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2008年 10月 31日

半月板損傷の手術をしたがよくならない

b0052170_18381536.jpg患者さんからブログに全部書いてもよいとの許可あり。

Aさん(40歳代、女性)は昨年末に30cmほどの段差で左下肢をひねって膝周辺に激痛が走りました。歩行困難となり整形外科を受診しました。

MRIの結果、半月板断裂との診断で今年1月に関節鏡での手術をしました。しかし、術後も痛みは続き9月にはお尻から下肢全体に痛みが広がりまいた。仙骨ブロックを受けましたが効果はありませんでした。

プレドニン(ステロイド)を飲んで少しよくなったこともありましたが中止しました。軟骨の移植の手術もと言われています。

MRIは合計3回とりました。

大腿部の太さは2cm細くなっていて見た目でもわかります。正坐はできません。軽い跛行あり。

私のブログの清原選手の話を見て遠方から2日間の予定で診察にいらっしゃいました。

外側広筋、内側広筋、ヒラメ筋などの筋筋膜性疼痛症候群でした。2日間のトリガーポイントブロックで著明に改善しました。よろこんでお帰りになりました。ついでに肩こりの治療もして2日間で代金はラーメン、餃子、ビールぐらいです(笑)。

今後の治療はとにかく筋肉をほぐすことと痩せた筋肉を回復させることです。

後からいうのもなんですが・・・

たとえば当院のおなじみ患者さんのケイしゃんだったとしたら・・・・・話はとても簡単です。

このような場合はたぶんレントゲンも撮らないし、来たらすぐに局麻を圧痛点にばんばん打って数日で治癒しただろうなと思います。筋痛症としか考えられない。最初は痛みの範囲は外側部だけだったそうですから外側広筋の痙攣痛だったのでしょう。
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by junk_2004jp | 2008-10-31 19:08 | 慢性痛 | Comments(8)
2008年 10月 30日

膝関節症に対する関節鏡下手術の有効性は不明である。

背景 : 膝関節症に対する関節鏡下手術の有効性は不明である。


方法 : 中~重程度の膝関節症患者に対する関節鏡下手術で、ひとつの施設において無作為比較対照実験を行った。患者は外科的洗浄と関節鏡による創面切除(débridement)に加え、最適化された理学・内科療法を受ける者と、理学・内科療法のみを受ける者とに無作為に振り分けた。第一の結果はフォロー2年後のWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index (WOMAC)スコアの合計に基づいた(0~2400、スコアが高いほど重症である)。第二の結果はthe Short Form-36 (SF-36) Physical Component Summary score(0~100、スコアが高いほどQOLが高い)などに基づいた。

結果 : 外科手術を受ける92名中、6名が手術を受けなかった。比較対照のための治療を受けた86名のすべてが理学・内科療法のみを受けた。2年後、手術を受けたグループの WOMAC スコア平均(+/-SD)は 874+/-624 点であったのに対し,比較対照グループでは 897+/-583 点であった(絶対差[手術を受けたグループから比較対照グループのスコアを引いた数]、 -23+/-605; 信頼係数95% の信頼区間[CI], -208 to 161; ベースラインスコアと重症度の調整後のP=0.22 )。 SF-36 Physical Component Summaryのスコアは手術グループで37.0+/-11.4、比較対照グループでは 37.2+/-10.6であった (絶対差, -0.2+/-11.1; 信頼係数95%の信頼区間[ CI], -3.6 to 3.2; P=0.93)。中間時の WOMACスコア解析や、他の副次的な結果からも手術の優位性は示されなかった。

結論 : 膝関節症に対する関節鏡視下手術は、最適化された理学・薬物療法に加えて行っても、さらなる利益はない。
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by junk_2004jp | 2008-10-30 23:28 | 慢性痛 | Comments(0)
2008年 10月 29日

半月板損傷

Incidental meniscal findings on knee MRI in middle-aged and elderly persons.

中年および初老の人の膝部MRIにおける偶発的半月板の所見

背景 : ひざに原因不明の症状をもつ患者に対し、ひざ部へのMRIがしばしば行われる。半月板に損傷が見つかった場合、一般的にひざの症状はその損傷に起因すると考えられている。しかしながら、一般集団における半月板損傷に関するデータは不足している。また、半月板損傷とひざの症状とを関連づけるデータ、および、半月板損傷と膝関節症のX線所見とを関連付けるデータもそれぞれ不足している。

方法 : マサチューセッツ州フラミンガムの住民(国勢調査標準地域データからランダムに電話をかけて選出)を調査した。被験者は歩行可能な50~90歳で、膝や他の関節に問題があるかは不問とした。991人の被験者(内57%が女性)を1.5-テスラのMRIで撮影し、右膝半月板の完全性について評価を行った。右膝の症状はアンケートによって評価した。

