心療整形外科

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2004年 12月 31日

医者はなぜ難しく考えるか?

腰痛の原因は何か?

最近、NewYorkで開かれたISSLSの教育講座で、ある出席者がパネリストの著名な脊椎外科医らに腰痛の原因に関して質問した。「特定組織あるいは解剖学的にはどの部位が最も多くの腰部症状を引き起こしているとお考えですか?」
「全くわかりません」と、Carolinas Medical Centerの整形外科医Edward Hanley医師は答えた。「様々な研究で、疼痛に対して感受性があり、腰痛を引き起こす可能性のある多くの組織が示されています。その中には、後方線維輪、後縦靱帯、神経、血管、さらには骨まで含まれています。疼痛がどこから生じているかを知ることは非常に困難であると思います。さらに、どの患者が[固定術で]脊椎を固定すれば症状が改善されるかを予測することも、非常に難しいと思います」。


                   *

腰の大部分を占める筋肉を忘れています。ポリモーダル受容器がどこに多く存在するかというと、皮下や筋筋膜だと思います。私は経験からほとんどの腰痛は筋筋膜性だと思っています。

局所麻酔をうって効いたところが疼痛が生じているところと思っていいでしょう。(プラセボもあるでしょうが)

b0052170_14152.gif私はこの図のような注射針でほとんどの痛みに対応しています。これでよくならないときはまれに長針を使うときもありますが、まれです。

なぜこのような簡単単純なことを理解できないのでしょうか。ポリモーダル受容器はどこにでもありますから、理論的にはどこから痛みが起きても不思議ではありませんが、ほとんどは皮下1cmぐらいのところがターゲットになります。
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by junk_2004jp | 2004-12-31 14:21 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 30日

変形性膝関節症

医師の言葉は医師が思っているより強い影響力を持つものです。

変形性膝関節症

関節軟骨が老化変性してくると痛みがでてくると言われています。(言われているだけです。)軟骨にはそもそも神経はありませんし、レントゲンの印象と痛みは関係ありません。

「あなたの軟骨はボロボロですから、無理をしてはいけませんよ。痛みと付き合っていくように。」という指導を受けるのと、同じ人が

「軟骨は心配いりませんよ。自信を持ってください。痛みは膝の周囲の筋肉や腱からおきていますから、しばらくで治りますよ。よく動くようにしてください。」と指導されるのとどちらがよくなると思いますか?

あきらかに後者のほうがよくなります。膝の痛い人は恐いもので膝を動かさないようにします。そのために筋肉がこわばり、膝が軽くくの字に曲がり伸展が制限されます。また屈曲制限もおきて正座が困難となります。そのために痛みはますます強くなっていきます。

大腿や下腿(裏)にできた圧痛点をブロックしたりマッサージしたりストレッチしたりして運動制限を改善すると痛みもとれてきます。そして自信をつけさせることです。

考え方は50肩や顎関節症と同じことです。痛みの始まった一番最初(ドミノ倒しの一番最初)はどのポイントなのか、なぜその場所が選ばれたのかはどの医師もわかりません。それは関節胞かもしれませんし膝周囲の筋腱かもしれません。

とにかく早く痛みの悪循環を止めて治癒への「良循環」のスイッチを押すことです。


「変形性膝関節症」あらため「膝関節周囲炎」ぐらいの病名が妥当かなと思います。
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by junk_2004jp | 2004-12-30 17:47 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 12月 28日

なぜなのか、ほとんど分かっていません。

70歳代、男性、3日前より、原因と思われる出来事なく急に右膝痛が出現する。今までに膝痛は全くなかった。

膝に水が溜まっていました。関節粘膜(滑膜)の急性炎症がおこり、滑膜から炎症性浸出液がでているのです。滑膜のポリモーダル受容器が発痛物質によって刺激され、また反応的に膝周囲の筋腱のポリモーダル受容器にも同じことがおきています。

