カテゴリ:MPS( 176 )


2017年 03月 13日

筋膜癒着痛についての質問

最近、テレビ等でも話題となっている筋膜の存在なのですが、筋膜には痛覚があり、筋肉そのものより、MPSの病態が筋膜の癒着 等による影響ではないか?とする見解が多数見受けられています。MPSも筋痛症と診るより筋膜癒着痛と診るべきなのでしょうか?


筋筋膜性疼痛の生理学の第一人者、水村和枝先生は「筋性疼痛」とか「筋の痛み」という言葉を使っていらっしゃいます。
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「遅発性筋痛」というのは筋痛はしばらく経って起きてくることです。「遅発性筋膜痛」とは言いません。

「線維筋痛症」と「筋筋膜性疼痛症候群」は一連の疾患です。「線維筋膜痛症」とはいいません。

International MYOPAIN Society(国際筋痛症学会)・・・myopainとは筋痛ということです。「国際筋膜痛学会」とは言いません。   http://www.myopain.org/

慢性痛は心理・社会的疼痛症候群と言われています。心理的緊張で痛みが強くなることはだれでも経験しますね。集学的治療が必要と言われています。筋膜の癒着との関係はどう説明するのでしょうか。

慢性痛は中枢性感作です。筋膜の癒着とどういう関係があるのでしょうか。認知行動療法と筋膜癒着痛とどう関係つけて説明するのでしょうか。

ぎっくり腰は筋肉の激しい攣りです。筋膜が突然癒着するのでしょうか?腸腰筋などに注射をしてやるとその場で解決することが多いです。

伸張性収縮は筋膜が痛むわけではありません。

筋肉の緊張を調節している筋紡錘は筋肉にあります。

痛みの悪循環、中枢性感作、痛みが次第に広がるなどの説明は痛みの専門家(生理学者)によって解説されています。どのように患者さんに伝えたらよいか。

なにをfascia(筋膜)というのか? 癒着とはどういう状態をいうのか?
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整形外科医はfascia(筋膜)とは筋肉を包む薄い膜のことだと思ってきました。骨折の手術をするとき、この膜を切り、筋肉に到達します。骨折を接合したあとはこれを縫合します。

大きなケガをすると皮下脂肪と筋膜が、筋膜と筋が部分的に癒着して互いに滑って動くことができなくなることがあります。鍼やトリガーポイント注射で剥離することはありません。メスでの剥離が必要です。

そもそも「癒着があると痛い」という前提が成立しません。上記のような状態でも普通は痛くありません。

なにをfasciaというのか、どういう状態を癒着といっているのか、癒着があるとなぜ痛いのか、など詰めて考える必要があります。

「fasciaをリリースする」

別の言い方をすると「コリをほぐす」

「コリをほぐす」というより「筋膜リリースする」という方が何だかいいように思えますね(笑)。

「トリガーポイントブロック」を「筋膜リリース注射」といってもいいのです。「痛み止めの注射」というよりトリガーポイント注射という方がウケはいいでしょう。

私を含めて治療家は患者さんが理解しやすい言葉、イメージしやすい言葉を探し続けているのです。

そういう意味でどう表現するかの問題なんです。

患者さん相手ならなんとでも言えますが、専門家相手の論争になると細かい注意が必要です。

私は世界的に使われているmyofascial pain(筋筋膜性疼痛)やmyopain(筋性疼痛)を使っています。

筋膜癒着痛なんて表現はしません。


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by junk_2004jp | 2017-03-13 18:44 | MPS | Comments(0)
2016年 11月 17日

専門外来SP 

専門外来SP・2016年11月15日


30分29秒

変形性膝関節症    半月板損傷

押さえると痛いところがいっぱいありますね。その筋肉が攣っているのです。そこをマッサージや鍼をして筋肉を柔らげてください。そして膝を座った状態で10回ぐらい曲げ伸ばしをしてください。

