心療整形外科

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カテゴリ:痛みの生理学( 309 )


2016年 04月 16日

整形外科に行って治ったためしがない

「整形外科に行って治ったためしがない」

「整形にいっても、どうせレントゲン、MRIを撮って薬とシップ」

「手術をした人何人かに聞いたが、みんな良くなっていない」

これは別々の患者さんから実際に聞いた言葉です。「だから***に通っている」というわけです。

整形外科とはそもそも骨折や腱、靭帯などの断裂を修復するのが主な仕事なんです。痛みは素人です。

多くの整形外科医が参考にしているバイブルは本当に正しいのでしょうか。

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痛みやしびれは神経症状ではありません。神経症状とは「神経麻痺症状」のことです。腰痛で神経麻痺を伴っているのを診たことがありません。

根症状、根障害などの概念は本当でしょうか。

ラセーグテストは疼痛誘発テストです。五十肩で腕をあげると痛いというのと同じ意味です。こんなテストとヘルニアとどういう因果関係があるのでしょうか。

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この「神経根が圧迫されて」この考え方が慢性痛の大きな一因になっているように思われます。

これを生理学者の前で堂々と解説できますか?

私が診ている人で脊柱管狭窄症の手術をしたために大変苦労をしている人が何人もいます。

3年前のある日突然、右下肢がしびれた人が脊柱管狭窄症の手術をしたが、以来、仕事もやめ、趣味もやめ辛い日々を送っています。

80歳代女性、脊柱管狭窄症ということで他院で入院治療を行っていましたが退院後も痛みのため辛い日を過ごしていました。下肢の慢性の筋筋膜性疼痛でした。圧痛点に鍼のようなトリガーポイント注射をしてやると、次の日はかなり良くなったといっていました。

痛みのメカニズムを勉強するのはそんなに難しいことではありません。

なによりも大切なのは今まで言われてきたこと「根症状」なるものが本当に正しいことなのかよく考えてみることです。


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by junk_2004jp | 2016-04-16 16:53 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2015年 11月 30日

痛みを老化のせいにするな!

痛みを老化(加齢)のせいにする医者は、痛みを説明する能力がないのです。

なぜ痛みが起きているのかを説明できない。

もう一度、基礎から勉強しないと。難しいことではない。半日もあればできること。

こんなことだから、4.4人に一人の割合で慢性痛の人がいて、70%の人が満足した治療を受けていないということになってしまったのだ。

「老化した軟骨や椎間板は痛みの原因になる」「脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアで神経が圧迫されると痛みやしびれが生じる」これは昔に流行った医学です。今では否定されています。いつまでもこれを言っている医者は患者さんに無用の心配を与えるだけではなく、治療の機会を奪っていることになります。

次に紹介する文献はここから入ってリンク先を読んでください。

X線撮影が腰痛の回復を阻害

診断上の分類の影響:エビデンスはどこにあるのか?

腰痛の診断上の分類:希望的推論を真実としていないか?

脊柱管狭窄症の画像:画像所見は症状とほとんど関連性がない

脊柱管狭窄症の回復は面像診断上の変化と相関するか?

椎間関節症状(Facet Symptoms)の診断に画像診断は無カ

現在の報告書は患者に無用の心配をさせている

眼鏡をかけても見えにくい:X線所見と非特異的腰痛の因果関係

症状のない椎間板の脱出および遊離脱出はまれであったが、高信号域はよくみられた

MRIからは、将来の腰痛を予測できないー患者50例での最新研究より

重篤な疾患の有無を調べる検査:最も良い方法は何か?

