<   2006年 11月 ( 25 )   > この月の画像一覧


2006年 11月 30日

梨状筋の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)

50歳代、女性

1W前、人を抱え上げたのが原因だと思うが、次の日より、右の臀部~大腿部にかけて痛い。1年半前にも同じ症状あり。

現在、重いものを持って歩くことが困難。椅子に座ってお尻の部分が圧迫されて痛い。下肢全体がだるくなる。

b0052170_21293632.jpg

この部分の圧痛点は側臥位になって股関節を屈曲するとわかりやすい。
b0052170_21324977.jpg

梨状筋の筋筋膜性疼痛症候群と思われる。

トリガーポイントブロック(2カ所、局麻12ml)で、症状がとれてお帰りになる。
____

「トリガーポイントと筋筋膜療法マニュアル」より
b0052170_21372444.jpg


ストレッチのしかた(あまり急激にしないこと)
b0052170_2138201.jpg


急激な運動、あるいは物を拾い上げたり持ち上げたりしたときにかかる急激な負荷、長時間の車の運転、スポーツ外傷などで損傷する。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-30 21:40 | 症例 | Comments(3)
2006年 11月 29日

痛みそのものが病気

ビバ・オフ会

オーストラリアでは、慢性の痛みは、もともとの疾患から離れて、それだけで病気だと診断がつくのです。ペインマネジメントセンターで、適当な治療が受けられるんです。


これは、何も慢性痛に限って言われることではないのです。そうでないと、慢性と急性の境目は漠然としたものですから、「目が覚めたら慢性痛になっていたので、痛みそのものが病気ということで治療がはじまった。」というようなへんなことになりますね。

急性痛も痛みそのものが病気なのです。ただし、それに合併している可能性のあるものとして、痛み以外に別枠で治療すべき疾患をみのがしてはいけないということです。

それは、感染症、悪性腫瘍、修復すべき損傷(骨折、筋腱断裂、靱帯断裂)があります。

治療は痛みの治療とこれらの治療を平行して行うべきです。そうでないと、損傷は治癒したが、痛みが残ったということになります。

もともと修復すべきような損傷が伴っていない場合(ほとんどがそうなのですが)そのときは痛みそのものが治療の対象になります。だから、いつも痛みの治療を優先してすればよいのです。

慢性痛の概念と構造破綻説は相容れないものがあるのです。

また、感染症、悪性腫瘍、修復すべき損傷に伴わない痛みはすべて原因不明の痛みといってもいいわけです。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-29 17:21 | 慢性痛 | Comments(2)
2006年 11月 29日

ひらめ筋

興味あるサイトをみつけました。合気道関係のようですが、MPSについて書いています。

http://www.round-earth.com/HeadPainIntro.html

b0052170_7332025.gif


Soleus is one of the outstanding examples of long-distance pain referral from muscles. This muscle of the calf sends pain to the heel and calf. The pain is commonly known "jogger's heel" -- but there's more. Pain from this muscle also appears in the sacrum at the sacro-iliac joint and then reappears in the face and jaw where it may fire off symptoms of TMJ and toothache.

ひらめ筋は遠くはなれた所へ関連痛を呈することのあるいい例だ。ふからはぎのこの筋肉はふくらはぎと踵に痛みを起こす。この痛みは「jogger's heel」と言われている。この筋肉からの痛みはまだある。仙腸関節痛、顎関節痛、歯痛として関連痛を生じさせることがある。

真偽はわからないが、昨日おみえになった方はまさにそうでした。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-29 07:32 | 慢性痛 | Comments(5)
2006年 11月 27日

MPSとヘルニア

私は整体師なのですが、先生のMPSという理論を拝見して心強く思っております。しかし、一つ疑問があるのですが、ヘルニアで手術をして治った場合、どう説明するのでしょうか?ヘルニアが原因の下肢痛もあるということでしょうか?