特異的疾患(悪性腫瘍、感染症、リウマチ、痛風(偽痛風))を除いて筋骨格系の痛み疾患のメカニズムは同じです。

痛みの電気信号がどのようにして起きるのか。

なぜ長引くことがあるのか。

なぜ広がっていくことがあるのか。

急性痛と慢性痛のちがいは。

慢性痛=中枢性感作とは。

構造の治療と痛みの治療は別の問題です。

脳に達した電気信号を認知反応する脳は個人差があります。(不安障害、抑うつ、発達障害、アダルトチルドレンなど)・・・・生物・心理・社会的疼痛症候群

リウマチに合併したMPS、脊髄症に合併したMPSなど。

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、などと言われている疾患の痛みやしびれはMPSです。

トリガーポイント注射は医師の総合的な手技です。

痛みは脳の認知と反応ですので、個人差がおおきいものです。「何回で治るか」?


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by junk_2004jp | 2016-11-17 04:13 | MPS | Comments(0)
2016年 10月 28日

考え方を変えよう!

考え方を変えてください。

正しい知識を持って対処すれば誰でもたやすく治せます。医療費削減し、生活が大きく好転します。また再発にも対処できます。

江戸、明治、大正、昭和の人も世界中の人もそうやって生きてきたのですから。

「老化した椎間板や関節軟骨、半月板、腱板は痛みの原因になる。」

「神経が椎間板ヘルニアや脊柱管、椎間孔によって圧迫されると痛みやしびれの原因になる。」


今まで散々言われて来ましたが全く生理学的根拠はありません。

これらの変化は中高年になると健常者でもごく普通に見られます。

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、梨状筋症候群、鵞足炎、ぎっくり腰、寝違い・・・・

このように病名が違うと全く違った成り立ちと思いますね。

ところが、これらの病名で表されている痛みやしびれはMPS(筋筋膜性疼痛症候群)です。

除外診断

リウマチ、痛風、偽(仮性)痛風、感染症、悪性腫瘍は異なった病理ですから除外します(特異的)。血液検査や画像検査で判断します。問診だけでも十分なことが多いものです。

上記でなければそれはMPSです(非特異的)。もっとも上記と併発しているMPSもあります。

圧痛点(痛覚が過敏になった点)が一つでもあればMPSです。たくさんあれば線維筋痛症です。

MPSの引き金となったものは外力です。4通りぐらいが考えられます。

①一過性に大きな外力が加わり、明らかな組織損傷があるもの。捻挫、骨折、肉離れなど。

②一過性に大きな外力が加わったが組織損傷がはっきりしないもの。ぎっくり腰など、筋肉の攣り。

③慢性的な外力、スポーツ障害、労働障害、生活習慣病。「いつの間にか骨折」「いつの間にかヘルニア」「いつの間にか半月板損傷」「いつの間にか腱板損傷」「いつの間にか軟骨損傷」を併発していてもおかしくないが、それが痛みの原因だと診断される危険がある。

④もともと、不安障害、怒りなど中枢性の痛覚過敏状態があり、わずかな外力で発火。最初から慢性痛の様相を呈す。


①の場合、痛みの治療と構造の治療は別問題として捉えること。痛みの治療が優先されるべき。

②の場合はその場で解決が可能なことがある。

②③④が絡んでいることもある。

むち打ちでは翌日ごろから痛みが強くなることが多い。階段を昇降した次の日から痛みが出ることがある。このような現象を「遅発性筋痛」という。そのメカニズムはよく分からないがwind up現象かもしれない。

痛みを一面的に捉えるのは困難。

生物・心理・社会的疼痛症候群

例を二つあげよう。

 b0052170_1372345.jpg70歳代女性。長年、認知症の夫の世話をしてきたが、この春亡くなられた。その後、図のような痛みが続いている。当院で治療をしていくとしばらくはいいのだが・・・。





b0052170_1374495.jpg50歳代、男性。果樹農家。収穫が済んだ途端に図のような痛み出現。日中はわりといいのだが、夜間痛が激しい。悪夢をみることがある。眉間にしわを寄せて、目を閉じて訴える。数年前、同じような痛みでヘルニアの手術をした。

