心療整形外科

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2005年 05月 31日

腰椎椎間板ヘルニアガイドライン作成の現状

腰椎椎間板ヘルニアガイドライン作成の現状

そもそも椎間板ヘルニアとの診断に明確な基準がないことがあげられる。手術症例に限った研究であれば,術中にヘルニア組織が摘出できた症例に限定することはできるが,保存療法ないしはchemonucleolysis,経皮的椎間板摘出術に関しては古くはSLR (straight leg raising)テスト陽性で神経脱落症状が認められるものを対象とした報告がある一方で,近年ではMRI (magnetic resonance imaging)で下肢神経症状と整合性がある突出が見られる例としている場合もある。MRIに関しては無症状の患者でも25%程度は椎間板ヘルニアであると放射線科医から診断されうるとの報告があるように,いわゆる偽陽性の症例が問題となる。また,実際の臨床の場では椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症との鑑別や,椎間板ヘルニアとしてよいかどうかに意見の分かれる症例も多数存在する。このような各報告の母集団が異なる可能性があるなかでは,メタ分析の結果も限定的な結論にならざるを得ないことになる。

痛みやしびれを神経症状というからおかしなことになるんだよ。神経症状とはつまり神経脱落症状のことで、分かりやすくいえば神経がかれてしまうということ。そうすると麻痺がおこるのです。運動神経麻痺、知覚神経麻痺があります。腰のヘルニアで麻痺が生じた人をみたことがありますか。(馬尾症候群以外で)「ヘルニアによる下肢の運動知覚の著障」という身体障害者をみたことがありますか。

痛みやしびれを神経症状と思っている限りこのガイドライン作成は失敗におわるのではないか。だから「椎間板ヘルニアに限定したガイドラインは世界的にも認められない。」のです。

痛みやしびれをなぜ神経症状と勘違いするのか。それでは腰痛や肩こりも神経症状とでもいうのか。膝から下だけを特別扱いにしているのも聞いたことがあるが、根拠不明。

神経症状とはこういうことです。

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by junk_2004jp | 2005-05-31 06:46 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2005年 05月 30日

痛みは有害

痛みは無害ではない。QOL(quality of life)に多大な影響をおよぼす。急性痛の段階で可能なかぎり速やかにストップさせるべきです。

痛みはいかなる時も速かに止めること。医療では完壁よりも急を尊ぶ場合が多い。

この点において、現代医学は大いに力を発揮できると確信している。痛みの起きている現場に直接局所麻酔をうてばいいのです。その他は消炎鎮痛剤が効く。

残念ながら、慢性化したものについては、必ずしも現代医学が優位とはいえません。あらゆる手段を駆使して対応しなければいけません。

いかに慢性化を防ぐか!不必要な痛みを持ち続ける必用はありません。

人体を細分化して痛みにいろいろ理屈をつけるべきではありません。お尻の痛みも後頭部の痛みも下腿の痛みも同じ理由です。

神経因性疼痛、CRPS、侵害受容性疼痛などの判断はすべき。

不安、うつ、身体表現性障害の合併(あるいはそれの症状)があるかの判断も必用。
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by junk_2004jp | 2005-05-30 20:32 | 急性痛 | Comments(0)
2005年 05月 29日

急性腰痛患者に、エビデンスに基づく腰痛ガイドライン

腰痛ガイドラインを守れば患者のアウトカム(結果)は改善するのか?オーストラリアの研究が実証

”治療後に、急性腰痛は改善し、その状態が維持された。3ヵ月後の経過観察で完全に回復していた患者は、通常の治療群では49%であったのに比較して、ガイドラインに基づく治療群では67%であった”と博士は述べた。この利点は、6ヵ月後および12ヵ月後にも持続していた。

医療保険制度は、本研究でみられた費用の差によって元気づけられるだろう。前述のように、通常の治療群は要した費用が71%高かった(472豪ドル対276豪ドル)。


3ヶ月後に33%も完全に回復していないということは失敗とはいえないのか?私のような医療激戦区(近隣に総合病院4つ、整形外科数件、そのほか代替医療多数)で、医院を経営していくにはこれではだめ。当院では費用はオーストラリアの1/4ぐらいでないかな。(保険を無視して)

オーストラリアの医師はへたすぎたのではないか。

ぎっくり腰の患者さんはすぐにでも仕事に復帰したいのです。本態は筋筋膜性疼痛症候群(MPS)です。圧痛点をしっかりとブロックすることによってたいていすぐによくなります。

筋筋膜痛症候群の診断基準 (Simons,1990)

●大基準

1.局所的な疼痛の訴え
2.筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感
3.触れやすい筋肉での索状硬結の触知
4.索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在
5.測定可能な部位では、可動域のある程度の制限

●小基準

1.圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する
2.圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで得られる局所的ひきつり反応
3.筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する

診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用
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by junk_2004jp | 2005-05-29 15:50 | 急性痛 | Comments(0)
2005年 05月 28日

