心療整形外科

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2005年 10月 31日

なぜ痛みが起きる?なぜ痛みが長引く?

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ポリモーダル受容器慢性痛の病態生理にはB1受容体が重要な役割を果たし、B2およびB1受容体を抑制することにより、痛み全体を総合的にコントロールできる可能性も期待される。

脊髄後角:ゲート・コントロール理論

脊髄後角にある[痛みのゲート]は、中枢の コントロールを受け開閉します。このことから、 情動、認知、動機付けといった心理的要因が痛み に大きく関わっていることが理解できます。痛みが長く続くほどゲートは開き、わずかな刺激 で痛みを感じるようになります。

長期増強やワインドアップ

:脳にも痛覚系の可塑的変容


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by junk_2004jp | 2005-10-31 20:55 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2005年 10月 29日

あはは!

ちょっと医者を皮肉ったおもしろいサイトを発見しました。

医者のための社会学
http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/isha.html

皆さんはどれが一番おもしろいですか?

実は病気というのは世の中にたったの2種類しかない。一つは医者がいなくても治る病気であり,もう一つは医者がいても治らない病気である。そして医者がいなくても治る病気は、医者がいると治らなくなる。

これなんかはどうですか^^。

医療事故を起こすと致命的なこともありますね。時間はないわ、責任は重いわ、所得は低いわ、感染(肝炎、梅毒など)の危険があるわ、修行期間は長いわ、踏んだり蹴ったりです。


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by junk_2004jp | 2005-10-29 18:34 | 医療不審 | Comments(0)
2005年 10月 28日

ある裁判より

頸部、左肩・左上腕部に疼痛、しびれを自覚し、近医 MRI検査でC5/6椎間板ヘルニアと診断され、マッサージ療法、牽引療法等を受けたが、十分な効果なし。

39歳女性、保存的治療でも効果が得られなかったC5/6椎間板ヘルニアに対し、前方除圧固定手術を施行した。手術は問題なく終了し、術後のMRIでも明らかな異常は見られなかったが、下肢の筋力が低下して歩行不能となり、患者側は手術ミスを主張して医事紛争へ発展した。


裁判所の判断

2.前方除圧固定術の手術適応に関する判断について
 担当医師は原告の症状の原因として、胸郭出口症候群とC5/6椎間板ヘルニアの双方の可能性を検討しながら、頸椎椎間板ヘルニアの方が主病変であると考えて前方除圧固定術を実施するとした判断は不適切であったとまではいえず、手術が医学的適応を欠くものであったとまで認めることはできない。
また、手術前に原告が訴えていた症状及び日常生活において生じている支障の程度並びに本件手術によって生活環境が改善される見込み等を考慮すれば、手術の社会的適応は十分にあり、担当医師が精神心理的問題の存在及びこれによる影響について特に配慮しなかったとしても、社会的適応の判断において注意義務違反があったとまで認めることはできない。

患者側1億****万円の請求に対し、3**万円の支払い命令


以後は私の感想です。

術後の血腫による脊髄圧迫の麻痺であろうか?残念な結果になってしまったものです。そもそもの訴えが、頚~肩~上腕の痛みとしびれなのです。

このような症例は日常診ているものですが、本当のところ、レントゲンもMRIもいらないです。ストレスによる筋筋膜性疼痛症候群だと思います。それほど難渋するものではありません。
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_142.htm
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_141.htm
痛みとかしびれというとすぐに”神経がどこかで圧迫されているから”と考えるものです。そしてヘルニアだとか、胸郭出口症候群だとかという病名が脳裏に浮かんでくるものなのです。

そうではないのです。神経が圧迫を受けると生じるのは麻痺なのです。ヘルニアや胸郭出口症候群で上肢が麻痺してしまった人を私は見たり聞いたりしたことはありません。

痛みや痺れを訴えた場合、それは筋・筋膜性疼痛で、ストレスによるものなのです。それは、生理学や心身医学によって裏付けされていることなのです。

だから、それはほっておいても治る場合もありますが慢性痛となる場合もあります。ストレスによる筋痛症だと説明しさっさと消火してやればいいのです。


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by junk_2004jp | 2005-10-28 00:50 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2005年 10月 27日