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by junk_2004jp | 2015-11-30 15:46 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2015年 11月 19日

医者と患者と保険者は知識を共有しない限り保険治療は困難

医者と患者、保険者が知識を共有しないかぎり保険治療がうまくいかない。

昔は医者だけが知識を独り占めしていたが、いまではネットがあるので誰でも簡単に知識を得ることができる。

最終的には患者が治療法を選択するのは当たり前のことだが、正しい知識がないとそれができない。

ネットで流れるいろいろな情報のどれが正しいのか判断に迷うことだろう。

とくに「痛み」という目に見えない、計測できないものならなおさらだ。

以前にも紹介したが、日本臓器株式会社が提供する「痛みのしくみとその歪み」ー痛みの慢性化理解のための10項目ーこの動画コンテンツが最強だ。

「医療関係の皆様へ」から入ることができる。痛みに関係する医療関係の皆様は必見だ。

患者もみることができたらいいのにといつも思っている。

臨床医学は生理学が基本だ。

簡単に説明すると、

痛みは怪我(組織損傷)によって起きる。痛みは悪循環する。

脳せき髄には「痛みを抑えるしくみ」と「痛みを強めるしくみ」がある。

痛みの電気信号が脳せき髄に繰り返し入力し続けると「痛み抑えるしくみ」は弱まり「強めるしくみ」が強くなる。そして新しいネットワークが完成してしまう。(可塑的変化)(慢性痛)

脳せき髄にたくさんあるグリア細胞はいままでは神経線維を支えたり栄養を与えたりする役割と思われていたが、痛みの広がりや慢性化にとても関係していることがわかってきた。

痛みに敏感なネットワークが出来上がると、それを崩すことは困難となる。

ネットワークができる前になんとか入力を止めてしまうことだ。

認知のネットワークが次第に壊れていくのが「認知症」

痛みのネットワークが作られたのが「慢性痛」

つまり慢性の痛みは「逆・認知症」なのだ。

痛くで歩行困難だった人が認知症になり、遠い町で見つかった。

痛み敏感ネットワークだけが認知症になればいいのだが、そんなわけにいかない。

出来上がってしまったネットワークをどうすればいいか。

鍼やTPBだけで崩すことができればいいが。あるいはコントロールできればいいが。

認知行動療法、理学療法、心理療法、ヨガ、瞑想などを組み合わせて新しいネットワークを作り変える。

薬物(抗鬱薬、抗てんかん薬、抗不安薬、リリカ、トラマール、トラムセット、ワントラム、ノルスパンテープなど)を使ってコントロールする。

薬物に対してはいろいろな意見があるが、最後の選択肢としている人も多いと思うので発言は慎重に。

このような方法をどう組み合わせて「私の慢性痛」を管理するか。それは患者さんが決めることだ。

タイのピッサマイさんは噛み付いて70円で治してくれる。http://junk2004.exblog.jp/24791059/


慢性痛になりやすいリスキーな脳や環境があることは容易に想像できる。

不安脳、抑うつ脳、完全主義、とらわれ、アダルトチィルドレン、ストレス環境、医者の間違った診断。脊損、パーキンソン、甲状腺機能低下症。

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by junk_2004jp | 2015-11-19 03:09 | 痛みの生理学 | Comments(1)
2015年 11月 01日

時代は変わりつつあります。今が潮目です。

我が国の痛みの診療は先進諸国よりかなり遅れている(20年ぐらい?)と言われていますが、徐々に変わりつつあります。今がちょうど潮目でしょう。

痛みは老化変性が原因、神経の圧迫、絞扼が痛みやしびれの原因(腰椎の老化変性が腰や下肢の痛みの原因、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が痛みやしびれの原因、関節軟骨や半月板や腱板の老化や変性が痛みの原因)という医学は間違っていました。