結果 : MRIで検知した右膝の半月板損傷(meniscal dears or meniscal destraction)は50~59歳女性で19%(信頼係数95%、区間推定 15~24)、70~90歳男性で56%(信頼係数95%、区間推定 46~66)と幅があった。過去にひざに手術を受けた被験者を除外した場合、その割合が特に低くなることはなかった。X線所見で膝関節症があった被験者について(Kellgren-Lawrenceグレードの2以上。0-4の範囲で、値が大きいほど明確に膝関節症を示唆。)、半月板の損傷は、膝に日々痛み、うずき、こわばりを持つ人々の63%、これらの症状がない人々の60%に見られた。X線所見で膝関節症が見つからなかった被験者では、同様に症状がある場合32%、ない場合23%に半月板の損傷がみられた。膝部半月板に損傷を持つ被験者の61%は前月に痛み、うずき、こわばりを感じなかった。

結論 : 膝部MRI時、偶発的に半月板所見が見つかる事は、一般集団でよく見受けられ、それは高齢になるほど増加する。

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by junk_2004jp | 2008-10-29 21:53 | 慢性痛 | Comments(2)
2008年 10月 27日

ケネディー大統領とジャネット・トラベル医師

ジャネット・トラベル医師は筋筋膜性疼痛症候群を提唱した医師です。

面白いサイトを見つけましたので、ご紹介します。

いまだに間違いを繰り返しているのはなぜなんでしょうか。冷静に考えてごらんんなさい。ヘルニアが痛みを作るはずがないですよ。

固定術なんて論外です。

http://www.maedafamily.com/denki/10.htm

アメリカに戻った時ケネディはギスギスにやせ細り、挫骨神経痛に悩まされていた。チェルシー海軍病院で腰部椎間板の手術を受け、神経組織に対する圧迫を取り除いた。

しかし、背骨はその後も彼を苦しめ続けた、手術は成功してはいなかったのである。

「兄の生涯のすくなくとも半分は、猛烈な肉体的苦痛の日々であった」とロバート・ケネディは書いている。

・・・・・・・・

1954年になると、苦痛は絶え間なくなり、もう一度手術を受ける決心をした。今度は脊柱に鋼鉄の板を差し込んで行う腰椎の接合である。

外科医たちには、この手術が有効であるかどうかの確信もなく、おまけに危険を伴うと警告したが、不断の苦しみに消耗しきっていたケネディは「私はかまはない。こんな風ではどうしようもないから」と言って手術を希望した。

彼はあらゆる可能性にしがみつきたかったのである。手術後のその年の秋は、まるで拷問であった。鋼鉄の板を入れた場所がブドウ状菌の進入によって化膿してしまったのである。病状はさらに悪化した。
・・・・・・・・
1955年の春、ケネディはジャネット・トラヴェルと言う人物のことを耳にした。この女性はニューヨークの内科医で、特定の苦痛を伴った筋肉の状態をノポカイン局所麻酔薬で治療していた。

この女医を訪ねたケネディは、医者に対しては極めて懐疑的になっていながらも、今まで以上になんでもやってみようと言った気分になっていた。

化膿した部分はまだ完治してはいなかったし、今度は貧血症までも加わり苦痛は絶え間なく続いていたのである。トラヴェル医師は、この痛みの原因は脊椎もしくは椎間板にあるのではなく、以前からの背中の筋肉の衰弱が引き起こす一種の慢性痙攣にあると診断した。

すぐに、彼女の与えるノボカインは背骨筋肉の痙攣をやわらげ、痛みは急速に引いた。しかし日常の機械的な筋肉の緊張が痙攣の要因であるため、ノボカインの効果もただ一時的なものかも知れなかった。

その後、トラヴェル医師はケネディの左足が右足よりも4分の3インチ(約2センチ)も短いことを発見した。これは明らかに背骨の治療個所の弱さを悪化させる原因であり、驚いたことに、それまでの医者はこのことにまったく気がつかなかったのである。

長年の間、ケネディは歩くたびに背中にシーソーのような上下動与え、背骨筋肉に緊張を与え続けていたのである。

早速ケネディは左足の踵を低くした靴を作らせた。また小さな”添え木”を身につけるようになった。さらに、トラヴェル医師の事務所にあった揺り椅子が、痛みを和らげることに気がついたケネディは、まったく同じ揺り椅子をつくらせたのである。ケネディのトレードマークの誕生である。

