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2007年 10月 31日

スクランブル注射療法

Aさん(40歳代、男性)は7年前、追突にあいました。そのときは症状がなかったので、その場で示談しました。その日の夜、頚にわずかに痛みを感じました。それが年余にわたる辛い後頭部痛の始まりでした。

治療には自賠責保険は使っていません。つまり加害者被害者関係はなく、すべて自前の治療費です。500万円以上は使ったかもしれないとおっしゃっています。整形外科、整体、歯列矯正、ブラッドパッチ(5回:低脊髄圧症候群)、鍼・・・・

今回、鍼灸師の野崎先生から紹介されて12日間入院しました。

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「神経質な性格ですか」「そうでもないと思います」私もそのようにお見受けしました。

このような症例は時々あります。なにか、ちょっとしたきっかけで土砂崩れが始まり、その勢いが強くて止めることができない。土砂崩れがようやく止まってから新たに整地する、そんな感じがします。問題は筋肉なんですね。筋肉の土砂崩れ、どういうメカニズムなのか不思議です。

図のような圧痛点をブロックすると、症状が「0」になりました。しかしそれは2時間しか続きませんでした。2時間は極楽なのです。

退院の前日に、9時、11時、2時、4時にブロックしました。つまり痛くない状態を続けてみようということです。これをスクランブル注射療法と名付けました。どんな方法でもいいから、よくなる糸口がほしいのです。

次の日、つまり前日の午後4時から朝9時、17時間後ですが痛みは少し和らいでいました。そこで予定の退院の日がきてしまいました。次回にまたと思っています。

薬はトレドミンをだしましたが、あとでガバペンを追加しました。

詐病ではない、気のせいでもない、精神疾患でもない、被害者意識でもない、このような病態があるのでしょう。

治療法にエビデンスがあるとかないとかいってはおれない。
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by junk_2004jp | 2007-10-31 18:43 | 交通事故診療 | Comments(5)
2007年 10月 30日

・・・・・・・・・・

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本日の症例

60歳代、女性、5日前より、頚部~右上肢にかけて痛みがある。夜間痛も強く、睡眠もとれない。原因と思われることなし。
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図のような圧痛点がある。圧痛点をブロック(27G注射針、0.5%メピバカイン)してスーパーライザーをあてる。数分間の治療で、症状はとれた。

筋筋膜性疼痛症候群しか考えられない。今までの経験から、何らかのストレスがからんでいるように思う。たぶんこのような治療を1~数回で治癒すると思われる。

ヘルニア、後縦靱帯骨化、椎間板の変性・・・これらがあろうが無かろうが症状には「そんなこと関係ない!
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by junk_2004jp | 2007-10-30 15:00 | 痛みの生理学 | Comments(9)
2007年 10月 29日

膝痛

膝痛2例

お二人さんとも2回目の来院時には、とてもよくなったとおっしゃっていました。ほとんどの膝痛といわれている痛みは膝周囲の筋筋膜性疼痛です。

たまに滑膜炎が起きますが、これは内側広筋などの筋筋膜性疼痛の二次的なものでないかなと思っています。

とにかく、膝周囲の痛い筋肉をよくマッサージして動かすことです。次のようなメールをいただきました。
こんにちは、以前半年ほど前に掲示板でもお世話になりました@と申します。ヒザ痛に関して相談をし、ヒザの中の構造が問題だと考えていたのを筋肉が問題なんだと教えてくれました。おかげさまでヒザは半年前とは比べ物にならないほど良くなっています。ありがとうございました。


レントゲンやMRIで写っているもの、関節鏡で見えるものが痛みの原因ではないのです。
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by junk_2004jp | 2007-10-29 22:23 | 慢性痛 | Comments(1)
2007年 10月 28日

紅葉

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BGM
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by junk_2004jp | 2007-10-28 13:19 | Comments(3)
2007年 10月 28日

皆さん、これを読んで心が辛くなりませんか。

6月末にMRIでヘルニアと診断されて7月中旬に今までにない腰から足に激痛で即入院 。去年、腰の痛みで整形に行きレントゲンでは異常なく、坐骨神経炎痛と診断された。 今年5月に左足に麻痺らしい感覚が出てきたから他の整形に受診。 レントゲンで異常がなく牽引・腰痛体操で様子をみるように言われる 。

腰痛体操した次の日にいつもと違う痛みがあり、寝て過ごす 。整形にて再度牽引 。痛みが日に日に強くなり座れない状態になる 。で、MRIにてヘルニア判明!

