心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ

<   2005年 11月 ( 25 )   > この月の画像一覧


2005年 11月 30日

原因不明?

昨日、話題にした読売新聞の記事より

「原因が特定できる腰痛は15%未満」と欧州の診療ガイドラインは明記する。腰痛はありふれた症状ながら、実はよくわかっていない。

原因が特定できる腰痛というと、圧迫骨折や棘突起骨折などの椎体の骨折、悪性腫瘍、感染症が考えられるがそれが15%近くもあるのだろうか?

私のところの20数年の経験では、感染症は0、悪性腫瘍は2例(見逃しがあるかもしれない)、圧迫骨折は、骨粗鬆症によるものも含めて、かなりみられますが、15%もあるとは思えない。

原因が特定できる腰痛=特異的な腰痛=specificな腰痛=感染症、悪性腫瘍、明らかな外傷(骨折)

と理解している。それはほとんどが圧迫骨折で腰痛全体の数%もないと思えるのだが・・・。ヨーロッパガイドラインの15%ちかくという数字の根拠は何なのだろうか。

原因不明この言い方はとても曖昧で、意味がよくわかりません。ほとんどの腰痛(あるいは坐骨神経痛と言われている痛みも含めて)は筋・筋膜性疼痛でその原因は心理・社会的な因子の関与ということが分かってきているのでそれを「原因不明」という表現をしてよいものだろうか?

原因不明という言葉は、患者さんに不安感をあたえるし、適切な対策もとれませんね。ここはひとつ、心理・社会的な原因による筋・筋膜性疼痛症候群ということで明確にしたほうがいいのではないでしょうか。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-30 10:21 | 痛みの生理学 | Comments(2)
2005年 11月 29日

読売新聞より

ヘルニアとかじゃないですよねぇ。

「原因不明85%」の現実

患者の話に耳を傾ける紺野さん。コミュニケーションが重要だ(福島県立医大で) 5年前、左足のしびれがひどかった仙台市の主婦A子さん(56)は、地元の病院で椎間板(ついかんばん)ヘルニアと診断された。「手術しかない」と言われ、体に負担が少ない内視鏡手術の実績がある福島県立医大病院(福島市)の整形外科を受診した。

ところが助教授の紺野慎一さんの説明は、拍子抜けするものだった。「画像上ヘルニアはあるが、手術をしなくても良くなる。痛みはそれだけが原因とは限らない」と説明した。

椎間板ヘルニアが腰痛の原因ではない?

Aさんは、歩くのもつらいので入院したが、その間に医師の説明の意味が少しずつわかってきた。

腰痛の病名は様々だ。原因により椎間板ヘルニアのほか、脊柱(せきちゅう)管狭さく、腰椎すべり症などの診断がつく。

日本腰痛学会会長で同大教授の菊地臣一さんは「画像や問診から病名がつけられるが、実は、画像と原因が明快に一致する例は少ない」と言う。だから、漠然と「腰痛症」とされることも多い。

無症状の人でも、腰の画像診断をすると、3割にヘルニアが見つかる。逆に痛みを訴えていても、半数近くは画像上の異常が見つからないという報告もある。

「原因が特定できる腰痛は15%未満」と欧州の診療ガイドラインは明記する。腰痛はありふれた症状ながら、実はよくわかっていない。

入院したA子さんは麻酔薬を注射し痛みの伝達経路を遮断する神経ブロック療法を受けた。それだけではなく同病院では、「仕事や家庭での悩み事、ストレスなど心理的な苦痛も、肉体的な痛みを増幅させる」という観点からも治療に取り組んでいる。

腰痛の入院患者には、心理的なストレスを測るため、400項目の問診テストを実施し、心理状態に応じた対応を考える。腰痛での入院患者の1~2割は精神的な問題が影響しているという。

激しい痛みを訴えるA子さんも、入院中に精神科でカウンセリングを受けた。忙しい夫とのすれ違い、子供のけがなど生活での心配や不安を抱えていた。

1か月の入院中に痛みは徐々に和らぎ、左足のしびれも消えた。退院後も痛みは時折出るが、以前のように歩けないほどの強い症状はなくなった。現在も痛みが出ると受診する。A子さんは「悩み事が痛みを強めることもあるんですね。私の場合、手術せずに済んでよかった」と話している。

腰痛の多くは、手術で治るというものではない。痛みをいかに和らげるかというケアの視点が求められている。

椎間板ヘルニア 背骨を構成する椎骨(ついこつ)の間でクッションの役目を果たしている椎間板がつぶれ、中の髄核(ずいかく)が飛び出した状態。神経を圧迫すると、腰痛や足のしびれが起きる。ただし、ヘルニアがあっても無症状の人もいる。

(2005年11月29日 読売新聞)


ヘルニアは痛みやしびれの原因になり得ないのです。そう言い切るべきなのです。なぜかというと、痛みの生理学に矛盾するからです。痛みの生理学の根底から覆さなければいけなくなるのです。