私もこのような医学を学んでそれを信じていたのです。だからそのように言っている医師の気持ちはわかります。

医師の説明、画像を見せられることによって、ますます鮮明に痛みを洗脳される可能性があります。

この仕事を40年もやっていて、まだそれが分からない医師がいるのなら、この仕事に向いていないのでしょう。

10月31日に御茶ノ水で行われた「難治性疼痛・慢性の痛み 市民公開講座&交流会」の模様がFace Bookに発表されましたのでそれを引用させていただきます。

難治性疼痛についての公開講座に参加してきました。

日本の、「痛み」,特に3ヶ月以上続く首や腰などの痛みに対しての治療は痛みの治療先進国より実際50年遅れていると知りました。

投薬、理学療法などについて一般の方にもわかりやすい内容でとても有意義な講演会だったと思います。

個人的には今後、「脳」や「筋肉・筋膜」にフォーカスされた治療がどんどん普及していくことを願っています。

1つだけ言えるのは、痛くても体を動かす意識は絶対に捨ててはいけないこと。痛い場所ではない部位を動かすことによって、体全身に効果があることがわかっているようです。

整形外科を受診して絶望する患者さんが多い中、「動く」という意識、行動は希望をもたらします。

ちなみに、以前から載せていますが、○○ヘルニアとか狭窄症とか変形性○○関節症は痛みの原因にはならないようです。


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痛みは組織損傷の警告として発生します。

急性期は「組織損傷の治療」+「痛みの治療」

組織損傷の原因は
①打撲、捻挫、切創など、一過性の大きな外力。
②生活習慣、労働、スポーツなど繰り返される外力。

損傷の程度は微小なものから骨折など大きなものまでさまざま。微小な損傷は検査をしても見つからない。

「組織損傷の治療」と「痛みの治療」は別のものとしてそれぞれに対して行うべきで、「組織損傷」が治癒しても痛みが続くことがある。(慢性痛)

慢性痛は警告としての意味がなくなった病的な痛み。これは末梢性・中枢性感作によっておこる。ストレスや天候に影響。睡眠障害、苦悩。痛みそのものが治療の対象。

もともと「不安脳」「抑うつ脳」などの場合は急性期より慢性痛のような状況を呈することがある。

痛みは慢性化、広範囲化する可能性があるので速やかに止めること。

慢性痛に対しては認知行動療法を主体としていろいろな方法をとって対応。





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by junk_2004jp | 2015-11-01 22:22 | 痛みの生理学 | Comments(3)
2015年 09月 11日

日本では痛みの治療は、先進国の中では最も遅れている

日本では痛みの治療は、先進国の中では最も遅れており、痛みの治療など、患者中心の医療は、厚生労働省の調べで、日本が世界で遅れている科学技術のトップ10に入っていると報告されています。


http://shiga-anesth.jp/pain/P15.htm

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オーストラリアは、国を挙げて慢性痛対策に取り組み成果を上げています。例えば慢性腰痛の患者数は、20.5%(2001年)→12.7%(2011年)と激減させました。わが国も、本格的な慢性痛対策を開始しましょう!!

腰痛に屈するな..

10月31日は、御茶ノ水に集合!!

神経が圧迫・絞扼を受けて痛みやしびれが起きるというような明治時代の言い伝え情報に惑わされるな。

すべり症や分離症、椎間板症、頚椎症性神経根症などは根拠がありません。

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福島医大の紺野 慎一教授です。

ついでに脊柱管狭窄症もウソだったといってほしいものです。



熊澤孝朗先生(痛みの生理学者)
多くの医療者のなかに慢性痛や筋肉に関する概念がほとんどないというのは悲しい現実である。痛みは急性痛と慢性痛とでは病変がまったく違うため、治療法もまったく別のものとなる。アセスメントやマネジメントのためには、急性痛と慢性痛の鑑別は絶対的に必要である。

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by junk_2004jp | 2015-09-11 19:31 | 痛みの生理学 | Comments(7)
2015年 09月 10日

日本の痛みの医療は失敗だった(取り戻せ)

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TMSジャパンより


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「9割の病気は自分で治せる」より


http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken11/dl/02.pdf

日本の医療費はOECD加盟国のちょうど平均です。

国民皆保険でいつでもどこでも医療を受けられる。

突出したレントゲン、MRI、CTの使用。

皆保険のためにかかるコストなどを鑑みると、医師の診断料、技術料はかなり抑えられている。

レントゲンやMRIを撮らないと経営が成り立たない。

その画像に映った異常が痛みの原因だと教育されてきた。

それが間違いだと分かっても、もうどうにも止まらない。

http://junk2004.exblog.jp/17123928/

プライマリケアにおいて、腰椎のレントゲン撮影は意味がなく、わずかに得られるかもしれない精神的満足もその高い放射線量を浴びることを考慮すべきだ。


MRIによるヘルニアの所見と予後、治療成績はほとんど関係がない。


これでは慢性痛が増えるばかりだ。

構造異常は容易にみつかる。

半月板、腱板、椎間板障害、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄などの異常は中年以降では60%以上の人にみつかると言われている。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_62.htm