入院した時は腰の方が痛かったけど、今は坐骨神経痛で寝たきりです 。痛い・麻痺していた足も、左→右→左と変わっていくほどヒドくなる 。

入院していた時にステロイド点滴をして安静にしていたら、腰の痛みが引いたから、今はステロイド剤を飲んでいるけど三週間経つが痛みは引いてくれない 。座薬だけで過ごしている 。

身内にヘルニアがいるけど、普通に市販のコルセットで生活できているので、そんなに心配していなかったのに、私の状態は「なんで?」って思う位違う 。

こんなにヒドくなるなら、7月に入院した時に手術すれば良かったと後悔… 動けるうちに精密検査受けていればよかった。

手術予定の入院を控えているが、検査とか痛い上に痛いことしなきゃとか痛い体勢とらなきゃと思うだけで憂鬱 。


痛みがなぜ左→右→左と変わったのか医師に質問しないのか。
身内にヘルニアの人がいるけど普通に生活できているのはなぜか医師に質問しないのか。
前医は徹底的に検査をすべきだったのか?

赤星くんは頚のヘルニアで盗塁してるんだぞ!

この方の運命はいかに?医師よしっかりせい!思考する脳みそがあるんか!
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by junk_2004jp | 2007-10-28 07:54 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(5)
2007年 10月 27日

慢性腰痛(腰のCMP=chronic myofascial pain)

Aさん(30歳代、男性)は2年前より、腰痛に悩まされています。2日間、治療にいらっしゃいました。前屈、後屈時に特に痛みます。

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左右の腰腸肋筋に筋硬結が触れます。とくに左側は硬くて大きい。梅干しの種ぐらいかな。
そこが圧痛点になっています。これは腰痛で最も多い部位でしょう。

ワンポイントに4mlの0.5%メピバカイン(カルボカイン)を注射しました。注射のあとはよく揉むことです。そして軽く前屈のストレッチをやりました。

症状はすぐに改善しましたが、次の日にはまた同じような症状でした。

このような注射とマッサージ、ストレッチを繰り返すのがよい治療法でしょう。

ときには、抗うつ薬や抗てんかん薬を使用することもあります。Aさんの希望でトレドミンを処方しました。

加茂先生。先日は大変お世話になりました。そしてありがとうございました。

2年前から患った慢性的な痛み。再発を繰り返す急性の痛み。TMS理論を学んで、心と体の関係を勉強してもやはり一度加茂先生の診断を受けてみたかったので非常に満足してます。

TPBの後の体、全く痛みの無い状態を今でも覚えてます。今朝からトレドミンを飲みはじめました。軽い吐き気と小便が少し出にくいなどの副作用がありますが続けようと思います。副作用が出るなんて聞くと本当に出てしまうあたり、私は本当に体のことが気になります。

やはり、コリはありますが「先生の必ず治る」という言葉を聞き安心しました。整骨院、テニスボール、抗うつ剤、ストレッチをしていこうと思ってます。

あと、一つお願いがあるのですが、私の診察、治療をブログにアップしていただけないでしょうか?それを主治医に見せたいと思います。ごくありふれた症状だと思いますが何卒お願いします。

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by junk_2004jp | 2007-10-27 16:14 | 慢性痛 | Comments(1)
2007年 10月 26日

骨さえ大丈夫なら・・・

打撲や捻挫などの外傷で来院した患者さんがしばしば言われること・・・

「骨さえ大丈夫なら、いいんです。」

骨折に対する恐怖、筋肉などを軽視、そんなものはほおっておいても治るという思いこみ。今まで言われ続けてきたのだろう。医師もそう言ってきたのだろう。

「よかったですね。骨折はありませんよ。」

日本ストライカー(株)(東京都)は,全国の40歳以上の男女を対象として骨と関節に関するアンケートを実施した。それによると,8 割以上が足腰に痛みを抱え,階段の昇り降りやものを持ち上げるといった日常の動作に不都合を感じていた。また,全体の14%が最近 1 年以内に転倒を経験するなど,社会の高齢化が進む状況下,今後に懸念を残すデータが導かれた。


このようなアンケートも「骨と関節に関する」もので、だれも筋肉の状態のアンケートとは思っていない。ここが問題!