ここまでは分かりますから、おそらく一発で治癒するものと思います。しかし、なぜ、その部位に急に炎症が起きたのかを説明することは困難です。

*****

30歳代、男性、昨日より急に右肩が痛くなりほとんど動かせない。

ピロリン酸カルシウム結晶の沈着がみられました。結晶誘発性の急性炎症です。治療で1~数日で治癒します。なぜ、その場所にそのようなことがおきたのかを説明できません。

******

30歳代、男性、1W前より、思い当たることなしに腰痛、普段より腰痛はない。大腿裏側にも痛みが広がってきた。

遠方よりの患者さん、で紹介した方は肩~前腕に痛み、しびれあり。


いずれも、圧痛点のポリモーダル受容器がブラジキニンなどの発痛物質で刺激されているのです。なぜその部位を選んで、そのようなことがおきたかを説明することができません。


このように、なにが起きているかは説明できますが、なぜその部位がターゲットになったのか、どうしてそのような現象がおきたのかは説明できません。なにも私だけではなくてどの医師も説明できないものと思います。それだけ不思議なものなのです。
ストレスが何らかの影響をおよぼしているものと思われます。

構造では説明できません。
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by junk_2004jp | 2004-12-28 22:44 | 急性痛 | Comments(0)
2004年 12月 28日

遠方よりの患者さん

インターネットを見て時々遠方よりこられます。新幹線、北陸線と乗り継いで時々お見えになる方が2人いらっしゃいます。あまりにも遠方から通院?されますのでこちらが恐縮しております。
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右肩~右腕痛、小指側(尺側)にしびれ感、特に夜間痛のため朝早く目がさめます。

午前中に治療して、お昼は近くの温泉にはいって、午後にもう一度診察します。帰りには痛みもしびれもとれています。

これが長く続けばよいのですが、原因は仕事上のストレスですので・・。けっして第8頚神経根障害ではありません。
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by junk_2004jp | 2004-12-28 21:25 | 症例 | Comments(0)
2004年 12月 27日

人体の不思議

人体のメカニズムは不思議ですよ!
ヘルニアと痛みの関係もいったいどうなっているのか、合理的に説明できないことばかりです。

「ヘルニアのせいといわれているいわゆる坐骨神経痛」は安静にしているよりも活動的にしているほうがよいといわれています。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_82.htm
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_30.htm
従来の常識は通じなくなってきているのです。安心と活動的を指示することによって簡単によくなってしまうこともあるのです。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_346.htm

ヘルニアがあっても無症状の人はたくさんいますし、このように簡単に治ってしまうこともしばしばありますから、ヘルニアと痛みの間には直接的な関係はないことは明らかです。生理学でも神経を圧迫しても痛みは起きないとされています。

一方、ヘルニアの高位と痛みの部位のデルマトームはかなりの確率で一致するので何らかの関係があるのではないかという根強い考え方があります。しかしどのような因果関係があるのか明確な回答はないようです。

医学は複雑系です。中でも痛みはとても複雑系です。他の医師がすべてを明らかに答えられないのと同様、私もすべてを明らかにできるはずがありません。

理論的なことは、医学者に期待しなければなりませんが、臨床医としての経験からどう考えて治療したら早く治るかは見えてくるものがあります。
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by junk_2004jp | 2004-12-27 15:24 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(2)
2004年 12月 24日

線維筋痛症

最近、掲示板でも時々この病名が話題になります。多数の圧痛点があり、疲労感、睡眠障害などを伴うことがおおい。血液検査には特に異常なし。

マスコミでいわれたことがきっかけで有名になったものと思われます。私のところにも当てはまる人が何人かいますが、この病名を告げたりはしていません。おそらくどこの医療機関にもたくさんいることでしょう。「自律神経失調症などという病名+頚肩腕症候群など」の診断名でしょう。これで十分だと思うのですが・・・。