私「このような痛みは緊張が解けたときにおこりますよ。例えば親の葬式の後とか、出張帰りとか。」

患者「そういえば、前回のヘルニアの時は親父の葬式のあとでした。」

そのほか、「アダルト・チルドレン(機能不全家庭で育った人)は痛覚過敏状態」は有名ですね。

「妻の病気の9割は夫が原因」という本もありました。

痛みは悪循環する。

痛みを感じると反射的に筋肉が緊張し、交感神経が緊張します。それが次の痛みを作るわけです。

痛みの時間的加算、空間的加算

「時間的加算」はwind up ともいわれます。刺激が次々に加えられるとあっという間に慢性痛になることがあります。

「空間的加算」はグリア細胞の活性化と関係があるとのことです。上下の階層、近隣、反対側に痛みが時間とともに広がっていくこともあります。線維筋痛症。

痛みは記憶される=長期増強(LTP)

組織損傷の反応性の炎症性疼痛が終わるころ、あるいは痛みの悪循環の結果、3ヶ月を過ぎても痛みが続くことがあります。それを慢性痛といいます。神経障害性疼痛ともいいます。

これは中枢性感作=長期増強(LTP)のせいだと言われています。

下行性疼痛抑制系の機能低下、NMDA受容体の開口、これらは脊髄後角でのことです。

リリカやサインバルタはここをなんとかしようという薬です。

そのほか扁桃体や海馬や、前頭前野が影響することでしょう。

とにかく痛みを長引かせて得になるなることはありません。


ところが、

今の医者は患者を触診しない、問診を詳細にする時間がない。

高価な設備投資をして使わないと経営困難になるので、やたらとレントゲン、MRIを撮る。

中高年になるとほとんどの人に異常所見がみられる。写っている老化変性した所見が痛みの原因だと説明する。

なにも異常所見がなかったらもうお手上げとなる。

専門家がいうのだからと患者は信じる。多くの場合、これによって一層悪化する。

様子をみてよくならなければ手術という。手術が病院経営の支えとなる。

全くおかしいことです。

病院に入ったおカネはリース会社、銀行、機器メーカーへと流れる。

医師はこの流れの一歯車になってしまいました。

「将来歩けなくなる」などと不安を煽る医者にかかり、手術でもしようものなら、こじれた痛みになり大変なめにあう。そんな人を何人も診てきました。




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by junk_2004jp | 2016-10-28 00:13 | MPS | Comments(1)
2016年 10月 12日

腰痛の99%以上は筋筋膜性疼痛です。

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http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2016/10/1003.html

私はこの図には賛成できません。

正しい理解が必要です。

速やかに痛みを取って活動的に暮らすことです。

腰痛のほとんどは筋筋膜性疼痛です。強い圧痛がみつかります。筋肉の凝り、攣りが原因です。

そこに局所麻酔を注射したり、鍼を打ったりすればすぐにでもよくなります。

除外診断は「悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風」です。

もう一つ、まれですが精神疾患があります。しかし精神疾患と身体疾患を区別するのは困難ですし、精神科に紹介したところで上手に治療してくれないでしょう。

当院規模の診療所では悪性腫瘍は数年に1件あるかないか程度。

感染症はなし。

リウマチ系では強直性脊椎炎、仙腸関節炎でしょうがまれです。もっともこれらに筋筋膜性疼痛が合併していることがあります。

画像診断はこれらを除外するということです。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛みの原因だとするのはいかがなものでしょうか。

椎間板ヘルニアを痛みの原因にするのなら「圧迫骨折」も痛みの原因にしなければなりません。

外力が加わった場合、椎体が頑丈ならヘルニアが生じる。椎体がモロければ圧迫骨折が生じる。

いつの間にか骨折、いつの間にかヘルニアもある。

構造の治療と痛みの治療は別問題で、痛みの治療を優先すべきです。

飛び出たものを取ったところで何のメリットもありません。メリットどころか、腰に新たな傷を負うのですからデメリットとなります。

「ヘルニアが神経を押さえて痛い」・・・なんと申しましょうか、生理学の夜明け前の理論です。

脊柱管狭窄が痛みの原因・・・これも同上、高齢者の半数以上にみられます。

慢性化すると中枢性の痛覚過敏状態になります(長期増強)。認知行動療法など組み合わせて。

このような言い方をまねすれば

五十肩は「非特異的肩痛」

膝痛は「非特異的膝痛」

肘痛は「非特異的肘痛」

ということになり、治療の方法、疾患の成り立ちがわかりにくいですね。

特異的な病理所見を呈する疾患「悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風」を特異的疾患といい、それ以外を非特異的疾患といっているようです。


