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2006年 03月 31日

考え方を変えて!

ヘルニアと言われているあなたの痛みや痺れは腰や下肢の筋筋膜性疼痛myofascial painです。だから脊椎専門医が診たところで的はずれになることが多いのです。神経根ブロックは痛いわりには効いたり効かなかったりで不評のことが多い上に神経根を傷つける可能性があります。つまり脊椎専門医が診るべき疾患ではないということです。診て悪くはないのは当然ですが、意味がありません。筋肉専門医というのがあればいいのですがないですね。根本的なところが間違っているから、説明や治療の理論にはも一つスジが通ったものがありません。

そもそも、神経が押さえられているから痛い、痺れる、神経が炎症を起こしているから痛い、痺れるなんていう生理学は存在しません。

ヘルニアで末梢神経が麻痺することはありません。(きわめてまれに馬尾症候群があるだけです。)麻痺だといっているのは、筋肉が痛いので使わないから起きているだけなのです。適切な治療で速やかに回復します。筋筋膜性疼痛がなぜおきるのか、どうしたら早く治せるのかを追求すべきです。筋筋膜性疼痛だから、手術をしてもしなくても5年後の成績は同じなのです。手術をしたほうがやっかいなことになることもあります。(外傷を受けたわけですからね)


キーワードは


心理・社会的疼痛症候群

(不安、抑うつ、怒り)


筋・筋膜性疼痛症候群

(トリガーポイント、関連痛、筋硬結、しびれ、圧痛、筋力低下)


慢性疼痛

(パターン化、習慣化、末梢性中枢性痛覚過敏、可塑的変化)


認知・行動療法

(運動、ストレッチ、グループ療法、認知の歪み)


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by junk_2004jp | 2006-03-31 13:54 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(15)
2006年 03月 30日

痛みキャンプ1

愛知医科大痛み学講座より

The University Center for Pain Medicine and Rehabilitation at Memorial/Hermann

Introduction

Once pain has been present for a time, and we arbitrarily say six months, it may become centralized and chronic. Centralized means that the nociceptor neurons (pain sensitive nerves) of the spinal cord and brain become altered in some fashion. Even with no pain messages originating from the periphery, the central nociceptors still send signals which the brain interprets as pain. Past experiences and psychosocial stressors all combine to make chronic pain a very different syndrome from acute pain.
Because of these factors, the treatment of chronic pain may be less successfully dealt with by medication and nerve blocks than acute pain. Therapy relies more on physical mobilization of the patient, together with teaching him or her better coping mechanisms. However, appropriate medications, diagnostic or therapeutic nerve blocks may be used initially in an attempt to identify pain mechanisms and alter the pain cycle.

The purpose of this site on the world wide web is to educate the general public and health care professionals about pain and how it may be treated. Please come back and visit often, as this site will periodically be expanded and updated. And please take a moment to let us know your impression by sending e-mail.


しばらくの間痛みが続くと(私達はその期間を6ヶ月としているのだが)、それは”中枢性過敏”あるいは”慢性痛”と言われるものになる。

”Centralized(中枢性過敏)”とは、脊髄と脳の侵害受容神経(痛覚神経)が何らかの方法で変容することを意味する。

末梢からの痛み刺激がなくても中枢の侵害受容器は痛みの信号を送り、脳は「痛い」と認知する。

過去の経験や心理社会的ストレスがすべて結びついて、慢性痛は急性痛とは全く異なった症候群となる。

これらのことから、慢性痛の治療は急性痛に比べて薬物療法や神経ブロックの効果はあまり期待できない。

そうした治療よりも、むしろ患者が体を動かすようにすることだ。同時に患者には、精神的なストレスに対処するためのメカニズムとして、そうしたストレスがさまざまな身体的な病気や行為となって現れることもあると説明しなくてはならない。

しかし、痛みのメカニズムを確認して痛みの悪循環を変化させようとする中で、初期には、適切な薬物治療や診断的・治療的な神経ブロックを行なってもかまわない。

このウェブサイトの目的は、一般の人々やヘルスケアの専門家に対して、痛みや痛みの治療法について教えることにある。このサイトは定期的に更新するので、しばしば訪れてください。そして感想をメールしてください。       続く

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アメリカではこのような慢性痛(chronic pain)のウェブサイトをよくみかけるが、日本では少ない。

