心療整形外科

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カテゴリ:うつ・不安・ストレス( 91 )


2016年 10月 31日

心因が強いほど激痛

激痛を訴えているほど心因(ストレス、不安、身体化)が影響しているものだ。

一応検査を受けるべきだが、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、軟骨が減っているなどの説明には気をつけて。

骨折や指の切断の方が激痛を訴えない。これは生理的に納得できる。疼痛を抑制する鎮痛機序が働いているのだ。

一方、心因が絡んでいる痛みは生理的に理の適ったものではないので疼痛の抑制が効かず激痛になるのではないか。

経験を積むと患者さんの表情や会話でわかる。

① 圧痛点がはっきりしない症例

b0052170_0562639.jpg40代、1ヶ月前より誘因なく図の部分に激痛あり。歩行困難、睡眠障害。他医でレントゲン、MRI、血液検査異常なしで原因不明といわれた。5年前にも同様のことがあった。パニック障害の既往あり。線維筋痛症になるのではないかとの不安。

私「ストレスが原因だと思います。」

患者「特に思い当たりませんが」

私「体がかってに反応しているのでしょう。私が必ず治ることを保証します。また明日いらっしゃい。」

次日

「すっかり治りました。治るといってくださったのは先生だけでした。」

原因不明というのがまずいんです。 Doctor as medicine

② 圧痛点がはっきりしている症例

b0052170_1154289.jpg40代、女性。今日の朝より頚に激痛、動かせない。「寝違え」だと思っている。とても苦しい。

前日、会議があった。

寝違えと言われる痛みのほとんどは肩甲挙筋の攣縮だ。

私「寝ているときに力が入ったのではないでしょうか。歯ぎしりをしたり、コブシを握り締めたりしていることはないですか。前日の会議があやしいですね。」

図のポイントに強い圧痛があったので、そこに局所麻酔を注射。カウンターストレイン(筋が緩む姿勢)1分半。

それでよくなりました。


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by junk_2004jp | 2016-10-31 01:27 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2015年 09月 25日

うつ+MPS(うつそのもの)

Aさんは一昨年より、いろんなところに痛みがあった。

昨年は痛みがひどく寝込んでいる毎日で手助けがないと何もできない状態だった。

めまい、夜間痛、睡眠障害、あご痛、冷感、ふるえ、息切れ、便秘、下痢、頭痛、ムズムズ脚

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線維筋痛症の症状ともいえるし「軽症うつ病」の症状ともいえる。

整形外科では頚と腰にヘルニアがあるといわれ、手術をすることになっていたが、「どうも症状が合わない」ということで中止になった。

(サインバルタ1錠、ワントラム1錠)(トリガーポイントブロック)(マッサージ、認知行動療法)

約3ヶ月間で「みちがえるほど元気になった」との感謝の言葉をいただいた。痛みは0になってはいないがもう大丈夫だ。

ヘルニアが痛みの原因になることは決してない。手術をしないでよかった。


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by junk_2004jp | 2015-09-25 12:59 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2015年 09月 22日

不思議な急性痛

70歳代、Aさん

数日前より膝が痛い。跛行。誘引わからない。以前になし。

某医にてヒアルロン酸注射を受けたが良くならない。

当院受診、数カ所の圧痛点をブロックする。すぐに良くなり驚く。

翌日、再び激痛で来院。股関節のあたり。

私「何か不安なこと、ストレスはありませんか?」

Aさん「数日後に乳がんの手術を控えています。それに行けるかどうか・・・」

手術に行くという不安、葛藤が膝や股関節のあたりの痛みに転換していたのだ。

潜在意識に潜む「行きたくない」が「行けなくなってほしい」になり、それが下肢の強い痛みとなる。

Aさんにそのことを伝えた。

精神科疾患で転換性障害というのだろうか。あるいは疼痛性障害というのであろうか。

私は「転換性障害」のほうがいいと思うが。こういうのを「心因性疼痛」というのではないと思うが。

http://merckmanual.jp/mmpej/sec15/ch204/ch204c.html

http://merckmanual.jp/mmpej/sec15/ch204/ch204f.html

一回の受診では判断しにくいが数回の観察で判断できる。

痛みはいつの場合も身体科と精神科の両方の側面がある。

ぎっくり腰だって、寝違えだって、慢性の肩こりだって。

逆のことを考えてみよう。

「鼻骨を骨折していたが、痛みを感じずサッカーをした。」

これは精神疾患なのか。そんなはずがない。

そもそも精神、身体と分けることができない。


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by junk_2004jp | 2015-09-22 03:29 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2015年 09月 02日

森田療法の世界

痛みが続くと誰でも神経質になる。

神経質だと痛みが続く。

どちらがニワトリでどちらがタマゴ?