色々な栄養補給が貧血を治した。トラヴェル博士の治療と心のこもった助言が、彼の人生を変えたのである。その後、トラヴェル博士に対する信頼は変わらず、大統領就任後は、彼女をホワイトハウスに招き入れ、私的な主治医として生涯ケネディの側に付き添わせたのである。

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by junk_2004jp | 2008-10-27 19:57 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(4)
2008年 10月 23日

急性痛と慢性痛

急性痛は治りやすいが慢性痛は比較的治りにくいことが多い。急性痛は消炎鎮痛剤、局所麻酔剤がとても効く。一方、慢性痛はそれだけはどうも太刀打ちできないことが多い。

医師は保険診療で慢性痛に対しては手足を縛られているようなものなのだ。保険診療は急激な医学の概念の変化に対応できていない。

抗うつ薬や抗てんかん薬は慢性痛の治療薬としては認められていない。海外ではとっくの昔からこれらの薬剤は慢性痛に使われていたらしい。

マッサージはとても低い点数に抑えられている。マッサージは医学ではなく慰安だとでも思っているのだろう。

鍼灸の保険適応もややこしい。

リハビリは150日を超えて同一の病名ではできない。

脊椎のあやしげな手術、MRIなどの意味のない検査にどれだけのお金がつぎ込まれていることやら。これによって慢性痛の患者は減るどころか、難民化しているのが現状ではないだろうか。

慢性痛の患者が救われるように厚労省は配慮して保険点数を見直すべきではないか。

しかし、痛みの臨床医が育っていない現状では厚労省も手の打ちようがないのだろう。

腰下肢の痛みを脊椎の病気だと勘違いして脊椎脊髄専門医に厚生労働省医療技術評価総合研究事業を依頼するのはお門違いなんだ。

みんなで勘違いしてるんだから困ったもんだ。

急性痛、慢性痛は単に時間の問題ではない。

急性痛は卵痛(たまご痛)で慢性痛は孵化痛(ふか痛)とでもいおうか。孵化するのに3ヵ月とか6ヵ月とかいわれているが、それはおおよその目安であって、条件が整えば2週間ぐらいで孵化してしまう、つまり慢性痛になってしまうこともあるらしい。

時には、1年たっていても卵のままでいることもある。

だから急性痛、慢性痛という表現は単に時間的な要素だけが強調されていてちょっと誤解される面もある。なにかいい表現がないものか。仮に卵痛、孵化痛とでもしておこう。

医師は治療してみなければ患者の痛みが卵痛なのか孵化痛なのかはわからない。痛みはいつの場合でも治療的診断が決め手となるものだ。
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by junk_2004jp | 2008-10-23 02:50 | 痛みの生理学 | Comments(12)
2008年 10月 23日

神経根ブロック、硬膜外ブロックよりもトリガーポイントブロックのほうが効く

こんばんは、20,21と注射をしていただいたXのAと申します。

右下肢の痛みはまだあるものの、薬を飲まないでなんとか日常生活は出来ています。

薬を飲まなくては、動けなかったことを考えると夢のようです。このまま痛みも無くなってくれるといいなぁ~と考えています。(あまいかな??)それとも慢性になっていて時間がかかるかな?

ストレッチ、テニスボールのマッサージを頑張ってみます。またトリガーポイントに鍼をしてくれる治療院に行って鍼をしてこようと思っています。

どなたも思うことでしょうが、先生の病院がもっと近かったら・・・・・と思っています。


Aさんは腰椎椎間板ヘルニアという診断を受けていて、ペインクリニックに通院していますが良くならないので受診されました。

ペインクリニックでトリガーポイントブロックを頼んでも「効きません」ということでやってもらえませんでした。

神経根ブロック、硬膜外ブロックを何度か受けましたが効果はありませんでした。これは繰り返してやれば効果がでるとのことでした。

痛みの治療は論より証拠です。私の行ったトリガーポイントブロックの方が効果があったとのことでした。

トリガーポイントブロックのほうが理にかなっているのです。

神経根ブロックや硬膜外ブロックは痛みの通過する途中の地点でブロックすることです。これでも効くことはもちろんありますが、効率が悪い。

トリガーポイントブロックに比べて多少なりとも苦痛を伴い、危険もないではない。保険点数は硬膜外ブロックはトリガーポイントブロックの10倍。神経根ブロックはいくらか知りません。透視をしながらするのですから、被曝の欠点もあります。