そこには、ヘルニアとか軟骨の変性とかいった言葉はでてこない。痛みに対して構造診断をすることが間違っていたのだ。
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by junk_2004jp | 2006-03-30 01:55 | 慢性痛 | Comments(0)
2006年 03月 29日

神経脱落症状

椎間板ヘルニアガイドライン

第5章 予後

一般に、腰椎椎間板ヘルニアの手術適応は急性の膀胱直腸障害を呈した場合を除き、進行する神経脱落症状が認められる場合、Lasegue徴侯などの神経緊張徴侯が強陽性で重篤な神経脱落症状を伴う場合、手術以外の保存療法が無効であった場合であるとされている。____________________________________________


腰椎椎間板ヘルニアの治療の最前線(教育研修講座ー第77回日本整形外科学会学術総会において教育研修講演として発表した)

ADL、QOLの著しい低下や著明な神経脱落症状(感覚低下,筋力低下)が存在すれば早々に手術的治療を考慮すべきであろう。
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このように整形外科の一応権威ある文献の中に神経脱落症状(つまり、神経麻痺症状)という言葉がでてくる。

しかし、私は30年間医師生活の中でヘルニアで神経脱落症状を呈した症例をみたことがない。(頚部脊髄症、馬尾症候群は除く)・・・私が見たことがないだけかもしれないが。

PTの方も見たことがありますか?神経原性筋萎縮か筋原性筋萎縮かぐらいは見た目で判断できるでしょ。あなたの知人にいますか?TVや本でみたことがありますか?ヘルニアのために下肢が麻痺して杖をついている人、身障者手帳を持っている人をみたことがありますか?世界の医療後進国で問題になっているというのを聞いたことがありますか?

もしあるのなら、神経脱落に陥ってしまった症例の外観の写真や、筋生検の写真を見てみたいものです。私は筋生検をルーチン検査にしろといっているのではありません。神経原性筋萎縮の証拠として教科書に出ていてもいいのではないかといっているのです。

もし神経脱落症状を呈する可能性があるのなら、腰痛に屈するな..。: Back Pain: Don't Take It Lying Down... (オーストラリアの公的キャンペーン)、"Working Backs Scotland":腰痛の考え方を変えて、その影響を軽減"(スコットランドの公的キャンペーン)などは、大きな問題を含むことになります。

サーノ博士のヒーリング・バックペイン」も非難の嵐をうけます。「あなたを信じたばかりに、適切な医療を受ける機会を失い神経脱落症状になり身障者になった。」社会問題になるかもしれないのです。



ブロックの血腫で麻痺
手術で麻痺

このような残念な出来事は時々耳にします。これが本当の神経脱落症状です。
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by junk_2004jp | 2006-03-29 00:43 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(6)
2006年 03月 28日

トリガーポイントを知っていれば

ストレスで起きるいろいろな病態をマジックのように治すことができることもあります。

耳鳴り、手足のしびれ、腰痛、肩凝り、頭痛、喉のつまり、息苦しいなど。

Aさん(70歳代、女性)は不安傾向の方で当院には腰痛(不安による腰部の筋筋膜性疼痛症候群)で通院しています。

耳鳴りが続いたので耳鼻科を受診しましたら、「一生治らない」と言われたそうです。以前に当院で耳鳴りを治したことを思い出しました。耳鼻科受診の前に思い出せばいいのにね。

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図の赤点が耳鳴りのときの圧痛点です。だから「耳凝り」といってもいいのです。そこに局所麻酔を少し局注すると耳鳴りは止まりました。図の緑点は「顎関節症」と言われているところの圧痛点です。

ヘルニアで足のしびれは手術しても残るだろうと言われたひとも治すことができます。手足のしびれはトリガーポイント病なのです。つまり下腿や前腕部の筋・筋膜性疼痛症候群なのです。医師はそんなふうには決して思わないものです。痺れは末梢神経障害と思い込んでいるのです。

声が出にくいというのも簡単に治せることがあります。
喉のつまりも同じ。
息苦しいというのは胸郭の筋筋膜性疼痛症候群を疑ってみる。

な~んちゃって狭心症もね。

うつや不安やストレスの症状に筋痛、関節痛、しびれ、目眩、耳鳴り、息苦しいなどがあることはだれでも知っていますね。その本態は「筋・筋膜性疼痛症候群」なのです。

医師はそのことを知らないものだから、「一生治らない」とか「手術をしても残る」とか自分の単なる思い込みを患者さんに告げているのです。

医学部生のときに「代替医療」という単位をつくって、鍼灸師や腕利きの指圧マッサージ師のところに1ヶ月でもいいから見学するようにすべきと思うが、これをすると代替医療家は困るかもしれないね。