神経質は仕事に対してはいい影響があると思うが一旦痛みに向かうと苦労する。

こだわり、とらわれ。

このような印象の患者さんは以外といる。

全く聞く耳がない人もいれば、聞くのだけれど理解困難な人もいる。実際に痛いのだから無理も無い。

私は「鳴くまで待とうホトトギス」の心境だ。説き伏せることは困難だ。

医師の不用意な言葉で神経質にさせられることだってある。きをつけなければ。

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「あるがままに生きる」
「悩みのタネ、神経質のよさを生かした新たなる生き方を!!」
「人生には、さまざまな不安や悩みがあって当たり前。自分の心の奥に潜む「とらわれ」の心理からどうすれば脱却できるのか。

第7章 自分を省みる生き方を
         次々と痛みに悩まされ(会社員・男・37歳)


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by junk_2004jp | 2015-09-02 13:36 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2015年 02月 11日

その痛み、いったいどこから?

70歳代、女性

1月29日ごろより、左の背中が痛い。思い当たる出来事はない。

圧通点の局麻を注射する。

3日後、よくならない。反対側(右)が痛くなった。家人は圧迫骨折ではないかといっている。レントゲンを撮って欲しい。

脊柱に叩打痛はない。

レントゲンを撮る。その部位に古い圧迫骨折と思われる変形椎体あり。今回の痛みの原因とは思われない。

こういうときは、全身的な話題にもっていく。

眠れるか・・・・・ねむれない。

目や口が渇くか・・・・渇く。眼科にかかっている。

胃の具合が悪くて内科医にかかっている。

「ストレスが原因だと思いますが・・・。何か思いあたることはないですか。」

「何もストレスはないですが・・・・。」

「ああ、確定申告が28日に終わってやれやれと思いました。」

「ストレスが終わった途端に体調が崩れることがあります。いろんな症状を総合すると一過性の軽いうつ状態の症状だろうと思います。」「しばらく電気をあてにいらっしゃい。」

と説明して「高齢者のうつ」というパンフレットをわたす。よくならないようなら薬も考えるが・・。

患者さんは納得したような様子だった。

このへんの説明はむずかしい。納得しないと他の病院へいく。またレントゲン、MRI。そして、下手な医師に出くわすと辛い結果となるのは目に見えている。

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by junk_2004jp | 2015-02-11 12:00 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2014年 11月 17日

じらこき

「じらこき」の痛み

    小松弁、古い言葉、
       
    ネットで検索すると「じらをいう」わがままを言う。駄々をこねる。ぐずる。(下関弁)
   
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%98%E3%82%89%E3%82%92%E8%A8%80%E3%81%86

下関弁とは少しニュアンスの違いはあるようですが、まあ大体そのような意味の痛みです。

高齢者に多い。

激しい痛みを訴える。このとき、目を強く閉じて苦悶を表現することが多い。

治療者はだまされることがあるが、注意深く見ていると判断できる。数回みるとわかる。

残念なことだが手術する医師もいる。

心理的な問題(怒り、不安など)が絡んでいる。

心因性の痛み。本人は強い痛みを感じている。

潜在意識に「かまってほしい」


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by junk_2004jp | 2014-11-17 17:31 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2014年 11月 11日

心因性疼痛

①ほとんどの筋痛症は心身症でいわゆる心療内科的です。つまり筋肉と脳との情報のやり取りです。

筋肉に強い圧痛があります。

b0052170_16373137.jpgAさん(女性)は離婚騒動で図のような痛みが出ました。いったんよくなったのですが、元ダンナと会った途端にまた痛みが再発しました。

離婚で痛みというケースはしばしばあります。頚痛、腰痛などさまざまです。

②一方、心因性疼痛はいわゆる精神科的な痛みです。

筋肉にはっきりとした圧痛がない。表現、動作、顔の表情が痛みと不釣り合い。

初めての場合は診断困難です。患者さんの動作、表情、痛みのある部位などからある程度推理できます。

これは説明困難です。本人は痛みを感じているのですから。

①も②も心理的な不安や怒りなどの表現です。慢性痛の多くは心理的な問題が絡んでいます。


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by junk_2004jp | 2014-11-11 17:47 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2014年 09月 09日

慢性痛と不安脳・抑うつ脳・こだわり脳・怒り脳

急性痛は損傷+痛み

慢性痛は痛みそのもの

痛みが慢性化する要因として、不安脳、抑うつ脳、こだわり脳、怒り脳がある。もともとそうだったのか、痛みが続くことでそうなったのかは分からない。

もちろん慢性痛をもった人でも特にこのような特徴がないこともある。

脳は幼少時からの細胞のネットワークで百人百様だ。いいとか悪いとかという問題ではない。

不安、抑うつ、こだわり、怒り、これらは根っこは同じで咲く花の違いのように思える。

完全主義だから不安、こだわる。先読みする、そして不安になる。それがますます痛みを増強する。

医者へいったら、不安をあおるような診断、説明を受ける。そしてますます悪化する。

慢性痛をもった人は自分の脳の特徴を理解して脳に支配されないコツをつかむことです。

不安は用心深い、こだわりは緻密ともいえていい面もあるが、いったん自分の身体に向かうと苦しむことになる。

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この図は心療内科、中井吉英教授(関西医科大)のもので不安の強い人は急性期より慢性痛のような顔をしていることを示している。

===============

今日の症例

70歳、女性

スーパーマーケットにいくとお尻から下肢に強い痛みが生じて歩くのが困難となる。

TPB後は全く痛くなく歩かれるようになった。

キーポイントは不安脳の方だったのです。

先読みをするんですね。

たくさんの買い物を持てるだろうか、いろいろ見て回れるだろうかなど先読みして痛みを作っているのです。


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by junk_2004jp | 2014-09-09 17:08 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2014年 07月 17日

精神疾患or身体疾患?