このようなカテゴリをわざわざ作る必要があるのでしょうか。医者は分類して病名を付けることで一安心するわけですが、とりたてて特別な治療法があるわけでもなく、このような独立した病態が存在するのか疑問です。

病名を付けることで難病感がでます。膠原病の一種というような感じも湧いてきます。リウマチ専門医が診るべき疾患というような印象をもちます。何をいまさらという感じをしています。
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by junk_2004jp | 2004-12-24 20:25 | 慢性痛 | Comments(2)
2004年 12月 24日

顎関節症

いつからか、だれかが言った説が流布されると治らない人、治癒に難渋する人が増えてくる。そのよい例が顎関節症だ。私はインターネットをするようになって、この疾患に歯科が絡んでいるという現状を知った。

顎関節のかみ合わせの不整、半月板の異常というような関節の構造が原因だと思いこんでしまうことが治らなくなるスタートだ。これは単に医者の思いつきにすぎない。老人には極めて少ない、ある日突然発症する、適切な治療ですぐに治る、これらの理由で関節の構造が原因だなんて考えもおよばない。

圧痛点に1ml弱の局所麻酔を極細の注射針で注射してやるとその場で治る。関節の中に注射しなければならないというような野暮な考えを持たないことだ。レントゲンの必要もない。マッサージや鍼でも同じ効果が得られることと思う。

病名を変えるべきだ。関節症ではない。「緊張型下顎部筋痛」でいいのではないか。肩こりや緊張型頭痛、50肩の治療となんら変わらない。病名を変えることによって、医者の意識も変わってこよう。

筋骨格系にはこのようなあやしげな病名(なんちゃって病名)が目白押し、すべり症、分離症、ヘルニア、脊柱管狭窄症、繊維筋痛症。

病名からは痛みなのか麻痺(神経症状)分からない。痛みの病名は「非特異的○○部痛」「緊張型○○部痛」で十分だと思う。そのほうが医者の考え方の変化が期待できるし、治療の簡素化、効率化が期待できる。
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by junk_2004jp | 2004-12-24 01:50 | 慢性痛 | Comments(6)
2004年 12月 23日

神経学的検査

神経の麻痺症状が疑われるとき神経学的検査が行われます。

筋力テスト
筋電図:筋力が低下している時、筋原性なのか神経原性なのかの鑑別
腱反射、病的反射、深部反射:障害部位の判断に役立ちます。(中枢性、末梢性)
知覚テスト

筋骨格系の神経学的徴候:運動麻痺(弛緩性、痙性麻痺)、知覚麻痺(異常、鈍麻、脱失)、痛みや、いわゆるしびれ感は神経学的徴候に含まれません。

ところで、ヘルニアで坐骨神経麻痺になったということを聞いたことがありますか?私はないのです。患者さんは腰や下肢に痛みを訴えていますが、麻痺症状はみられません。筋力低下がみられることがありますが痛みのためです。

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①この図はヘルニアといわれている人の下腿によく見られる圧痛点です。圧迫するとズーンを足先までひびくとおっしゃることもあります(トリガーポイント)=関連痛。遠位部にしびれを訴えることもあります。(根症状といわれることがあります。)




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②この図は緊張型頭痛のときにみられる圧痛点です。両側のこともあります。C3の神経根由来の痛みなんて表現することはないですね。C3のヘルニアとの因果関係はどうなんでしょうか。


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③この図は50肩のよくある前面の圧痛点です。なぜこのような圧痛点が突如現れるのでしょうか?Cの何番を通って脳に伝わっているのでしょうか、考えたこともありません。①の時は医者は考えるのです、Lの何番由来かって。でもこの場合は考えないのです、同じ圧痛点なのに。





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④この図は膝痛のときよくみられる圧痛点です。(肩胛骨部は肩こりの圧痛点です)圧痛点はポリモーダル受容器が痛み刺激を受信して痛覚過敏状態になっているのだと考えています。筋硬結を触知することもあります。