症例

症例1.
Aさん(70歳代)は、今朝より、右臀部~大腿部に痛み。前屈みになり歩きにくそう。仰向けに寝ることはできない。体動困難。
「昨日はどうもなかったのですか?」
「はい、どうもなかったです。なんか、骨がずれたような感じです。」
「寝ている間に、運動会でもあったのですか^^。たぶん、ストレスによるものでしょう。なにか、不安なことはないですか?」b0052170_17583980.jpg「夫が入院することになったのです。」
「いつ決まったのですか?」
「一昨日です。」
「注射をしますよ。念のためにレントゲンを撮ってみますね。」お尻の圧痛点2ヶ所に局所麻酔を注射しました。
・・・・・
「どうですか?レントゲンは特に異常はないですよ。」
「ずいぶん楽になりました。もう少しこのへんが痛いです。」体はまっすぐになっていました。
「ではもう少し、追加して注射しておきましょう。たぶんこれでよくなってしまうと思います。これが頚でおきたら寝違え、顎なら、顎関節症といっていますが、同じことだと思います。ストレスが原因で筋痛症がおきたのです。」

症例2.
Bさん(40歳代)は1~数年に1度、ぎっくり腰で来院されます。今朝、シャッターを上げたた時、ぎっくりになりました。奥さんが車でつれてきました。診察室に四つん這いで入ってきました。聞くと、駐車場から、ずっと四つん這いできたそうです。これにはびっくりしました。ぎっくり腰のベテランですね。奥さんは、「立って歩けるようにしてやってください^^。」
帰りは立って歩いてお帰りになりました。筋筋膜性疼痛です。
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症例3.
父の具合がよくならないそうなので、妻が連れてきました。圧迫骨折でした。背骨の叩打痛がないといっていたので、圧迫骨折ではないと思っていたのですが、実際には叩打痛がありました。
右の点が叩打痛の場所です。赤矢印が圧迫骨折のところです。空き缶を踏みつぶしたような感じで骨のしわが見られます。80歳代の男性とすれば、高度の骨粗鬆症が見られます。骨粗鬆症が痛みを起こすわけではありませんが、微小外力(咳や、車のバウンド)で微小骨折がおこることがあります。それをきっかけに、積み木くずしのように骨折がすすみます。骨粗鬆症に対してはビスフォスフォネイト+ビタミンDの投薬が必要です。圧迫骨折の痛みは一ヶ月ほどでよくなります。カルシトニンの注射が効きます。私のような自営では、家族を診ても当然ですが、保険は使えません。
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症例1,2,3も生まれたばかりの痛みです。早く痛みをとり、不安を一掃することによって、慢性痛になることが避けられるものと思います。


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by junk_2004jp | 2005-10-27 19:06 | 急性痛 | Comments(2)
2005年 10月 26日

男性型脱毛症用薬

近日発売(保険外)

プロペシアの改善率は0.2mg群54%、1mg群58%であり、プラセボ群(6%)に対して有意に優れていました。なお0.2mg群と1mg群の間には有意差はみられませんでした。

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頭髪にもプラセボ効果があるのですね!期待しましょう。

価格はどうなんでしょうか?自由診療ですから、決まりがないのですが・・・・。
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by junk_2004jp | 2005-10-26 20:19 | Comments(3)
2005年 10月 25日

父の腰痛

私の両親は、他県に住んでいます。今日朝、母から電話がありました。

「お父さんが、昨日、散歩の途中で急に腰が痛くなって、今、動かれないんだけど、坐薬を1日に2回使ってもいいか?」

父(80歳代)は普段は腰痛がありませんが、1度、圧迫骨折をしたことがあります。

「いいよ、座薬を入れると楽になるの?背骨の上を叩いてみて。強くひびく所はない?」

外傷ではなさそうですし、叩打痛はないようですので圧迫骨折ではなさそうです。また、坐薬が効くそうです。

高齢者の急性腰痛は、骨粗鬆症に伴う圧迫骨折か、筋筋膜痛です。

散歩をしていて、急に腰が痛くなり、あわてて帰宅するも次第に強くなってきたというわけです。このように、物理的なエピソードのない急性腰痛症は多いものです。

何か、心理的なことなのでしょう。18日に娘(私の妹)の嫁ぎ先のお義父様が亡くなられて葬式にいってきたそうです。こんなことが関係しているのかもしれません。
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by junk_2004jp | 2005-10-25 18:26 | 急性痛 | Comments(0)
2005年 10月 24日