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_255.htm

しっかりとした痛みの教育を受けていない医師がだれでも普通にある構造異常が痛みの原因だと診察するのは慢性痛を増やすだけだ。

構造の治療と痛みの治療は別問題です。痛みの治療は早急に!構造の治療の必要性はゆっくり時間をかけて考えなさい。


痛みをなくすために行った手術痕、関節鏡の痕がさらに筋痛の原因になることもあるのです。

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痛みは構造破綻のために起きているのではなく外力が引き金になって慢性痛になっているのです。

痛みの悪循環Cは侵害刺激Aが引き金です。構造異常Bも侵害刺激が原因です。

Bを治したらCが止まるという法則はありません。

問題は医師の教育と保険診療費の分配にあります。

整形外科医も脊椎外科医も痛みの専門家ではありません。

私ももちろん痛みの専門家ではありませんが、学習して理解することはできます。

私の言っていることは専門家の受け売りです。「筋筋膜性疼痛症候群の診断基準」です。



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by junk_2004jp | 2015-09-10 02:40 | 痛みの生理学 | Comments(2)
2015年 09月 04日

洋の東西の痛みの生理学者からの警告

整形外科専門医や脊椎脊髄専門医が

「神経線維が圧迫や絞扼されると、あるいは牽引されると痛みやしびれが生じる」

「老化変性した組織から痛みが生じる」

といっているのは恥ずべきことだ。

日本の痛みの生理学の先駆者、熊澤孝朗は「再教育」が必要だといっている。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_511.htm

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まず大きな原因に、医学部およびコメディカル教育に痛みの教育が含まれていないことがあげられる。このことから、医療の原点であるとも言える痛みについて、医療者側の理解度が諾外国に比較して遙かに低い。医療者の理解が低ければ、もちろん患者側の理解も低くなり、日本の社会全般の痛みに対する理解が低くなるのは当然のことである。特に、この十数年の間に痛みの概念が変革した(前述)ことは、全ての科に関係のあることであり、現場の医療者は再教育されるべきである。


http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_565.htm

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a.医療者に慢性痛の概念がない

そもそも医師の処置が正しいのかどうかを論ずる前に、多くの医療者のなかに慢性痛や筋肉に関する概念がほとんどないというのは悲しい現実である。痛みは急性痛と慢性痛とでは病変がまったく違うため、治療法もまったく別のものとなる。アセスメントやマネジメントのためには、急性痛と慢性痛の鑑別は絶対的に必要である。

明らかな組織の損傷があるのか、ドラッグチャレンジに反応するのか、これらによって急性痛であることが明らかになれば、その組織の治癒を積極的に進める。それと並行して、痛みの管理も早期より積極的に進めるべきである。

これまでの医療では、痛みは合併症の1つとして、いわば“厄介もの扱い”で横に置かれることのほうが多かった。しかし、痛みが持続すれば、組織が治癒した後も慢性痛が生み出される可能性がある。これまでの痛み軽視の治療によって多くの慢性痛患者が生み出されてきたことは否定できない。

一方、これまで慢性痛については、急性痛と区別することなく、急性痛と同じような治療がなされてきた。「骨に異常がなければ、(なんとなく)リハビリを」始めても、合併症の1つとして痛みに対処している限り、また、原因となる疾患を探し出すことに終始している限り、慢性痛患者は救われない。

「痛み止めと湿布で様子をみましょう」、この不適切な処置を続けることは、ある意味、患者放置、医療放棄と言えよう。この放置期間中にも慢性痛は悪循環路線を進み、どんどんと悪化の一途をたどっていくこととなる。そして、「治らない」と訴える患者に、最後の砦とでも言うべき(何でもかんでも)「心因性疾痛」の診断を下し、「どこも悪くないのだから、大丈夫」と“痛みが実際に存在する”患者に言い放ち、診療は(一方的に)終了する。この患者は二度とその病院には来ないだろう。そして、ドクターショッピングを繰り返していく。これでは、いつまでたっても慢性痛患者は救われず、その数は増えていく一方である。