医師は神経の根っこ(神経根)部で痛みが生じていると勘違いしているのかもしれません。だから神経根にこだわるのです。MRIで神経根のあたりを検査するのです。

神経線維の途中(根部)で痛みが生じることはありません。

筋肉から痛みが起きているのです。筋肉の痙攣なんです。だから筋肉に対してブロックをしてやればいいのです。ヘルニアなんてあってもなくてもどっちでもいいんです。

筋肉の痙攣が止まれば治るのです。手術でよくなることがあるのは、麻酔で痙攣が止まったのでしょう。
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by junk_2004jp | 2008-10-23 02:02 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2008年 10月 23日

癒着なんかじゃありません

先生のホームページ何回も読んでいます。もっと早く気づいていればと後悔しています。私はX年前にお医者さんが薦めてもいないのに、痛みから逃げるため安易にヘルニアの手術をしてしまいました。

その後も腰痛に苦しみながらも整体等で何とかごましながら過ごしました。しかし1月前に肉体的に無理をしたのが原因で腰痛だけでなく右足の痺れもでました。

MRIでは再発はないが手術後の神経の癒着の可能性を言われました。

私は先生のホームページを読んでいますので、トリガーポイント注射、精神安定剤、マッサージをして、なおかつ腰痛は脳の記憶違いの著者の方のように気持ちも前向きになるよう努力しています。

ただ筋膜痛と思っていますが、私のように1度手術した人間はもし癒着であるならば今の私の治療法でいいのかそれが一抹の不安になりまたストレスになっています。


神経が癒着していることが原因で痛いなんていうのは専門医でないことを祈る。なんという馬鹿げたことだろうか。癒着が原因なら一生痛いとでもいうのだろうか。

このように医師の痛みに対する知識はとてもお粗末なことが多いのだ。それが無駄な検査や治療を生み、患者をよくするどころか苦しめる。

痛みに関しては医師の再教育が必要だと思う。
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by junk_2004jp | 2008-10-23 01:32 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)
2008年 10月 22日

筋肉に対する勉強はゼロ

ほとんどの医師は筋肉に対して勉強していないといってもいい。

整形外科専門医の資格維持のための研修会はもう数えきれないほど受けたが、筋肉に関するものはなかったように思う。また、整形外科学会の演題も筋肉に関するものは見当たらない。

策状硬結、筋硬結などという言葉は普通の整形外科医やペインクリニック医は知らないと思う。筋肉の痛みなんて放っておいても治る、シップぐらいで治ると思っているのかもしれない。

なぜ現代医学から筋肉が抜け落ちてしまったのだろうか。これはとても不思議なことだ。
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by junk_2004jp | 2008-10-22 21:32 | 慢性痛 | Comments(1)
2008年 10月 20日

重量挙げ選手と椎間板ヘルニア

がけっぷちで見せた成長 山田政晴(重量挙げ)
腰のヘルニアに苦しんできた。五輪選考会の一つだった4月の全日本選手権では大会直前に痛みが出て棄権。だが、3週間後にあった最終選考会のアジア選手権には何とか間に合わせて5位に入り、切符をつかんだ。がけっぷちで、精神面の成長ぶりを見せた。


パワーリフティング・三土手大介選手
肩、肘、腰の痛みは日常茶飯事だった。椎間板ヘルニアには特に苦しめられた。MRI検査の結果、5個ある腰椎の椎間板が1個を残して全て潰れていた。


全国の椎間板ヘルニアと診断された方、どうぞ安心してください。ヘルニアがあっても重量挙げのオリンピック選手になれます。

ヘルニアによる痛みといわれている痛みは「筋痛症」なんです。ヘルニアが原因ではありません。

ふつう、お医者さんは「ヘルニアがあります。安静にしてください。重いものは持たないほうがいいですよ。」と指導するものですね。

ところが重量挙げのトップ・アスリートの人にもヘルニアがあります。認識を変えてください。
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by junk_2004jp | 2008-10-20 20:48 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2008年 10月 19日

教育研修会

整形外科専門医を維持するには5年間で50単位が必要です。1単位1時間の講義です。受講料は1000円です。

「皆さんはもうご存知なので今更ご紹介することもないのですが、恒例でございますので・・・」とかいう決まり文句で講師の先生のご紹介があります。

私は知らないのだが、みんなが知ってるほど有名なんだろなと思って聞いております。

零細企業のおやじさん(開業医)や修行中の大学のぼっちゃん先生、公立病院のおつかれ先生、はりきり先生などが入り混じって講義を聴くわけです。

ヘルニアや脊柱管狭窄症の講義では聞かなくても内容は分かってるんです。「あら、あんなこといってる。」と思っても場の空気を読んで質問しないでだまっているわけです^^。

そして思い込みが伝染していくのですね。

教育研修会で筋肉に関する講義は私の知る限りでは一度もありません。
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by junk_2004jp | 2008-10-19 00:26 | Comments(3)