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2004年 01月 26日

侵害受容性疼痛と神経因性疼痛

神経はあくまでも電線。それ自体が踏まれようが、かじられようが、切断されようが、さび付いていようが電流が流れるはずがない。入力があってはじめて電流が生じる。

入力は電線のどこでも行われるわけではない。電線(神経)の先についているセンサー(侵害受容器)でおこなわれる。それが侵害受容性疼痛である。

神経因性疼痛はいってみれば、電線がかじられたり、錆付いたり、切断されたりしている状態のときに生じる痛みのことです。このときもやはり電線の状態そのもので痛みが生じるわけではなく、やはり入力が必要です。触覚神経と混線を起こしている時は触覚が入力となって痛みが生じる、交感神経と混線している時は交感神経の興奮が直接痛みを起こす、あるいは発痛物質が関与している場合もあろうかと思うが、よりいやな痛み(雑音)として感じるのではないだろうか。臨床医である私にはこのへんの詳しいメカニズムまでよく分かりません。

神経因性疼痛は極めて難治で、疼痛のコントロールさえいまだ決定的な方法はみつかっていないのが現状でしょう。

これに反し、侵害受容性疼痛はそのメカニズムさえ理解していれば比較的簡単になおります。
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by junk_2004jp | 2004-01-26 22:27 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 01月 18日

痛みと構造

痛みは神経の末梢でおきた電位差が電流となって脳に伝わり、脳がそれを認知し判断する。電位差が生じるには何らかのエネルギーが必要となる。そのエネルギーが外力であったり、熱刺激であったり、内因性の発痛物質の感作であったりするのだろう。

構造は静的なものだからそれ自体が原因で電位差が生じることはありえないと思う。痛みの生理学のサイトを見ていても構造の要素は全くでてこない。ところが痛みの臨床となるとやたらと構造の話になる。ここがパンドラの箱か?

ヘルニアという静的なものが電位差を作るはずがないであろう。変形性膝関節症という静的なものが電位差をつくることはないであろう。

痛みについてはまだまだ分かっていないことが多いと思うが現在のところ構造と痛みの関係を証明する生理学はないように思う。(ーー;)

患者は痛みを診てほしいのか構造を見てほしいのか。医者は構造を見るのか痛みを診るのか。

(見ると診る)構造を見るのは簡単。痛みとの関係は現在の生理学では証明されていない。そういえばよい。

痛みを診る医者はAさんの訴えている痛みは侵害受容性なのか神経因性なのか心因性なのかぐらいの基礎的な判断がつかないようではお話にならない。痛みは計測できないから「診る」になる。

「私はAさんの訴えている下肢痛は侵害受容性疼痛と診た。」という以外にないのではないか。ヘルニアが原因であるとかないとかといってもヘルニアという静的なものが神経の末端に電位差を作るという生理学がないのだから。

侵害受容性と診たなら、内因性の発痛物質が感作しているのだ、なぜその場に発痛物質がでたのか?教科書には交感神経が関係していると書いてあったな・・・なぜその場所に?教科書みても書いてない・・・インターネットで調べても、レベルの低い話ばかり。これはもう生理学の先生に聞くしかないな。何か参考になる話はあるかな。脳の認知と反応も関係しているのだから、脳学者や診療内科医の話も聞かなくては。

神経因性疼痛といっても電線の故障そのもので電流が生じるものではない。触覚と痛覚の混線がおきたりしているため触覚を痛覚と感じているのだろう。体温を熱刺激と感じているもかもしれない。

痛みに関しては整形外科の開業医である私にはよく分からないことが多い。しかし他の整形外科医も私と同じようによく分かっていないように思う。
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by junk_2004jp | 2004-01-18 21:33 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 01月 12日

不思議な痛み

一人暮らしの80歳の女性が転倒して腰、左股関節、左下肢に痛みあり。かかりつけのA医師はB総合病院に紹介。20日間入院して検査を受けるも異常なし。痛みのため歩行困難だが退院させられる。息子さんに付き添われて当院を来院する。圧痛点をブロックしてやると2日間で歩行器なしで歩けるようになる。

このようなケースはかなりしばしばあります。検査もだいじですが同時に痛みをはやく取ってやる治療をすることがなにより大切です。画像診断はそれほど経験のいるものではないので医師としての存在価値は何なんでしょう?もっとも、そのおかげでオコボレをいただいているのですが(^^ゞ。

痛みに関しては、検査→治療、ではなくて、検査と治療を同時に行うべきです。治療に対する反応が判断の大きな材料になります。治療といっても私のしているような圧痛点ブロックは手技は簡単で事故や副作用の心配はありませんし、痛くないので患者さんは恐怖を感じません。要領さえつかめば効果は抜群です。痛みのメカニズムからいってもそうです。