筋肉が不調だと階段の昇降やものを持ち上げるといった日常の動作に不都合を感じるものだ。

転びやすくもなる。転ぶとまた新たな筋痛の芽が生じる。次第にQOL(クオリティー オブ ライフ)が悪化する。

骨折の有無も勿論重要だが、外傷によって生じたであろう筋肉の微小損傷が思わぬことに発展してしまうことがあるものだ。

慢性疼痛で悩んでいる方も、ちょっとしたことがきっかけになっていることが多い。その時に時間を戻して、治療をやってみればまた違った展開になっているのかもしれない。

「骨さえ大丈夫ならそれでいいんです。」という方に治療の押し売りはできない。
「様子を見て、痛みが取れなければまた診せにきてください。」
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by junk_2004jp | 2007-10-26 10:56 | 痛みの生理学 | Comments(11)
2007年 10月 25日

線維筋痛症

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by junk_2004jp | 2007-10-25 20:46 | 慢性痛 | Comments(7)
2007年 10月 25日

整形外科医の反省

整形外科医は、筋肉についてほとんど興味がなく知識が乏しかった。臨床において重要な要素である筋肉を無視し続けてきた。

また基礎医学で習うはずである痛みの生理学について、ほとんど忘れてしまっていても不思議ではない。めざましい発展を遂げた痛みの生理学を理解する基礎ができていなくても不思議ではない。そんなもんなんだよ、現実は。

私もそうなのだ。多くの痛みの症例を取り扱う科であるにもかかわらず・・。そのために、痛みの患者さんにうまく対処できない。誤診、間違った説明・・・・。医師の教育に問題があるのかもしれない。

私もそうなので反省を込めてかいている。多くの痛みに悩む人はとても困っている。

「線維筋痛症」が有名になればそこから、筋肉への関心、痛みへの関心が広がるかもしれない。

医師、柔道整復師、鍼灸師、カイロ、整体師が一丸となって研究していったらよいと思う。筋痛症の人はたくさんいるものだ。
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by junk_2004jp | 2007-10-25 18:18 | 痛みの生理学 | Comments(9)
2007年 10月 24日

筋痛症はとてもいろいろ

圧痛点について

シャルルさんの筋痛症もヘルニアによる神経根障害と言われて手術をした。私は当時の状態を知らないが、現在の状態は広範にわたる筋痛症だ。

昨日紹介したAさんもヘルニアによる神経根性疼痛といわれた。しかし、シャルルさんの状態とは明らかに異なる。

筋筋膜性疼痛症候群が発展して線維筋痛症になるのだろうか?

慢性の筋筋膜性疼痛(Chronic myofascial pain=CMP)と線維筋痛症の関係はどうなんだろうか?

治療においては特に違いはないように思うが・・・しかし全身の筋肉に痛みがある場合、やはり薬剤が重要なポイントとなるであろう。

日本にはこのようなことについて書かれたよい本がない。

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このような洋書にたよらざるを得ないが読むのに時間がかかる。

Fibromyalgia is not the same as chronic myofascial pain. It is fundamentally different in an important way.There is no such thing as a fibromyalgia trigger point. Mention of "FMS trigger points" by your doctor or physical therapist should be a warning that there is a serious lack of understanding. Trigger points (TrPs) are part of myofascial pain, not FMS, and your care provider must understand this.

線維筋痛症(FMS)は、慢性筋筋膜痛(CMP)と同じでありません。それは、重要な点で基本的に異なります。「線維筋痛症トリガーポイント」なんてものはありません。

あなたの医者または理学療法士による「FMSトリガーポイント」への言及は、理解の深刻な不足があるという警告でなければなりません。

トリガーポイント(TrPs)は筋筋膜性疼痛(FMSでない)の一部です。そして、あなたの治療者はこれを理解しなければなりません。


明日は薬物について書いてみます。
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by junk_2004jp | 2007-10-24 19:49 | 慢性痛 | Comments(13)