このような慢性痛患者に、「あなたの痛みは慢性痛という新たな病気です(明確な鑑別診断)が、からだを動かすことでずいぶんと楽になりますよ(ヒントとなる対処・治療)」と、ひとこと言える医療者がいれば、それだけで慢性痛地獄から救われる人は増えるだろう。慢性痛に運動は何よりの薬であることがわかってきている。正しい認識をもっているだけで、慢性痛治療は大きく変わり得るのである。

b.医療者に対する痛みの専門教育が少ない

医療者の慢性痛に対する知識不足や誤解は、痛みの専門教育が圧倒的に少ないことによる。前述のように、急性痛と慢性痛の病態がまったく違うこと、さらに慢性痛は立派な病気である(合併症の1つではない)ことさえ知っていれば、自ずとアセスメントもマネジメントも違うことに気づくはずである。

わが国の医療チームの現状では、互いに信頼をもってそれぞれの専門性に患者をゆだねることは難しいだろう。しかし、慢性痛は急性痛のように損傷部が局在化していないため、慢性痛患者はどの診療科、専門領域にも存在し得る。痛みの専門教育によって、すべての医療者が慢性痛を新たな病気として認識し、その知識を熟知することは必要である。

C.痛みに対する医療保険制度が未整備である

診療報酬の問題も痛みの診療に大きな制約を与える。理学療法では、痛みに対して行った治療は一般的に「消炎鎮痛等処置」として算定され、診療報酬が非常に低くなる。

身体的以外にも多くの問題をかかえる慢性痛患者のアセスメントやマネジメントを行うためには、各国の学際的痛みセンターが行っているような専門領域ごとに最低1時間は必要である。しかし、わが国においては、非侵襲的な検査や治療(このなかに理学療法も含まれるであろう)では保険点数はほとんど加算されないか、または非常に低い。そのため、どうしても短時間でより数多くの患者を治療するといった対応をせざるを得ない。この問題は、「社会における問題」とも深くかかわることで、わが国の医療環境整備の空洞化を象徴する1つとして、抜本的な改革が望まれる。




英国の痛みの生理学者Patrick Wall

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_594.htm


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線維筋肉痛症候群と異なり、筋筋膜痛症候群(myofascial pain syndrome)の痛みは1つの領域に限局している。圧迫が痛みを生じる圧痛点(トリガー点)がある。このときの痛みは、遠隔部に拡がり、患者が訴えていた痛みに似ている

トリガー点の下に、ピーンと張った筋肉の帯を触れる。この帯にある筋肉を伸展したり、この帯に局所麻酔を注入したり、針を刺したりすると、痛みは緩和する。1930年代、初期の痛みの専門家のある人たちが、筋肉や靱帯の中に少量の高濃度食塩水を注射して、自分たち自身にこの病態に似た状態を再現した。痛みが注射部位から遠隔部に拡がり、丸1日間持続するのを感じた。患者はトリガー点やピーンと張った帯のある筋肉を動かせないかもしれない。あるいは、その筋肉を動かせば痛みが誘発される。筋筋膜痛症候群のトリガー点は、鞭打ち症のような脊椎損傷部位に現れるかもしれない。多数の研究者がトリガー点の領域から採取した生体組織を調べたが、異常は発見されなかった。ピーンと張った帯は収縮している筋肉によって作られるが、この収縮は痙撃するほど強くない。一部の人たちの痛みは、2ヵ月間続き、後遺症を残さずに消失する。対照と比較した研究はなされていないが、回復は局所の圧痛点の治療と、運動によって加速される。痛みが6ヵ月間あるいはそれ以上続くと、予後がだんだん悪くなる。圧痛点の局所治療は一時的緩和を生じるが、圧痛は戻ってくる

これらの病態では、問題と原因が圧痛点になければならないと,患者たちが確信している。圧痛点にそれを納得させるような異常が見当たらないので、本書でもう馴染みになったサイクルが始まる。

多くの医師たちは、局所性の原因がない局所性の痛みはありえないと思い込んでいる。したがって、局所性の原因を証明できないので病気は存在しないと結論する。これは、赤ん坊から沐浴水を独断的に放ることと同じである。この病態については、検討に値する筋の通った仮説がある。たとえば、脊髄内の少数の運動ニューロンの興奮によって、興奮性が高まった領域にピーンと張った帯が生じる。そして、この領域が感覚を生じるというものである。註1)実際には、原因がないこの痛みは、医師たちがそれを観察したことを認めているのに、英国では正しい病名で診断されていない註2)。