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by junk_2004jp | 2016-10-12 13:58 | MPS | Comments(0)
2016年 09月 22日

変形性膝関節症の人工関節手術を回避できました

70歳代、女性、両膝痛。10年前より、痛みあったが半年前から強くなり歩きにくくなった。手術を勧められている。

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図のような圧痛点あり。内側広筋、膝窩部は腓腹筋に圧痛あり。

約1ヶ月間、5回圧痛点ブロックを行う。2週目よりノルスパンテープを併用。

痛み改善し歩行もよくなり手術を回避できた。

軟骨変性や半月板の変性は中年以降は健常人でも半数以上の人に見られる。

痛みとレントゲン所見(軟骨変性)とは比例しないのは整形外科医にとっては常識。

痛みの生理学では「軟骨や半月板の変性が原因で痛みが起きる」は理屈にあわない。

内側広筋などのMPS(筋筋膜性疼痛症候群)とみるのが理屈にあっている。

だから「膝こり」と表現したほうがいい。同じことが筋骨格系の痛みについていうことができる。「悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風・仮性痛風を除いた痛みはMPS」

慢性痛と急性痛では治り方が違うように思う。慢性化しないうちに。早期除痛、早期運動!(痛みは学習される=LTP、長期増強)

「老化したものは痛い、神経を圧迫すると痛い」という伝説に終止符を打とう。

内側広筋のMPSは長時間の正座や草むしり(伸展位)、下り坂・下り階段の歩行、ランニング(伸張性収縮・・・筋肉が伸びた状態で力が入る)で傷めることが多い。

次の日に痛くなることが多い(遅発性筋痛)。

圧痛部位にパップ剤。

軽くマッサージ。

負荷をかけずに曲げ伸ばし。

凝った・攣った筋肉を鍛えようとはしない。

凝った・攣った筋肉を無理にストレッチ(正座の動作)すると悪化することがあるので、少しずつ。

内側広筋のMPSでは膝崩れがおきることがある。

次に多いのは鵞足腱炎(脛骨粗面の圧痛)でX脚や内股の人に多いといわれている。

いずれもMPSだから、日頃の手入れ、習慣の改善が重要。

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by junk_2004jp | 2016-09-22 12:16 | MPS | Comments(19)
2016年 09月 08日

「夢21」10月号にでました。「耳鳴り」

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耳鳴りは内耳性のものでなければ胸鎖乳突筋の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の一症状のことがあります。

耳鳴りのほかにふらつき感(めまい感)があることもあります。

メニエール症候群と診断されていることがあります。

線維筋痛症やうつ状態にともなっていることがあります。これはいずれも胸鎖乳突筋のMPSが原因でしょう。

むち打ちで胸鎖乳突筋を傷めることがあります。


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by junk_2004jp | 2016-09-08 18:00 | MPS | Comments(0)
2016年 09月 02日

脊椎外科医には気をつけて!

症例:Aさん(40歳代、女性、仕事は事務系でパソコン作業)

6年前、右腕にしびれ、力が入らない。「しびれ外来」なるところを受診。「頚椎症」と診断を受けた。

1年前より右下肢の痛み、しびれ、重い感じ、力が抜ける。

転居により他の脊椎外科を受診。

右上肢に関しては「頚椎症、椎間板ヘルニアによる頚椎症性神経根症」

右下肢に関しては「頚椎症性脊髄症」

手術を勧められている。

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Aさんは下肢の症状がクビから来ているということに疑問をもちインターネットで調べて当院を受診する。

病的反射(腱反射亢進、クローヌス、バビンスキー、トレムナー反射):なし

痙性歩行なし、手指の巧緻運動障害なし。

以上のことから、脊髄症(脊髄マヒ)を疑うことはない。

右斜角筋や前腕伸筋、中臀筋、腸腰筋、腓腹筋などに多数圧痛点あり。

その他、頭痛、睡眠障害あり。

筋筋膜性疼痛症候群と診断した。

0.5%メピバカインをこれらの圧痛点に注射した(合計6ml)。

飲み薬は使わなかった。

4日後、再診。すーごくよくなる!!