MRIのない、痛みの生理学が未発達な、昔の仮定なのです。下肢挙上テスト(ラセーグテスト)にしても圧迫を受けた神経がなお強く緊張するために、下肢が挙上できないという全くお笑いの理論なのです。

痛みの本態は筋痛です。これしかありえません。だから、どのような治療でもよくなる可能性があります。

世紀の大チョンボが「椎間板ヘルニア」です。

もうそろそろ、「画像上ヘルニアはあるが、手術をしなくても良くなる。痛みはそれだけが原因とは限らない」というような、曖昧な表現はやめにしませんか。

「すみませんでした、今まではヘルニアが原因だと思っていたのですが、よう考えたら間違っていました。」ってね!
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-29 23:19 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2005年 11月 28日

久光製薬の広告より

骨折など明らかな外傷、悪性腫瘍、感染症を除いて、ヘルニアなど構造的な問題で痛みが生じることはありません。そのことは生理学的にも、臨床経過的にも、疫学的にも理解のできるところです。

このことを周知徹底させることにより、どれだけの人が救われることでしょうか。また、不必要な医療費が節約されるものと思います。

昨日の新聞広告で、久光製薬の「医療用テープ」(モーラステープ:消炎鎮痛剤の貼り薬)のもがありました。1ページを使ったものでたぶん全国的なものだったのだろうと思いますのでごらんになった方も多いのでは。

それはいいのですが、その説明のところには次のように書かれています。

「腰痛症は、椎間板ヘルニアや椎骨の圧迫骨折など腰椎に明らかな障害が生じたもののほかに、原因不明の腰痛があり、それに悩む人が圧倒的に多いようです。しかし、いつかは治るだろうと放っておくと、さらに症状を悪化させてしまうことがあります。自分で判断しないで、まず医師に相談し適切な治療をうけましょう。

ヘルニアが腰痛の原因?
現状では、医師に相談しても適切に診断アドバイスが得られるのでしょうか?

一応、久光製薬に抗議しておきましょうか^^。私のところではモーラステープをよく使っています。

ヘルニアのせいにされている痛みも本当は筋痛なのですから、モーラステープの適応なのです。

筋痛がおきている原因がヘルニアだというのなら、それを科学的に証明しなければいけません。筋痛は体のどこにおきても心理・社会的なことが原因のことが多いものです。

慢性化するとやっかいなものです。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-28 13:56 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2005年 11月 25日

椎間板性疼痛

椎間板障害

椎間板は若いころから変性が始まると言われています。変性した椎間板には痛覚神経が侵入していくことが知られています。

だからといって痛みが起きるということはありません。痛みが起きるには高閾値の機械的刺激、熱刺激、または内因性の発痛物質が痛覚神経の終末を刺激しなくてはいけません。この中で考えられるのは内因性の発痛物質です。

もし椎間板内の痛覚神経が作動して痛みが起きたのならば、脳は関連痛として腰部に痛みをい感じているということです。脳は椎間板という臓器を特定できませんから。

関連痛には圧痛点はありません。ほとんどの腰痛には明らかな圧痛点があるものです。だから、椎間板性の腰痛は理論的には存在するでしょうが、極めてまれなものと思います。

また、椎間板の変性の増加(加齢)と腰痛は相関しないととが知られています。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-25 21:54 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2005年 11月 24日

どこまでが腰?

b0052170_23304331.jpg
最初に、腰部が身体のどの部分にあたるかという定義について述べる。腰部は第12肋骨から下で、腸骨稜より上の部分であると考えられる(図1)。

腸骨稜より下から殿溝までの殿部では、腰痛以外にも根性痛によって痛みが出る場合もあるため、腰部と殿部は区別した方がよい。


人体に県境のような線はないです。どこかの線を境に理論が違うということは考えられません。

根性痛とはいったい何でしょうか?「神経根を圧迫したときの痛み」ということなんでしょうが、これは生理学的に認めるわけにはいきません。

腰にきている知覚神経も当然、神経根があるのですから、もし「根性痛」を認めたとしても、この論法はおかしい。

背中と腰、腰とお尻、肩と背中、背中と頚、などの境目は法医学的表現には区別があるのかもしれませんが、生理学的には区別できません。

私はこのように思います。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-24 23:48 | 痛みの生理学 | Comments(7)
2005年 11月 23日

肩関節周囲炎、上腕骨外側上顆炎

稲尾投手(西鉄ライオンズの大投手)が肩痛でボールが投げられなくなったとき、鉄で野球のボールの大きさのものを作り、投げる練習をしました。

はじめは、投げるたびに激痛が走り、涙がでました。それをがまんして毎日続けたら、ある日突然、痛みが消えてしまいました。

これは、ご本人がTVでおっしゃっていたことです。

プロゴルファーの小○○さんは肘痛(いわゆるテニス肘;上腕骨外側上顆炎)をボールを打って打って治したそうです。これは、あるプロゴルファーに聞きました。

いずれも医師はそのような指導をしないものと思われます。

肩関節周囲炎、上腕骨外側上顆炎、これは炎症でしょうか???