慢性痛と運動系~運動器の痛みを探る~ シンポジウムに参加して

昨日、表題のシンポジウムにいってきました。フロアーからの意見も参考にして、私の考えを織り交ぜてまとめてみました。あくまでも私個人の理解を述べたもので、発表者の意図とちがっているかもしれません。

① central original psychosomatic pain
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      脳に器質的な異常なし
      末梢からの痛み信号の入力なし。
      脳から、交感神経や、免疫系への出力なし。
      なのに体のある部分が痛む
      心気症、転換性障害(ヒステリー)
      真の心因性疼痛
     
      つまり、末梢となにも関連をもっていないので、
      末梢からの介入は期待できなく、治療には精神医学の専門家が必要なことが多
      い。


②脳と末梢の間で情報のやり取り(入力、出力)のある痛み
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       ほとんどの痛みはこれ!
       末梢からの介入で痛みの悪循環が止まることが多いのだが、慢性化とともに、
       中枢部での可塑的変化が生じるので、認知行動療法などの、中枢への働きか
       けが必要となる。

       当初は②の痛みであったものが、①の痛みへと変化することもあるのだろう
       か?①の痛みが必ずしも慢性化するとはかぎりません。

       私の臨床経験では、②が慢性化しても①にはならないような気がする。
       そこには、境目があるように感じています。
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慢性痛誕生、慢性痛治療のイメージ

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組織の損傷の有無にかかわらず、生じたイタミッチが、消失することなく、マンセイイタミッチ成長してしまうこともあるのです。

なぜ、そのようなことになるのかは、私の想像ですが、以下のような条件があわさったときかな?
          個人の資質(完全主義、こだわり、つよい不安感など)
          医療の対応のまずさ(痛みの治療に積極的でない、医師ー患者間の信頼
          関係の構築に失敗、歳や形のせいにして治らない宣言をするなど)
          環境(ストレスの多い環境)

マンセイイタミッチに成長してしまったら、認知行動療法、薬物としては抗うつ薬、が効果があることもあります。しかし、個人差が大きいものです。この分野は日本では遅れています。

マンセイイタミッチは治療により、量よりも質が変化するのだと言われています。つまり、痛みがあるけど、仕事ができて、楽しい会話ができて、痛みにとらわれることのない人生が送られるということだそうです。

一般医としては、マンセイイタミッチに成長させないように努力すること、成長してしまったものに対しては、ペインセンターがどこにでもあるというものではない日本では、個人差に応じて真摯に対応する以外にありません。

b0052170_863685.jpg早期よりこのへんのイメージのときがあります(不眠、食欲低下、自律神経症状の合併)。積極的に圧痛点ブロックや、抗うつ薬の投与、認知行動療法でマンセイイタミッチまでいかずに消失することがあります。

このように考えていくとき、たとえば、痛みの発症の引き金が交通事故(むちうち)だったとき、それが、運悪くマンセイイタミッチにまで成長した場合、補償をどうするのだろうか?法曹界の見解は?

個人の資質というのなら、たとえば、高齢者を転倒させて骨折させたとき、「骨粗鬆症があったあなたにも何分かの責任がある。」というのであろうか?交渉で妥協点をみつける以外にないであろう。医師(私)はいつも患者さんの味方です。


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by junk_2004jp | 2005-10-24 06:33 | 痛みの生理学 | Comments(1)
2005年 10月 23日

ある掲示板より

Aさん:
X月Y日に、ヘルニアの内視鏡手術しました。・・・・・レーザー手術も*ヶ月前にしましたが、再発のため、内視鏡による手術です。・・・・・・私も半月板手術をしましたが、・・・・