神経が圧迫されたり、炎症がおきたりすると痛みが生じるという生理学的根拠はありません。痛みの生理学の第一人者Patrick Wallも著書でいっています。「ヘルニアの突出と痛みはそれぞれ独立していて、痛みの発現におけるヘルニアの突出の役割ははっきりしない。椎間板ヘルニア溶解術のプラシーボ対称試験のため、全身麻酔下に特に害のない液を注入したところ、その後の回復率が非常に高かった。」

整体師ならおわかりと思いますが、「ヘルニアといわれている人」も、臀部や下肢にtaut bandがふれますし、筋硬結があります。

http://saveyourself.ca/articles/low-back-pain.php
Modern civilization suffers from a great plague of low back pain. Most of that pain is caused by muscle. This includes many cases of back pain assumed to have a more serious structural cause, such as a herniated disk or spondylolisthesis.

腰痛の原因のほとんどは筋肉にある。これは、ヘルニアや腰椎すべり症といった構造的原因とみなされている多くのケースも当然含まれている。

五十肩の人の痛みとよく似ていると思いませんか。筋肉のさわった感じは同じではないですか。MPSは私が言っている理論ではないですよw。

手術をしてよくなる人もいれば、よくならない人もいます。再手術をする人もかなりいるそうです。どんな治療をしても5年後は差がないとも言われています。

痛みの本態はMPSだと確信しています。MPSの治療において最もダメなのは安静臥床です。慢性疼痛に対する認知行動療法という概念が言われるようになってだいぶたちますが、ヘルニアによる慢性疼痛は除外するとか、すべり症による慢性疼痛は除外するといった除外項目は付いていません。構造破綻が原因とする時代は過ぎようとしています。

MPSは不安や抑うつを合併することが多いものです。不安を取り除き、筋緊張を緩和してやれば治ります。その方法はなんでもいいのです。もちろん手術でもいいのです。

あと、すべり症による脊柱管狭窄症の場合、MPSの理論はあてはまらないような気がするのですが、いかがでしょうか?

なぜそう思うのですか?MPSなら、構造が何であれMPSです。MPSの診断に構造を診る必要はありません。

MPSの診断にはレントゲンやMRIは必要ないのです。MPSと診断したあとでレントゲンをとってすべり症があったとしてもMPSの診断が覆るものではありません。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_278.htm

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_119.htm

症状のないすべり症をみることはめずらしくありません。たまたま梨状筋の筋筋膜性疼痛症候群の患者さんのレントゲンを撮ったら、すべり症があると、すべり症と関連付けられ悲劇が始まるわけです。

MPSは画像がなくても触診と問診で診断できます。画像診断よりも上位にあります。MPSと診断したならMPSの治療をすればよいのです。

画像診断は悪性腫瘍や感染症や骨折の有無の診断には有用です。
b0052170_20424465.jpg

[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-27 20:33 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(2)
2006年 11月 26日

MPS、CMP

筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome)のサイトはたくさんありますが、椎間板ヘルニアは除外するとか、脊柱管狭窄症は除外するというように書いてあるところはないでしょう。

椎間板ヘルニアがどうして痛みを起こすのかご高説を伺いたいものだ。それこそ診断基準もないのだから独りよがりの理論ではないのか。

椎間板ヘルニアによる根性下肢痛は本質的には「筋痛」であり

迷惑するのは患者さんです。

整形外科の外来で診ている筋骨格系の痛みの患者さんは特異的な疾患を除いて、まず「MPS」と思ってよいと思います。

慢性化するとChronic Myofascial Pain

MPSの特徴として、安心して体を動かすことによってよくなるのです。だから、心霊手術、祈祷、・・・・なんで治っても驚くものではありません。

ヘルニアが見つからなくて手術を中断したケースでは、37~43%の改善率を示したそうです。

みのもんたさんが治ったからと言って特に驚くほどのことはありません。

整体で治る人もいるでしょうし、カイロやAKAで治る人もいるでしょう。神経根ブロックで治る人もいるでしょう。牽引で治る人もいるでしょう。Kitaさんのお母さんのように、私のところで治る人もいます。

