名の仕掛け人がいるのでしょうか?

脊柱管狭窄症の適応症の認可のおりた薬剤が開発されると、製薬会社は力を入れてピーアールに努めるわけです。

ところがその脊柱管狭窄症の診断基準がはっきりしていないのです。狭窄症というぐらいですから、画像所見は大いに参考になることと思われるでしょうが、実はそうではありません。

脊柱管狭窄症の画像:画像所見は症状とほとんど関連性がない

脊柱管狭窄症の回復は面像診断上の変化と相関するか?

構造との因果関係が不明なわけですからこの病名は不適切だと思いませんか。しばらく歩くと下腿に痛みが生じて腰をかがめなくてはいけない、一服するとまた歩けるようになるという状態で血行障害がなければ脊柱管狭窄症というレッテルが貼られることになります。それならば、「間歇跛行症候群」ぐらいの病名が適当かと思います。

神経性間歇跛行といわれていますが、私にはとうてい「神経症状」とは思えません。習慣化した筋痛症だと思っています。だから保存的治療でもよくなる人がいるのです。脊柱管狭窄症というレッテルを貼られなければもっと改善するのではないかとさえ感じています。

坐骨神経痛や脊柱管狭窄症に対する外科的治療は保存療法より有効か?

手術を受けた患者のうち約20%は全く改善がみられなかった。Atlas医師らによると、「ほとんどの患者は短期間で有意な改善が得られますが、改善しない患者もいます。さらに患者の中には初期に症状が軽快しても、時間が経つと再発する場合もあることを、手術を考えている患者に知らせなければなりません」。著明な改善は非常に早い時期にみられる。「手術の効果が最も大きかったのは3ヵ月後の時点でした」と彼らは述べている。

症状との因果関係が明確でないのだから当然のことですね。
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by junk_2004jp | 2004-12-02 12:01 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 01日

坐骨神経痛や脊柱管狭窄症に対する外科的治療は保存療法より有効か?

坐骨神経痛や脊柱管狭窄症に対する外科的治療は保存療法より有効か?

このような議論をするときSciatica(坐骨神経痛と訳します)とはなんぞや、というところから始めないと意味がありません。

整形外科医のくせに坐骨神経痛も知らないのかと思われるでしょうが、一般的に言われていることが本当に正しいのかどうか・・・つまり研究の大前提に問題があるのです。

「坐骨神経痛とはヘルニアによって坐骨神経が圧迫されておきる痛み」このような科学的に証明されていない、矛盾の多い考え方を前提に予断をもたれればおのずと検査結果は違ってくるでしょう。医師も患者もあらゆるものからフリーな立場でなくてはいけません。

「ヘルニアによって神経が押さえられているので痛い。」と思うならば、医師も患者もその言葉の呪縛を受ける可能性はあります。

手術の効果を論ずるときは「全身麻酔効果+手術そのものの効果+プラセボ効果」に分ける必要があります。

全身麻酔は筋弛緩剤の投与で筋肉は完全に弛緩します。またも脳も深い眠りになります。パソコンでいうと「購入時の状態に戻す=リカバリ」ということでしょうか。痛みの悪循環は絶たれる可能性はありますよ。その上、ヘルニアがなくなったという安心感はなにものにもまして大きいことでしょう。

真に手術そのものの効果を調べるには偽手術(全身麻酔をかけて切開だけをする)をしてヘルニアを取ったと告げることをするべきでしょうが、人道上問題があります。

変形性膝関節症への関節鏡下デブリドマンはプラセボ効果しかない
これは私たちの業界で有名になった偽手術の話です。
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by junk_2004jp | 2004-12-01 21:29 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 11月 22日

自明の理

痛みやしびれ(神経原性麻痺のことではないですぞ)に対して画像診断は無意味である。(悪性腫瘍、骨折、感染症の除外診断の意味はある)

画像診断は痛みや痺れに無意味であるをいう時にはこのように但し書きをしなければならないのがややこしいところである。これはもう自明の理であるにもかかわらず、いまだに信奉している人がいることは驚きである。

そのようなことを言っている医師は看護師を雇用するときMRIやレントゲン所見を履歴書に添付してもらわなくてはいけません。分離症やすべり症があるのなら雇用すべきでないかもしれません。またヘルニアの有無も検査しておくべきでしょう。労働のためヘルニアになったといわれるかもしれませんから。画像所見のある人は看護師として雇用するのは不適当かもしれません。

お見合い写真にも添付してもらったほうがよいかもしれません。

保険加入のときも画像所見の有無は考慮されるべきでしょう。

これらはブラックジョークです。人権侵害ですね。画像所見と痛みは無関係です。
「画像所見と痛みは関係ある。」と主張するなら、看護師を雇うとき検査をして、所見がある場合はそれに見合った労働環境にすべきでしょう。

患者自らが先頭にたって「痛みやしびれの原因を構造上の欠点にするな」というキャンペーンをすべきでしょう。上記のようないわれのない差別が生じることも考えられなくもないからです。
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by junk_2004jp | 2004-11-22 11:53 | 慢性痛 | Comments(2)