Bさん:
内視鏡手術は痛くないのですか?・・・膝の半月板損傷の内視鏡手術をした際は・・・

Cさん:
・・で手術をしてから一年たちました。・・・・つい最近、今度は頚椎のヘルニアが2箇所発見されました。・・・手術をするつもりです。

_______________

以上、ある掲示板からです。下のように想像されます。

Aさんは、ヘルニアの手術を2回、半月板の手術1回、
Bさんは、半月板の手術を1回、現在はヘルニアの手術をするか迷っている。
Cさんは、腰ヘルニアの手術を1回、現在は頚~上肢に症状あり。

私のところにくる痛み系の患者さんで、ヘルニアの手術痕がしばしばみられます。
構造上の問題ではなくて、痛み回路の不具合が原因だろうと思います。それをある人は手術というプラセボで克服しているのでしょう。しかし、このことに気づかないと大変ですね。

私自身は、学生時代スポーツをしていましたし、今もゴルフをしていますが、痛み系ではありませんので、ほとんど痛みに悩んだことはありません。ただし、痒み系です。痒み系もツライですが、痛み系と違って、幸いにも手術というプラセボは縁がありません。

内因性の発痛物質と起痒物質


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by junk_2004jp | 2005-10-23 00:05 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2005年 10月 22日

膝関節の水

82歳、男性、1ヶ月ほど前、雨の日に自転車に乗り、そのあと両膝が痛くなる。今までは膝が痛いことはなかった。

2つの整形外科にみてもらったがよくならない。手術を勧められた。知人の紹介で当院受診する。

両膝に水が溜まっていました。歩行困難な状態で、杖でやっと歩いている。

水(関節の炎症性浸出液)を抜いて、ステロイドを注入し、膝周囲の圧痛点多数をブロックする。

レントゲンを撮り、「若々しい、いい膝ですね。軟骨もじゅうぶんありますよ。自信を持って、よく動くようにしてください。必ずよくなります。」・・・・詳しい所見なんて意味がないのです。それはかえって患者さんに負のイメージを植え付けるものです。

付き添いできた娘さん2人も、患者さんもびっくりした顔をしていらっしゃいました。たぶん、今まで受けていた説明と大きく違うことを言われたからでしょう。

1W後、杖なしでくる。水なし。いっぽうの膝の一ヶ所だけ圧痛点がありました。患者さんも家人もとてもよろこんでいらっしゃいました。

私は自信がありました。それは、まだ急性期(一ヶ月)だからです。どんな疾患でも慢性化するとやっかいになるのです。脳の可塑的変化はまだ起きていないでしょうし、滑膜(関節粘膜)の炎症も慢性化していないでしょうから。

たとえば、湿疹も慢性化すると治りにくいでしょうが、急性期はわりと早く治るものです。

感染症や外傷以外に安静にしてよくなるものはないと思います。
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医者は患者さんに不安や絶望を与えてはいけません。完全主義や思い込みがなくても医師の説明は大きな影響を与えるものです。


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by junk_2004jp | 2005-10-22 16:25 | 症例 | Comments(2)
2005年 10月 21日

高齢者のうつ

現在、高齢者の57%は人生後半のある時期で何らかの形の慢性うつ病に病んでいると推定される。このため、うつ病に病む高齢者を積極的に特定し、治療する試みが必要であると研究者らは述べる。

実に57%!これは、アメリカの数値でしょうが、日本もこれに近い数値が想像されます。

うつは、頭痛、腰痛、四肢のしびれや痛み、耳鳴り、目眩、口渇、睡眠障害、疲労感、消化器症状(便秘、下痢、腹痛)、循環器症状(動悸)など多彩で、各科にわたっています。

医師がこの知識がないと患者さんはたくさんの薬を飲んでいるが、一向に良くならないということになります。

医療費抑制政策により、適切な医療を受けられず、歳のせいという言葉で片づけられるようになることを注意しましょう。

人生の最終章は、豊かですばらしいものでありたいものです。


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by junk_2004jp | 2005-10-21 10:40 | うつ・不安・ストレス | Comments(1)