今まであまり痛みを感じていない部分に痛みを感じるとのこと。

線維筋痛症の圧痛点部位を検査する。「ステージ 1〜2の線維筋痛症」と思われる。

「慢性広範痛症(MPS)」からその延長線上の「線維筋痛症」の人はとても多いように思う。

医師は筋筋膜性疼痛症候群やその延長線上の線維筋痛症の知識がなく、レントゲンやMRIの異常所見によって診断する傾向にある。

私は今回の診断、治療にあたってレントゲンやMRIは見ていない。しかし自信を持って診断できる。

頚椎症でもなければ頚椎症性神経根症でも頚椎症性脊髄症でもない。

同じような症例で同じような診断を受けているのは珍しくはない。

脊椎外科医には気をつけて!(痛み・しびれとマヒの区別が分かっていないのだろう)

しなくてもよい手術を受けて火に油を注ぐ結果となる。

筋筋膜性疼痛症候群(MPS)でも線維筋痛症(FM)でも圧痛点があればそれで診断できるのだ。いずれも「ヘルニアは除外する」などという除外項目はない。

脊髄症(脊髄マヒ)に合併したMPSやFMはありうる。


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by junk_2004jp | 2016-09-02 03:37 | MPS | Comments(2)
2016年 08月 29日

myogelosis=筋硬症

myogelosis=筋硬症

myo:筋    gel:ジェル、ゲル状に硬化    sis:症

発音は「マイオジェロシス」

http://www.merriam-webster.com/medical/myogelosis


Yahooで「myogelosis」で画像検索をしたら私が作成したものが2つでてきた。そのほかはおなじみのトリガーポイントの図。

http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=myogelosis&aq=-1&ei=UTF-8

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これは患者さんが書いた私の似顔絵

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筋肉に視点をおいた病名

myogelosis(筋硬症)

dystonia(ジストニア)・・・・「症候性ジストニア…原因が分かっているもの(二次性)、別の疾患やケガが元になっているものに分類されます。」「固定ジストニア(fixed dystonia)《ジストニアの類似疾患です。》
・交通事故や転倒等の脊髄の外傷が誘因で脊髄から異常信号が出て、手足・頸部・顔面が硬直します。機械的な原因で、四肢が固くなる症候群で、異常な姿勢を取るジストニアに似た状態。複合性局所疼痛症候群(CRPS)または心因性ジストニアと重複することがあります。」

myofascial pain syndrome(筋筋膜性疼痛症候群)

fibromyalgia(線維筋痛症)


痛みの生理学に視点をおいた病名

慢性疼痛

神経障害性疼痛


引き金となった外傷に視点をおいた病名

CRPS


心理に視点をおいた病名

疼痛性障害(身体表現性障害の中の)


画像診断に視点をおいた病名

変形性**症

脊柱管狭窄症

椎間板ヘルニアなど


痛みの診断、治療においていろいろな視点から病名が考えられますが、最悪なのは画像診断に視点をおいた病名です。

保険診療の病名を簡素化、統一できないものだろうか。


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by junk_2004jp | 2016-08-29 04:25 | MPS | Comments(0)
2016年 07月 16日

同じ運動、同じ姿勢はコリ、痛みの原因。早めの対応。

筋肉が慢性的に強張っていて苦しい、辛い、ズシンとしていて固められている、というような表現の人がいる。

筋紡錘(muscle spindle)への遠心性の運動神経Aγ線維

筋肉への遠心性の運動神経Aα線維

Aγ線維の興奮が止まらなくなった状態、つまり筋紡錘がいつも働いている状態が想像できる。

そうすると筋膜が緊張して酸欠状態が続く→痛覚神経が興奮

重いカバンを長時間持っている状態を想像してください。

長時間の座位、長時間の立位、長時間のパソコンなど。

早めの対策が必要だ。

カウンターストレイン、操体法、ストレッチなどで自力で回復が可能。

私のやっているようなトリガーポイント注射をすると血流が回復してよくなる。

しかし、高度慢性化(中枢性感作、痛みの記憶、LTP、ミクログリアの活性化、広範囲)するとなかなかたいへんだ。

筋骨格系の痛みの多くはこれです。

筋膜自体が攣って痛いとか筋膜が引っ張って痛みが広がるという考え方は生理学的な裏付けはないようです。





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by junk_2004jp | 2016-07-16 20:53 | MPS | Comments(0)
2016年 07月 01日