これらの圧痛点は生理学的には同じメカニズムで生じているものと考えています。その証拠にいずれも圧痛点を少量の局所麻酔でブロックするとすぐに症状の改善がみられます。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_300.htm

MPSが臨床医に認められない最大の理由は、MPSが画像診断、病理検査、血液検査など現代医学的診断で重要視されている客観的な所見として捕らえられないためであると考えられる。現在わが国の医学部の講座でこのMPSについて研究、教育しているところはほとんどない。MPSについて教育を受けていない医学部生は、卒業後もその存在を知ることなく診療を行うため、現実には多数存在しているMPSの患者たちを前にしながら、正しい診断、治療が行えないのである。

臨床医がMPSに無関心であることによってもたらされる弊害として重要なことは、TPがもたらす疼痛に対して他の疾患の診断が下されることである。診断が異なると治療も変わってくる。膝の痛みが軟骨の磨耗であるとなれば、最終的には人工関節置換術のような手術療法が行われ、二度と正座ができなくなるし、耐用年数を超えれば再手術が必要になる。腰下肢痛が神経根の炎症であるとなれば、治療には神経根ブロックが繰り返し行われるか、手術療法が行われる。しかし、このような侵襲の大きい治療が行われる一方で、疼痛の改善という目的は達成されない。MPSを正しく診断することができれば、鍼療法(TPA)とストレッチという侵襲のほとんどない方法で的確に疼痛を改善できるのである。



私はヘルニアといわれている人の診察で、圧痛点はしっかり調べますが、神経学的検査をしません。それは、問題は痛みなのであって神経の麻痺症状ではないからです。坐骨神経麻痺の人はいないからです。もちろん神経学的検査をしても悪くはありません。しかしそれは念のためです。

手術をしてもしなくても5年後の成績は同じ

私のような治療でも6日間の入院でほぼ治ってしまうこともあります。

サーノ博士の「ヒーリング・バックペイン」を読んだだけで治ってしまう例もたくさんあります。

また民間療法も続いています。それは治る人がいるからです。

ヘルニアと下肢痛の因果関係はいまだ不明です。「緊張型下肢痛」というような病名で十分です。

いつからか、なぜか、神経症状と勘違いされ、ハイテク検査を受け、医師の独自の考えを押しつけられ、不安のためますます痛みが治りにくくなっているのではないでしょうか。
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by junk_2004jp | 2004-12-23 19:28 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2004年 12月 22日

ある先生からのご質問

加茂先生

はじめまして。**の**病院に勤務するAと申します。突然のメールをお許しください。先生のホームページを拝見しました。非常にすばらしい内容でありいろいろと考えさせられました。

私はX年目の医者ですが、・・・・・・・・・・・・・今働いている病院は年間手術件数が整形だけで?00件ある比較的大きい病院で、・・・・・・・・・・のもとで手術や検査に明け暮れる毎日です。・・・・・・・・・・・・・・手術に偏った治療方針にいささか疑問を感じておりました。

ホームページを見ていていくつか疑問におもったことがありましたので、お聞きしてもよろしいでしょうか?腰痛に関してはまさに先生のおっしゃる通りで従来のアプローチでは解決できないと思うのですが、神経根症に関してはいかがでしょうか?

当院には腰下肢痛や頚髄症などの患者さんがたくさん紹介されてきますが、丁寧に問診と神経学的所見を取って右のL4神経根症だな、などと診断を付けてから検査を行うと7割くらいの患者さんで予想通りの画像所見が得られます。無症候性の椎間板膨隆は確かにおおいですが、椎間の高位と左右を考えるとやはり偶然神経症状と画像所見が一致したとは考えにくく、物理的圧迫が痛みの発症になんらかの関与をしていると考えるのが適当ではないかと思いました。

しかし、画像上異常がなくても神経根症を呈する人はいますし、手術で圧迫を除いてもよくならない人も確かにいますので、先生のホームページを読んだ上で考えると圧迫は痛みの原因そのものではないが、圧迫があるとたとえば血流の障害などで痛みを起こす確率が増えるのではないのかと考えましたがいかがでしょうか?