CRPS typeⅠ

Complex Regional Pain syndrome(CRPS)とは、以前reflex sympathetic dystrophy (CRPS typeI)や causalgia (CRPS typeII)と言われていたものの総称である。

typeI とは異なってtypeIIでは明らかな神経の損傷の後に起こるということです。
多くの場合は四肢に起こりますが体幹にも起こる可能性はあります。

CRPS typeI の特徴

1.きっかけとなる侵害刺激やギプスなどで動かさないようなイベントがあったこと。
2.原因となる刺激からは不釣り合いな強い持続痛、アロディニア、あるいは痛覚過敏があること。
3.病気の一時期に疼痛部位に浮腫 皮膚血流の変化 あるいは発汗機能のいずれかがあること
4.1-3の臨床症状が他の疾患で説明できないこと

CRPS typeII の特徴は
1.がなく 明らかな神経損傷が認められることである。

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failed back surgery syndromeはCRPStypeⅠかな。固定術=ギプスのようなものか。
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by junk_2004jp | 2005-05-28 00:01 | 慢性痛 | Comments(19)
2005年 05月 26日

Painful Depression

Painful Depression

なんでも歳のせいにしてあきらめていないか?高齢者の6人に1人がうつ状態だと聞いたことがある。

Aさんは5月のはじめに急に腰痛になり、整骨院にいき1日で治りましたが次の日より、右臀部~下肢にかけて痛みが出てきました。特に歩行時に強い。
b0052170_20525151.jpg図のような圧痛点がありましたのでいつものように圧痛点ブロックして、歩行痛がほぼ無くなったのを確認しました。

「早く目が覚めないか、食欲は?口が渇かないか?目眩や耳鳴りはないか?」というようなうつ状態の症状を聞いたのですが、特に異常なしとのこと。

本日、4回目の来院。やはり痛い。3回の通院もよくなって帰るも、いつも来院時は痛いという。このような時はpainful depression(うつ)を考える。

「あなたの生年月日は私の母と5日ちがいです。あなたも私と同じような年齢の息子さんがいらっしゃいますか?」

「おったのですが、去年の○月に死にました。・・・頭からそのことがはなれません。」

今日から抗うつ薬トレドミンを処方しました。これできっとよくなることでしょう。
痛み(筋筋膜痛myofascial pain)は心身医学的にみなくてはいけません。脊柱管狭窄症やヘルニアなんて関係ないのです。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_337.htm
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by junk_2004jp | 2005-05-26 21:16 | 症例 | Comments(2)
2005年 05月 25日

Doctor as drug

心療内科的な診療手法として、傾聴、共感的受容、支持、保証があります。

筋骨格系の痛みは特異的なもの(外傷、感染、腫瘍)をのぞいてほとんどが心身症としてのものや不安、うつに伴うもの、身体表現性障害としてのものですから、心療内科的な手法を使うべきです。

それがなによりの薬です。
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by junk_2004jp | 2005-05-25 11:17 | 医療不審 | Comments(9)
2005年 05月 24日

検査医師

患者さんの訴えに対して、どのような可能性が考えられるか、最も可能性の高いものから3つぐらい想定して検査や治療をすべきですが、皆目見当がつかないので、闇雲に検査を始める。

それで異常がなかったら、もう手も足もでない。せめて、どのような可能性があるからどこそこの科で診てもらえとか、痛み止めの薬をのんでちょっと経過を見てみようとか言えないのかな。

逆にたまたま見つかった、無害な構造的変化(老化)が痛みの原因だとかってに思いこんでしまう。

「ヘルニアがあるとどうしてお尻のところが痛いのか」という患者さんの素朴な質問に対して「神経がつながっているから」というような、子供だましのような回答しかできない。

こんな医師が増えているようには思わないか?

筋骨格系の痛みの訴えに対して最も可能性の高いのはmyofscial pain(筋筋膜痛)で、ほとんどがそうです。それにうつ状態や全般性不安障害の合併があるか否か、あるいは身体表現性障害の範疇かどうかというところを見極めるべきです。

myofscial painに対する知識がなければ、検査で分かるものではありませんから、そのような診断にはいきつきません。

まれに、帯状疱疹による痛みや感染症、外傷、悪性腫瘍などがありますが、経過や問診で見当がつくものです。
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by junk_2004jp | 2005-05-24 18:10 | 医療不審 | Comments(7)
2005年 05月 23日

アメリカ精神医学会出版発行の DSM-Ⅳ

牛島かつては,精神医学は心の問題であるとされ,人間的な理解が必要とされてきました。その人のもっているいろいろな存在様式から出てくる病気だという見方がされていたのです。

ところがDSM-III、IVになってくると,条件が揃えば診断しましょうとなりました。そうなってしまうと,人間学的なところが非科学的と否定され,消えてしまうのです。

福井あまり考えなくてよいようにつくっているのですね。

牛島実はアメリカには精神病理学はなく,アメリカ人のいう精神病理学は症侯学なのです。症侯を並べて診断するので,ヨーロッパでは全然通用しません。

アメリカ人のもっている精神医学や,人間学,DSM-IVは,当然いつか行き詰まるときがくると思います。しかし,1980年代にDSM-IIIが出てきましたが,それ以降にトレーニングを受けた精神科医には心気とか,転換とかを訴える人はどういう人かという認識は全くない。先生の言われるように,DSM-IV の項目にただ当てはめるだけです。