炎症の四徴:Calor(heat:熱感)、Rubor(redness:発赤)、Dolor(pain:疼痛)、Tumor(swelling:腫脹)を炎症の四徴と呼ぶ。

肩関節周囲炎、上腕骨外側上顆炎には、痛みだけで四徴にあいませんね。だから炎症ではないと思います。だから、安静よりも運動のほうがいいのでしょう。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-23 17:42 | 慢性痛 | Comments(5)
2005年 11月 21日

高橋尚子さんの肉離れ

レースの2日前に、「右下肢の3ヶ所(大腿裏1ヶ所、下腿裏2ヶ所)に肉離れしていることが分かった。」というニュースが流れました。その人がマラソンでぶっちぎりの優勝!

このニュースを聞いたとき、すぐに誤診だと思いました。3ヶ所も同時に肉離れが起きることなんて考えられません。また、肉離れははっきりとした受傷の瞬間があります。

このニュースが事実ならいかに診断があやふやか分かりますね!。ある大学病院の教授が今朝のTVで「誤診」といってあやまっていらっしゃいました。痛みに関して、医者に言われたことはあてにならないのです。

私なら、(といっても高橋選手がくることはないのですが)、絶対に肉離れという診断はしないです。筋・筋膜性疼痛症候群です。ストレスが原因です。

高校生でレースの前に痛くなる人をしばしば診ます。

高橋選手のえらかったところは、医者よりも自分を信じたことです。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-21 08:20 | うつ・不安・ストレス | Comments(6)
2005年 11月 20日

必見!世界ウルルン滞在記

世界ウルルン滞在記  肩こり腰痛を5分で治す!中国驚異のマッサージ▽その技を一週間で習得▽治療費タダ!

世界ウルルン滞在記◇俳優の玉有洋一郎が中国の農村で秘伝のマッサージ術を学ぶ。肩凝りや腰痛のみならず風邪や動物の不調まで治してしまうという、すご腕のマッサージ師宅に滞在。彼のマッサージを受けた玉有は、その診断と効果に驚く。早速基本を教わるが、つぼの位置を覚えるだけで一苦労。さらに指の力を鍛えるために、フリークライミングさながらの過酷なトレーニングを行うことになる。


今日pm10時より
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-20 01:17 | 痛みの生理学 | Comments(4)
2005年 11月 19日

探偵!ナイトスクープ

見ましたか?

最後の『娘を肩車したい』は、京都府の男性(45)から。首と腰にヘルニアを患い、今まで一度も娘(6)を肩車したことがなく父親として情けない想いをしている。日に日に成長する娘を思うと、今がラスト・チャンスかもしれない。体に負担なく肩車する方法はないものか、探して欲しいというもの。依頼者に会った松村探偵は、物理学の先生に連絡を取ってみた。

頚も腰もヘルニアで複数回手術をしている(回数は聞き漏らしました)。医者からは10kg以上のものはもってはいけないと言われている。頚は回らないので横を向くときは体ごとまわさなければいけない。

結局、サイボーグのような負担がかからない衣装で肩車できたのです。西田局長、涙。

たぶん、腰や頚や四肢に痛みやしびれがあったのでしょう。ヘルニアなんて無関係です。医者の思い込み、患者の思い込み(思いこまされた)が、何回も手術に追い込まれ、肩車もできないのです。

真実を知れば肩車もできるのに。

b0052170_112452.jpg
お医者さんよ、このような風習のある地へいって、「この風習は頚によくないからやめるように」なんていってはだめですよ!
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-19 00:51 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2005年 11月 18日

脊椎すべり症と脊椎分離症に対する腰椎安定化訓練についての初の無作為研究、結果は有効か?

脊椎すべり症と脊椎分離症に対する腰椎安定化訓練についての初の無作為研究、結果は有効か?

電話で「腰椎安定化訓練」について問い合わせが今までに2件ありました。

私は知りません。知ろうとも思いません。ネーミングがいいと思いませんか。どんな体操か知りませんが、そのようなことで腰椎が安定化するとは思えませんし、また安定化する必要もないと思います。

プラセボ反応:腰椎安定化訓練群における効果の一部はプラセボ反応に関係していた可能性がある。腰椎安定化訓練群の患者に10週間の訓練を行なった治療専門家グループは、おそらくこの方法の熱心な支持者であっただろうと思われる。一方、対照群の患者は、彼らが受けた治療法に対して、それ程の熱意と確信を感じることはなかったであろう。しかしながら、腰椎安定化訓練群において長期間にわたり良好な結果がみられたことから、プラセボ反応は否定的と思われる。

そうかな?知らず知らずのうちに指導者に感化されるものと思います。同じ体操でも「腰痛体操」なんて平凡な名前だったら違った結果になったかもしれません。

そもそも、「腰椎辷り症」「腰椎分離症」といった構造異常を示す病名が痛みとは無関係だといわれてきています。この文献は、最初のとっかかりから間違っています。

しかし、人間は何かを信じて行うことにより、痛みから脱出する可能性があることを示していると思います。
[PR]

by junk_2004jp | 2005-11-18 22:05 | 慢性痛 | Comments(0)