うれしい報告

本日、ビタカイン製薬のMRがきました。下のパンフレット(小冊子)が整形外科医にとても人気になっているとのこと。今までのものより断然反響が大きいとのこと。制作にたずさわったものとしてとても嬉しく思います。

「知らなかった。初めてみた。もっと詳しく知りたい。」このような言葉があったそうです。これを契機に痛みのメカニズムや心身医学あるいは筋肉を再勉強されたらいいです。

そして誰もが簡単に痛みの治療が受けられるようになったらいい。

また、医師は労災や交通事故などの意見書を書くことがあるが、正しい医学用語を使って医学的所見を書きたいものです。

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「はじめに」

筋骨格系の痛みの多くは、筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome,MPS)です。1983年に Travellと Simonsは「筋筋膜性疼痛と機能障害 :ト リガーポイントマニュアル」という表題の膨大な書物でMPSを体系化しました。

MPSは我が国において認知度が低く、医療でうまく対応できていないせいなのか患者数は2010年で成人の22.5%が慢性痛を持っているとの報告があります。

悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛などを除外診断 (レ ントゲンや血液 診断)できれば、痛みやしびれはMPSということになります。これらの疾患にMPSが合併していることもあります。

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、などと言われている疾患の痛みやしびれはMPSです。

MPSの症状は痛み、しびれのほかに罹患筋によって、力が入らない、耳鳴り、ふらつき、知覚鈍麻など多彩です。

特殊なものに、痛みが全身に広がった線維筋痛症 (罹患者数推定250万人)、 浮腫や強い痛みが続くCRPSがあります。

MPSの原因は重力 (外力)です。

1)一過性の大きな外力 (転倒、むち打ち、打撲、ねん挫など)
2)慢性的な外力(生活習慣、仕事、スポーツ)です。

老化による筋肉の質 、量の低下(サルコペニア)は外力に対応することが困難になります。

MPSは慢性化しやすく、また痛みの部位が広がっていくことがあります。早期にトリガーポイント注射などの治療が必要です。手技は比較的簡単ですので、プライマリ・ケアの医師、専門外の医師が行えます。私は30ゲージ、27ゲージ、19 mm、38 mmの 注射針を使っています。

MPSは 急性痛 と慢性痛に分けられます。急性痛は「組織損傷 +痛 み」、慢性痛は「痛みそのもの」が 治療の対 象です 。 組織損傷 は電子顕微鏡レベルの微小損傷 から完全骨折のような大きな損傷までさまざまです。

組織損傷の治療と痛みの治療は別の問題です 。組織損傷の治療は必要に応じて 行えば いいですが 、 痛みは損傷が治癒 (不全治癒)したと思われる時期を過ぎても残ることがあるので、早期より積極的に痛みの治療を行うべきです 。 慢性痛は中枢性 、末梢性の感作が起 きたもので 神経障害性疼痛とも言われています。

慢性痛は「生物・心理・社会的疼痛症候群」と いわれ、ストレスや天候など日常生活の中に原因があ ると考えられるため、集学的な対応が必要です。認知行動療法や薬物療法が必要なことがあります。

変形性股関節症の痛みもMPSですが、可動域制限や脚長差はMPSを永続させる要因となっています。

不安、怒り、抑うつ、こだわりなどはMPSを 拡大、永続させることになるでしょう。 また不安やうつは痛みの閾値を低下させます。

本書によりMPSへの理解が深まり、適切な治療が施行されることを期待いたします。

加茂整形外科医院 院長 加茂 淳

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by junk_2004jp | 2016-07-01 13:19 | MPS | Comments(0)