しかし、痛みの本態を見極めて、より簡単により早く治すことができればと思います。慢性疼痛を作らないことが医者のつとめです。

私は心因性という表現は使っていません。痛みは脳の認知と反応なのですから、心理・社会的な要素を抜きにしては語れません。

MPSが慢性化すると、不安や抑うつが伴うことは医学の常識です。

痛みを論じるとき「損傷モデル」では行き詰まっているのです。

もう一度、整形外科で診ている筋骨格系の疼痛は特異的疾患(腫瘍、感染、骨折など)を除いてほとんどがMPSとその慢性化したCMPなのです。

MPSは他科の医師でも十分に治療が可能です。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-26 19:00 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(4)
2006年 11月 24日

MPSをもっと有名にしよう

医者がMPS(myofascial pain syndrome)を知らないから、診断を下せない。そのかわりにと言ってはなんだが、ちがった診断名、たとえば椎間板ヘルニアなど構造診断名を付けてしまう。

だから、うまく説明ができない、治療もなにかヘン。患者さんは心配して、動けなくなりますますMPSは進行してしまう。

掲示板にはそんな人がいっぱいきている。整形外科の外来はMPSだらけなのだ。MPSは整形外科でなくてもどこでも診断、治療できる。

MPSだとさえわかれば、安心して積極的に治療できるし、当然すぐによくなる。(慢性化するとやはり困難なことがある)

医者はMPSを知らないのか、その存在を認めないのか知らないが、とにかくその診断名には到達しない。

だから、心因性だのとわけの分からないことを言っている。説明するのも辟易する。MPSが慢性化すると、不安や抑うつは付きものだ。

HPに世界のMPSのWeb site を紹介するコーナーをつくったので、いいのがあったら紹介してほしい。三節さん、Cさんも、ケイしゃんもいいのがあったら翻訳してみてよ。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-24 20:17 | 痛みの生理学 | Comments(9)
2006年 11月 23日

知らないということは・・・

筋骨格系の痛みのほとんどは筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:MPS)なのです。

Googleで「myofascial pain syndrome」を検索すると418000件ヒットします。
http://www.google.co.jp/search?ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS&hl=ja&q=myofascial+pain+syndrome&btnG=Google+%8C%9F%8D%F5&sitesearch=

MPSの存在を知らないで診察すると他の診断名になり、その診断の概念を患者に説明し治療することになります。よくならないことが多いのです。

MPSにはれっきとした診断基準があります。一方、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症には診断基準はありません。ヘルニアのガイドラインは近年我が国で作られましたが、他の国にはないように聞いています。

MPSには不安や抑うつなどの気分障害が伴うことはよく知られていることです。これを心因性と誤解する人もいます。

「自分がこうしたら治った。大きな病院ではわからない」という平和な独りよがり理論ですね。」 ・・・MPSの診断基準にそって診断し、それに沿って治療すればよくなることが多いということです。独りよがりの理論を言っているのではなくて、世界的に認められた診断基準にそっているのです。病院の大きさではないですよ。医師がMPSを知っているかどうかということです。

Chronic MPS(慢性MPS)になると、抗うつ薬、抗不安薬、認知行動療法など難渋することがあります。

http://www.latrobe.edu.au/podiatry/myofasc/cover.html

Injection therapy can be performed 'dry', through acupuncture or 'wet' by infiltrating the area with either saline or a local anaesthetic. Needling is viewed as the definitive treatment for
MPS
, and is particularly indicated in the 20%-30% of cases that are unresponsive to standard
treatment (Cantu & Grodin, 1992). Saline or local anaesthetic injections help disrupt the fibrous banding within a TrP and are associated with significantly reduced post injection soreness when compared with acupuncture (Hong et al, 1997).