福井あれは当初,研究の目的でつくったはずですね。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_421.htm
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「特有の文化に関する特徴」の項を例に挙げると、ここには文化の違いにより症状の表現型が異なる例が示されている。アメリカでは多数の異なった文化的背景を有する人々を臨床的に評価する必要があるが、文化が異なる状況においては診断基準を適応することの困難さが指摘されている。これを補うため、臨床症状の現れ方には文化的な差異があることを本文中で解説するとともに、付録Iにおいて、文化特有の症候群の記述もおこなわれている。DSM-IVが診断基準の厳格な適応を求めるとともに、背景となる文化が異なる場合にはそれを十分に配慮するように求める柔軟さを持ち合わせていることを示している。

http://www4.ocn.ne.jp/~model-5/expert024.htm

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心理・社会的な分野をあつかう学問だから、時代や文化が違えばまた違った表現になるのだろう。

日本人は結婚式は教会で挙げて、クリスマスを祝い、初詣に神社に行き、葬式は仏教、とまことにユニークな民族ですね。

DSM-Ⅳの日本版があってもよさそうです。
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by junk_2004jp | 2005-05-23 18:47 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2005年 05月 22日

身をまもる「心のからくり」

身をまもる「心のからくり」

「心療内科:池見酉次郎著」にでてくる言葉ですが、 「不適応による心の破綻から自分を防衛するために、人はいろいろな「心のからくり」を、人生のごく早期から無意識のうちに覚えこんでしまう。たとえば、抑圧、反動形成、投射、退行、転換、昇華などとよばれるのがそれである。」と書かれているように、心身症や神経症がなぜおきるのかを端的に表現しています。

日本人なら、身をまもる「心のからくり」という表現を違和感なく理解できます。しかし、これを英訳するとなると、身=body、心=mind、と置き換えると「bodyを守るためのmindのからくり」となり意味が違ってしまいますね。

「身」は身の程とか、我が身、とかの使い方からして、「私という存在」というような意味なのでしょう。

「心」は「心身」という意味になるのでしょうか?翻訳家さん、なんと訳したらいいでしょうか。

「痛み」は心理社会的な心身症のことがほとんどですから、やはり日本人による書のほうがいいのでしょう。
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by junk_2004jp | 2005-05-22 18:14 | うつ・不安・ストレス | Comments(5)
2005年 05月 21日

原因不明の身体愁訴

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_421.htm
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_190.htm

原因不明の身体愁訴、上記のような医学文献でよく使われる表現ですが、「原因不明」という言葉がくせものなのです。

患者さんにとって、「原因はわかってるんや。草むしりをしたからや。」とか「原因は寝違えをしたからです。」というような表現をされます。つまり症状のでたきっかけを原因といっているのです。

「ヘルニアがみつかったので、痛みの原因は分かった。」「膝痛の原因は軟骨がへっているからといわれた。」これはいずれも医学的には証明されないのです。医者がかってにそう思ったというだけのことです。構造的変化と痛みを結ぶ輪がないのです。

「痛みの原因は五十肩だった。」「痛みの原因は顎関節症だった。」「頭痛の原因は緊張型頭痛だった。」「胸郭出口症候群、梨状筋症候群・・・・」これも、原因不明の痛みに便宜上そう名付けたというだけのことです。

痛みの起きるメカニズムはある程度わかっているので原因不明というのも?

たとえば五十肩のメカニズムは肩峰滑液包の炎症や棘上筋の萎縮、インピンジメントはわかっているが、なぜ起きたのかという根元的な原因は分からないのです。

老化によって起きるというのも、70歳の人が1W前から痛いという場合は説明困難なわけです。

結局、整形外科の医師は明らかな外傷や感染症など限られたもの以外は、いつも原因不明の痛みを診ているのです。

「それはアキレス腱の炎症です。」それは分かるのですがなぜ?急にその部位に痛みがおきたのかという根元的な原因は分からないわけです。

分からないばかり言っていたのでは、医者がつとまらないので、いろいろと理屈を考えるわけです。

「原因は何ですか?」「そこに発痛物質が放出されて痛覚神経を刺激しているからです。」「なぜ発痛物質が放出されたのですか?」「交感神経の緊張と関係があるといわれています。」「なぜその場所なのですか?」「いまの医学では分かりません。」「今後の見通しは?」「いずれ治まる可能性は高いですが、長く続く可能性もないわけではありません。」

あるいは、「あなたがそこに痛みを認知しているという事実しか分かりません。」ということになります。

原因不明の痛みをだれでもが能力に応じて理解できるように説明し治療するというということは難しいものなんですよ。

医者では分からなかったが「骨盤の歪み」が痛みの原因だった・・・後から診る人は有利ですね^^。何かその患者さんに受けそうな原因をみつくろって説明すればいいわけですから。
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by junk_2004jp | 2005-05-21 02:39 | 慢性痛 | Comments(0)