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by junk_2004jp | 2015-09-04 00:01 | 痛みの生理学 | Comments(6)
2015年 08月 25日

「痛み」に先手を打て

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究極の先手は「先取り鎮痛」です。

これは全身麻酔で手術をするときでさえ、切開部に局所麻酔をうつことです。

脊髄反射による筋肉の緊張や、脳に痛みの信号が行かないようにすることにより、術後の長引く痛みを予防するのです。

痛みは長引くにつれて治りにくくなるものです。多くの場合、検査は二の次でいいものです。

明日の仕事のために。

足の捻挫に対してもすぐに局所麻酔を注射するか鍼をすると治りが早いですよ。

現在、慢性痛で苦しんでいる人だって、痛みが生じた次の日に私が治療していれば今日の苦しみがなかったかもしれないのです。(過去の仮定の話でごめん)


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by junk_2004jp | 2015-08-25 13:36 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2015年 08月 24日

覚書

⚫️ 筋紡錘とゴルジ腱器官

スポーツ医科学研究所

筋紡錘は最も複雑な感覚受容器であり、知覚部分と収縮部分からなり、筋線維と一緒に引き伸ばされるように筋肉と平行に筋内に存在します。一方で、ゴルジ腱器官は腱の中に筋線維と直列に存在しています。

これらの受容器からの入力はα運動ニューロンを抑制するので、最初はこれらゴルジ腱器官の役割は強い筋収縮による筋の損傷をふせぐものではないかと考えられていました


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⚫️ 慢性的な「痛み」の裏に自閉所と共通した仕組み、脳内麻薬をうまく働かないようにしている

慢性的な「痛み」の裏に自閉症と共通した仕組みがあるようだ。脳内麻薬の仕組みがうまく働かなくなり、うつや不安との関係も出てくるようで、薬の利きにくさにもつながってくるようだ。

慢性的な痛みは、自殺の原因としては、気分の上下が病的に激しくなる双極性障害に次ぐ2番目に多い原因になるという。

 米国人の4分の1は慢性的な何らかの痛みに苦しんでおり、60歳以下の年齢では持続性の病気としては最も多い形態になっている。


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⚫️ 妻の病気の9割は夫がつくる

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逆もまた・・・・

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by junk_2004jp | 2015-08-24 13:35 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2015年 08月 04日

DLPFC(背外側前頭前野)と fear-avoidance model

慢性痛があるとDLPFC(背外側前頭前野)が萎縮しているとのことだ。

ネットでDLPFCを検索した。

http://utu-yobo.com/jyuken/y_d01.html


背外側前頭前野(DLPFC)の機能

①判断、意欲、興味をつかさどる

機能が低下すると、やる気がなくなる

②扁桃体(へんとう体)のバランスを整える

扁桃体(へんとう体)は、不安、悲しみ、自己嫌悪、恐怖などの感情をつかさどる。機能が低下すると、これらの感情が強く出てしまいます。


うつ病もDLPFCの機能低下が関係している。慢性痛の治療薬にSNRI(抗鬱薬)が用いられるのもこのへんにあるのかもしれない。


海馬も慢性痛で萎縮するとのことだが運動で回復する。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3041121/


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fear-avoidance model


ほとんどの慢性痛は筋肉の痛みだ(筋筋膜性疼痛症候群MPS)。

恐怖を捨て去り動くことがだいじ。(認知行動療法)

ヘルニアや脊柱管狭窄、軟骨のすり減りが痛みの原因ではない。

今までの痛みの医学は間違っていたのだ。生理学的に確認されていて、もはや議論の余地はない。

発達障害(アスペルガー、自閉症、ADHD)、パーソナリティ障害、適応障害、不安障害、アダルトチルドレン、このような障害(先天的、後天的)があれば、痛みに対して脆弱である可能性がある。これは患者さんに責任を負わせることではない。

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「急性期慢性痛」当初より慢性痛のパターンをとることが予測される。


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by junk_2004jp | 2015-08-04 02:34 | 痛みの生理学 | Comments(0)