精神疾患or身体疾患?

本日、奇妙な症例

山本さんは昨夜、急に右の足首より先が全く動かなくなりました。

本日診せに来られましたが全く正常に動きます。痛みやしびれはありません。

「体にあらわれる心の病気」 「原因不明の身体症状」とのつきあい方

というPHP新書があります。

しいて病名をつけるとすれば、身体表現性障害のなかの転換性障害でしょうか。

一過性なのですから、脳という臓器の機能性障害、脳という臓器の心身症ともいえます。

心(脳)と身体を分ける必要もないのかもしれませんが、病態理解には都合がいいので。

しびれ(異常知覚、じんじん)と知覚脱失(感覚が鈍い、感覚がない)を混同しないようにしてください。

しびれは綱引きのあとのような感じです。指はこわばり、じんじんすることがあります。と同時に、感覚が鈍ったように感じることがあります。これはいずれ回復しますので、機能的障害。

一方、ギプスを巻いていたために起きるような腓骨神経麻痺は知覚脱失、神経繊維が回復不可能なら器質的障害。

機能的障害(心身症):いろいろな条件で症状に変化、痛み、しびれ、血圧など

器質的障害:機能性障害でないもの。脊髄麻痺など。

後縦靭帯骨化症(黄色靭帯骨化症)で①痛み、こり、しびれと②将来の脊髄麻痺が起きるというのは機能的障害と器質的障害が混同してしまっている。

機能的疾患が器質的異常が原因だとするにはむりがある。

医学がすすめば、このような分類も変化していくでしょう。

痛み、しびれの原因を椎間板ヘルニアだの脊柱管狭窄だの軟骨障害だのにすり替えて説明して、医師も患者も納得して生きているのです。それが平和だった時代は終わろうとしているのですが。

心(脳)の問題、精神の問題にはしたくないのです。

慢性痛は「原因不明の身体症状」なのですね。

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by junk_2004jp | 2014-07-17 15:13 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2014年 07月 12日

情動の身体化2

昨日の「情動の身体化」というお話に70ほどの「いいね」をいただきました。皆さん思い当たるふしがおありだと思います。外傷や生活習慣が引き金の痛みも長期化するのに負の情動(不安、怒り、悲しみ)が関係します。

皇后陛下の左腕の痛みと失語症

http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/kohyo/kohyo-h25-0131.html

皇后陛下には,4月18日より頸椎症性神経根症けいついしょうせいしんけいこんしょうによる左の肩から上腕にかけての激しいお痛みがあり,2週間以上にわたるご治療をお受けになりました。ご症状は軽減されていますが,ご体力はかなり低下しておられます。

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20091005-01/1.htm

国民が〝ミッチー・ブーム〟に沸いていた頃、皇室内部で美智子妃殿下への苛烈ないじめが行なわれていたことは、時代を経て少しずつ明らかにされてきた。そのなかで皇太子妃、そして皇后としての務めを果たしてこられた。皇室ジャーナリストの松崎敏弥氏が明かす、美智子皇后の〝茨の道〟の真実。

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頸椎症性神経根症(頸椎が悪くて、腕へいく神経の根っこの部分が圧迫を受けている)なんて非科学的な診断がされていますが、上記の二つはいずれも情動の身体化と思われます。

人間はだれでもこのような反応をとるものですが、その現れ方はいろいろです。

胃潰瘍になる人もいれば円形脱毛になる人もいますね。

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吉田さん(男性、40歳)、妻、子供2人

高校のころより腰椎ヘルニアといわれていて腰痛に悩んできた。

最近、仕事中、背中〜腰にかけて痛みがつよい。

当院受診してTPB(トリガーポイントブロック)飲み薬などの治療を3回受けるも一行に改善しない。

「仕事をしているときだけ痛いのです。」「眠れる、食べられる」
「仕事が好きですか」
「腰が痛くなるので仕事をかえてほしい」

「腰が痛くなるから仕事をかえてほしいではなくて、仕事をかえてほしいから腰が痛くなるのです。」「といっても、いい仕事があるとはかぎらないですね。子供のためにも、しばらくは我慢して仕事をすきになりなさい。」

ということで、どんな治療をしても根本のところをかえないと治りません。

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by junk_2004jp | 2014-07-12 15:01 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)