________________________

私はここで自慢話をしたいのではなくて、無駄な検査、無駄な治療をして苦しんでいる人が少なからずいるので「MPS」の概念を知っていただきたいのです。

このような治療はその気になれば、内科医でも精神科医でも今日からできます。もうしていらっしゃる人も多いでしょうか。1Wもすればベテランになるでしょう。こんなもの自慢話にもなりませんよ。(代替治療家や他科の医師で筋骨格系の治療に疑問をもっている人は結構いるものです)

ただし、診療費はべらぼうに安いですから、経営をしていく上には、いろいろ工夫しなければいけません。

________________________

http://members.aol.com/fibroworld/mps.htm

Like fibromyalgia, Myofascial Pain syndrome is an often misunderstood condition. Even today,
some doctors either don't believe that MPS exists or they don't understand its symptoms and
treatment.


Treatment of MPS can only begin after an accurate diagnosis is accomplished.
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-23 05:43 | Comments(4)
2006年 11月 22日

セロトニン欠乏脳

セロトニン欠乏脳ーキレる脳・鬱の脳をきたえ直す  (有田秀穂 著)

セロトニン神経は脳幹の縫線核にある
セロトニン神経は脳全体に影響を与える

b0052170_12532689.jpg


セロトニン神経を鍛える10か条

リズム運動、15~30分、意識の集中、やりすぎは禁物、3ヶ月は続ける、太陽の光、バナナ、大豆製品、チーズ

_________________

セロトニン欠乏脳では、鬱、パニック障害、痛みに敏感、キレる
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-22 13:02 | 痛みの生理学 | Comments(4)
2006年 11月 21日

長引く痛み、その原因と治療

小松市医師会学術講演
<抄録>
演題名:痛み治療の為のABCー長引く痛み、その原因と治療ー

京都府立医科大学麻酔科ペインクリニック
京都府立医科大学附属病院疾痛緩和医療部     細川豊史

我慢と忍耐を美徳と考える国民性と富国強兵を国是とした時代の流れの中でいつしか痛みも我慢すべき対象であるという認識が、多くの日本人に定着してきたという歴史的経緯が本邦はあった。

是非は別として、このために「痛みは我慢すべき」、「鎮痛薬は使用しない方が良い」という発想が最近まで患者や家族、医師にまで広く波及していた。

その背景には、「痛くても死なない」と発想があったことも事実である。しかし現実に痛みを抱える患者さんの精神的苦しみは大きく、時には自殺をも選択させる場合もある.死なないから痛みは我慢させるというのは、許されるものではない。

痛み治療のためには、(1)ストレスとしての痛み(2)痛みの悪循環と関連痛(3)ニューロパシックペイン。以上の3点を理解することが必要である。

つまり痛みはストレスとして生体に働き免疫系を抑制し、感染症やがんの進展、発癌にも関与する。また痛みは放置すると程度も範囲も広がる。単純な痛みでさえときにニューロパシックペインという難治性の痛みに発展する可能性もある。こういった痛みの特性の理解から、出来るだけ早期からの適切な鎮痛治療が大切なことが分かっていただけると考える。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-21 17:28 | 慢性痛 | Comments(4)
2006年 11月 20日

圧痛点(痛覚過敏点)への介入

急性痛(侵害受容性疼痛)が慢性化したもの=いわゆる神経損傷を伴っていない普通の慢性痛=には急性痛の特徴が残っていることが多いと思います。

圧痛点はまさにそうです。

急性痛はそこに介入すればすぐによくなるのですが、慢性痛の場合でも、解決の糸口になることが多いように思います。

トリガーポイントブロックは圧痛点に介入します。

簡単、副作用はほとんどない、怖くない、安価、可逆的、繰り返してできるなどの利点があります。

痛みの治療はいつの場合でも永遠に「試してみないと分からない」のですから。
[PR]

by junk_2004jp | 2006-11-20 15:18 | 慢性痛 | Comments(2)