それからもう一つ、加茂先生の様なアプローチで患者さんの治療にあたるにはまず、何から勉強したらいいでしょうか?もし、お返事など頂ければ幸いです。

****病院整形外科  A


A先生が疑問に思われるのはごもっともなことです。私も神経根症状はずっと信じていました。後縦靱帯骨化症などによる脊髄症状はたしかに存在しますが根症状とはいったい何なのかということです。

根症状とは痛みなのか神経脱落症状なのか?神経脱落症状と判断したならば速やかに圧迫をとり除くべきでしょう。筋電図の検査は欠かせないと思います。しかし、絞扼性神経障害としてヘルニアをあつかっている学者はいないのではないかと思います。

実際、私はヘルニアで身体障害者になった人を見たり聞いたりしたことがありません。私は一般的にヘルニアと言われているものは神経脱落症状ではないと思っています。(もちろん極めて希に神経脱落症状を呈するヘルニアがあるかもしれませんが・・・何事も絶対という表現はできません)

患者さんには、圧痛点が下肢にも臀部にも腰にも多数存在します。「坐骨神経に沿って圧痛点がみられる」というように記載されています。これもおかしいと思いませんか。障害を受けた神経の走行に圧痛点があるというような生理学的な根拠は聞きません。

「この痛みは根由来」という表現もしますが、50肩の肩周囲~上腕にみられる圧痛点とどう違うというのでしょうか?医者がかってに空想してるだけではないでしょうか。もし根由来の痛み(関連痛)ならば、下肢に湿布を貼ったり、低周波をかけたりしても効きませんが、実際にはそのような治療が行われ、ある程度の効果があると思います。関連痛に圧痛点があるのも不思議ではないでしょうか。

A先生の経験では7割ぐらいが神経学的検査とヘルニアの高位が一致するとのこと、またヘルニアがないのに根症状?を呈する人がいるとのことです。一致するのは説明しやすいでしょうが、一致しないものはどう説明すればよいでしょうか。一致してもしなくても同じように説明できれば医者としては気楽ですね。

患者さんの愁訴は痛みなので、神経脱落症状ではありません。神経学的検査がどういう意味をもつのでしょうか。たとえば50肩の患者さんに神経学的検査をする意味は?ということです。

圧迫による神経の阻血が痛みをつくるという説も生理学的にも理解できません。この説は脊柱管狭窄症のときによく使われます。痛みは末梢から中枢へ伝わります。末梢になにごともないのに痛みが起こるとはどう考えたらいいのでしょうか。

近年、「慢性疼痛」という概念が精神医学会やペインクリニックのほうから盛んに言われるようになりました。その治療は社会・心理学的アプローチというのが一般的なことになっています。それとの整合性をどう図るのかということも考えてみてください。

ヘルニアと痛みのかかわりに疑問を持たない整形外科医はいないでしょう。整形外科でヘルニアと診断されて民間療法へ流れる患者さんもかなりいることと思われます。民間療法のポイントも研究されたらいいでしょう。

私は、痛みの本態はmyalgia(筋痛症)だと思っています。だから、何をしていても麻痺を残さずいずれ治ってしまうのです。だから民間療法が手を出せるのです。整形外科医はヘルニアにこだわるが民間治療家はヘルニアにこだわらない、だから結果的に民間治療家のほうがうまく行くケースもあろうかと思います。