トリガーポイント鍼療法を活用するために

最も身近であって、最も縁遠い「筋痛症候群」
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by junk_2004jp | 2006-03-28 01:44 | Comments(0)
2006年 03月 27日

第79回日本整形外科学会学術総会 抄録集Ⅰ、Ⅱより

5月に行われる第79回日本整形外科学会学術総会の抄録集Ⅰ、Ⅱの目次と腰痛に関係する興味あるところだけをさーっとみたのだが、筋肉に関するものは見あたらなかった。

Myofascial Pain Syndrome や Fibromyalgia に関するものが見あたらなかった。見逃しているかもしれないが・・・。

運動器系の学問なのになぜなのだろうか?

同部長は「疼痛の医学的管理において筋肉系の重要性が軽視されているのは,医師が大学で学ぶ内容に関係があるようだ。基礎解剖学が終わると,疼痛の診断および治療に関する教育に筋肉はほとんど出てこない。つまり,われわれは診断アルゴリズムにおいて全身の70%を無視しているのだ」と述べた。

MPSについて教育を受けていない医学部生は、卒業後もその存在を知ることなく診療を行うため、現実には多数存在しているMPSの患者たちを前にしながら、正しい診断、治療が行えないのである。臨床医がMPSに無関心であることによってもたらされる弊害として重要なことは、TPがもたらす疼痛に対して他の疾患の診断が下されることである。診断が異なると治療も変わってくる。


実際に整形外科医が診ている患者さんの大半がMPSなのだが・・。大病院で見る機能再建、麻痺などに関しては意義のあるものなのだろうが。

筋硬結、索状硬結、トリガーポイントといった言葉さえ知らない若い整形外科医がいても驚くほどではない。

マッサージや指圧は慰安行為で医療ではないという意見もあるが、MPSという概念がなければそういうことなのだろう。MPS患者さんはどこで医療をうければいいのだろうか。いや、医療を受ける必要がないというのか。
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by junk_2004jp | 2006-03-27 07:54 | Comments(2)
2006年 03月 26日

痛みと麻痺との混同ー椎間板ヘルニアー

最も重要なことは神経学的障害神経根の診断と画像の病巣高位が一致することである。

痛みやしびれ感は神経学的な徴候ではない。神経学的な徴候というのは、知覚神経の場合は、知覚鈍麻~知覚脱失。運動神経の場合は筋力低下~脱力、筋萎縮、反射異常、筋電図異常。

だから、上の文そのものには誤りはないのだが、「いわゆるヘルニア患者さん」は痛みやしびれを訴えているので、神経学的に考察したところで「正常」「それがどーした」ということです。筋力低下や筋萎縮があったとしても痛みのため使われないからのもので神経原性のものではありません。

その証拠は、筋生検の写真です。

神経原性筋萎縮このようなまぎれもない証拠を提出すればいいのです。大学病院では可能だと思います。未だにヘルニアに関しては見たことがありません。

では病巣高位が一致しない場合はどう説明し、どう対応するのか?以前に2chの投稿で「私は一致するのでオペ、隣のベッドの患者は一致しないので手がうてない」このような内容のものを読んだことがある。

主客転倒というか、考え違いというか、なさけないことになったものだ。
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by junk_2004jp | 2006-03-26 05:24 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(39)
2006年 03月 25日

1Wでほぼ治った下肢痛

Aさん(70歳代、男性)は18日より、特に誘因なく左下肢痛が出現しました。以前より時々腰痛で来院しています。家族は妻。
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20日、初診。「レントゲン撮りますか?」「いや、筋肉だと思うのでいいです。」

22日、痛くて動けないので往診してくれ。痛みで眠れない。往診する。

23日、往診。

25日、来院する。ほとんど治った。痛みは膝のあたりに少しあり。

腰~左下肢にかけての筋・筋膜性疼痛症候群です。痛みのため立ち上がれないのが1Wの経過でほぼ治ってしまいました。めずらしいほうだと思います。

本人も奥さんも筋肉痛だと信じて疑わなかったのがいい結果につながったと思います。
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by junk_2004jp | 2006-03-25 13:51 | 症例 | Comments(0)
2006年 03月 24日