外力を引き金に発生した痛みの悪循環+不安=症状

もしこのような症状が特に誘因なく発症したら、脊椎狭窄症やヘルニアによる坐骨神経痛なんちゃっていうのでしょうね。
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by junk_2004jp | 2004-01-12 20:37 | 症例 | Comments(0)
2004年 01月 09日

自発痛と圧痛・・・痛覚過敏

侵害受容器(ポリモーダル受容器)には発痛物質ブラジキニンの受容体があります。(ブラジキニン受容体)ブラジキニンがこの受容体を感作すると、熱刺激受容体(バニロイド受容体、VR1)の閾値を低くします。

熱刺激受容体は42℃以上の熱刺激を受けると感作し痛み刺激が生じる。ブラジキニンの感作を受けるとこの熱刺激受容体の閾値が低下して平熱時の皮膚温31℃でも痛み刺激が生じる。これが自発痛ということだそうです。

ここまでが痛みのメカニズムのCD-Romをみてわかったこと。以下は私の想像。

圧痛の場合もこの理屈と同じく、ブラジキニンの感作を受けた受容器の機械受容チャネルの閾値が低下して、わずかな機械刺激(圧迫)に応じるのだろうと思います。

このとき、圧迫の反対側の壁が骨だとわずかな機械的刺激に反応するのでしょう。膝蓋骨、わきばら、尾骨、肘頭、棘突起など骨のすぐ上に痛みが続くことがあります。

筋硬結の上の圧痛も筋硬結が向こう側の壁となり強い圧痛が起きるのかもしれません。
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by junk_2004jp | 2004-01-09 20:41 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 01月 08日

私の骨折のその後

ギプスシーネ固定、松葉杖2日間。ちょっとした段も痛みが強く不都合でした。3日目よりギプスシーネをはずし負荷をかけてみる。ひきずるようにゆっくりあるけばあまり痛くないので杖もやめる。車を運転して往診にいく。このようなことは自分だからできますが患者さんには責任上とうてい言えません。

開業したてのころにがい思い出があります。労災で足の甲の骨折の患者さんに包帯固定のみしましたが、いつまでも痛みが続き患者さんは他の病院(外科)を受診されました。「ギプスをしないから肉が骨に巻いてしまっている」とへんてこりんな説明をされて、往生したことがあります。痛みはそんなことと無関係な外傷後の反射性交感神経緊張による痛みで、ギプスをしていたらもっとひどかったかもしれない。とにかくあとから診る医者にはかなわないわけで。

勤務医のころ部長先生に「加茂君はもうすこし治療に重みをつけなければだめだ。」なんて言われたことを思いだします。ある程度の演技というかものものしさが患者さんの安心感とか信頼感が得られるということなんでしょう。やりすぎもいけませんがね。
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by junk_2004jp | 2004-01-08 22:43 | 急性痛 | Comments(0)
2004年 01月 08日

EBM

EBM : Evidence-Based Medicine

NBM: Narrative-Based Medicine

MBM: Mechanism-Based Medicine

http://www2.aichi-med-u.ac.jp/pain/working.html

いろいろな言い方があるものですね。それでは従来の痛みの医療は何に基づいていたのでしょうか?

IBM: Impression-Based Medicine 画像の印象に基づいた(思い込みに基づいた)医療とでもいったところでしょうかね。
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by junk_2004jp | 2004-01-08 20:44 | Comments(0)
2004年 01月 02日

私が骨折しました

あけましておめでとうございます。今日は妻とゴルフ初夢杯にいきました。ワンホール終わったところで、下り坂で転倒しグキッと音がしたように思いました。普段の運動不足と体重増加のため不覚をとりました。

強い痛みと、軽い吐き気、悪寒、冷や汗。私だけがクラブハウスにもどり、氷で冷やしてまっていました。

痛みの第一波は、外力→侵害受容器→Aδ繊維です。

この時、脊髄で反射的に交感神経の緊張がおきて軽い吐き気、悪寒、冷や汗がでたのです。

しばらくは割合痛みが引きましたが、痛みの第2波がきました。患部はブラジキニンなどの発痛物質でジューシーな状態になりC繊維、ポリモーダル受容器の関係する痛みです。家に帰りレントゲンを撮りましたら足関節の外顆骨折です。足関節のずれはありませんし、骨折のずれもそれほどではないので、弾力包帯とギプスシーネの固定でよいと思います。1~2ヶ月位で骨折は治癒するでしょう。いい経験になりました。

それでも、外来の診察希望の方、3人診ましたよ。零細自営業者のつらいところです。
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by junk_2004jp | 2004-01-02 21:47 | 急性痛 | Comments(0)