根症状といわれている下肢痛も関連痛(放散痛)ではなくてそこに実在するmyalgiaだと確信しています。

myalriaとヘルニアの因果関係は学問的には興味がありますが、臨床的には興味がありません。つまり構造と痛みの関係は痛みの生理学では証明されていません。

硬膜外ブロック(仙骨ブロック)、神経根ブロックは局所麻酔を利用して、痛みをリセットさせようとする治療ですね。これも考えてみれば、痛みの原因が機能的なことだから効果が期待できるのです。全身麻酔、筋弛緩剤でもかなりの割合でリセットされると思いませんか。

ラセーグテストも神経根が牽引されて放散痛がおきるなんてインチキくさいですね。痛みの生理学では×でしょう。50肩の腕を挙げると痛いのとどう違うというのでしょうか。このようにインチキくさいこともだれも疑問にしませんね。

疑問はいっぱいあります。患者さんを心身から診ることによって分かってくることがあると思います。

神経根症といわれている症状の本態はmyalgiaだと思っています。麻痺症状は私は診ていません。myalgiaでなければいったい何なんでしょうか。その部の圧痛と腰部の圧痛はどう違うのでしょうか。ヘルニアの高位とmyalgiaの部位が高率に一致するとすればその理由は何なのでしょうか。私にはわかりません。
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by junk_2004jp | 2004-12-22 12:39 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2004年 12月 21日

認知療法

認知の歪み

うつ病者の考え方の特徴として「自分は生きる価値のないどうしようもない人間だ」「この世の中にいいことなんてない」「このさき何の望みもない」といった具合に自己、自分を取り巻く世界、未来の三方面に対する否定的な視点が中心にあり、「否定的認知の三徴」と呼ばれている。

1976年にアーロン・T・ベックはうつ病者独特の認知の歪みとして

①全か無かの思考
②破局的な見方(ちょっとした困難を大変な災難のようにおおげさに考える)
③過度の一般化(たった一度のいやな出来事から、それが何度も繰り返しおこるだろうと勝手に結論すること)
④選択的抽出(自分の抑うつ的概念を正当化し支持するようなたった数個の論拠を選択的に選び出し、そのほかの情報をすべて無視すること。
⑤ポジティブな側面の否認(たとえば合格しても「運が良かっただけ」と考えるような、よい出来事も悪い出来事にすり変わってしまうこと)
⑥独断的推論(読心術;他人は私の心を読んで私が何をして欲しいか知っているべきだという考え方。否定的予測;何か悪いことがおこりそうだと想像して、それが現実的でなくてもその予測を事実だと考える場合)
⑦誇大視と極微視(自分の失敗や欠点、他人の才能をみるときに実際より大きく見積もること)
⑧感情論的論法(「罪悪感を感じるから、自分は悪い人間に違いない」など「我感じる,、故に、我あり」的な論理)
⑨「すべし」表現
⑩レッテル貼りと誤ったレッテル貼り(自分の誤りや不完全さを理由に、まるでそれが自分そのものであるかのように否定的な自己像を作り出すこと)
⑪自已関係付け(自分とは何の関係もない出来事を自分にとって意味があると考えること)

をあげている。

このような考え方や認知の歪みは自動思考とスキーマによって規定されているという。自動思考とはある状況において自然に沸き上がってくる思考やイメージ、スキーマとは生まれつきの要因と生まれ育った環境的な要因の影響を受けながら得られてきた個人的確信・信念、その人の独自のものの見方のことである。

認知療法は問題をすべて解決することは目標としておらず、

①歪んだ認知を確認し、それが正しいかどうかを検討する
②ゆがんだ認知のかわりに柔軟性のあるスキーマをつくる
③新しい認知反応および行動様式を身につける

という3つを目標とする。

うつ病診療ハンドブック(メディカルレビュー社)


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慢性疼痛の患者さんもこれと似た認知の歪みがあることもあります。痛みのため、しだいに考え方がマイナス思考になり、それがますます痛みの持続につながるという悪循環を形成しています。
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by junk_2004jp | 2004-12-21 13:19 | うつ・不安・ストレス | Comments(8)