第79回日本整形外科学会学術総会

抄録集Ⅰ、Ⅱより
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腰椎椎間板ヘルニアに関するものを拾ってみました。10みつかりました。もれている可能性はありますが、とても少ないという印象です。

●Pain Mechanisms of Lumbal Disc Herniation:Intraradicular Blood Flow Analysis under Femoral Nerve Stretch Test (福井大学医学部)

●Pathological Examination of the Spontaneous Regression Mechanism in Lumbar Disc Herniation (福井大学医学部)

●L4/5椎間板ヘルニアとアキレス腱反射の臨床的検討(弘前大整形)

●腰椎椎間板ヘルニアに対する後方内視鏡手術ー単一術者による中短期成績ー(慶大運動器機能再建・再生学)

●内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術の早期再発例の検討ー従来法との比較ー(慶大整形)

●内視鏡下ヘルニア摘出術(MED)のリスクマネジメント(東京医歯大整形)

●腰椎椎間板ヘルニアの遺伝子解析(理化学研究所遺伝子多型センター)

●教育研修講演  腰椎椎間板ヘルニアの診断と治療(杏林大)

●腰椎椎間板ヘルニア手術例の真の再発率(島原整形外科西村クリニック)

●Comparison of MED and Love's Procedure for Lumbar Disc Herniation (新潟中央病院整形外科)
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by junk_2004jp | 2006-03-24 21:11 | Comments(1)
2006年 03月 22日

腰部脊柱管狭窄症

Aさん(60歳代、男性)は若い頃、しばしばぎっくり腰をおこしました。3~4年前より、左下肢痛のため歩行が困難になりました。100mも歩くと一服しなくてはならなくなったので、大学病院で検査をうけ「腰部脊柱管狭窄症」との診断でした。半年前に手術をしましたが症状は改善しませんでした。

再手術も考えて再検査もしましたが、異常なしとのことで、なぜ痛むのかは説明されませんでした。靴下やズボンの着脱は困難、車のシートから立ち上がるのが困難です。
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図のように圧痛点があります。筋筋膜性疼痛症候群が慢性化した状態と診断し、圧痛点ブロックをしました。すぐに立った状態でズボンがはける、靴下が簡単にはける状態になりました。

認知行動療法、抗うつ薬(トレドミン)の投与を併せ行い治療します。今後、経過報告の予定。

脊柱管狭窄症で3回手術した方を現在診ています。これまでも脊柱管狭窄症の術後経過がよくない方をしばしば診てきました。

脊柱管狭窄症の画像:画像所見は症状とほとんど関連性がない

脊柱管狭窄症の回復は面像診断上の変化と相関するか?

つい最近、北米筋骨格系疼痛学会という興味深い学会の会議に招かれ「痛みの意味」という基本講演をしてきた。そこで、わたしのつぎの講演者が、腰痛の主観的な痛みとX線やMRIのような客観的な検査手段ととの間の断絶について、すばらしい講演をした。腰部X線やMRI検査では「これは歩くことも困難だろう」とおもわれるほどの変形がみられるが、痛みもなく、正常な運動ができる人のケース、また、痛みで動けないが検査では正常な人のケースなどを、彼はスライドを使って説明した。
   「癒す心、治る力」/著 アンドルー・ワイル より


専門医が治療方法を大きく変えるよう勧めている。
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by junk_2004jp | 2006-03-22 17:17 | 症例 | Comments(2)
2006年 03月 21日

パニック障害

昨日、80歳代のご夫婦が来院された。夫は、最近、数回、動悸、目眩で救急車のご厄介になったそうだが、その都度、数日間入院して特に異常なしで退院、ということを繰り返しているとのこと。

便秘に悩んでいて、「明日は便がでないのではないか」という心配をしている。二人とも唇がからからに乾いているように見える。夫はかなりたくさんの薬をもらっている。

昨年、腰痛だったかで診た患者さんなのだが、前もって電話で「このような状態なのだが診てもらえるか」とのことだった。

検査はもう十分にされているのだから、話を聞いただけで診断はつく。慢性不安(全般性不安障害)+急性不安(パニック障害)だ。

薬を整理してやり、パキシル10mgを投与した。パキシルはパニック障害の適応を持っている。パニック障害の説明文をコピーしてわたした。

私の両親も80歳代で二人暮らしをしている。このような夫婦が多いことと思うが、家庭医は心療内科的知識がとても必要だと思う。
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by junk_2004jp | 2006-03-21 05:01 | うつ・不安・ストレス | Comments(6)